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一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(終)

 午後三時零分一秒。
 徐々に防戦ばかりが目立ち出すポニー輝彦。百獣型のあらゆる戦いに対応する順応力の前では経験値が豊富なポニー輝彦も最早此れ迄なのか? そう思った時、ライデンは右前足を踏み出して片手で雄略包丁を抜くと勢い良く、百獣型目掛けて切っ先を立てながら投げた--其れは一瞬目にした百獣型は最小限の屈みで回避された!
(やっぱり回避されたか。だよな、震えた足で踏み付けながら投擲しては望んだ方向に飛んでくれる訳がない……だが、此れで良い!)
 ライデンは初めから百獣型を倒すつもりで投げたのではない。僅かに隙を生む。其の僅かで流れを決定付ける材料が欲しい……其れが投擲。其の意味する所--即ち、ポニー輝彦の反撃開始の狼煙!
「うおおおおおうん!」左前脚で踏み込んで四足歩行包丁の一本を跳ね付けながら百獣型を引き寄せながら反対の膝で顔面を蹴り込む。「散々痛め付けた分は倍にして返してやるぞおおうん!」
 其れは正に長年の経験が産んだ才能だけでは到達し得ない適材適所の連撃。百獣型も其れには対処する事も儘成らず、尚且つ雄略包丁の存在が頭に焼き付いて離れない。そして、素足の連撃への対処が遅れて……其れから右足で飛ばした四足歩行型雄略包丁を左後ろ脚で掴むと、右前足の脛から先を切断--更に流れを決定付かせてゆく!
(全く出来るじゃないか。爺さんはそうでないと困るんだよ)
 そう言いつつも飛ばした雄略包丁は拾うライデン。ポニー輝彦に功績を譲る事をした理由は他にも存在する。
(出来るなら爺さんは俺に何も譲らない程の老碌を期待している。老者は何時だって若者を懲らしめに来る。度が過ぎれば足を引っ張る……そうゆう根性が老者には存在するからな。だから俺は其れを信じて爺さんが勝つのを信じる!)
 信じる者が一名でも居れば一般生命は孤独者よりも強く成れる。信じられるからこそ一般生命は仲間の力を得るかの如く強く成れる……そんな感じでポニー輝彦は更に百獣型の左後ろ脚の膝から先を斬り落とす。其れから渾身の喉元への白刃取りからの返し刃の突きが炸裂--
「何……爺さんが、胸元を、貫かれる!」
「アグ……うううん、流石、だあい」だが、致死量の一撃を受けたポニー輝彦の表情は笑みで溢れる。「だが、やっと……倒せえええいる!」
 ポニー輝彦が繰り出す最後の一撃--其れは包丁に依る貫通……ではなく、左前脚の膝蹴りに依る倍返し!
 百獣型は自らの放った一撃をほぼ倍化して後方成人体型十五より先にある木の幹が叩き折られる程吹っ飛んで其の侭絶命--首が既に粉砕骨折して、大きな膝の跡を残しながら口から舌を垂らして!
「ハアハア、はああう」そして、ポニー輝彦は横たわる。「はあはあはああん」
「爺さん!」
 先に駆け付けるライデンだけじゃなく、同僚だったサンショウ丈と立てないながらも駆け寄る翼。三名共ポニー輝彦の為に駆け寄るのだった!
「うわあ、こんなの……如何して、だよ?」
「抜いたら直ぐに死にます。でも抜かないと苦しみながら死にます」
「言わなくても良いだろうが。百獣型の鮮やかな返し刃の前では回避する余裕もない程だ……だが、其れでも爺さんは期待に応えたんだよ!」
「ああ、息子達が、集まるううん」既に脳に血が行き届かないのか、三名の姿を先立たれた子供達の姿にしか見えないポニー輝彦。「そう、かあああい。だよなああい、父さんは、現世を生き過ぎたああい」
「まさか真島さんはもう--」
「いや、言わせても良いよ?」
「……だな」一瞬、山椒魚族の言葉に戸惑いを見せつつも漸く何が言いたいのか理解するライデン。「ずっと息子達の為に生きて来たんだ……俺達がそう見えても構わないだろうが!」
「ハハ、もう直ぐん、だ。い、行くよおお……」
 そして、ポニー輝彦は帰らぬ生命と成った--胸元に刺さる自らの四足歩行型雄略包丁を墓標にして!

(此れが俺にとって百獣型の苦い思い出を超えたお話さ。ポニー輝彦のお陰で俺は踏み出す事が出来た。功績こそあの爺さんに譲った。だが、俺があそこで行動しなければ……ポニー輝彦は生きられたのだろうか? だが、そんなのわかる由もない。死んでしまってはもう遅い。其れにあいつが身を以って戦いの術を教えなければ強く成る道が如何ゆう物かを知る事も出来なかっただろう。他の一般生命同様に見えない道を行ったり来たりしていただろうな。そうゆう訳で今回は此処でお終い。
 最初の山場である最強の百獣型との戦いの話から次は俺自身の話に移る。俺自身の中には時には如何しようもない話も存在する。次回からは其れに気付いてゆくお話だ。さて、何処迄意識が保てるのか……)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十二年十一月百十四日午後三時五分五秒。

 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く 完

 第百二十九話 終わりの始まり 己の中にあるもう一つの己 に続く……

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(死)

 午後二時四十五分十四秒。
 ライデン、翼、ポニー輝彦、サンショウ丈は成るべく第三者に入らないように戦闘区域周辺に禁止網を設ける。
(其れでも入って来る生命は入って来る。だが、其れは命知らずでなければ入る気も起こらないだろう)
 幾らサイ団が助かったとしても一般生命が二名も死ぬ事はあっては成らない。特に菅原の苗字を受け継ぐライデンにとって此処は隣近所同然--一名が助かる為に二名が死ぬのは耐え難い。
(なればこそ死ぬのは軍者が果たす。一般生命は寿命を迎えて死ぬか病に倒れて死ぬかの何れかだ。其れ以外の死を誰が受け入れるか!)
 死を覚悟するのは何時も軍者或は戦士の役目。戦士以外は戦いに於ける死は望めない。仮に望めたとしても其れは戦士の気質が歩かないかである。其れが無ければ戦いに巻き込まれて死ぬ事と変わりがない。成ればこそ四名は一般生命を守る為に死線を潜るのである!
 其れから四名は百獣型が伏兵を用意するかも知れないという僅かな可能性を懸念しながら接近。勿論、一般生命の性質上は奇襲という物は成功した試しがない。性質上、全生命は疚しい事を好まない。そうゆう性格が多いからそう成ったのではなく、其れが遺伝子いや魂の段階でそう作り込まれるが故に。だが、銀河連合は奇襲を好む。全生命には出来ない事を平気でやる事が出来るから。故に四名は伏兵の存在を疑う。伏兵の事が頭から離れない。
(とは言っても断言して良い事は百獣型は数多の歴史から踏まえても力に溺れる性質を持つ。俺も一度は溺れ、取り返しの付かない事をしてしまった。そして、其れは繰り返し続ける。歴史が同じ事を繰り返す様に奴等も又、繰り返し同じ間違いを繰り返す。なので伏兵の可能性が有り得ないとすれば力に溺れる事……位だな。
 最も力に溺れて呆気なく倒されるような奴だったら……俺達が接近している事に欠伸をしながら気付いている事だろう。時々、鋭い目線で睨むのは気付いている証拠だ。だが、此れ以上は気配を消して接近する事が出来ない。其れだけ俺達は奴にとって格が下方修正の位置にある証左だろう)
 ライデンよ、どんな根拠でも終わあああってみないとわあああからない物さああい--ポニー輝彦は突然、ライデンの心境を察して話し掛ける。
「いきなり何を言い出すんだ?」
「大声上げても伏兵は来なあああいんだろう。其れが百獣型が力に絶対の自信を持おおおつうん証拠……と少し力に自信を持つ者ならそう分析するだろう。だが、其れよりも重要な事が一つだああああけんあるだろう!」
「何だよ、重要な事って?」
「戦う迄何も考えええいるな。其の前に踏みいいい出せん……以上だ!」
 ……そうだったな--そうしてライデンはあらゆる可能性を仕舞って一つ……『戦って倒す』事だけに集約した!
 其れから周囲成人体型三十三より少し離れた所から包囲を始める四名。そして百獣型は四本足で立ち上がると四名すべてに剥き出しの眼球で睨み付ける--其れに押されたのが……翼だけ!
 其れに気付いた百獣型は翼に狙いを付けて一気に走り出す--だが、全速力に乗る前にポニー輝彦の先の先を打つ横方向からの突進を受けて横転!
「どんなに怪力自慢で見えなあああいん速度でも……最速に乗る前に打てば案外、交通事故を起こす物だぞおおう!」其れから両前足に取り付けた四足歩行用の雄略包丁で踏み付けに入る。「いざ、往かああンン!」
「拙いよ、百獣型の右後ろ脚が変な方向で立ち上がっているように見えるよ?」
「サンショウ丈さんよお、爺さんには其れが見えない方向だよ--」
 おっとおおう、俺は元土の将だぞ……足の使い方では一枚も二枚も上足だ--直前で左後ろ脚を支点にして百獣型の前左足の回し蹴りを紙一重で回避するポニー輝彦!
「摺り抜けたように……見える!」
「良く見てナアアい、坊主。継ぐ者はちゃんと先代の戦い方を学んで行けええい!」ポニー輝彦は更に首を砕く程の勢いで繰り出す百獣型の左前脚の突きを直前迄見切って回避しながら前右足に装着した包丁に依る斬撃で首の動脈を狙った。「惜しい……浅あああいいん!」
 既に三名が割って入れない戦いへと発展。誰もが如何したら超近距離で斬り合ったり叩き合ったりするのに致死量を見切って回避出来るのかが不思議に思える程だ!
「あんなに近いのに何で当たらない?」
「引退した身でありながらあの動きは……馬族なのに精細過ぎます!」
「いや、爺さんの方が……有利じゃない!」唯一、戦況を分析出来るライデンは安心出来ない思いを感じる。「サイ団さんでも太刀打ちが出来なかったんだ……経験値が幾ら高くても、最強の百獣型は其の穴さえも的確な攻略法を見付けて来やがる。後少しで爺さんは確実に攻撃が当たり続ける!」
 ライデンの分析と予測は正しかった。其れから一の分より後、ポニー輝彦の顔面に皮膚が剥がれる程の一撃が入り出してから攻撃が当たり始める。即死級或は流れを一気に引き寄せる致命の一打こそ避ける物の、徐々に痛みは蓄積してゆく。
(だからこそ爺さんは俺に見届けろって言ったんだ。見て学習するように促したんだ……でも相手が良く無さ過ぎる。何で依りにも依って最強の百獣型なんだよ。俺は……此れ以上俺の為に死ぬ生命を見たくない!
 左腕の傷が何だ……踏み出すしかない、今しか爺さんを助ける術は残されない!)
 ライデンはポニー輝彦に言われた事に従い、右足を……踏み出す!

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 正に百獣が如く(遇)

 午後二時二分零秒。
 ライデンの窮地に駆け付けるのは……翼。彼女は恐怖と格闘しながらも誰かを守る為に望遠刀を振るう。百獣型には全て躱されるものの、ライデンの所に駆け付ける事に成功。彼の方に腕を回して運んでゆく!
(有難い……だが、俺だけしか助からない!)
 ライデンしか助からない。己を助ければサイ団は死ぬ。此れは如何しようもない真理。ライデンは感情で何でも判断する生命ではない。だが、悲しい思いが時に理屈をへし折る事だって多々ある。若いライデンは其れを未だ認める段階ではない。
(何だって俺は力無き生命なんだ。サイ丼をむざむざと死なせる選択肢を翼にやらせるんだよ。力があればあの百獣型を……今度こそ子供の頃の過ちを払拭する機会を得られるというのに!)
 其れから翼はライデンを連れて鹿族のように崖を滑走しながら百獣型を撒く事に成功する。

 午後三時四分五十八秒。
 其処は嘗てコウモ・リックマンが最強の百獣型から逃れる事に成功した隠れ処。
 以来、コウモは百獣型を倒す事が自然数の最終定理を解く事が出来る指標にするべく奔走。様々な困難の末に最強の百獣型は倒れ、コウモは其処で自然数の最終定理も何れ解明出来ると確信した。そんな場所に避難したライデンと翼。二名はサイ団の無事を祈りつつも悲観的な話をし始める。
「サイ団はもう助からない。銀河連合の性質を考えれば--」
「其の前に……気分は大丈夫なの?」
 ウウ、言われてみれば……オエエええ--脳震盪は一の時過ぎれば収まる様な症状ではない……場合に依っては死も免れない危険な物である。
「脳を恐らく……三度も揺らされたのでしょ? 普通なら二度目の時点で間違いなく死んでいるのよ。なのに菅原さんは、きっと死とは程遠い位奇跡的な具合で生きてるのも不思議なのよ」
(駄目だ、喋る方法が忘れてしまった。胃の内容物を吐いた際に思い出す様に記憶喪失を起こしやがって!)
 確かにライデンは未だ死ぬような運命ではない。此の時代では確実に生きる事が約束される。其れでも脳震盪は運命に愛されていようとも脳卒中、脳溢血、脳梗塞同様に軽い物ではない。翼がライデンを不思議がるのも当然の反応である。
「藤原さんを信じましょう。きっと大丈夫です。彼は只では死なない生命だと思います」
「うぐ、う、ぐぐぐ」未だ喋るには調子が戻らないライデン。「はあはあ、はあ」
「無理しなくても良いのです。脳を揺らされた状態で喋るには一の日は過ぎないといけません」
「はあはあはあ」
 ライデンは喋りたいのに脳の状態から其れが許されない。脳は休息を求めている。脳は現状の確認を求める。
(眠りたい、眠りたい。余りにも気分が良くなくて、眠りたい!)
 そしてライデンの意識は其処で閉じる。

(其の後、俺は二の日も眠っていたな。起床して早々に藁の病室だと気付いた。だが、何故病室内なのかを直ぐには思い出せなかった。そりゃあそうだ、三度も脳震盪起こしたら記憶の大部分が吹っ飛ぶに決まっている。だから俺はスネッゾルの世話に成りつつも傍に居た翼から色々思い出す作業をして貰った。全部を思い出したのが凡そ目覚めて二の日の後だ。其処でわかったのは……サイ団は間一髪で地元の奴等に救助されたそうだ。だが、其れが意味するのは現地で救助に当たった三名中二名が百獣型に喰われた事さ。そりゃあそうだ、あれは最強の百獣型である以上は死者が出ないなんて都合が良過ぎるからな。
 其れから--)

 十二月一日午後二時二分三秒。
 場所は大陸藤原中臣地方新クレイトス峡谷東側。
 ライデンは未だ左腕が十分ではない状態で再び挑もうとしていた。傍には火の将であるサイ団の後任として水の将サンショウ丈が駆け付ける。
「止めてよね? 怪我者は大人しく病室で引き籠るべきだよ?」
「サンショウ丈さんよお、俺は越えないといけないんだよ」
「山一さんの言う通りです、菅原さん。意地は却って死期を早めますよ!」
「翼さん、俺は如何してもあいつを倒して心の中にある蟠りを払いたいのだよ!」
「蟠りの為に俺達の事を……何という覚悟だああい」サンショウ丈だけじゃない、齢四十五にして四の月と四日目に成るエウク馬族の老年真島ポニー輝彦も駆け付ける。「だが、俺達では止められんな……けれども死なすつもりは全くなあああいぞおおう!」
「何であんた迄来てるんだよ。余命短い一名息子の為に人生の全てを使い果たすんじゃなかったのか!」
 ああ、其れかああい……俺は取り残されてしまったああよお--運命は親を先に死なせるように出来ていなかった。
「だからポニー輝彦さんが君の代わりに来たのに……君は意地を張っちゃって?」
「そうゆううん物だ、サンショウ丈。お前も若造なあああらばあ理解してやれ、若造の如何しようもない意地ってえええいやらを!」
「全く雄心が全然わからない。パパもそうだったのよ、本当に!」
「又俺を助けるつもりだな、翼さんよ。だが……今回は雌の出る幕じゃないと思うぞ」
「そうやって雄は雌を戦場から離すのでしょ?」
「翼さん、気持ちを全部理解出来ない俺達ではある」雄である以上、雌心の全てを知り尽くせないライデンは次のように心を読み取る。「でも、雄の美学というのを何とか察してやって下さい!」
「はあ、頑張ってみますよ」
「ハッハッハアアイ、雌雄平行線を辿るって訳だああい。俺が生き残った暁には真諺として投稿してやるぞおおい!」
 何か去る年より前と比べて雰囲気が明るいね、ポニー輝彦さんは--とサンショウ丈はそう評した……が。

(此の後、俺達は再び百獣型と対峙してゆく。だが、此の時のサンショウ丈さんも俺もは全く理解してなかった。翼だけだ、ポニー輝彦の事を理解していたのは!
 子供に先立たれた親の気持ちは年月を掛ければ流されるような物じゃないって事位は……如何して俺は知る事も出来なかったのか!)

