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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (22/5)

 如何もクライマックスに向けて少しだけやる気を出す自分darkvernuです。
 細かい矛盾などは後で直すとしてやって行こうか。

 カズマはようやくここは何処なのかに気付いた。西へ行けば福岡ゴウキスタジアムがあるとすれば北へ行けば『セトの橋』……つまり瀬戸大橋がある事からここは日本の九州最北端に位置する福岡県北九州市。彼はゴウキスタジアムがかつての福岡ドームだと思った時、紛れもなくここが日本だと気付いた。唯それだけである。
 さて、ゴウキスタジアムの一件が終わった三人は翌日の朝八時四十四分に『セトの橋』手前まで辿り着く。待ち受けるのは『平等なるイーク』……二人の情報通りに人型で括れがあり、乳房が膨れ上がる。そして中性的なその素顔は傍から見れば男が惚れる程の美貌。しかも本人が女装趣味なのか、胸元を見せつつもスカートの丈は短めでしかもハイヒールを履いては髪は腰よりも長く伸ばす。そのイークは戦う前に会話しに掛かる。当然、声色は声変わりした成人男性その物。
「やあ、お久しぶり。いやお早う……で良いのかね?」
「その声は……やはりイークか!」
「一人足手纏いが居るね。我も舐められた物だよ」
「御託は良い。其処を退け、平等なるイーク!」
「このイークの風は何人たりとも『退く』という文字は存在しない……さあ、破壊の宴の生贄として引き裂かれ蹂躙されるが良い!」
「来る……うわああ!」
 イークは平等の名の下にカズマさえも逃さない。だが、カズマは土を操る私望の力で植物の根で上手く風を逸らし、軽減し、そして尻餅を付くだけで済む。それを見たイークは地団太を踏む。これについて宗光は次のように啖呵を切る。
「平等の割に器の小さい奴だ。それとも女の部分が入って器を大きく出来ないか?」
「五月蠅いぞ、人間。我は選ばれし存在。この風を以て全てを切り裂くのだああ!」
 挑発に乗ったイークは宗光に襲い掛かる。だが、パワーアップした宗光の速度は光に到達。風の速度では捉える事も出来ない。益々苛立ちを大きくするイーク。それは決定的な墓穴を掘る事に!
「う、クウウ!」
「隙有りイイ--」
「それはお前の方だ……イーク!」
「な……何時の間に我の体内に、種、を、仕込ん、だ?」
 イークは内部より急激に成長した植物を計十八ヶ所より突き破られ、立ったまま絶命!
「凄いな。本当に前は歯が立たなかったのか?」
「今のは力のお蔭じゃない。力を得る事で少し私達に余裕が出来て奴の心理を翻弄する事が出来た。もしも奴の心理が私達と同じならばこうも上手くは……ウグ!」
「な、これはああああ!」
 突然、転がり回るように苦しみ出す二人のアドヴァンスドヒューマン。その様子を見てカズマは力の代償が思った以上に深刻である事を感じた。
「成程、寿命が縮む意味を理解しました」
「ハアハアハアハア、だが宴を倒せるのなら幾らだって魂を捧げる」
「同感よ。家族に恩返しする為には幾らだって魔道に落ちても構わない。あの世で家族がどうゆう反応をするのかわからない。悲しんでる可能性だってある……それでも私はこの命が尽きるその時までに無念を晴らす義務がある!」
「そうだ。済まないな、カズマ。俺達も又、お前に説教する資格なんて--」
「いや、言い訳は止してくれ!」
 ここでカズマは反論する。
「言い訳するな。それこそ死んでしまった彼らに申し訳ないだろう。貴方達は小綺麗な言い訳せずに強くあってくれ。俺も同様にしないからどうかお願いだ!」
 そんな事を言われて何も言えない二人。それから無言の内にイークの向こう側へと赴く三人。目的地は『パラレルワール』が安置される山口県の下関市にある下関条約締結場所へと歩を進める。
 カズマは心の何処かでこう感じる--日清戦争終結を決定付けたその場所で俺の目的探しの時の旅は終焉を迎える--と!


 まだまだ続くよ。次は最終決戦場である下関条約締結場の話を如何ぞ!

