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試作品 ドリーマーズアゲインよ、永遠に 手探りでお届けする駄作 (20/5)

 如何もdarkvernuです。
 いやあ関東大震災のどさくさで起こった在日の虐殺……は色々謎が多いので今はまだ語る時ではないな。そうゆう訳でやって行きましょう。

 カズマは外に出られない。出られるのはアドヴァンスドヒューマンの宗光と私望だけ。外は今も終末思想に染まった人間で溢れ、子供から大人まで人を殺しては殺した人間の死体を運び、更には牛や豚と同じく冷凍及び解体され、そして刺身成り焼き肉なりして食べられてゆく。既に地球全土ではカルバニズムが日常化し、最早希望など何処にもない。
 そんな現実を聞かされ、カズマは俯く。只でさえ仲間だった昨夜、そして乙史が死んだショックが大きい中で自分が向かった時代が予定外にも並行世界へと飛んでしまった。これがロシアの作ったタイムゲートの限界なのか? それともロシア製なので日本製の様に妥協を知らずに時間を掛けて丁寧に作り上げるという姿勢が欠けていたからこそ並行世界に飛ぶという欠陥を抱える事に成ったのか……何れにせよたった一回だけでは判断材料が乏しい。一旦持ち直し始めた心も仲間の死とこの時代を目の当たりにしてたった数日で砕ける事に。
 カズマは再び目的らしい目的を見失い始める。彼は決して強い人間ではない。それは肉体的な意味ではなく、心理的な意味。飛ぶ前に見つけた宴打倒も一緒に飛ぶ筈だった帰化人仲間にして親友の乙史が目の前で死なれた事を受けて心が折れ、人前では強がってもたった一人に成ると咽び泣くカズマ。彼の心はこの先どうやって修復されるのか?
 と咽び泣く中で音が聞こえる。我に返ったカズマは涙を拭い、普段通りの姿勢で二人を出迎える。
「どうだった、外の様子は?」
「確か君が遭遇したという『友愛のフレイラ』、『平等のイーク』、そして『自由のフリーズ』。つまり私達は『平等のイーク』と交戦して来た」
「何だって!」
「フレイラはたまたま背後から俺の光のエーギルで仕留める事が出来たが、真正面からその内の一人と交戦すると話が全然違うな。イークはかなりの手練れだ!」
「あの風は非常に進路を妨げる。それに奴はこちらの動きを読むかのように『パラレルワール』へと通じる『セトの橋』を妨げる」
「『セトの橋』? それはどうゆう意味だ?」
「今はイークに関する話が先だ、カズマ。イークはお前が伝えた兎の姿をしていない。少々中性的で、いや性別不明の声は男で乳房があり、更には縊れを持ちながらも時々下半身のあれを膨張させるそうだ」
「正直、本当にあのような人間が居るとは思わなかったな。平等も突き詰めればああまで悍ましい姿をするのか」
「で、でも倒したのじゃないのか?」
「いや、敗走した。私の土のエーギルでもあの風は切り裂く。正面から勝つのは難しい」
「そうですか」
 カズマは落胆するような気持ちに変わる。と同時に昨夜の頼もしさを改めて思い知る。彼女はあのような化物相手に圧勝して見せた。だが、他の者達は違う。他の者達の力は昨夜に比べると彼らが虎や牛なら昨夜は象或は更にそれ以上の動物に例えられる。
「だが、心配は要らない。ここから西にある『福岡ゴウキスタジアム』に行けば私達をパワーアップする施設がある」
「パワーアップ?」
「但し、俺達が強く成る代わりに寿命を半分にする副作用もある。全くゲドルは自分で戦えば良いのに変な物を残すだけ残してこの世界から去っていった。そのせいで睦海は狂信的な信者共に殴り殺される事もなかったのに……あ、済まない!」
「いや、いい」
 そう強がるも思わず涙を流すカズマ。それを見て宗光と私望は二者二様に険しい表情をしながら一旦会話を打ち切り、黙々と食事の時間と就寝を進める。無論、カズマもこれ以上胸を締め付ける思いは避けたいのか一言も会話せずに就寝。就寝中にあふれ出るのか、涙を流し続けるカズマであった。
 そして次の日……