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(遭)

 十一月百十四日午前十一時二分十八秒。
 場所は大陸藤原中臣地方新クレイトス峡谷東側。
 其処は一の週より前に流れ星が落下。其れから一般生命の被害が拡大した事を受けて三の日より前に渡航禁止勧告が下された。そして三の日より後に五武将のライデンとサイ団は駆け付ける。序にライデンと一緒に付いて来た翼も一緒に。
「僅か四の日の内に五十七名の死者が出たんだって?」
「ああ、そうだい。最初は隕石被害と同じように幸せなく巻き込まれた一名の蝙蝠族の青年だけだったが、其処から野次者共が駆け付けて二の日の内に九名の馬族雌雄五名、鹿族雌二名、其の他二名が--」
「止めて貰えません、そうゆう悲しい事を詳細に伝えるのは」
「何で雌迄連れて来たんだよ!」
「相武様の指令で翼さんは俺の付き者として共に行動するように成ってるんだよ」
「やったのか、あれをやい?」
 何を言ってるんだよ、サイ団のおっさん--ライデンには性的な話に対する興味が薄い。
「其れにしても大体、馬族って如何して野次者に成るんだよ」
「そりゃああいつらの種族は遺伝子の段階から事件の匂いを嗅ぎつけたい気分にさせるんだい」
「何時かは野次者って単語は野次馬に変わる日が来るかも知れませんね」
 だが、言い出しっぺの俺が言うのも何だ……俺はあの爺さんから土の将を引き継いだんだ、此処で終いだ--恩義を感じるが故に真島ポニー輝彦の為にも話の腰を折る訳にはゆかないライデン。
(とはいえ、俺達五武将は全員駆け付ける事が出来ない。かと言って軍は年々減少傾向にある上に大半が拠点方や大樹型、其れに其の他の隕石被害に回されて全然回らない。だから俺達三名が向かうしかない。何という終わりの近い世界なんだよ。俺は改めて憂うなあ。
 だが、話は其処じゃない。俺達がやるべきなのは一の週より前に落下したという強力な百獣型の討伐だ。然も記録上では最強の百獣型が初めて出現したのが此処クレイトス峡谷と聞くじゃないか。一体どれだけの強さかを体感しないとなあ。何せ祖父さんが死ぬ事に成ったというあの百獣型とは別の百獣型だからな)
 ライデンにとっては思い出したくもない百獣型ではない。思い出したくないとすれば父と祖父の死に様の事。其の度に心を締め付けられる思いに駆られる。だが、其れは身体の傷と同様に一生背負わないといけない消えない傷--其れから一旦眼を瞑ったライデンは次の瞬間には限界迄開いて誰よりも先に右足を踏み出す!
「オオ、若いもんは大胆でなければなあい!」
「関係ない。本当に強い者は己よりも大きな存在に対して足を踏み出さないなんて腰抜けた事はしないさ!」
 確かにそうですね、わ、私は腰を抜かしましたわ--好き勝手に加えて一言多いのが翼の良からぬ点である。
 其れから険しくも幅の狭過ぎる道を何とか落下しないよう慎重に進んでゆく三名。特に足幅が大きいサイ団は二名よりも遥かに気苦労が大きい。其の為、進む際は壁に打ち付ける道具を使用して少しでも足を踏み外した時の均衡の崩れを抑えようとも心掛ける程に。

(俺としては寧ろ、サイ団の器用さに驚くぞ。確かに落下を少しでも軽減する道具を奴は使用したんだけどな。だが、其れでも己の足幅の半分以下の道を其れに頼る事なく渡り切っていると俺達が支援する方が何とも馬か鹿みたいで恥ずかしい気分に成ったぞ。
 此れが火の将に選ばれた生命の凄味なのか!)

 午後零時四十三分十六秒。
 三名は百獣型が潜むとされる隕石落下地へと入った。そして--
「ウオオオ、此奴……僕が、僕が力で打ち勝てなあああい!」サイ団は正面から突進して百獣型の奇襲を受けたものの、其の侭後方成人体型十も吹っ飛ばされた。「ガッハ……ハアハア、何て怪力だい!」
「サイ団のおっさん、俺達が協力してあの百獣型を倒しましょう!」
「ううう、こ、恐い!」
「翼さんが……じゃあ避難して下さい。但し」ライデンは銀河連合がたった一体だけで行動するとは思えないと考える。「隠れる場所には気を配って下さい!」
「わ、わかったわ」
 翼は恐怖と格闘しながらも戦いに巻き込まれない距離迄避難してゆく--勿論、伏兵に気を配る事も忘れずに!
「ライデンよ、銀河連合は油を断てない相手ではあるやい。だが、あいつは伏兵要らずの強さだぞい!」
「其れでもあの銀河連合だ。万が一の時の伏兵は忘れん。奴等に戦士の誇りよりも己の欲求の方が勝るのだからな」
「……だない。そう理解しないといけない」
「じゃあ行きましょうか!」
「ああ、五武将を侮るない!」
 二名は挟み撃ちするように百獣型に攻撃を仕掛けて行く!

 午後二時一分四秒。
(クソウ……体が、全く、動けねえ!)
 ライデンが持つ雄略包丁は既に刃が欠け、サイ団の持つ角は真っ二つに折れていた。二名は其々骨折していた。サイ団は左前脚の脛が折れ、ライデンは左手首が折れ曲がって指一本動かせない状態だった。其れだけじゃない、二名は肉体を動かす事も難しい程に動かない。顎への強打はサイ丼が二回、ライデンは……三回!
(眠った方が楽だぜ。だ、がな。意識を飛ばせば……死んでしまう!)
 絶対的な状況である。肝心の百獣型は傷一つ付いてないと思える程に見た目の状態が綺麗である。そしてライデンに近付いてゆく。確実に仕留める為に。
 菅原さんは……やらせません--そんな時に、三本の物部刃が百獣型に向かって放たれる!

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 正に百獣が如く(任)

 午後三時零分五十八秒。
 場所は中央官邸表門前。
 ライデンと翼は敷地内に入るのに時間を要する。
「わかったぶ。確かに臨兵キューぞうの言ぶ通りだ。良し、通れぶ!」
「やっと入れるのか。全く相武様のこうゆう所がいけない……と言う祖父さんの言葉は正しかったんだな」
「はい、去る年に此処へ来た私も相武様の変幻自在な対応には苦労しました」
 だな--やはり雌の前では視線を逸らしながら会話する初心なライデンが其処にあった。
(やっぱ俺には雌は難しい。俺の故郷には雌も居たけど、みんなすっかり肥えたり変な風に馴れ馴れしく主婦会話に昂じていたんだからな。だが、飛遊翼は如何も苦手だ。初めてだよ、こうゆう雌と出会うのは!)
 よおよお、やっぱ菅原ライデン君でしたかか--二名を迎えるのは齢四十七にして八の月に成ったばかりのルケラオス獅子族の老年にして金の将を務めるシシド・ミリエム。
「爺さんじゃないか。あんたが俺達を出迎えるのか?」
「ああ、そうだだ。其れに其れにしてもライデン君よよ」シシドはライデンの両眼を見つめる。「目指して目指してみないか、カゲヤマノザルノスケが後期五武将迄守り抜いた金の将とやらはは」
「其れが出来る生命を一名知っておりますよ。なので俺は辞退させて戴きます」
「其れ其れは勿体ないなな。聡明聡明で才覚ある若き君が金の将を目指さないと成ると……如何しようもないなな」
「そりゃあ誰だって天同生子よりも強いと自覚したいさ。自分の強さに溺れてみたいさ……だが、上には絶対的な上が居るとわかったら意地を張ってでも頂点を目指すよりも諦観して自らの強さについて考察し続ける方が良いに決まっているだろうさ」
「成程成程、只の諦観ではなく哲学的な強さへの追求なのか……益々、気に入ったぞぞ!」
「ミリエムさん、そろそろお喋りを止めて案内して貰えませんか?」
 堪忍の浅い翼は急かし始める。其れに気付いて二名は喋る事を止めて目的地まで向かってゆくのだった。
(翼さんは黙っていると何時もこうじゃないのか? 余り一般生命の心理学を俺は知らないし、彼女について初めて会って間もない。けれども、徐々に彼女について何かを知ってゆくかも知れない。
 いや、そうゆうのよりも先に二の年より前に出会った他の五武将達と改めて挨拶と化しとかないといけないな)
 ライデンは心を改めて飛遊翼を気にする己を何とか誤魔化し始める……

 午後三時十一分三秒。
 場所端中央官邸一階特別訓練室。
 其処では様々な器具が用意され、各々が其々の訓練に没頭する。詳細については余裕があれば紹介する。
(此処にポニー輝彦の爺さんは……居ないか)
 既に引退した生命は姿を現さない。ライデンは改めて居なく成る生命の事を思うと死んでいった者と如何違うのかを考察する。
(仕事を辞めた生命、軍を離れた生命、学校を卒業した生命……其々は互いに何時か又会えるから悲しみは少ない。
 だが、戦いで死んだ生命、病に勝てずに死んだ生命、寿命を迎えて死んだ生命……親父や祖父さんを思い出せばわかる通り二度と会う事が叶わない。
 そう思うなら前者の方が未だ心の苦しみも多少は無事で居られるのではないか?)
 おや、お久し振りですな……三の年ぶりですか--齢二十歳にして十二日目に成るラエルティオ山椒魚族の青年山一サンショウじょうは数値を間違える。
「オイ、如何ん考えても二の年ぶりだろうん」齢三十二にして三の月と二日目に成るキュプロ栗鼠族の中年リリザース・リッザールは注意しつつも挨拶をする事を忘れない。「あ、済まないな。サンショウ丈は何時も呑気で……如何も改めて紹介するんと私は木の将を務めるんリリザース・リッザールだ。彼は水の将を務めるん山一サンショウ丈だ」
「宜しくね?」
「如何も山椒魚族は全ての会話が疑問文だからどれが断定でどれが疑問なのか判別し辛い!」
「私も同じ意見ですね」
「んなもんは感覚で読み解けやい!」齢三十にして九の月と八日目に成るエピクロ犀族の中年藤原サイどんは難題を突き付ける。「何でも理屈で証明出来ると思うない!」
「犀族らしい力業溢れる理屈じゃないか、其れも?」
「僕を理屈だ俺と称するかい、若造の分際でやい!」
「サイ丼、自己紹介は未だか!」
「別に良いだろう、奴は菅原ライデンだって僕は知っているやい」
「俺もあんたの事は藤原サイ団だって知っている」ライデンは何とか思い出せた模様。「……で良かったよな?」
「正解だい」
「はあ、大丈夫なのですか?」
「何時も何時もこんな感じいだよよ。何何もポニー輝彦が引退しいたからって終期五武将の空気が変わる筈かか!」
「だが、如何してそんな終わりそうな雰囲気の前が気が付いているのだ」
「あ、確かに言われてみればそうですね」
「ああ、気付いちまったか。此れは相武様がそう命じたからさ。其れに対してポニー輝彦を含めた私達は賛同して私達で最後にしようんと思っているんのだよ」
 たった其れだけでライデンの心の中で何か思う所が浮かぶ。
(終わりを幾らでも受け入れられる此の四名は如何して平気なんだよ。俺には如何しても終わる事に抵抗感がある。まだ生きたいと思う心が残る残らない関係ない!
 いや、疑問すべきなのは如何して四名は其れを受け止められるか……だろ? まさか既に明くる日を知っているからか? いやいや、天同家の仙者でもない限りは明くる日を予め知るなんて出来る筈がない。全く此の疑問を解消する勇気が俺にあるのか?
 ……今は無いな)

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(就)

 午後一時三分四十八秒。
 場所は客者食堂。其処は客者に食事させる為だ家に用意された部屋ではない。相武以外の聖堂の住者が毎の日三食ずっと食べる為に用意された食堂。本来ならば相武は其処で食事をしない筈だった。だが、彼は兄貴分にして人生の匠でもある地同翔和とわと食事を共にする内に以来此処でないと朝起きた時の朝食も摂らない習慣が付いた。
 そして、ライデンが此処で昼食を摂っている時に彼はやって来た。
「遅れて申し訳ない、君はラディルの孫であるライデン君だったね」齢七十三にして八の月に成ったばかりの神武人族の老年にして現在も王を務める天同相武が口元を覆う白髭と肩迄伸びる白髪、そして皺が溢れる状態でライデンの前に姿を現した。「随分成長したね」
「相武様……お目に掛かれない内に其処迄年を摂られましたか」
「ああ、最近は能力さえも出す方法がわからなくなった。其れと十の年より前に比べて更に体が思ったように動かなく成ったな。まあ、だからこそ君には命を懸けて貰うのじゃ」
「ハハ、では相武様。五武将土の将襲名式を--」
 其の必要はない……私と再会した時点で既に君は立派な五武将の一員だ--相武は儀式的なやり取りを余り好まない様子。
「ハハ、祖父さん……いや、祖父の言う通り面倒な事が余り好まない方ですね」
「敬語で言い合うのは余りにも私が高みに転がっているようで好まない。依って対等に語り合う事を許可する」
「心遣い有難う御座います。ですが、俺は敬語が上手く話せない質であります。幾ら相武様が許可為さっても貴方様以外でも敬語なしだと習慣上困る事もあります。ですので此れからも相武様の前では俺なりの敬語でお話しする事を貫かせて戴きます!」
 其処もラディルと良く似ているなあ、わかった……あいつの性格を知る私からすれば言い出したら止まらんので好きにするのだ--相武は左手で白髪を掻きながらも血は争えない性に呆れるのだった。
「全く相武様はいい加減過ぎますから部下が好き勝手しますよ」
「そうゆう翼も先祖の飛遊実兎みう同様に家を飛び出して此処に来たのだろうよ」
「勝手な縁談を私は好まないのです」
「縁談は将来を共にする為の必要な事だろう。恋愛で結ばれるにしても--」
「じゃあ菅原さんは好きな生命と結ばれるよりも自分にあった生命を親同士が決める事が最も意味ある事だとお考えですか?」
 近付けるな……俺は異性とまともに、顔すら、見れんのだ--特に年齢が近い翼から如何しても視線を合わせられない初心なライデンが其処にある。
「成程、菅原家代々の至らない所はやはりラディルも克服させなかったか。奴とはもう少し君の事で相談したかったが仕方ない」相武は次のように命じる。「五武将にはかつて雌も居たが、今では中々雄勝りの雌は見付からない……なので翼よ、彼の付き者と成りなさい!」
「はい……え?」翼は反射で了承の意を露わにして次のように前言撤回を始める。「ちょ、ちょっと待って下さい。今のは、無しです。こんな何処の馬族の骨とも知らない方の付き者なんて、わ、私にはと、とても荷が、重た過ぎ、ますよ!」
「前言の撤回は認められない。其れに何時も勝手な事ばかり言って困らせる翼にはしっかりと社会経験をして飛遊家に戻らせるように……と御両親からの提案があった」
「パパやママが……全く私の知らない所で勝手に話を進めてええ!」
「そうゆう訳だからな、ライデン君を如何か命懸けで頼んだぞ!」
「え、俺もいきなり雌の方と然も……こんな方と一緒だなんて、そ、そんなのは!」
 こうしてライデンに頼れる相棒が出来た。

(翼さんは生涯を共にする良き相棒として最後迄俺を支えた。まあ、彼女とは如何ゆう思い出と別れを経験したのかは正直言って語るのか迷う所だ。まあ、此の話は彼女だけの話じゃない。此れから俺達は最強の百獣型と相対してゆく話へと向かわないといけない。まあ、其処迄に至るまでは時間が大分掛かる事を容赦してくれ!)

