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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (23/5)

 如何もdarkvernuです。
 じゃあ早速やりましょうか。

 宗光は序盤こそ流れを引き寄せるも徐々に追い詰められる。自由なるフリーズの持つ氷の力は光の透過を利用して宗光の光を反射し、逆に追い詰めて見せる。正に能力を理解した者だけが到達する戦法。力とは即ち、己の身体の一部と化すかそうでないかで大きく異なる。故に能力の理解度は年季の差でフリーズが上回る。
 柱に激突し、全身血だらけの宗光。それを見下ろすフリーズ。二人は急に会話を始める。
「何故お前が私に追い詰められるか理解出来るか?」
「心の差?」
「違うな。心も大事だが、戦いに於いて重要なのは力。圧倒的な力は心の弱さを誤魔化し、技の未熟さを誤魔化し、経験の差を埋める大きな要素。君には力が足りない。そして結果は御覧の通り」
「違う。力の差がこの差を生むのではない」
「口答えは終わりだ。永久凍土の中で果てるが良い!」
 フリーズの氷は炸裂し、宗光は氷の中に閉じ込められる。そんな宗光に向かってフリーズは独り言を呟く。
「そうそう、君の妹の……睦海だったな。彼女は最後まで好きな人を信じて無抵抗を貫いたね。お蔭であの最後が実現した」
 だが、この独り言こそがフリーズにとって最大の隙を作り上げる。それはフリーズが左手を胸に当てた時に初めて気付かされる。
「おかしいな? 私の鳩尾に空気が流れるぞ。いや鳩尾だけじゃない……まさか--」
 凍って動けない筈の宗光は光を一点に集中させて自然解凍を果たしていた。地球圏内では光は熱に変わり、大地を温める。肝心な常識を忘れたフリーズは全身光の蜂の巣に晒された。
「ハハハハ、結果は鼻の差……それ、でも、破壊、は、もう、直ぐ……」
「それはもう直、終わる」
 フリーズは仰向けに倒れて二度と動く事はない。勝利者として逆にフリーズを見下ろす宗光。幾ら自然解凍したとはいえ、瀕死に追い込まれる。最後の一人がここまでの相手だとわかり、改めて宴との圧倒される差を思い知らされる。それでも宗光はフリーズの屍を跨いで仲間の所へと歩を進める。復讐心で満たされる中で唯一の安らぎとは仲間が居るか居ないかで決まる。今の宗光は安らぎが勝っていた……だが、それが命取りに成るとは皮肉としか言いようがない。
「やあ、五稜郭ではすれ違ったね」
 宗光は悪寒を感じ取る。振り向けばそこには……破壊が居た!
「な、破壊の、宴、お前、みたいな、小僧、が!」
「そうだよ。其れでどう? 破壊されてゆく気分は?」
「……ウオオオオオ!」
 宗光は自らの存在に懸けて全力を尽くしていった……