 八時間掛けて下関条約締結跡へ辿り着く三人。その間の食糧はほぼ強盗に等しく、狂信者が襲い掛かっては彼らを仕留めてその戦利品として奪い取るという繰り返し。そうして食糧を確保し、下関の地に着くまでに腹を満たす。カズマは複雑な気持ちに成る--果たして俺達のやった行為は後世では如何論じられる? ひょっとすると強盗組として後世の歴史家に批判されるのではないか。それとも人類の敵である破壊の宴を倒した功績で今までの犯罪行為は全て帳消しにされ、英雄として祭り上げられるのか? 何れにせよ、俺が幸せに成れるとしたらこの先も生き続ける事くらいしかないな。それでも碌な死に方はしないさ。ああ、八百万の神よ。その様子を見守るのならせめて教えてくれ。俺は本当に誇らしい人間に成れたのかを--と。
 カズマは既に心は西洋人ではない。心身共に成りたかった日本人に成った。後は最後の地で宴を倒すだけ。果たしてやっと見つけた目標を達成出来るのか?
「カズマ……肩の力を抜け。敵は不用意に力を入れた奴を狙い撃つのさ」
「わかってるさ。でも抜こうと考えると余計に入れてしまう」
「それは一理あるね。確かに私も同様の経験を……おっとお喋りはここまでだ」
 私望や宗光だけでなくカズマもその建物の入り口より死に等しい冷気を感じる。いや、人間の形をした冷気が姿を現す。その不精髭の濃い坊主頭の男はこう名乗る。「私は『自由なるフリーズ』……見事だ、三人。イーク、フレイラを倒して見せるとは中々よ」
「フレイラはムスリムの格好をし、イークは女装とはいえ使徒の格好をした。お前は仏教徒か……それも紙で伝わる仏陀の姿をした状態で」
「私も含めて二人も破壊の宴に共鳴し、世界の真理を見つめた。この世界は完全なる無を遂げてこそ救われる、と!」
「何を言ってる? 全然理解出来ないぞ!」
「理解しなくとも良い。少なくともお前達は宴に破壊される事で世界の真理を理解する。その為に私達は自由と平等と友愛の名の下に世界中に破壊を齎して来た。その結果、ようやく人類は破壊の素晴らしさを理解した。見ただろう、人類の明るい破壊の意志を!」
 理解不能な言葉の数々。世界中で唯三人だけフリーズが語る教義を理解出来ない。例えこの世界の敵だと認識されようとも三人は信じた物に報いる為に理解しないだろう。それだけに今までの事を否定される気持ちとは常人には想像も付かない程の苦痛を齎す。
「その表情は現状に対する怒りか? 愚かな。私達も昔は君達と同じように所属する教義を信仰してきた。其れこそが唯一無二だと信じて……だが、幾ら信じても私達の望む幸せは訪れない。見せられるのは理不尽なる暴力と圧政。そんな絶望の中で宴は私達の前に現れ、この素晴らしい力を御与え為さった!」
 それがフリーズ、イーク、フレイラの誕生秘話。そしてフリーズは鳥の囀りを聞きながら幸せを信じ、そして闇を膨らませてゆく。その結果、その巨大な闇を宴に突かれる事に成った。カズマは三人が八千年以上先の未来にて形の姿に成る本当の理由を其処から見出す。それが奴らの望む理想の姿……即ち、人間を脱皮する事で人間を否定する事にある。
 この悍ましい思想に対して真っ先に反論したのは……カズマ。
「人間を愛せない奴が真理に気付くだと……人間を貫けない奴が人間を侮辱するだと!
 どうやらお前みたいな人間は生きてはいけないな。お前みたいな人間が居るから何時までも争いは無く成らない。平気で他人を壊せる。俺は絶対にお前のような人間を許さない。俺は絶対にお前のような人間に成らない!
 そうか……睦海は俺に教えてくれたんだな。これが日本人の怒り。こうして日本は壊されたのだな。理解したぞ、睦海イイイ!」
 これを聞いて苛立ちを見せる者が一人……自由なるフリーズ。右手を翳してその一帯を凍らせに掛かった。そしてその奇襲は……宗光の放つ光で右手を切断される事でたまたま通り掛かった鳩に直撃。ハトは氷漬けにされ、地面に落下した衝撃で粉々に砕けた!
「な、私の腕っが……私の愛した鳩がああああ!」
「お前の相手は俺達だ。カズマには宴を倒す為の兵器稼働の為に守らせて貰う!」
「では行こうか、カズマ!」
「宗光さんを一人にして中に入るのですか?」
「心配はない。宗光なら……勝てる!」
 そうしてカズマを右片手で持ち上げてフリーズの右横を通り過ぎる。フリーズは二人に体を向けようとも思ったが、他の二人と違って冷静なフリーズは甘んじて宗光の相手をする事にした。
「お前はあの二人とは違うみたいだな」
「当り前だ。欲に囚われて命を落とす気は更々ない」
「不足は無し……じゃあ勝負しよう、自由なるフリーズ!」
「思い知れ。自由とは即ち、何の縛りもない意志の延長だと!」
 互いが体をぶつける時……陸奥宗光の魂が宿す建物は揺れ始める!


 という訳で『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』をお届けしました。さあ、次回で宗光とフリーズの戦いは決まります。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか?

 では今回はここまで。後二回かもな、今回のを除けば。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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