一兆年の夜 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く(序)

 未明。
(やはり思い出せないな。思い出すのに時間が掛かる事もある。次の話は確かに百獣型との戦いだ。だが、其の前に銀河連合の種類について整理してゆこうと思う。御存知の通り、銀河連合は俺達の種類だけ居る他に特殊な姿をした銀河連合が居て、そいつ等が何かと脅威と成る。
 例えば純粋な強さでは最強に位置する指揮官型の存在。奴は六本の腕と二本の足、其れに加えて二本以上の隠し腕を内蔵した正に強さを突き詰めた技巧派且つ最強。最強と呼ばれるだけあって更には速度も通常では考えられない物と成る。実際、俺も体感して思い知らされたからな。まあ其の話は又今度にするとしてもだ。兎に角、指揮官型は天同生子の時代に現れ、猛威を振るい始めたのは彼女が死んでからの時代だからな。昔も今も厄介な銀河連合として君臨する。
 次が拠点型だろうな。最初の国として誕生した国家神武。其れを丸ごと呑み込んだ後に誕生した初めての銀河連合生産工場。尚且つ、内部では生命の臓器を表す数多の種類もの銀河連合が蠢く。おまけに内部の臭いは強烈だ。今みたいに全く気にしなく成ったのはきっと俺達も銀河連合に迫っているのか或は耐性が付いてしまったのかの何れかだろうな。生物学の観点でも……いや、其の話は今やるべき話と関係ないな。
 三つ目が獅子型の上位互換に等しい百獣型だ。此方は獅子型の姿をしておきながらも怪力では熊型に近く、瞬発力は象型に迫る勢い且つ技巧派としてはカンガルー型の其れに近い等々、百の獣の頂点に達するような凄味を持つ特殊な銀河連合。但し、指揮官型程の恐さを持ち合わせていないが為なのと素足に依る攻撃を主体とする為に其処迄苦戦はしない。だが、時たまとんでもない百獣型が存在する。其れが最強の百獣型と呼ばれ、今回の話では其れに関する物だ。俺にとって試練に等しい物さ。まさかあんなに強い銀河連合が此の世に存在しているのかって思うと如何しようもない気持ちに成ってしまう。
 では四つ目に移る。此処で一旦、話も思い出して来たので此れで終わりにしようと思う。混合型を忘れていた。此れは恐らく拠点方や指揮官型より前に姿を現した異形の銀河連合。要は何でも組み合わせれば強い銀河連合が出来るんじゃないかって思考が奴等の中にある。俺だって子供の頃は思ったな、象族の力とチーター族の速度、其れに鯨族みたいな意思伝達機能を備えれば最も強いのではないかってな。だが、利点は劣点と混在する法則があってチーター族の速度は旋回を困難にして旋回を含めるとチーター族は俺達人族に競争で勝てないという指摘があるそうだ。象族の力もそうで、幾ら怪力自慢でも象族は一旦屈むと起き上がるのに体力の浪費が激しいと聞く。怪力の代償が其処にあり、故にずっと立った状態を維持しないと難しい身体構造と成る。鯨族の方も紹介したいが、此処迄にしよう。兎に角、そうゆう事もあって混合型は数多登場しても組み合わせる度に組み合わせない方が強いという結論ばかりが目立つ。故に俺が生きた時代に成るとほぼ登場しなく成るのが正に奴等が気付き始めた証拠なのかも知れない。
 ……いや、良く考えれば混合型は未だ存在するのかも知れない。新たな銀河連合創造の為に奴等は表に出さないだけで。実際、拠点型及び大樹型の存在はあくまで生産工場という運用が正しい姿なのだとすれば!
 おっとそろそろ始めようか。最初は俺が相武そうぶ様と久方振りに会った時の話からだ--)










 ICイマジナリーセンチュリー三百十二年十一月百日午前九時一分七秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂第二客室。
 其処で齢十七にして七の月と二十日目に成る菅原人族の菅原ライデンは早朝八時に神武聖堂にやって来て約一の時も此の一室で正座をしながら待っていた。
(遅いなあ、相武様は。やっぱ多忙な生命と会うなんて予定表の隙間を縫うようでなかなか難しいのではないか? 最高官様だろうとそうだけど、基本的に忙しい身だろう。俺の為にわざわざ予定表の隙間に差し込む事も無かろうに。俺はそう思うんだけどなあ)
 そう思いつつも既に三杯目のボルティーニ産のお茶を一気飲みする落ち着きのないライデン。すると齢十九にして九日目に成るエウク人族の少女が顔を覗かせる。
「何だ、貴女か。又頼む」
「はいはい、そう来ると思いました。でも、話をする前に尿意が訪れたら責任は取りませんよ」
「其の時は君を……何でもない」
 あれ、何故其処で話を止めるのです--ライデンは性的な話が苦手であるのを少女は知らない。
(苦手なんだよな、昔から雌と話すのは。其れにもっと苦手なのは……はあ、俺には姉さんみたいな生命が居なかったんだよ。だから彼女を見ると如何も如何ゆう反応を採れば良いのか俺にはわからない。正式に五武将に成ろうという俺がこうして待つのも恥ずかしい話だよ。本当に此れで良かったのかなあって。
 如何も初めての場所に待ち合わせる感覚が此れだからな。本当に此れで正しいと思う事が多々あるんだよ)
 そう考えるライデン。自分が置き去りにされたと考えた少女は次のように声を掛ける。
「あのう、菅原ライデンさん?」
「何だい、お代わりは未だ注いでないだろ?」
「そうではありません。相武様が此処に来る迄の時間は中々、待つと思いますわ。其の前に厠に行かれては如何ですか?」
「別に其処迄気にするような尿意じゃないぞ」
「ですが、幾ら尿意を溜める事が施行を高める事に繋がるとしても限度があります」
「其れ本当なのか?」
「此の話を御知り為さらなかったのですね、菅原さん?」
「初めて聞いたぞ、尿意が思考を高めるって」
「はい、高めます。けれども、私達雌は雄みたいに尿を溜め続けられるような構造には成っておりません。其の点は羨ましく思います」
「わかった。じゃあ厠に行って来る」そう言って立ち上がるライデンは次の事も尋ねる。「ところで貴女のお名前を聞いておこう」
「飛遊翼と申します」
「翼か……良い名前だ」
 其れからライデンは翼に案内される形で厠に向かう……

二回目の雑文……ルトワックの本読んでついつい付け焼刃でもするかあ

 如何も、二回目の雑文の弱点は一回目の雑文でほぼ全てを語り尽くしてネタが無い事だと考えるdarkvernuです。
 始める前に『格付けの旅』の赤魔法の章05の三ページ目が終わり、四ページ目に入りました。読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 さて、ルトワックとか言う一歩間違えたら中二病患者に指定されかねない爺さんの本を二冊しか読まない状態で少し付け焼刃なネタでも書き殴ろうかと思うんだ。

 ではでは戦争論争を始めたいと思う。司会は私、ニッコロ・ルトワック……マキャベリのファーストネームと奧山が大好きな戦略家ルトワックのファミリーネームを足して二で割った名前ですが、きっと別人でしょう。
 日本では何処もかしこも反戦論者で溢れる。其れも其の筈、戦争映画でも何でも戦争は醜く描かないといけないという如何しようもない強迫観念が支配して、戦争賛美を扱う著書或は作品が少ないのが原因だと思われる。アリー・アル・サーシェスの様な戦争賛美キャラ且つ極悪人が大体戦争賛美者として登場する程なのですから日本で戦争賛美は白い眼で見られるか或は村八分は避けられない。そりゃあ当然の成り行きだろう。誰もが命落としそうな場所に連れて来られるのは命を懸けたって嫌です。作者だって当然嫌なのだから私も……いやあ、如何も私は戦争大好きな戦争中毒者なので作者のキャラ設定通り戦争賛美に成らざる負えないんだよなあ。という訳で六人の識者にどんどん言って貰いましょう!
「戦争なんて大反対。反対、反対反対反対……さあみんなも一緒に反対!」反戦論者にしてグルメ評論家である福本伸行大学引き延ばし学部所属の班長学の権威である大槻チョー次准教授。
「戦争なんてヤダやだ。此れだから戦争賛美家の連中は融通利かない如何しようもない奴等だよ。戦争なんてない方が良いに決まっているだろうが。そんな事も理解出来ないのか!」此方は戦争体験者にして民主主義論者でお馴染みの田中芳樹大学支那賛美学部所属のヤン・ウェンリー研究家の富山健一教授。
「戦争は実に愚かだ。だが、同時に戦争の愚かさを既に忘れ去られた今の時代の人間は果たして戦争に挑む者達に比べて賢人であったか? 否、私から言わせると戦争時の人間の精神よりも実に劣った形のように思える。此れでは精神の敗者ではないか。戦争の敗者よりも間違いなく敗北者の其れに等しい。私の望む敗者には……程遠い!」此方はトールギス2に乗ってそうなエレガント大学の置鮎龍太郎学部所属のトレーズ評論家のエレガント・アースト・ディムロス教授。
「戦争のない時代では誰もが子供を作ろうという精神から遠ざかるそうだ。何が平和だ。戦争に比べれば余程非生産的ではないか!」そう主張するのはルトワック大学奥山真司早よ新作書け学部所属の講師であるアイザック・コンデ・コマ氏。
「戦争に正しいも間違いもない。存在自体を歴史から読み解けば否定するのは寧ろ歴史に対する冒涜だと私は思う。反戦を謳う事自体は間違いではないし、人類の歴史から考えてもおかしな行動ではない。けれども、反戦を謳うべきは其のタイミングだ。タイミングを見誤った反戦思想は歴史への冒涜に繋がる。歴史学者の私はそう主張する!」戦争論争で欠かせない男が一人……人物の居ない歴史書でお馴染みのアルバー・D・ストライグ氏の登場だあ!
「其の通りじゃ。数学の公式とて使い処を間違えれば答えがおかしくなる。其れと同じように平和思想の使うべき所を今の時代ではない。平和な時代に反戦思想の蔓延は人類滅亡を加速させる物じゃ。なのに現代社会では如何ゆう訳か反戦思想でなければ人間ではないかのように反戦圧力で一切の議論が封じられているように思える。此れで正しい戦争議論が出来ると思うか? わしは思わないなあ。間違った議論は間違った結論へと導く事も知らん三流以下の連中はさっさと核弾頭を打ち込まれて死ねい!」流石に最後のは過激過ぎる。が、やはり戦争議論で欠かさない老害が一人……何でも評論家でお馴染みのイルズベル・ファマーガンが居ないと何事も始まらない!
 此の様に反戦論者三人と戦争論者三人に分かれた本格的な戦争論争を始めようではないか!


 という訳で『戦争論争』のプロローグをご紹介しました。論争シリーズはやる分では中々頭の方が疲れる奴だが、やってみて面白いのが架空の大学と架空の学部を適当且つ面白おかしく紹介出来る点だろう。大学卒業生である自分ならではの「こんな大学やこんな学部あったら楽しそうだなあ」という具合にそうゆうおかしな架空の大学や学部を紹介する訳だよな。
 さて、敢えて説教臭い話をするよりも論争シリーズのプロローグで二回目の雑文を紹介したのは一重に付け焼刃故に扱うのが難しい。だからこそ論争シリーズにして紹介した。そして、ルトワックとか言う偏屈且つ変人を超えた変人の爺さんの本を二冊読んで思った事を筆に起こした迄だ。
 さて、解説すると戦争賛美が如何やっても忌避されるのが日本の言論界。此れは平和中毒者の集まりであるパヨパヨチーンのみならず所謂保守論客の間でも反戦論が蔓延る傾向にある。所謂保守論客の戦争論もそうだけど、如何にも軍備強化すれば平和に成るとか何とかで何か戦争を避けるように話をしているように思われる。其れだけに日本では戦争賛美は忌避傾向にあり、其れを言えば村八分を受ける始末だからな。だが、俯瞰して考えればおかしな話じゃないか。戦争の悪い所ばかり指摘して良い所一つも紹介せずに論戦すら許さない傾向というのは。此れでは戦争の何処がいけないのかではなく、戦争の議論其の物を封じて自由な議論すらさせないようでは本当の意味で戦争という熟語を理解出来ていないのではないかって考えられる。自分がそう思い始めたのがやはり奥山が紹介し、其れを基に三島一八が動画で紹介したルトワックの名著「戦争にチャンスを与えよ」だろう。あれ以来、自分は「そうか、戦争は必要悪なのではなく必要な自然の摂理だったのか!」と気付き始める訳だ。後は最近、数学者(高度な数学とか出来ないけどな)の思考を持つ自分は武道を其れに当て嵌めて武器とは手足に落とし込む物と理解し始めた今日此の頃……戦争も核兵器と同じく正義でも悪でもない。使う物次第で暴威を揮うのだと知り始めた。結果、今回の二回目の雑文で戦争を必要悪として議論するのではなく、手足のように扱う体の一部としての戦争を如何解剖してゆくのかを議論しようかって思い始めたんだよな。確かに以前は戦争を悪其の物と考え、核兵器と同じく此の世から消えれば良いと考えていた。だが、所謂保守思想を学び始めると今度は戦争とは必要悪として存在し、戦争しないに越した事はないと思い始める自分も居た。だが、今は違う。戦争に正義も悪もない。寧ろ、誰もが戦争を間違って捉えているのではないかって考えるように成った。其れが今の自分の戦争に対する見方だ。まあルトワックの爺さんに洗脳された……と罵られたら其れ迄だがな(笑)。
 だからこそ自分はこう主張する……今こそ戦争について正義も悪も他所に仕舞って正しい議論をするべきではないか? でなければ手足に落とし込む事を忘れて自ら振り回される事に成るぞ、ってな!
 そうゆう訳で二回目の雑文の解説を終える。

 では赤魔法の章05の三ページ目の解説をするぞ。メタルジェノサイダーはエンドレスウィークに登場するラスボスキャラかな? 其れがアルッパーと対峙し、勝ったのは其の攻撃方法に決まった形が無い為だからな。というのもメタルジェノサイダーの実態は心臓の形だからな。其の上で実質無形に依る変幻自在な動きを見せる。だからこそアルッパーは動きを解明する前に二度も地名の攻撃を受けて倒れた訳だ。ま、アルッパーを運んで来たのは最後に登場するタモリに良く似た新キャラだけどな。
 一方のデュアンはサダスとの再戦を果たすも今回も形勢不利とみて敗走する事に成ったがな。だってサダスだからな、あれは勝つのが難しい。速度ではデュアンは勝っても其れだけじゃあ勝負の世界では勝てないのは世の常だしな。そして、愈々デュアンと波旬の再戦が始まる訳だ。エ、再戦? 実は設定では既にデュアンは波旬を一回倒しているからな。其処は青魔法の章でやるかも知れないが、今度の波旬はトリコロールガールアドベンチャーを通じて力を蓄えた波旬だからな。簡単にはいかなく成ってるかもな。そんで以て全生命体の敵は増える一方だ……まあ、実質無限に存在するからな。
 以上で赤魔法の章05の三ページ目の解説を終える。

 ルトワック曰く戦争こそ少子化問題を一気に解消する方法らしい。うーん、そんなの反戦論者が跋扈する今の日本で声高に主張するのは難しいだろうしなあ。だが、実際問題は粋がってるだけで臆病なヤンキーを少しでも戦地に行かせる絶好の口実に成るからな。自分としては学生時代に小学校内に入って不良予備軍をスカウトする不良中学生が如何にも許せんのでな。そいつ等は纏めて戦地に行かせて本当の強さってのを存分に叩き込ませれば良いと考えている……あ、自分? 戦争が起こったら真っ先に逃亡するぞ。此れは前から言ってるけど、勇猛果敢何て普段言ってても実際、戦場に送り込まれたら上官の見えない所で敵前逃亡をする気でいるからな。だって恐いじゃん、死を前にした時の心って。
 そうゆう訳で二回目の雑文は此処迄。普段強がっている人間が臆病である指標は蠅や蚊、蜂、ゴキブリに対して対人関係同様に平常心で居るか如何かを確かめれば良い。素手で触らない或はビビっている場合はそいつは本当の弱虫だからな。そうゆう奴から残念ながら本当の強さを知る事は出来ないと思った方が良いぜ!