 それじゃあ続きと行こう。

 カズマと私望は感じ取る--宗光の存在が消えてゆくのを!
「感じたか、カズマ君?」
「ああ……悲しむ時間は残されていない。奴が来た。さっさとあれを起動しに行きましょう!」
「ああ!」
 宗光の存在が破壊されるのを感じながらも悲しむ余裕のない二人。走り出す……少しでも人類の希望を叶える為に。
 それから一分二十五秒後……それは会議室に使われた寝室の隠し扉の先にあった。しかもそれは一見すると『タイムゲート』その物のように映る。けれどもカズマは気付く。まるで二人が来るのを見計らうようにアルターエゴが起動するのを。
『--やあ待ってましたな。わしが科学者のガリアス・ゲドルじゃ』
 しかも吊るし上げた五人居る生きた人間の中から真ん中の軍服男の内臓を喰い漁りながらの録音。余りにも悍ましい東条の仕方に普段慣れている筈のカズマが吐き気を催す。
「こ、こ、この爺さんは、人間、じゃない!」
「ああ、どっちの意味でも取れる。ゲドル博士は当時の軍事大国を全て掻き集めても釣り合わない戦闘力を有する。それと……カズマ君の思う通り、人の命を何とも思わない最低最悪の天才犯罪者である事も正しい!」
『--ムシャムシャ……フムフム、最近の軍人は肉ばっかり食べて内臓の味が不味いのう。お、そうじゃったな。この兵器は<パラレルワール>といってのう。何れこの宇宙に来る<破壊の宴>を完全に消滅させる為に作ったんじゃ。何故って……わしは気に入らんからじゃ。あの細目の小童がな』
「この爺さんは何者だよ。何の話をしてるのか全然わからない」
「黙って聞くのだ。博士の気分屋の部分がこの兵器を作り上げたと言える。まあ最後まで話を聞けば何か……感じる」
 私望は急速な速さで宴が近付くのを感じ取る。最後の一人として黙ってカズマの前から姿を消した。其れに早く気付くカズマは敢えて振り向かずに心の中で--生きて帰ったら、良い酒呑もう--と勝手な約束事をする。それは即ち、私望が死ぬ可能性が高いのを踏まえてか、あるいは自らも間に合わずに破壊される事を想定してか……何れにせよ、そう考えた経緯は永遠にわからない。
 カズマはゲドルのビデオメッセージに集中するしか道はない。そこに人類のあらゆる可能性を懸けた『パラレルワール』の真実が見える。
『--そうそう、既に睦海君には最愛のカズマ君が訪れる運命については聞かした後じゃ。彼は今から22472年後に目覚め、人類の退行を思い知らされる。それからある野球スタジアムにて夢叶昨夜君と出会い、彼女の力を借りて目的探しの旅へと赴く。一方の昨夜君は睦海から奪われた力を解放出来る自らのサーであるヴァイオレンスブラッドの右腕が保管された場所を特定する為に時空王グランドマスターこと田淵仙一と野球の約束を交わし、わしの指定した時間通りにあのスタジアムでバッティング練習しておったんじゃな。まさか互いに出会う人間が誰かもわからずに、のう。そして二人は協力し、ンゲルルムッドにある議事堂地下に眠るタイムゲートを見付け、そこでオットー・ハイドリットこと灰原乙史君が目覚める一万戦百十二年前の時代に飛ぶ訳じゃあ。まあここまでに少し誤差は発生するじゃろうがある程度はわしの想定通りに事は運んでおるじゃろう』
 カズマは次々と衝撃を受ける。昨夜との出会いもあのタイムゲートを見付ける事が出来たのも全てはゲドルが記したシナリオ通り。余りのシナリオ通りにカズマの中では怒りよりも呆れが支配的と成る。故に話を聞く事を続行。
『--あ、そうそう。睦海君が乙史君の時代に発動させるロストブレインシンドロームは宴の力を弱める効果があるのじゃ。何せ人類のレベルに合わせて宴は強化され、破壊が止まらなく成るのじゃ。其れに着目して彼女はわしの開発した兵器の代替案として扱いの困るN次元エネルギーを用いたのじゃから恐ろしいのう。そんで彼女の計画通りにカズマ君の目覚めた時代では人類は既に取り返しのつかないレベルまで退行。結果的に宴の従う三つの破壊者は機能停止して宴はそのまま姿を現さなく成る……筈じゃったが睦海君は大きな誤解をしておった。地球の支配者が何時までも人間だと思ったら大間違いじゃ。人間に変わる支配者が台頭する事まで想定しないとな。じゃからこそわしは保健として昨夜君をあのスタジアムで素振りするように呼び掛けたのじゃ』
 カズマが頷く程のゲドルの先見性。そして睦海の類稀なる才能は改めて彼女に大いなる憧れを抱き、そして愛をより深める。一時は憎しみに偏りかけたカズマの愛情。今ではもう変え難い愛として定着する。更に話を聞く。
『--それからどうして宴は三つの破壊者を部下にするのか? それは宴自身が別の宇宙である男に一度倒されておるのじゃ。倒されたといえども不完全であり、完全消滅には至らない。けれどもその傷は深く、何時ものように活動するのもまま成らない位に弱体化。其処で宴は三つの破壊者に力を授け、彼らに破壊活動を代行させたのじゃ。只、其れだけじゃあ不安と感じたのかのう。そこで宴はグランドマスターこと田淵と約束事を取り次いだのじゃ。それがわしの開発した<超人間>……アドヴァンスドヒューマン七人の始末をのう。何故わしと日本政府が丹精込めて開発した彼らを恐れたのか? 実はあの七人は力を合わせれば宴を封印する事だって可能なのじゃ。全く田淵も気分屋で困るなあ。まあ、結局は先約と田淵自身にも別の宇宙である男との決着を優先して七人中五人しか始末出来なかったのう。その先約が先程紹介した昨夜君と野球対決して勝ったらヴァイオレンスブラッドの右腕が保管された場所を聞く事じゃ。お蔭で君は助かった……違うかい、カズマ・エターニティ君?』
 思わず返事しそうに成るカズマ。しかし、カズマは堪える。背後に宴が迫るという恐怖と戦いながらも。
『--おっと、そろそろ録画時間が迫っておるのう。その前にわしは別に<超人間計画>を日本だけに伝えておらんのう。タイムゲートも含めてこっそり流してしまったのじゃ。そやつの正体がロシアの工作員である事も既に周知済みだし、奴が後に改造されて長きにわたって世界中を旅しながら生き永らえる事も知っておったのじゃ。そんな奴を放っておいたのは単純に……どうでも良かったのじゃ。それだけ。おっと、時間がないな。最後にカズマ君。この兵器は決して君の望むような効果を発揮しない。きっと君は世界の破壊者として指名手配を受ける事、間違いなしじゃ。其れでも実行するのかね? 其れでも実行するなら止めはしない。わしは選ばれた物の選択を何よりも重視する。そして選ばれた人間がそれを覚悟の上で実行するも少し残る良心に従い、実行しないのも尊重する。わしからは……他にあったな。こいつを起動させるには指紋、声紋と言う有り触れた物だけじゃなくてのう。実は--』
 最後まで考えないゲドルのメッセージは途中で切れる。だが、それを機にしないカズマはタイムゲートに酷似した『パラレルワール』の中へと入り、内部を確認。指紋から声紋などあらゆる認証をクリアしてゆく。だが、最後の七文字を入れる所で躓く。しかも片仮名で入力しないといけない。
「睦海は何を考えている? 最後の最後に入れるメッセージは何なのだ!」
「それを君に入力する暇も与えないね」
 カズマは恐怖で引き攣る--ごく普通のアイルランド人の姿をした好青年が細目を最大まで開けて血の色に相応しい赤き炎を滾らせてこちらを見つめる!


 という訳で『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』はいよいよ次回で最終回。吊ってもこれだってキリの良い所で終わるので続きは有料版で。

 それじゃあ今回はここまで。さあ、八月以内に出せるかな? 早くても発売は九月だろうし、ひょっとしたら発売されない可能性だってあるしな。さあ、如何成る?

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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