 少し飛ばしてとある場面をどうぞ。

 カズマ達は外に出て、球団福岡コプカンストリートの本拠地である『福岡ゴウキスタジアム』を目指して進む。その途中、彼らの進路を阻むのは『ソロモンの悪魔』の信者達。肉体的なスペックでは全盛期のゲーリー・グッドリッジのような屈強な肉体の者も居ればお笑い芸人であるふかわりょうのようなやや痩せ型の者だって揃える。しかも数は合計三十七人。しかも装備の中には原始的な弓矢と鍬や鋤、竹槍だけじゃなく拳銃やバズーカ砲まで用意した戦闘に特化した信者達。勿論、それがカズマみたいな人間なら有効。だが、アドヴァンスドヒューマン二人を相手にその程度の装備では止められない。スタジアムに入る前にカズマは二人に感謝の意を述べ、深々と頭を下げた。これに対して二人は次のように返した。
「例など要らない。俺達は自分の為に力を振るった。唯それだけだ」
「寧ろ礼を述べたいのは私達の方だ。君のお蔭で宴を倒す手段が見付かった。最早、グランドマスターに復讐する機会を求めるという妥協の目的から本来求めるべき地球の敵を一掃する目的に変わり始めたのだからね」
「そんな……俺は何の力も持たない。こうして貴方達に助けられてばかりで」
「だが、君は心苦しい中でも悩み、苦しみ、そしてこの苦しみを乗り越える手段と好いて宴を倒そうと誓ったんだろう?」
「違う。俺は宴を倒す事はどうでも良かった。只なあ、俺の溢れる未来を希望した睦海や俺を支えてくれた昨夜に乙史、そして打算とはいえ、俺の為に命を懸けたイワノフの為にも俺は俺の未来を潰した『破壊の宴』を倒さないと本当の意味で俺自身が開始点に就けない。俺の存在を懸けてでも奴だけはこの世界から消滅させてやる!」
「意見は一致したな。その通りだ。確か君が目覚めたその時代は睦海の開発した『ドリーマーズ・アゲン』の副作用によって生じた『ロストブレインシンドローム』に依って人類は完全に猿の状態まで退化したのだろう。だとすればそこまで追い詰めた宴は絶対に許せない。睦海はカズマと共に希望溢れる未来の中で普遍的な生き方を望んでいた。普遍的な結婚とその後の生活を望んでいた。それをあいつは……だからこそそれを望む為にもお前は悪魔の決断を断行するのだろう?」
「ああ、『パラレルワール』は貴方達が説明するように宴を破壊するだけじゃなく、今までの超テクノロジーを全てなかったかのようにその可能性がある未来を全て消し飛ばし、それ以外の未来だけを進ませる禁断の兵器なのだろう。しかも使用すればあの『パラレルワール』さえも存在しない未来が訪れるという正に一回限りの切り札」
「だからこそ睦海君は仕様を拒んだ。それも君にしか鍵を開けないように細工を施すまでにね」
「ああ、あれは聞いただけで悍ましいと感じる兵器だ。巨悪を消し飛ばす為ならあらゆる可能性を潰すからな。本来未来とは希望も絶望も平等にそして自由に更に友情だって愛情だってあるべきだろう。それを宴を消し飛ばす為だけに殆ど全ての可能性を潰すのだからどちらが破壊者なのかわからなくなる」
「もうそこまでにしよう、私望。俺は我慢出来ない」
「そうだね。待ち望んだ商品を買う消費者の気持ちと一致するような感情が私の全身を伝う。我を忘れる前に私達は入ろう」
「ああ」
 三人はブラック化した球界の代表球団の本拠地の中へと進んでゆく……


 という訳で『ドリーマーズアゲインよ、永遠に』をお届けしました。巨悪を倒す為には必ず代償が憑き物。そんな訳でわかる通り、パラレルワールについて補足すると性能自体はタイムゲートと同じく今ある宇宙を削って過去の太陽系に飛んでゆくという仕組みだけど、それに加えて超技術であるタイムゲート、ドリーマーズ・アゲン、そして使用兵器であるパラレルワールさえも存在しない未来だけしか進まないようにするという恐ろしい副作用まである。そんな未来しか認めないという事は過去だって大きく変容してもおかしくない。何しろ、自分の考えでは未来を変えるという事は即ち過去、現在も一緒に変わるという意味が含まれる。例えばしんちゃんが殺されるという未来を変える為に今しんちゃんを見逃すという行為を変えてしんちゃんを守方向に変わったとしよう。ところがそれだけじゃあ……うん、ややこしくなるね。詳しくは掌編集および短編集の何処かに収録されてある『時間日記帳』の読書をお願いする。細かく理解出来なくとも何となく理解出来ると自分は信じる。

 さて、それじゃあ今回はここまで。少し休憩を摂るぞ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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