格付けの旅 第六天魔王波旬……降臨! 時空戦士襲来、其の名もタイムヴィジター

 世にも奇妙なモリタ……其れは『デカルト』のように傍観者でありながらも傍観対象がどれ程巻き込まれようとも一切手助けせずに逆に煽って自滅させる事に精を出す恐るべき全生命体の敵。とある音楽番組の司会を務める人間に良く似た姿をしているが、恐らく此方を真似しているとモリタは主張する。まあ、そんな下らん情報は如何でも良いとしても此の世にも奇妙なモリタは実際、戦うと勝つのが難しい。というのも戦う前に戦いの台本と呼ばれるプロレスラーが試合をする為に用意された台本通りに戦う。然も其のブックは文字通り戦いの流れを操作する因果律兵器であり、戦っている者達は自分の意志で戦っているつもりが何時の間にかブック通りに戦わされるという奇妙な感覚に陥る。故に勝つのは難しい。だが、逆に言えばブック外の状況には弱い事を意味する。特にブックを事前に知る事さえ出来れば若しかするとアドリブが入って勝つ事も容易いだろう。あくまで若しかするとであり、確実性は薄い。兎に角、そんな全生命体の敵である世にも奇妙なモリタ……楽な相手ではないのは確かだ!
「危ない危ない。そうか、下手に戦いを挑む所だった」アルッパーは空気が読めない為に天の声に反応して殺気を止めた。「お前の土俵に入らねえぞ、タモリ!」
「誰ですか? 尾鰭生えた?」ブック通りとはいえ、ノリが良いモリタ。「まあ良い。君はもう知ったと思うけど、私に挑む事は楽な話ではないよ」
「さっき聞いたぞ。貴様はプロレスラーと同じようにブックが無いと何も出来ない八百長野郎だって事は!」
「まあ、レスラーと違いまして私が作成するブックは君の行動一つ一つを縛り付ける物ですね。時には君に勝利をプレゼントする事も辞さないがね」
「舐めやがって。台本通りの勝利に何の意味があるんだ!」
「こうして喋っている事も台本通りだと思わないかな?」
「馬鹿にするなよ、モリタ。俺の鯨族に備わる進化したテレパシーはお前が台本作りしていると気付けば即座に察知して行動に移せるような仕組みだ。『先の先』の強化版を舐めるんじゃねえ!」
 先の先……其れは高度な戦いに於ける第一歩の事を指す。相手が動いてから先を取る後の先、相手と同時に動いて先を取る対の先、此の二つはやろうと思えば出来る。だが、先の先は相手が動く前に先を取るという極めて難易度が高い技術。何よりも動くか如何かがわからないのに其れを察知するなんて相手を理解しないと難しい。其れ位に難易度が高く、そして習得すると実質上は何物にも負けない力を得る事に繋がる。まあ俺達の世界ではあくまで高度な戦いの第一歩に過ぎず、此れ以外にも尋常ならざる技術は幾らでも存在する。『制空圏』、『技撃軌道線』、『無打無撃』……未だ未だ紹介したいが、思い出せないので此れ位にする。
「ウグ……僅かに反応した。貴様から発する動きではない異質な動き!」
「来ましたね、此の空間を作り出したある時空戦士が」
 コオオオオホオオオ--其れは一見すると某映画で有名な異星人の戦士のように映る者だった!
 てめえは……プレデターだな--アルッパーはそう評した。
「少シ違ウナ。我ハ貴様ト同ジク有名ナ怪存在ノ子孫ニシテ更ニハ有名ナ怪戦士ノ子孫デアル。数多ノ強キ者ノ遺伝子ヲ受ケ継ギ、ソシテ時ヲモ自在ニ操ル事ガ出来タ。其ノ名モ時空戦士『タイムヴィジター』!」
 要するにプレデリアンの子孫か……金田一耕助の孫方式をパクるんじゃねえ--其れは御互い様であるぞ、アルッパー。
 タイムヴィジター……其れは先祖がある宇宙のある銀河のある太陽系第三惑星にある星条旗の国。何方も星条旗の国から誕生した国民的モンスター。一方は強者との飽くなき戦いを夢見て各地で暴威を揮う異星人。もう一方は人類を脅かす暴虐モンスター。そんな二種類は互いに戦い、更にはある暴虐モンスターが戦士の遺伝子を取り込んで更に進化した暴虐モンスターと化する事もあった。そんな暴虐モンスターが偶然にも時の住人の体内に寄生して進化した場合は如何成るのか? 其れが此の時空戦士の誕生秘話にも繋がる。まあ、要するに……動いている姿を描いて行けばわかるって話だ。
「中々強いですよ、彼。時空王『グランドマスター』と戦うみたいに苦戦するかも知れませんよ」
「お前は後で俺が食べてやる!」
「其れは無理な話ですね。何故なら既に私はブック通りに開始の合図と共に別の超宇宙に転移しますので」
 ブック通り……世にも奇妙なモリタはエスコートしておきながら何食わぬ顔で別世界へと転移してゆくのだった--残されたのはスローモーションで数々の攻撃を繰り出すアルッパーとタイムヴィジターのみ!
 アルッパーとタイムヴィジターはスローモーションで攻撃を織り成す。ヴィジターは右手にした矛の様な武器で突きの連撃を仕掛けるとすればアルッパーは横回転を活かして前に前に深く踏み込んで噛み付きへと移行してゆく。だが、大きさの分だけヴィジターはより深く間合いに潜り込みやすい。結果、アルッパーは巨体故にヴィジターの織り成す一撃必殺のサンダーソードを諸に受けた--かに見えた!
「何、透ケタ……鯨外存在ハ『幽玄』ノ『陽炎』ヲモ使用出来ルノカ!」
 馬鹿め、巨大存在が死角を付けないと思うな--『陽炎』……否、ヴィジターの被るマスクの死角を衝いて更には瞬きも見逃さずにまるで摺り抜けたかのように移動して背後へと回ったのであった!
 惜しい……アルッパーの噛み付きは意趣返ししたタイムヴィジターの死角に潜る移動法で躱された!
 陽炎……其れはどの世界でも存在する相手の死角に素早く潜り込んでまるで摺り抜けたかのように移動する歩法の事。高等技術故に使用出来る使い手は多くない。けれども理論の上では可能な歩法。但し、あくまでタイマン勝負に於いて摺り抜けたかのように移動出来るのであって観衆が見守る中で摺り抜けて移動する事は……理論の上でも恐らくは不可能だろう。尚、其の名称はあくまで作者が『幽玄流』と呼ばれる架空の武術を設定する際に名付けた物で他の世界では陽炎ではなく朦朧拳だったり焔だったり或は瞬だったりする。どの歩法も摺り抜けて移動する点では共通する。
 幽玄流……其れは大陸拳法の一つ。主に大陸拳法に於ける内家拳の一派で内功を極める内に九属性の歩法を編み出す。其れが相手の死角に潜り込む火属性の歩法である陽炎、水面に映る鏡のように一瞬で背後に回る水属性の歩法『水鏡』、音を惑わせて相手に間違った判断を起させるように移動する風属性の歩法『風鈴』、立ったまま高速で移動する指の力のみで移動する地属性の歩法『地滑』、氷が砕けたかのように一瞬で二つ以上に分身して移動する氷属性の歩法『氷塊』、雷の如く一気に間合いを詰める雷属性にして最速の歩法『迅雷』、明るい場所で光に隠れて移動する光属性の歩法『光臨』、暗い場所或は影が多い場所で虚実を巧みに用いて移動する闇属性の歩法『闇雲』、最後は自重を自在に操って移動する重属性の歩法『引力』の九つ。一般人が長い修業の末に身に付けられるとしたら陽炎、『地滑』、『迅雷』のみ。他の六つはファンタジー要素が強過ぎて難しい……と言うよりも無理。そんな基本的な九つの歩法を幽玄流では昼夜問わず徹底的に叩き込まれ、其れ等が手足のように使えて初めて攻撃技の修行に移る。其れだけに実は倒す技術は他の内家拳に比べて脆い面が強い。殺す術は十分でも倒す技術は全て殺す技術に全て持って行かれやすい。だが、暗殺を第一とすると踏まえれば倒す技術は不要だろう。殺せば後は如何とでも成る。其れ以外の技術を習得する意味はほぼ皆無に等しいのだから。
 ヴィジターの攻撃はアルッパーに届かない。アルッパーが距離を取った。其れにしても互いにスローモーションな状態は何故に起こるのか? 此れが時間を操る存在には速度を上げて叩く技術が無意味な為なのか? 其れとも--
「てめえ、少しでも時間を弄れば俺は其処を衝いてゆくからな!」
「出来ナイ相談ヲ良クスル。サンダーソードガ決マレバ其レデ十分」既にヴィジターは時飛ばしでアルッパーの眉間迄接近。「終ワレ!」
 だが、アルッパーはホワイトホエールの応用でヴィジターを吹っ飛ばし、怯んだ所に放射能熱線内閣総辞職ビームにて焼き尽くす--惜しい……ヴィジターは寸前で時を止めて安全圏に避難してから時を動かしてしまうではないか!
「確かに当たっていた……貴様、時を動かしたなあ!」内閣総辞職ビームの応用でレーザーは一気に拡散ビームに切り替えてヴィジターの時移動への対策を取ってゆく。「舐めるナアア、時間を少しでも弄ったら……其処を衝くと言ったんだよおお!」
 破壊し尽くす数多の針時計と砂時計。其の中でまるで歩くようにスローモーションで回避行動をしてゆくタイムヴィジター。そして手にした矛をサンダーソードに変化させながらアルッパーの死角へと移動してサンダーソード投擲と呼ばれる必殺必中の攻撃を時飛ばしとの合わせ技で放った--アルッパー……受ければ其の電撃の矛は分子分解だけでは済まない!
「コナクソガアアア……俺がカウンター出来ないと思ったかああ!」何とアルッパーは其れを見様見真似で会得した倍々カウンターを以ってヴィジターを倍乗ホワイトホエールで吹っ飛ばしたではないか。「ゲホゲホ……此のカウンター技は熟しても絶対にもう二度とやるもんかってな!」
 ヴィジターが一億光年吹っ飛ぶと同時に世界は硝子のように割れて行く--

 一方のデュアンと波旬の戦いは既に極限魔法百連発では済まない激しい攻防に発展!
「グ……あの頃よりも遥かに、強い!」
「如何した、デュアン・マイッダー。此の程度で余が倒れると思うたか!」
 第六天魔王の何嘘偽りなし……か--デュアンは口から吐血するのを隠さずにいられない!
(強い……あの頃よりも遥かに強い。ならば俺は如何するべきか? 俺オリジナル魔法を使うべきか? だが、あれは固有魔法同様にマナの消費量が膨大過ぎる。大体極限魔法の連発でマナの回復に時間を要さないといけないからな。さあ、如何したもんか!)
「遅い、『天獄』!」
 波旬の繰り出す災害魔法『天獄』--デュアンは天の牢獄に跳ばされたと同時に無数の霊魂にあらゆるマナを吸い取られてゆく!
(来たか、第六天魔王が他化自在天を我が物に出来る事を決定付けたマギ。直撃すれば一溜まりもない一撃必殺……が、自らボーリングオブコスモスを掛ければ其の問題は解消される!)
 やはりそう来たか、時の牢獄よ……今こそ彼の者に永劫の氷漬けを--そして『天獄』は『時獄』とセットで繰り出し、ボーリングオブコスモスの応用法で脱出を図ろうとしたデュアンを二者択一の牢獄へと追いやる!
「……だったら災害魔法『連獄』で第三の選択肢を繋げさせる!」デュアンロール単独のボーリングオブコスモスに自ら単独で繰り出す『連獄』を掛け合わせて零をプラスかマイナスに無理矢理繋げた。「其の隙間からテレポーテーションだ!」
「脱出したか……甘いわ、余が其れだけしかないと思ったら大間違いだ!」
 脱出して既にデュアンロールを失ったデュアンに襲い掛かる空間輪廻の無名なるマギは捻じれを起こして重力崩壊の末にデュアンという存在を--
(こんな事もあろうかと奴が『天獄』を繰り出す前に仕掛けて於いた俺固有の魔法、エヴォリュダーにて増幅させて撃ち込む!)
 此の戦い……デュアンが一億と二千万年の末に勝利を果たす--増幅された一撃は波旬の肉体を消滅させる程の破壊力にて小宇宙百八十個分を容量過多の崩壊へと追いやった!
(はあ、倒してやったぜ。だが、こりゃあ何処へ向かうんだろう?)
 だが、激戦の傷跡はデュアンを更なる戦場へと流してゆく……

 赤魔法05 第六天魔王波旬……降臨! END

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一応第二位の経済大国にODA出す意味がわからん……本当に日本の売国奴共は虐めっ子に付き従う連中としか思えん!

 如何もdarkvernuです……やっとODA出すの止めてくれたか。つーか出す意味がわからん、あんなODAを核兵器開発に使って国内及びチベットやウイグル其れに内モンゴルと言った所に大量の被爆者を出し続ける連中に金を出す事がどれ程良くないか。
 さて、始める前に『格付けの旅』が土曜日に更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 其れじゃあやってみましょうか。

 昔々ある所に合気道村とカンフー村とアメフト村がありました。アメフト村は此の一帯一番の経済村で規模が大きい。弱点は交通の便が馬ばかりで飛脚の数が少ない事だろう。何でも馬業者であるジェネラルホーシーズが飛脚会社を次々と買収しては部門を閉鎖する繰り返しをしてしまった為にそうゆう社会に成ってしまった。此れがアメフト村の特徴。
 合気道村では馬も飛脚も両用されていて更にサービス精神の高さと清潔さでどの村依りも話題。弱点は直ぐ謝罪する点と村の精神を平気で冒す事を辞さない愉快犯が大量跋扈する点だろう。
 問題はカンフー村である。此処は年平均五分の経済成長を実現する。だが、村の表は綺麗に取り繕っても見えない部分では馬どころか飛脚も通らない過疎な地域が存在。更には未だに徒歩のみで仕事場に通勤する村民に自由が一切ない村の風情。中には自治村を統治しては人身売買、兵器実験場、挙句には大量の本村民を送り込んで種から絶滅を試みる……等々、他の二村に比べて問題点が多過ぎる。なのに三つの中で経済規模が二番目に大きい。そして今でも第三位の合気道村から経済援助を受ける始末。
 そんな関係も最近では漸く経済援助を取り止める事と成った。そりゃあ異常な話。第二位なのに第三位から経済援助を受ける理由を幾ら説いても納得する回答は一つもない。取り止めて当然の結果。
 此れは昔話の類。現代社会と一致するかは別にして皆さんは如何思うかな?


 まあ、少し強引だとすれば飛脚は電車つまり鉄道で馬は車を表すとしよう。そうゆう訳でお送りした時事ネタ。本当に意味不明だからな、ついさっき迄ODAであんな人種差別国家に支援しているなんて……第二位と謳っているんだから支援しなくても結構だし第三位の頃から支援する必要はないんだよ、だって其の金全部核弾頭だとかチベット人やウイグル人や他の多くを皆殺しにする為に使われて来たんだからさ。全く日本の国賊共とか本当に意味がわからん。特に財務省……てめえら散々国内で緊縮を押し付けておいて支那では平然と金を出すって。本当にねえ、官僚全員首切ってやりたい程に呆れるよ……ま、自分が財務大臣に成った場合はローゼンと同じく部下の為に働きそうだから其れは有り得ないがな。あ、財務省だったかな? ODAを管轄する省庁は? まあ何れにしてもODA漸く辞めても今度はスワップだしな。スワップ自体はあくまで金を出すという意味では無くて意味としては詳しい事をそんなに知らん自分だからちゃんと説明出来るかは正直自信が無い。只、あれは「此れ此れの規模まで両替出来ますよ。だから此れ此れを互いに融通しましょう」という類だった筈。だから厳密にいう金を出すのとは違うんだよな。だが、あの国の場合だと其れを金出しと思って自由に使いかねない危険性もあるからな。例としてワールドカップ予選敗退後に帰国して早々に卵投げられたあの国があるじゃないか。あいつらもスワップを経済支援か何かと勘違いしているかのように自由に使っては返さない傾向にあるからな。スワップはそうゆう意味じゃないからな。つーか使ったなら返せ……ったく此れだから陣地の国に金を出すのは良くないんだよ、全く!
 とまあこんな感じで紹介した。本当に異常だろ、第二位の国に経済援助をする第三位の国って。其れのび太が金持ちのスネ夫に金を出す位に異常な構図じゃないか。こうゆう構図を日本はずっとやって来たのだぞ、やってられんだろうが。
 そんな感じで時事ネタの解説を終える。

 第百二十七話の解説でも行きましょうか。今回は五武将に紹介されるライデンのお話。のつもりなんだが、ちと……やばいな。話の切れが悪過ぎる。普段はこんな風じゃないんだけど……大分、話に自身の疲れが出ているな。話を執筆する前に少しリラックスするか或は曲でも聞いて雑音をカットする方向にやるべきかなあと感じる。
 とまあネガティブな事は此処迄にして今回では如何してライデンが後継者に選ばれたのかをちゃんと描くつもりだったんだけど、何か偶然銀河連合がやって来て偶然見せ場が出来て偶然終期五武将が集結して偶然解決したんだ……と言う話に成ったのは残念で仕方がない。やっぱ話に作者の疲れが出ていると歯切れが悪いんだよなあ(情けない事に)。
 まあ今回も解説らし解説に成らずに第百二十七話の解説を終える。

 では予定表を記していきましょうか!

 十月二十九日~十一月三日 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く         作成日間
 十一月五日~十日     第百二十九話 終わりの始まり 己の中にあるもう一つの己       作成日間
   十二日~十七日    第百三十話  終わりの始まり キシェール最後の雄          作成日間
   十九日~二十四日   第百三十一話 終わりの始まり 急激な氷解は惑星の水位を押し上げる  作成日間

 第百二十七話の冒頭で大まかな流れを紹介した。長編はそんな感じで展開してゆく予定だ。
 玉川と言い、キンペイといい……テレビキャスターのゆうこりんがまともに思える程にうまるちゃんの件は酷いよなあ。千羽鶴は如何見てもスタフィーにしか見えないし、肝心のうまるちゃんは解放された癖に文句ばっかりだしよお。やっぱ其の侭、武装勢力に一生拉致られたら良かったと思うんだ。殺されろ、とは言わん。一生拉致られる事が奴の為に成るし、解放される度に奴の愚痴は知りたくもないし聞きたくもない。歓迎する気も失せるし、気分が悪い!
 そうゆう訳で今回は此処迄。うまるちゃんの何処が英雄なんだ。オシムが言ってただろうが、英雄は国の為に貢献して死んだ人間の事を指す……奴は生きてるじゃん、そして貢献すらしてないじゃん!

試作品 スピンオフ 自称怪獣王アルッパー 其の二

 如何もやるつもりのなかったスピンオフ第二弾をやるdarkvernuです。
 但し、試作品だけどな……ブヘヘヘ。

 反捕鯨国家群はミスを犯した。其れが自国の利益を守る為に捕鯨に反対して鯨に付け上がらせる隙を許した。其の結果、鯨族は人間に代わる第二の地球の覇者に成ろうとしていた。
 此処ドーナツ型宇宙シーシェP銀河グリーンP太陽系<わとーそ>にて国連軍は原子爆弾の使用も辞さずに鯨軍団との激しい死闘を繰り広げる。だが、反捕鯨国が主張する人間の次に知能がある鯨様だ……原子力潜水艦の技術をも盗む手法を得るのは既に時間が許す。其の為、彼等はテレパシー能力を諜報活動用の鯨に仕込んで何と鯨製原子力潜水艦の開発に成功。そして、国連軍と鯨族との戦争は十年以内で終わる筈が百年単位で進行。やがて、悪魔の石を内包した隕石の到来に依り、人の言葉を話す鯨外生物の誕生を促した。
 そんな鯨外生物は何とヨウツベチャンネルを開設。再生数こそ少ない物の、人類の生き残り共は其の鯨チャンネルの存在に戦慄を覚える。
「オイオイオイ、何だよ『二本足を食べてみた動画』は?」「ヨウツベも規約違反でBANすりゃあ良いのに!」「きっとあの鯨野郎が運営を食べると脅してるんだろうよ!」「てめえら、さっきから俺の動画にケチをつけやがって!」最後のコメントは『アルッパー』が記した物--勿論、其れは奴がデュアン・マイッダーに命名される前の話だがな。
 アルッパーが如何してヨウツバーデビューしたのかは誰にもわからない。だが、人類滅亡を掲げる鯨族の目的の一つとして鯨動画を出して広告収入の独占と或は人類の弱点を衝く作戦の為ともコメントする輩も居る。だが……「クソウ、何で再生数二桁だよ!」当のアルッパーは有名に成りたいようにも感じる--見事なダブスタぶりである!
『如何もオオ、批判系ヨウツバーの鴫野だよ。今回は底辺ヨウツバーの鯨兄貴について批判して行くぞ。奴は運営に保護されているのを理由に人間を食べる動画をアップし続ける訳だ。正直、グロを想像する視聴者を喜ばせるに至らないね。もっとこう、グロテスクを恐れて丸のみ動画を見せている気分だ。此れじゃあ面白くもないな……勿論、ウプ主の非人道性を糾弾する為に俺が此れを投稿した訳じゃない。何故、こんなやらせ動画でさも自分は鯨キャラですってアピールしているのかが問題だろう。其れに食べられる人間が胸が大きいだけのブスなのも問題だ。ブスじゃあ悲壮感が湧かないだろ? わかるだろう、悲壮感が湧くとすればやっぱ美人じゃないと駄目でしょ。幾ら水着を着ているからってブスが丸呑みされる動画見ても何の面白みもないじゃないか。だからさ……ってうわあ!』
『貴様あ、さっきからやらせだの鯨キャラアピールだの好き勝手言いやがって。俺は間違いなく本物だ。悪かったな、ブスばっかりで。運営を脅して尋ねたらブスしか寄越さないんだ。美女を食べる動画見せ付けて俺達鯨の憎しみをお前等二本足にぶつけて俺達の脅威を示したいのによお。なのに鴫野、貴様みたいな二本足がさっきから好き勝手言って動画している所を偶然にも耳にしたんで試しにグロ動画野郎かって思うんだ!』
『ヒ、ヒイ。た、食べないでくれ。俺は、美味しくないぞ!』
『五月蠅え、バーベキューにしてやるから有難く焼き二本足にされろよ!』
『ギャアアアア!』
 こうして鴫野の惨殺動画を投稿。だが、同時に運営規約に違反したとしてBANな目に遭ったアルッパー。人類の敵がヨウツバーデビューに無理があったか。
「畜生、運営め。即BANかよ、悔しいじゃないか。こうやって二本足の広告収入源の独占を目指していた俺の野望がああ!」
 先ず、鯨がヨウツバーを目指すという動機自体が謎思考過ぎる。アルッパーはデュアンと出会う前から既に行動原理が人間臭かった模様。
「こう成ったら居酒屋に寄って自棄酒だあ!」
 そして居酒屋に向かう鯨……アルッパーは人類滅亡を掲げる割には行動原理が人間の其れである。彼の悲願を達成するにはやはり人間に成り切る事を諦める以外にないのではないかと誰もが思う所だろう……


 という訳で『スピンオフ 自称怪獣王アルッパー(仮)』のパート2をお届けしました。まあ、試作品出さないのもあんまりなので建設的な試作品を出す為の一環としてアルッパーのスピンオフの続編を執筆した迄だな。にしても動画投稿出来る鯨って一体!
 そうゆう訳で今回は此処迄。にしても鯨との戦争中に動画投稿サイトが未だ継続中なのが謎過ぎる。大東亜戦争時のアメリカ合衆国かよ、此の時代のヨウツベは!

一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(終)

 現五武将の二名が居れば事足りる戦力ではない事を四名は気付いている。
(あの犀型には技を凌駕する力を持つからな。未だ足りない。幾ら犀族の突進力でも巨大な方が打ち勝つに決まっている。日の出は未だに俺達に向かない。銀河連合の優位を崩すには俺の見立てでは……五武将級が後三名必要!)
 其の見立てはスネッゾルもサイ団もポニー輝彦も同じ考えだった。今の侭では昨の日よりも更に巨大な犀型を打ち破る事が出来ない。其れだけ犀型の力は今の数を凌駕する。そんな中で「展開しろ、二名共!」齢三十にして三の月と四日目に成るキュプロ栗鼠族の中年にして五武将木の将であるリリザース・リッサールの号令と共にリリザースを中央にしてサイ団の隣に一名、ポニー輝彦の隣に一名が駆け付ける!
「リリザースにサンショウじょう、其れえええいにシシド!」
「来ましたね?」齢十八にして十四日目に成るラエルティオ山椒魚族の少年で現在五武将で最も若い山一サンショウ丈は右前足で頭を掻きながら呟く。「其れにしましても大きいですね?」
「相も相も変わらず五武将ではこうゆう銀河連合を相手にしないといけないのかなかな?」齢四十五にして八の月と二日目に成るルケラオス獅子族の老年にして金の将を受け継いだ雄シシド・ミリエムは汗を拭いながら怠そうな様子で語る。「鞭を鞭を打つのも勘弁して下さいなな」
「だが、あんたは相武様に依って即選ばれただけの逸材だ。其れなりに重荷と成って貰うんぞ!」其れからリリザースは号令を出して犀型討伐の為の作戦を遂行してゆく。「作戦番号丙で行くんぞ!」
「丙か、わかあああああったぜええい!」
「巨大な相手には先ずは足から行こうかい!」
「足狙うのは良いけど、踏み潰されない?」
「考えるのは考えるのは後にしろろ。今は今はやるべき事を果たすだけだ、サンショウ丈よよ」
 そうして戦いは始まる。最初は一斉に後ろ左足に集中攻撃。犀型は其れに気付いて直ぐに膝を崩しつつも踏み付け攻撃を敢行。其の間隔を見逃さずにシシドは何と関節技で左後ろ膝を踏み付けの勢いを利用して破壊--其の圧倒的な精度の高さにライデンは次のように驚く。
(出来るのかよ、あんな事が。獅子族の爺さんでもああして巨大な相手の機動力を封じる足段を持つのか……寧ろ俺自身の熟し足りなさを痛感させられる!
 其れに一本の足を封じた後はあの五名……直ぐに次の行動に出て、序にもう一本の足を封じて行く。完全に動きの要である足を二本もふうじてから漸く頭を集中砲火か……ンン?)
 其処でライデンは犀型の口から何かがあるのを見逃さなかった。そして、考えが走る前に体が動き出して喉に直撃しそうなポニー輝彦の前に飛び出した--其れはライデンの左肋骨の三本に罅を入れながら軌道を変えて後方成人体型十五の所にある無者の藁病室を支え骨に直撃……藁病室は其の侭倒壊!
「ガッフ……ハフゥ!」ライデンは左肋骨を三本も罅を入れた影響で左肺に欠片が突き刺さって口から血を吐き出す。「ゲホゴホォ……息苦じいぃ!」
「ライデンの坊主……俺の事を庇あああってええい!」
「今の今のは……良い判断だ、其処の人族の少年少年!」そう言ってシシドは犀型の顎を外すと其の侭、飛び出した舌に関節技で先端を引き千切ってみせる。「ウイウイイイイイイオオオウウ!」
 舌の先端を引き千切られただけで激しい出血は犀型を死へと追いやった……戦いは全生命側の勝利に終わり、誰一名とて死者は出る事もなく幕を閉じた。
「ハアハア」ライデンは左腕と左足以外に怪我を受ける。「入院が長引き、そうだ」
「右足しか満足に動かせない状態で……少年の名はライデンと呼んだか?」
「あんたは確か……栗鼠族だからリリザースさんか?」
「既に聞いていたのか。其の通りだ。私はリリザース・リッサールと申すん。君の其の勇敢なる姿勢を称えて……如何だい、ポニー輝彦の跡を継いでみないか?」
 俺は--そしてライデンはその道を選ぶ……


 ICイマジナリーセンチュリー三百十二年十一月九十日午後一時三十三分三十一秒。

 場所は真古天神武大陸藤原菅原地方道真県第八北地区菅原ライデン邸。
 ライデンとレットはそろそろ出発する時が来た。
「昼に出発するのは通常の一般生命の時間帯じゃないがな」
「だが、単純南に真っ直ぐ行けば着けるもんだぜ」
「ライデンらしい単純な方向感覚だ」
「そうゆうお前は此処を離れて旅か?」
「ああ、俺様に足りない物を埋める為だ。其れに探したいんだよ、真古天神武初代王天同躯伝の第三子の行方の鍵にも成る新天地とやらってのがな」
「存在している保証もないぞ。確か、水の惑星中銀河連合の隕石が降り注いでいて何時此処も喰われるかわかった物じゃないんだぞ」
「其れでも俺様は辿り着くんだ、そんな気がする」
「何かおかしな文法じゃないか?」
 俺様のいけない点だな、変に成る文法は--レットはそう語る。
「まあ良いじゃないか。此れで俺の話は終わった。次は--」
「止めておこう、何故俺様が其の血を目指すのかを教える訳にはゆかない」
「さっき言ったような……ま、いっか」
 其れからライデンとレットは南北分かれて其々の道を進んでゆく。

(わかっていると思うが、永遠の別れじゃない。此の後も何度だって会うさ。其れに俺は一旦、奴から引き継ぎをしなくては成らない。ま、其の話をする事なく五武将の話は終わるのは何とも消化不良にも程があるがな。次は俺にとって山場の一つとして数えられる最初の山場である最強の百獣型との戦いだろう。此奴はかなり厄介で何度だって勝てない事があった。そして俺の前任者だったポニー輝彦がまさかの……其れは次で話す。
 今は少し、間が欲しい!)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十二年十一月九十日午後一時四十二分六秒。

 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として 完

 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く に続く……

一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(戦)

 午後七時三十二分四十四秒。
 戦いは僅か三十分足らずで終わりを迎えた。ライデンは圧倒される!
(たったの五本であんなにデカかった犀型を……翻弄するなんて!
 というか左眼に二発も綺麗に狙えるなんて。然も本当に物部刃の威力なのかよ!)
「フウ、疲れたああぜえい」ポニー輝彦は事を終えると腰を下ろして両前足だけで望遠刀の整備を始める。「少し精度が落ちいいいいたかあああんな?」
「何処が精度が落ちたんだよ。何であんなに無駄が無いんだ!」
「そうううんか? 全盛期に比べれば俺も大概、当てええええいる技術に衰えを感じるがな。あの程度……一発か或は三発程度で済むうううん筈だったんだけどな」
 技術の衰え……寧ろエエ、磨きが掛かっているように思われるエエ--スネッゾルは一部始終を眺めつつも巨大犀型で死んだ生命の埋葬を進める。
「あ、そうだ。犀型に依って死んでいった生命の……ウグッ!」
「無理な事はやあああうる物じゃない。後は俺達が何とかすううううううんるから病者は静養して居ろ!」
 そ、そうする--未だ未だ万全じゃないライデンだった。
(未だ未だ現役続けられそうな足前なのに……何故後継者に俺を指名したのだ? 其れが気に成るなあ)
 ライデンにとって腑に落ちない事がある。其れが前述したように真島ポニー輝彦が如何して自分を指名したのか? 足前から見てもポニー輝彦には未だ未だ現役を続けられるだけの体力と技術と胆力がある。其れだけじゃない。ライデンはスネッゾルにポニー輝彦の寿命が少ないのかも尋ねた。
 答えは合致せず。ポニー輝彦は酒を嗜む生命であっても癌一つ出来るような心配性の生命ではない。何よりも病気らしい病気も患わずに今日を生き抜いた。彼が死ぬとしたら老衰か或は戦いに依る死以外にない……スネッゾルはライデンに向かってそう断言する程である。
 そう成ると何が原因なのか? 其処でライデンはポニー輝彦が故郷のエウク県に帰還する前に尋ねた。

 五月百四日午前五時一分十八秒。
 ポニー輝彦は昨の日にライデンに約束された時間に藁の病室を訪れる。
「朝から老い耄れに此の時間帯は体に堪えるぞおおう」
「何処がだよ……聞いたぞ、先生からたっぷりな。あんたが死ぬ時というのは--」
 ああ、わかあああっている……俺には死ぬ予定の大切な息子が居るうううんだ--未だ尋ねても居ないのにそう答える訳ありなポニー輝彦だった。
「死ぬ予定? あんたには子供が居たのか?」
「正確には生まれた時から長生き出来ない最後の子供だあああい。あいつを除いて八名居た子供達はみんな銀河連合の隕石雨に巻き込まれて死んんんだ」
「銀河連合の雨かあ。確か今は無いとされる仁徳島の学者が唱えたという歪みの範囲で到来する流れ星の時期と規模が変化するという奴だな……名前は忘れたが」
「俺は学紋が詳しくないので其処は木の将を務めるプトレ縞馬族の紺柴ファウ一郎に聞くのだああああんな」
 あんたよりも年寄りの爺さんと聞くんだけど……俺が襲名した時迄生きているのか--言葉通り、ライデンが襲名した時既に故者に成った後。
「其れよりも如何して余命幾許もない最後の子供の話を出したか教えよおおおうんかあああい」
「頼む、何処迄心境に共感出来るかは自身が無いけど……あんたが将を誰かに譲る程の事だよ。出なければ俺は、望んであんたの跡を受け継げない!」
「わかったあああい、話そう……但し」銀河連合はどんな時でも必ず出て来る。「昨の日よりも更に巨大な犀型を菅原ライデンが倒す事が出来れば考えても良いぜえええんい!」
 ライデンは未だ完治していない状態。当然、そんな事が出来る筈もない。全長成人体型十二にも成る今回の巨大犀型は昨の日に五本も使用したポニー輝彦としては出来れば戦いたくない相手。其れでも相手にしないといけない時もある。
「駄目だ、おっさん。如何考えても無茶な状況だ!」
「状況が状況でも……相武様を守る為に選ばれた俺は刃を引くうううんのだ!」
「最愛の子供が待っているのに、か?」
 ああ、誇りの先にあいつが待つ……だから死ぬ事は絶対にないからなあああん--自身の生存を頑なに信じるポニー輝彦。
「あいつ……そうは言ってもエエ」物音に気付いて目覚めたスネッゾルはライデンと同じような意見だった。「昨の日よりも巨大な相手は……出来れば私が加勢して何とか出来れば良かったのにエエ!」
「クソウ、結果が変わらない。俺が万全でも……今の侭じゃあ無理だ!」
「無理か如何かはやってみなければわからない時もあるぞおおう」
 今の侭では……だったら僕が加勢しましょうかおい、真島さんよおい--何と巨大な犀型の左後ろ脚の付け根に体当たりを加える生命が一名……齢二十八にして九の月と十日目に成るエピクロ犀族の青年が加勢した!
「お前は……サイどんかああんんい!」
「やあい、燃え盛る火の将藤原サイ丼が居れば勝利条件に合致するだろおい!」

一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(会)

 五月百三日午後三時七分一秒。
 場所は鳳凰堂山南西出入り口前。其処に齢三十四にして二十九日目に成る雄略蛇族の中年スネッゾル八代の民間病院がある。
 藁に依る一階建てで収容容量が五名と少ない。其れで居ながらも移動式であり、普段は何処にあるのか誰にもわからない。
 そんな藁の民間病院を抜け出したライデン。彼の左腕と左足はまだ完治していない。動かすのも各節に痛みが走る程、辛い。にも拘らずライデンは抜け出す。其の先にポニー輝彦の姿があれば激痛に耐えて抜け出すしかない。
「来てくれるのは有難い、けど……痛いから此の痛みが少し大丈夫に成る迄は待ってくれるか?」
「何という情けない生命だあああい。痛みは武芸を嗜む者ならば日常茶飯事の話だああああろうがああん」
「大昔は医療技術も其処迄じゃない上に科学的な根拠が乏しい時代だったんだ。だが、今は其れも固まって容易に医者の介在出来る時代が訪れたんだよ。わかるだろうが」
「其れは医者の勝手な解釈を招くううううんね。如何して武者は一々戦う度に医者の言葉を聞かないといけないのだあああい!」
「それは話とは異なるだろうが」ライデンは話の脱線を此れ以上する事を止める。「其れよりも俺はこんな状態だからあんたの誘いには乗れない。なのに如何して此処にやって来た?」
「ああ、そうそおおおうん。実は君が五武将に成る為に少しだけ予習をして貰おうと思ってたあああんだ」
「予習って--」
 其処に居たかエエ、万全じゃない状態で抜け出すんじゃないエエ--当然、スネッゾルが追って来るのはわかり切っていた。
「じゃあ遠目で見て直ぐにわかるあの藁の病院で話の続きと行こうじゃなあああいかあ!」
 二名はスネッゾルに牽引されるように藁の病室内に入ってゆく。

 午後七時一分三十七秒。
 ライデンはポニー輝彦から五武将について聞かされる。其処には五武将其々の二つ名の他に歴代の五武将の名前もあった。主にに構成され、役割が其々異なる。
 先ずは火の将とは先陣を切る程の勢いのある生命が務める役割。天同相武を守る五武将の中で最も自由度と攻勢が激しい将である。
 次に水の将は足を固めての守りを重視する最も五武将の役割に近い将。主に防御力の高い生命が務まる役割。
 三つ目が木の将。此方は主に木の根の如く戦略及び戦術を構築する役割を担う特殊な将。戦いにはやり方もあり、此れを重視しないと戦いに勝てないことは多々ある。其の為に存在する。
 四つ目が歴代ではある鬼族の生命が後期五武将迄務めたという金の将。純粋な戦闘力が先行するが、実際は力自慢が務める役割。単純な力で押してゆく将として現在の五武将制度で漸く固まった段階。
 最後はポニー輝彦も務める土の将。主に土の如く支援優先の役割を担う。支援とは決して砲撃だけじゃない。補給も又支援の一つである。其の為、重要な補給線の為に此れは存在する。
 其れから歴代の五武将を説明しようとした所……突然、外で騒がしくなる。ライデンとポニー輝彦が藁の病室外に出ると其処には全長成人体型十にも上る巨大な犀型が五名の生命を突進だけで死なせながら食い散らかしながら此処迄運んで来たのが一目でわかる程だった。
「あいつは……銀河連合め、此の怒りで傷が治ればどれだけ晴らせるのか!」
「こんな時に……まあ良い、引退試合は未だ早あああい。けれどおおおおうも」ポニー輝彦は背に担いだ四足歩行用望遠刀を前右足迄降ろして素早く物部刃を一本咥えて構える。「よおく見ておれえええいよ。此れが五武将という奴だあああい!」

一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(語)

 五月九十六日午前九時三十八分二十一秒。
 場所は真古天神武大陸藤原菅原地方鳳凰堂山標高成人体型百二西側。
 齢十五にして七の月と十日目に成る菅原ライデンは危機に立たされていた。其の相手は馬型。だが、前に戦った馬型と同じく砲撃戦に優れる。更には近接戦にも長けて尚且つ馬型である為に機動力の面で人族のライデンは苦手とされる。故にライデンは右腕一本だけの状態に追い込まれる。幸い、腕切断は免れる物の右腕だけでは全体の均衡が安定しない。
(唯一の勝機は速度が乗る前に奴の首筋に深い切り傷を与えれば出血多量で此方は優位に運べる。だが、速度が乗れないならば即座に超近距離でも強力な膝蹴りが待ち受ける。或は馬式山当たりと呼ばれる体全体を使った攻撃は人族の繰り出す山当たりよりも大地を蹴って大きな一撃を齎す。其の技を此の馬型が持っていないとも限らない。故に近接戦ではやはり俺みたいな人族には馬型と近接戦で有利に立ち回れる保証はないのか。
 かと言って距離を置けばやられてしまう。距離を置いた戦いを奴は繰り出す。だからこそ接近して来たんだ。だが……あの時と同じように此奴もあの馬型と同じ段階の強さなのか!)
 距離を置いた戦いで恐るべき戦闘力を発揮するからわざわざ砲撃戦が仕掛けられない距離迄近付く。だが、距離を削いだら待ち受けるのは遠い間合いからは体当たり、近い間合いからは馬型が得意とする膝蹴り及び馬蹴り、そして持参している可能性が高い山当たりと呼ばれる振り向き様に全体重を乗せた超近距離からの体当たり技……ライデンは其れを警戒--だが、警戒は馬型に付け入る隙を見せる……大地を蹴って体当たりを仕掛けに入る!
(しゃあない、距離は削げない代わりに足下にある石ころを蹴って奴の動きを少し乱しておくか!)
 そう考えつつも足元の小粒程の石二、三個を蹴り飛ばしながらもわざと体勢を崩すライデン。其れは同時に蹴り飛ばされた二、三個程の石にも目をくれない馬型の体当たりを薄皮一枚で回避する事に繋がった!
(今のは心臓に良くない。止まる寸前だった。あれを受けたら背後より成人体型凡そ五十より先は崖だ。其の侭、枝に体を突き刺さる程の落下をするだろう。全く頭ではこう想像しても実際の動きと合致しない事が多いよなあ!)
 そう納得しつつもライデンは旋回しながら再び体当たりを敢行しに来る馬型から一切目を離さない。離せば木陰に上手く隠れるか或は僅かに発生する霧に姿を隠しながら奇襲を掛けられる。其れだけに相手から目を離す事は自らの命の危機に晒す注意の無さである。
 そんな危機から脱せないライデンは二度目の体当たりを再び受けるのは其れとも回避するのかを迫られる。若しも後者を選ぶのならライデンは間違いなく勝機は訪れない。何故ならライデンの左腕には出血も伴う。其れは同時に彼の判断能力を低下させたりもする。後は痛みに依る衝撃症状が徐々に彼の肉体に波及する。其の為に後者は選べないライデン。後者を選べば例え回避に成功しても勝機を逃すという戦略上の問題に直面する。
 故にライデンは前者を選ぶ。賭けに出る程、追い込まれるのは死ぬ生命が良くやる事。だが、戦略に於いて準備期間の長さを銀河連合は用意しない。逆も又然り。其の為にライデンは馬型と戦う状況に追い込まれ、そして左腕がやられる。其れでもライデンは勝利を諦めない。勝利しなければ生き残れない……其れだけではない。勝利しなければ今後も此の馬型に依る犠牲者は増える事に成る。守る為にライデンは賭けを選ぶ。
(来たな、受けて立つぞ。但し……受けるのは、此れだあああ!)
 敢えて動かない左腕で馬型に依る凸から先迄体重を乗せた体当たりを浴びつつも吹っ飛ばされる前に雄略包丁で馬型の喉元に深く突き刺した--ライデンは後方成人体型四十五も吹っ飛ばされながらも左足の膝より下を小枝に刺させる事で何とか崖の下に落下するのを阻んだ!
「ハアハアハアハア……意識は、ある。だが、勝ったのか?」左膝下に刺さる小枝を根元ごと掘り起こしながら右足とまだ動く右手で体を動かすライデン。「イデデ……左腕の感覚が更にやばいな。其れに左足の膝から下が何か変な感じに、いや此れはやばいな!」
 そう口を出しつつも馬型の様子を伺うと其処には首に突き刺さって左に倒れて横に成る馬型の頭部に止めの一撃を刺す生命が一名。齢四十三にして三の月と二十八日目に成るエウク馬族の老年の姿が見えた。
「拝見しいいいいいたぞおおう、其処の若造。此の真島ポニー輝彦てるひこが君を後継者に選んでやあああるぞ!」
「……爺さんは誰だよ?」
「さっき紹介したああああんじゃ--」
 そうじゃなくて、何の後継者の話だ--ライデンにとって其れが気に成る情報だった。
「ああ、そうだった……じゃなくて左腕と左足が酷い事に成あああっているうううんぞ。急いで治療を受けないと将来が危うく成るぞおおう!」
 あ、そう思ったら……眠く、成って--緊張が解けてライデンの意識は暗闇に沈んでゆく。

(此の後、俺は全治三の月と宣告されたな。今後一切の戦闘行為を止めるように医者から言われたんだな。あの蛇族の医者からな。まあ、医者の立場からすればそうだろう。けれども、俺は今後戦いに出られないって知ると情けない話じゃないか。鳳凰堂山に落下した銀河連合の掃討は十分じゃないって時にこんなのは、よ!
 だが、まあ真島ポニー輝彦との出会いは俺に王を守る事の大切さを教えるきっかけにも成る。奴は五武将土の将さ。奴は馬型でありながらも遠距離戦が最も得意とする軍者らしく、其の精度は百発百中とはいかない。だが、奴の放った物部刃は必ず軍の勝利に貢献すると称される。故に相武そうぶ様に見出されて五武将の一将に成った。
 そんな彼との出会いは俺に新たな可能性を見出してゆく。其れが--)

一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(序)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十二年十一月九十日午前十時二分一秒。

 場所は真古天神武大陸藤原菅原地方道真県第八北地区。
 銀河連合に依る大規模な隕石攻撃に為す術もない真古天神武。予言の日は既に訪れ、数多の生命は逃げ惑う。其の中に齢十七にして七の月と十日目に成る菅原人族の少年菅原ライデンと齢十一にして一の月と九日目に成る神武人族の少年レット・テンタウの姿があった。二名は計十八体の銀河連合に取り囲まれていた。
「--成程、だがこんな状況下で二の年より前の話をする理由は何だ?」
「死ぬ前に確か太間ガン流豆って生命の事を伝えようと思ったんだ」
 死ぬ前……俺達は死なねえ、そうだろ--ライデンは目の前の犬型の間合いに入ると攻撃する前に縦一文字にする!
「そうだったね」ライデンと意趣を同じくしてレットも猫型の間合いに入ると攻撃する前に其れを再現。「刃毀れは大丈夫?」
「お前みたいに上手く扱えないぜ。だから予備の雄略包丁を左腰に三本も差しててなあ。重たくて後で反対側に差したい気分だ!」
 銃身を常に安定したいのか、ライデンは余程--レットは既に革仙者の能力で一瞬とも言える表現に相応しく、傍に居た熊型、蜂型、アルマジロ型を次々と先程の猫型と同じように縦一文字にしてやった!
「何だよ、何で同じ事が四度も成功するんだ!」ライデンはカンガルー型に白刃取りをされて折られそうに成りながらも回転しながら解除して、距離を取る。「革仙者の能力だけじゃないな……お前は更に力を付けたな」
「先の先はお互いに身に付けても其れを熟す事に関しては俺様の方が一日の長があった……其れだけさ」
 益々劣りに等しい感覚に見舞われるぜ……お前と一緒に戦う度に--そう言いつつも次に間合いに入った時には斬撃と見せ掛けて金的蹴りでカンガルー型を悶絶させると右眉間に一突きで仕留める相応の実力者であるライデン。
(にしてもさっきの話が気に成り過ぎて又生き延びてしまったな。って未だ後十二体も居たな。残り一回と合計三本の予備雄略包丁でやれるかな?)

 午後七時一分二秒。
 場所はライデン邸。
 ラディルの家を受け継いだライデン。だが、銀河連合に依る隕石攻撃に依り、昨の日より前に大破。更には修理中に再び隕石が落ちて大破するという不遇に見舞われる。
 そんなライデンと兄弟同然のレットが住む木造建築。二名にとって藁さえあれば木造建築なしでも生活出来る程に原始の生活に適応しつつある。何と鉄製丸風呂を集めた藁で下腹部に熱を与えて絶妙な温度にしてから交代々々で入っていた。
「--という訳だよ。だから二の年より前では迷宮の洞窟もあんな感じに成ってたんだ」
「そうか……そうゆう事だったんだな。太間ガン流豆……大昔の生命じゃないか。そんなのがレットと出会っていたなんてなあ」
「そうだな。其のお陰で俺様は更に強く成れた」
「だが、世の中には五武将と言った其々の分野で恐るべき強さを持つ連中がいるぜ。まあお前の場合は五武将よりも王の方が良いだろ?」
「俺様は成れないな」
「わからんぞ、其れは。お前の人生は俺が決める事じゃない。だが、俺の人生は此れからが本番だ」
「というと、ライデン?」火傷に気を付けながら感覚の薄い部分で鉄製丸風呂の縁を強く握って依りライデンの素顔を覗くレット。「唐突に出した五武将と関係するのか?」
「ああ、そうだ。俺は此れから其れに成ろうと考えている」
「そう思ったきっかけは?」
「少し昔話に成る。お前が其の太間ガン流豆と出会った時期とほぼ被る時だったな。ある生命から誘われたんだよ」
 そしてライデンは語り始める……
(そうだったな。あいつは五武将の中で祖父さんの祖父さんだったライドの成っていた土の将とやらに就いていたな。名前は確か--)

一兆年の夜 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として(初)

 未明。
(此処は何処だろう? 俺は死んだ筈だ。だが、死んだ割には如何にも実感が湧かない。此れが想念の海なのか? でも学者の話ではそんなの存在しないとされるんじゃないのか? いや、学問は科学では証明出来ない事柄を数値化するように出来ていない。余りそうゆう事を科学を用いるのは理が無い。
 其れよりも俺は死んだんだよな? だったら此の侭、魂は確か一般常識に照らし合わせて溶け込み始めると聞いているのだがな。溶け込んだ魂は二度と個を確立する事が無いって聞いた記憶があるんだよな。
 記憶……そうだ、五武将について俺は未だニャレーダーに話をしなかったな。其れを取り上げる理由は一つ一つ先に説明しておかないとな。誰に向かってだ? 自分自身に向かってだ。元来、俺は計画性が無い生命で何事も思い付いてから語り始めるいけない癖がある。んで五武将の話を先にする主な理由は一つ……三つ目に其れを語りたかったからだ。
 えっと三つ目? つまり最初の祖父さん、そして親父との思い出話は俺の性格が現在のような性格に変遷してゆく過程を描く訳だ。次に二つ目のレットの話は生涯の友者であるレット・テンタウを紹介するお話さ。そんで三つ目に五武将の話が来る訳だが……其れじゃあ此れを楽しみに聞くどっかの誰かさんにちゃんと流れを理解出来ない可能性もある。たった一名で在ろうとも創作者は最後迄やるのが筋という物だ。誰も読まない誰も聞かないから別に放っておいて良いだろう……そんなの作品として生まれた作品に対する礼儀が成らんだろう? だから十二に分けて紹介する俺の物語は最後迄責任を取って語り継がないといけない。誰も聞いちゃくれないと知っていても作品は作者に放ったらかしにされる事を望まない。
 そうゆう訳で今更ながら流れを追って紹介する。最初は祖父さん、そして親父との思い出について、次に二つ目のレットについて、三つ目に五武将について、四つ目は最初の山場である最強の百獣型との戦いについて、五つ目が俺自身の中に存在する恐るべき存在について、六つ目がキッシェル・キーシェールとICイマジナリーセンチュリーについて、七つ目がテオディダクトスの氷が一斉に解けて世界中に津波が押し寄せる事態について、八つ目が首都ボルティーニが陥落する日について、九つ目が五武将の終焉について、十が俺が最愛の生命と出会い、そして最愛の生命と死に別れる事について、十一が最後の戦いについて、最後が今の俺が此の侭如何成るかについてだ。
 其れがわかったら三つ目である五武将に成る迄の俺の話から始めるぞ!

二回目の雑文……やはりDVやる奴の基本的な特徴についてだ

 如何も試作品に続いてDVの非人道性を説くdarkvernuで御座います。
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 さて、やるか。

 如何もアンチジャーナリストの冲方貴明と申します。DV男子二人を足して二で割った名前ですが、きっと気のせいです。
 今年亡くなった樹木希林の夫の内田裕也も同じく今年亡くなった津川雅彦の兄長門裕之もDV夫である可能性があった何てのは踏み込んだ話に成るとは思いますが、DVする人間は何も夫側ばかりとは限りません。妻側にもある可能性も必ずしもあるのですよ、オオタピカリの嫁がそうであるように或は最近離婚しそうな麻世の嫁であるカイヤが良い例であるようにDVとは夫側ばかりが着目されるのではありませんぞ。かかあ天国にもよく見られる恐妻家だって立派なDVですよ、DV除外何て出来ませんよ。
 ところでDV男子に限って基本的な事を紹介しましょう。DV女子については余り詳しくないので其処はDVする女子に詳しい方に尋ねる事を勧める。まあ三つ上げるとすればやはり最初はサイコパス、次に見え隠れするエリート思想、最後に抑え切れない幼稚性でしょうか(三つ目だけは明白な事が思い付かなかった事を此処に謝罪する)。
 一つずつ挙げるとすれば先ずサイコパスですか。此れは外では良い人ぶり、内では獣のように凶暴な姿を露にする。DV男子に見られる傾向ではないでしょうか。事実、そうゆう奴に愛想を尽きて離婚するケースが多々ある。仮に離婚しなくても其のせいで妻側の心労は比較に成らず、結果として早世する事は避けられない。人は見た目では判断し切れない獣だと気付いた貴方は直ぐに彼を刑務所に放り込んでください。殺人事件が起こってからじゃあ遅いですよ。
 二つ目がエリート思想。サイコパスと少し被るかも知れないが、DV夫の大体は自分以外が無能にしか見えずに家に帰ると弱い者虐めを敢行しやすい傾向にある。実際、エリートとは弱い者虐めを嬉々として楽しむ傾向にある。出なければ妻を平気で暴力を振るう筈がない。後は自分が井の中の蛙だと知らない為に頂点に立っているという錯覚もエリート思想の恐ろしい所だろう。何しろ、レベルの高い大学で合格する程に全能感が湧く。或はレベルが低くても其の世界で頂点に立てば全能感が湧きやすい。エリート思想とは即ち頂点の孤独と同義に当たる。頂点故に全能感に陥り、己よりも優秀な人間に完膚なきまでに叩き付けられないと驕りにすら気付かずに結果として弱い者虐めに終始する心の弱さではないか?
 最後は明白だと思った例が挙げられなかったので取り敢えず幼稚性を挙げた(此処だけは本当に申し訳ない)。幼稚性を挙げる例としてやはり自分は正義だから何をしても許されると勘違いしている傾向があるんじゃないかって考える。出なければDV夫が此処迄人間を辞められる筈がない。幼稚性の一環としてやはり妻を道具か何かとしか見ていない傾向にある。家族の一員イコール自分の物だと考えるなら……一切合切、家族を持たない方がパートナーの為に成ると考えた方が良い。一生を共にする女性は物ではない。一個の意思を持った人間だ。人間である以上は抵抗したり悩んだりする。其れを道具とみて何をしても良いという話は通用しない。そう思っているのなら俗世間から離れる事を勧める。
 とまあ感情的ではあるが、三つの基本的な例を挙げた。最初のサイコパスは納得しなければいけない真理ではないかって考えるし、エリート思想は少し当て嵌まらないかも知れないが家の中では必然的にDVする人間は其の世界の王様気分のように暴虐を振舞う傾向にあると考えればある程度は当て嵌まるんじゃないかな? 最後は少し強引過ぎる例えだ。だから当て嵌まらないかも知れないし、当て嵌まるかも知れない。今年死んだ推理のタミヤみたいで申し訳が無い。
 以上がDV夫に見られる主な三つの基本的な例。DV女については私自身詳しくないので詳しい方に聞いて下さい。


 何度も言うように愛国者だったら何をしても良いなんて通じない。特に自分の帰りを真剣に待つ女性に対して暴力でねじ伏せようとする奴は人間の屑と同義だ。其れなら俗世間から十年或は二十年離れて自分の犯してきた過ちを猛省するべきではないだろうか……そう、全身の毛を毟って丸坊主でな! 其れ位、自分は三つ子の赤字神とか冲方、其れに今は亡き猫殺しの井上がやって来た非人道的な数々の所業を一切合切許さない。
 最初に挙げた基本的な傾向としてサイコパスと断言するのは……そうでなければあそこ迄嬉々として暴力を振るい、更には外面を綺麗に取り繕えるなんて悪魔的な行為に及べる筈がない。此れ否定したい方はどうぞコメント欄に長文でも短文でも構わないから否定してくれ、顔を真っ赤にして怒るけど読んでやるさ。だがなあ、サイコパスという意見は絶対に崩さない。妻が悪いだの妻の態度が悪いだの……だからって暴虐の限りを尽くして良い免罪符に成るか、馬鹿野郎め(怒)! 此れは前の雑文でも書き殴った事だけど虐め問題や殺人事件と同じく其の理屈が通るなら虐めもいじめられた側に問題があるから何をしても良いとか被害者側に問題があるから殺されて当然とか……こんなの吐き気催すだろう。そうゆう奴が此の世を地獄へと陥れるように加担するんだ。結局、暴虐を振るった時点で免罪符は成立しないんだよ。此の世の真理を舐めるんじゃねえ、馬鹿野郎め(狂)! DVする奴は結局どんなに言い訳しようともサイコパスなんだよ。サイコパスは人間ではない、悪魔の化身だ。心が悪魔に支配されてないとあんなに人間を辞められる筈がない。そう思い、サイコパスって断言するんだよ……わかったな!
 次にエリート思想だが、此方は少し結び付かない例もあるので正直言って当て嵌まらない可能性が高い。若しも結び付くと証明すれば次の通りだ。エリート思想は何も高学歴に陥りやすい物でも何でもない。弱小の世界だろうと起こり得るし、不良の世界だろうと顕然として有り得る話だ。要は其の世界の頂点に浮かれた者が陥りやすい心の病でこう成ると自分以外が無能に見えて全能感に溺れる。溺れると如何なるか? 自分は何をしても良いと誤解し、暴虐に至る訳だ。だからこそ財務省とか文科相を始めとした各省庁の官僚は下々に対して暴虐に振舞えるのはそうゆう事だ。財務省何か消費増税という人間のする事ではない行いをサイボーグ政権に迫って施行しようと薦める訳だ。文科省なんてビーチみたいに国に忠誠を誓わない奴が東日本大震災の被災者家族に対して非人道的な振る舞いをするように平気で暴虐に身を落とせる訳だ。正直言って官僚とか各企業の経営陣はさっさとエリート思想の病からの脱却を果たさないと身を滅ぼす事に成るぞ……あ、DVの話なのに脱線しちゃった。
 最後の奴は思い付かなかったので幼稚性にした。まあ、幼稚性というのはどれだけ高潔な大人であろうとも餓鬼の頃の幼稚な部分はしっかり残るからな。自分だって餓鬼だから如何しても此の幼稚性を払拭する事は一生懸けても叶わないと自覚する。其れでもな……此の幼稚性が一生のパートナーを不幸な目に陥らせる。幼稚な部分が可愛いならまだパートナーにとって洒落に成る。だが、行き過ぎてパートナーを物扱いしたら……洒落に成らない。何せ一生を付き合う事に成るパートナーも人間だし、甘えたい時だってある。なのに其れを物扱いされたら溜まった物じゃない……こうゆう幼稚性こそがDV夫の厄介な部分だ。そうゆう幼稚性は結婚する前にかなぐり捨てる事が夫婦円満の秘訣だからな。
 ま、此れを「結婚した事が無い奴の上から目線の例えだね」とか捉えるのは構わない。だが、DVを正当化するなんてあっては成らない。正当化し始めた時、其れは人間性を失う事に繋がる事を忘れずに。
 以上で解説を終える。

 DV夫はわかるんだけど、DV妻は恐妻家を除いて中々明白な感じで当て嵌まる例が思い付かない。そうゆうのはDV妻に詳しい人間に尋ねる事を勧める。わかるのは不正入学したオオタピカリの嫁や麻世の妻カイヤ、其れと船越の元嫁のあいつとか紛れもなくDV妻の典型例だからな。あれだけは明白にわかるんだよな。其れ以外は如何しても……判断が付きかねる。
 そうゆう訳で二回目の雑文は此処迄。恋愛結婚は考えた方が良いかもなあ。恋愛の感覚で夫婦に成るからDVも起こるし、離婚だって発生する。やっぱ最後はお見合いで互いの一生を付き合う相手を選んだ方が良いかなあ?

付け焼刃な話題だが、コンビニ業界は滅ぶべくして滅ぶだろう

 如何もネタが思い付かないのでよく寄るぬこ記事でお馴染みのハム速に目を通しているとある記事を見掛けたので自分なりにコンビニ業界の何が問題なのかを語る情報の素人darkvernuで御座います。
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 結論から言うとコンビニ業界のやる事は蠱毒と変わりがしない。幾ら儲けた所でコンビニオーナーを始めとした店側に何の利益も齎さない。

 コンビニは現在、セブン11、ローション、家族マートの三店舗が争う時代に突入。前迄前線で競い合っていたサークルザンバーはサンキュスとの合併で自ら落とし穴に嵌って家族マートに吸収された。ミニ止まれは大した規模でもない。デイリー竜二は元々パン屋から分離した特殊なコンビニでしかない。ならばコンビニ大手は必然的に此の三社に成る。だが、三社ともにトップは儲かれどもコンビニオーナーら下っ端にとっては地獄でしかない。とあるコンビニオーナーを務める金髪君に尋ねてみた所に依るとこんな回答が漏れた。
「いやあ、まさか同じ家族マートが隣にも出来るなんて思ってもみなかったよ。普通有り得ないだろうね、同族殺しをコンビニでやるなんて。前なんかH市T元町だったかな? T高校の上側に家族マート、下っても家族マートがあるというのならまだ何とか許せるよ。でも隣同士は流石に何の得があるのかわからなかったね。寧ろ、売り上げを半減以下にする愚行じゃないかって親会社に文句言いたく成る所業だね。まあ、家族マートだけじゃないね。銭湯ある所の付近にローション、大学がある方面にもローションという配置もはっきり言って意味あるのかって問いたいね。まあ其れと同じようにセブン11もJR西日本学研都市線T駅のほぼ真ん前にあり、T駅入り口から更に真っ直ぐのローヤルホームセンター近くにセブン11も何か配置させて意味ある? 近くて便利なのは構わないけど、蠱毒みたいに同業者同士が潰し合うのは流石に人間性を疑いたく成る所業だね。ま、コンビニオーナーの僕が言える事は其れだけだよ」
 一応隣同士についてはある記事を目にして金髪君に述べさせた事。だが、其れ以外は作者のコンビニ通いから来る体験談。特にコンビニ業界の手口としてT高校を登った先に家族マート、下った先にあるH駅近くに家族マートは流石に便利ではなく安売り。コンビニを作れば良い物ではない。ほぼ万人がWIN-WINでなければ未来はない。特にコンビニオーナーを任された者達にとっては付近に同じようなコンビニが建てられたとあっては溜まった物じゃない。同じ店なのに違う商品欄で違いを見せつつも魅力ある店にするよう強いられる。そしてオーナーは壊れて行き、生活が成り立たなく成る……必然ではないか、こんなの!
 コンビニ業界に警告する。自分達だけが儲かるシステムを此れ以上押し付ければ待ち受けるのはコンビニ業界の崩壊。そして大規模なコンビニオーナーの乱の幕開けを意味する。コンビニ貴族が我が世の春を満喫するのも今年で最後かも知れない。大規模な社会的な事件に発展する前にコンビニオーナーへの救済措置を採らないとコンビニ業界は滅ぶべくして滅ぶだろう……


 全部言っちゃったような気がするが、解説をしよう。正直言ってコンビニの便利はオーナーの不幸に依って成り立つと思った方が良い。だが、オーナーに何時迄も不幸を押し付けると先程述べたように大塩平八郎の乱ならぬコンビニオーナーの乱を頻発しかねない。まあ、武力で乱が起こる訳じゃない。要はストだよ。コンビニオーナー共は近い将来、フランチャイルズ(で正しいかな?)に対して大規模なストライキを起こすんじゃないかって自分は思う。そうすると如何成るか? コンビニ業界は瞬く間に崩壊する……自分はそう予言する。というか潰し合うように配置させるとか……上の奴等には人の情が無いのかっつーの! 儲ける為なら何をしても良い筈がないだろ。此れが経営者のやる事かって言いたいぞ!
 という訳で一応時事ネタの解説を終える。

 第百二十六話の解説でもしましょう。要は第六十九話の延長線上のような話だ。こうしてレットは此の時代に留まり、一つの終わりが近付く水の惑星にて奔走する訳だ。ま、この先如何なるかはまだ決まってない。結末は決まり切っているけど、どう展開するかは正直言ってノープランのまま進んでゆく予定だ。つまりだ……今回も解説らしい解説に成らない訳だ、御免ねえ。
 という訳で第百二十六話の解説を終える。

 じゃあ予定表と行きましょうか。

 十月二十二日~二十七日  第百二十七話 終わりの始まり 五武将として             作成日間
   二十九日~十一月三日 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く         作成日間
 十一月五日~十日     第百二十九話 終わりの始まり 己の中にあるもう一つの己       作成日間
   十二日~十七日    第百三十話  終わりの始まり キシェール最後の雄          作成日間

 今回の長編はいわばあらゆる事柄を一旦グレートリセットするからな。但し、引き継がれる奴はちゃんと引き継がれるから全てがリセットされる訳じゃない。ICだってそうだし、天同家の血筋だってそうだ。リセットしてはいけない事柄だけはちゃんと引き継がれてゆく。
 コンビニは無くてはならない存在だ。しかし、便利だからって何でも建てれば良い訳じゃない。そんなのブラック企業のやり口だ。企業が第一に優先するのは確かに利益の最大化だ。だからって地元を苦しめるように何でも建てて潰し尽くした後に採算が取れない事を理由に撤退するのは鬼畜の所業だ。WIN-WINが成立しないと福沢諭吉が言う経世済民の精神が失われてしまう。其の為にも利益最大化も大事だが、良心を失わないように地元への貢献を大事にしないとな。エリート意識の行き過ぎは身を滅ぼすぞ。
 という訳で今回は此処迄。最近は二回目の雑文が多いなあ。でも、自分はあれやりたくないんだよな。なのに如何もやってしまうんだ。説教臭くてエリート意識が強く成り出した証拠かなあ?

試作品 正義ならばDVしても構わないのか?

 如何も久方振り(おそらく一ヶ月ぶりかな?)に試作品を投入する酔っ払いのdarkvernuです。
 今更追い打ちを掛けるのは野暮ですが、自分はDVする奴は反国家主義者だと思っている主義だ。此れは正義の為なら何をやっても良い理屈ではない。人殺しも辞さないとすればそんなの正常な国家主義者の思考では無い……二・二六事件も五・一五事件も正当化する恐るべき愚だと考えて改めて今年初頭に問題を冒したある人物を社会的に抹殺するべく私怨の行動に出たいと思う。経済評論するのは山に籠って十年或は二十年以上自分を悔い改めてからやるんだな、三つ子の赤字神のおっさん(怒)!

 私の名前は葛飾統一郎……とあるDV専門の弁護士。悪名高い弁護士連盟に所属するが、政治的な話題はなるべく避けて民事裁判にのみに活動を絞る。そうする事で悪名高い法律屋と噂高い弁護士活動に正当化をする。
「私は小説家のクランプ蓮です」
「クランプさんと言えば伊藤貴明さんとの共著で有名な方ですね」
「はい、伊藤とは三年前迄夫婦の間柄でした」
「でした?」
「ええ、離婚して現在は独身でおります」
「何故、三年前に離婚した貴女が其れを紹介したのですか?」
「はい、伊藤さんが……又逮捕されたと聞きまして貴方に尋ねました」
「又? 良く知りませんが、伊藤は今年の一月に今の嫁さんに暴行を加えた容疑で逮捕されておりますね。まさか其の前から逮捕されたのですか?」
「はい、私の古傷をお見せします」
 其れは絶句した。明らかに下半身に浮かぶ古傷のような跡、そして頭部の生え際……頭部に至っては本来なら有り得ない頭髪は大体、其処を大怪我して縫い糸で傷口を塞ぐ事が原因で起こる。つまり彼女は過去に大怪我をする程のDVを受けた可能性が高い……此れをDVと想像する私がおかしいのかはお任せする。
「伊藤は……サイコパスです。私的な面では最早話に成りません」
 話に成らない? クランプさんは単刀直入にそう断言する意味とは何か? 其れはサイコパスが持つ常人にとって度し難い性質を彼女の口から語られる。
「幾ら外面が良くても其れはあくまで自らの評判を良い方向に結び付けたい為にある仮面です。でも私的な環境では其の仮面は剥がれ、そして暴かれてゆきます」
「暴かれて?」
「はい、暴かれた行動が齎す物は一切の道徳は有りません。あるのは獣のように飢えた本性です。彼は決して人様が語る様な道徳的で国を愛するような人間ではありません。そんな人間がやる事は全て殺人未遂……いえ、下手をすると売国奴と何ら変わりがない狂獣であります」
「売国奴? 其処迄断言するのですか?」
「はい、彼は決して国士じゃありません。国士だったら身近な人間だって優しく出来るでしょう?」
「何だ、其の悍ましい闇は?」
「闇が悍ましくて何が悪いですか? 私にとって彼との結婚生活は闇の方が遥かに穏やかで居られる程でした。でも、違いました。彼は闇よりも最下層の人間です。言え、人間の皮を被った悪魔の使者です。いえ、地獄の番犬よりも悍ましい堕天した獣ではないでしょうか?」
「つまり其の方を今後社会的に抹殺したい……そう仰るのですか?」
「はい、此れ以上私のように惨めな思いをする女性を守る為であります。葛飾さん、お願いです。彼を社会的に抹殺して下さい!」
「民事裁判専門の私にそんな権限があるとは思えない。しかし、貴女の其の深き闇は正しくDVで負った心の傷……吐き気催す邪悪が其の方にありますね。力不足が否めませんが、私で良ければ貴女の御希望に沿うよう努力致します!」
「有難う御座います、葛城さん。私は貴女を通じて此の国にDVが無く成る事を願います!」
「私も出来る限りDVをやる人間の屑を排除して参ります!」
 私の母は……父に多大なるDVを受け続けて死んだ。死んだ母に対して父は何を言ったか? 其れは「フン、勝手にくたばりやがって。葬式代がどれだけ掛かるかわかっているのか!」だ。なのに世間で見せる姿は「ううう、安奈。何故死んだんだあ。お前が居ない人生なんて俺はどうやって生きて行けば良いんだあ!」だ。其処で私は生まれて初めて父を十五発も殴った。葬式という場で十五発だ。痣だって多く出来たであろう。そして私は生まれて初めて留置所を体験した……許せなかった--DVを平気でする屑の二枚舌を……許せなかった、あれが人間の皮を被っていると思い知るのが!
 此れは私とDVを巡っての物語。此の世からDVを無くす為に私は戦う……DVをする人間の屑に生きている事を後悔する為に!


 ええ『正義ならばDVしても構わないのか?(仮)』をお送りしました。自分は7『DVする奴=人間の屑』と断言する。DVに正義はない。正義があるとすればそいつは社会的な制裁を加えられて然るべき……とな。兎に角、自分が失望以上に怒りを湧く人間が一人だけいる……三つ子の赤字神だ。奴は愛国者を謳いながら妻すら守ろうとせずに世間の前で義士を主張した……こんな奴を普通なら許せると思うか? 其れに新たに知った事実に依れば奴は今年の初頭の逮捕の前からさかき連をガラス片が刺さる程の大怪我をさせて逮捕されたと聞く……正にサイコパスの典型例じゃないか。そんな奴がサイボーグの経済政策を批判するんだぞ……其の前に自分の悪行を悔い改めて山に籠れ(怒)! てめえに他人を批判する権利はもう無い(断)!
 済まない、怒りで文章が荒くなった。兎に角、自分は帰る場所を疎かにして更には外面だけは整える外道は人間ではないと断言する。そんな人間が国を救えると思うか? 自分は救えないと断言するね。逆に国を亡国へと導く。何故なら帰るべき場所を疎かにして平気で暴力を解放するような奴に何者も救える筈がない……救えて堪るか! 兎に角そうゆう奴は社会的に抹殺して自分のして来た事を苦しみながら反省して……悔い改めろ。死ねとは言わん。死んだってDVされて死んでいった人間は救われない。
 まあ、政府に愚痴るなら結婚生活をある程度幸せにする為にも『サイコパス結婚禁止令』を可決するべきじゃない? サイコパスって外面だけしか尊重しない人間未満の野郎共だしな。そうゆう奴と結婚して不幸に成る位ならサイコパスを一旦去勢させるか或は結婚禁止にすれば社会からDVが激減するんじゃないかって思うんだ(流石に自分は撲滅主義者じゃないのでDVは無くならないと思うんだ……此ればっかりは犯罪者が無く成らないのと同じように如何しようもない世の真理だしな)。兎に角DV=サイコパスだ。だからこそ結婚相手を平気で道具としか見ないんだ。『道具としか見ない=人間の屑』ってのが自分の考えだ。異論があるならコメント欄に長文でも良いから記せ……異論があるなら、な。
 以上で今回の試作品の解説を終える。兎に角、三つ子の赤字神の様な人間の屑どころか愛国者の資格すらない人間が社会から抹殺出来れば日本の未来は明るい。DVは反国家主義者のする事だ……其れを擁護する事は自ら人間を辞める事に繋がる。愛国者なら身近な物を大切にする位の優しさがないと駄目だぞ!

一兆年の夜 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ(終)

 午前一時零分六秒。
 ライデンはレットを守る為に速度も重さも圧倒的格上の馬型に向けて足を止めた侭、両手を広げる!
(考えても良い結果は浮かばない。かと言って体で反応出来るようには上手く出来ない。だったら俺は奇跡を信じる。奇跡とは運だ。運とは運命だ。運命とは命だ。命とは魂だ。魂とは……俺の砕け得ぬ意志が導く物だあああ!)
 心の中で思う事は全て言い訳。どれだけふざける気が無い生真面目な生命でも一度、危うい状況に追い込まれたと知れば言い訳して其の状況を好転するよう解釈するしかない。解釈とは即ち、誤りを上手く変化させる術。ライデンは自らの誤りを自覚していた。其れは力が十分あって強い者達の中に入ると思い込み、大切な者を死なせてしまった。其れを繰り返さない為に彼は強さとは何かを模索し始める。だが、模索は未だ十分ではない。そんな状態でライデンは家族同然のレットを守る為に準備が侭成らない事を上手く変化させて立ち向かう--守る為の戦いの始点に漸く踏み始めた瞬間!
(何も思うな。上手く行くという錯視にも惑わされるな。もっと信じられない事が起こると思ってもいけない。俺は此の瞬間を……何身も考えずに委ねる!)
 そして、吹っ飛ばされて成人体型二十離れた巨木に背を打ち付けて意識を暗闇に沈める!
(し、て、や、た、ぁ……)













 午後八時二分八秒。
 場所は不明。
 其処には細木で建てられた仮設民家の中。ライデンは目覚める。
(此処は? 俺は……死んでないのか?)
 ライデンは直ぐには上体を起こせない。何故起こせないかを一瞬では気付かない。
(如何して……そうか、背中に重たい物がぶつかって背骨が折れたのか?)
 目覚めたかエエ--目覚めて直ぐに覗く顔と言えば……スネッゾルの蛇顔だった。
「ウワアア……って先生か。あれ?」だが、痛みが走る物の僅かに上体を起こす自らの状態に疑問を抱く事に。「おかしいな…・・かなり痛みが走った筈なんだけど?」
「背骨は奇跡でも起こったかのように無事だったエエ。無事じゃなかったのは……激突した其の胸骨エエ」
 スネッゾルが唇で押し付けるライデンの胸骨。ライデンは叫び、再び仰向けに寝転がる。
「……ツウウウ、ハアハア」
「しかしエエ、激突の際にまさか君の肘打ちが奴の動きを制限するとは思わなかったエエ」
 肘……俺は其れをやったのか--全く身に覚えがない攻撃にライデンは動揺の後に嬉しさを滲ませる状態にある。
「此れは、素直に……の前に」ライデンは思い出す様に彼の容態を尋ねる。「レットは……レットは如何した!」
「彼なら心配ないエエ」スネッゾルはライデンの右隣に敷かれる白布を動かして要らぬ心配を解消させる。「幾つか重い打撲痕はあったがエエ、消毒液と適切な包帯巻きをすれば一の月経たずして全開はするだろうエエ」
 有難う、有難う、有難う--今も安らかに眠るレットの寝顔を見てスネッゾルに感謝の意を述べる。
「オオウ、二名共大丈夫ダッタカ……ッテ先ニライデンが目を覚ましたか!」
 心配で駆け付ける気の良い青年カン烈。見舞いに来たカン烈の素顔を見てライデンは心の底から喜び、再度上体を起そうとする物のスネッゾルに再び胸骨を叩き込まれて悶絶する。

 十一月九十七日午前八時一分一秒。
 未だ退院も儘成らない二名。ライデンとレットは先の話の続きをする。
「そうか、天同烈闘には真古式神武最後の最高官だった天同優央やさおの他にも無名の子供が居たな」
「最早天同優央の弟だったか如何かは俺様にもわからない。俺様が此の時代に来た事は正しかったのか如何かすらもわからない」
 いや、正しいさ……俺が保障する--ライデンはそう断言してゆく。
「だが、俺様は父親である筈の名前を物心付く前にライデンに名乗ったんだぞ」
「其れでもお前はレット・テンタウだ。お前は未だ中心的存在としては遠い。其れも事実だろう」何故ライデンはそんな事を口にしたのかは後に成ってもわからない……「良くわからんけど、俺はお前がちゃんと自立する迄……此の命を燃やすつもりだ」だが、本能の侭に彼は語る。「だが……今は其の時じゃない!」
「ライデン……だが、今度みたいに又、無茶はするなよ」
 しないさ……未だ、此処は俺の終着点じゃない--ライデンは右拳を突き出し、左拳を突き出したレットと弾き合いながら契りを結んでゆく!






 未明。
「--ってな訳だ、ってニャレーダーは?」
 ライデンは既に時間が過ぎてニャレーダーが元の時代に戻っている事に気付く。そして、迫り来る自らを死へと至らしめる銀河連合という名の隕石群。
「まあ良いか、そろそろ……ゲフウッゲッハウッ、時間切れだ!」
 二度と喉から声を発する事はもう無い。代わりに彼は俯せの状態で思い出を振り返ってゆく。
(此処から先はレットとの話から、へ……あれも語っておかないとな。そうだなあ、俺が五武将に成る迄のお話だよ。其れは突然、声が挙がった訳じゃない。俺にとってさっき迄の話とは俺が強さへの拘りを追及し始めるきっかけに過ぎない。其れにレットとの友情の物語? レットとの友情は幾らでも語れる。他にも友情話がある。そして最愛の雌との甘い話もな……幾らでも思い出せるからな。こんな隕石群が迫るという中で!
 此処から先は……俺が振り返るしかないなんて悲しいなあ。一杯語りたいのに……こんな終わりの始まりだなんて!)
 終わりの始まりは未だ未だ続く……

 ICイマジナリーセンチュリー三百十一年十一月九十七日午前八時十分一秒。

 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ 完

 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として に続く……

一兆年の夜 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ(戦)

 十一月九十六日午前零時四十一分十八秒。
 ライデンとレットは蚯蚓型を倒したカン烈の検査を終える。幾ら銀河連合と言えども僅かな塵でも体内に入って肉体を乗っ取る液状型は純粋な強さとは別の次元に位置する厄介さを秘めているが為だ。
(カン烈のおっさんは助かった。おっさんを助ける過程で駆け付けた雄略蛇族の医者の尾も実に正確だ!)
 齢三十二にして二十八日目に成る雄略蛇族の中年にしてある蛇族の医師家系の遠い親戚であるスネッゾル八代は嘗て途絶えた武内蛇族のように僅かな可能性も見逃さずに然も摘出包丁を咥えると一瞬の内に全て切除した。
「あんた凄いな」
「どっかの医者の一族の才能は関係ないエエ。俺の力は俺自身の努力で身に付けたエエ」
「だが、有難ウ。お陰デ……何だ!」カン烈は一休みも出来ない。「気配ヲ感ジルぞ!」
「ああ、俺様達は未だ戦いから抜け出ていない」
 ああ……あらよっと--小粒蚯蚓型を発射した銀河連合は接近し、確実に当てる為に其れを放つ……が、ライデンは後ろに上体を下げて回避。
「其の回避の仕方は勧めない!」
「あのなあ、其れ以外が思い付かなかったんだよ!」
「気合を入レロ、三名共!」
 全くエエ、医者過ぎるから戦いは好まないエエ--何時でも全身の張力を最大迄使い切る気で居るスネッゾル。
 スネッゾル以外の三名は再び戦闘態勢に入る。繰り出す小粒蚯蚓型の嵐は回避した後でも油を断てない。忍び寄る蚯蚓型は生命の体内に入って速やかに死を加速させに息を潜めて接近。そんな行動を蛇族独特の探知機能を以って察知するスネッゾル。そして、咥えた摘出包丁で次々と頭部に突き刺してゆく!
「三体……其処で俺はもう戦えないエエ!」摘出包丁も銀河連合を三体迄しか確実に死を齎せない。「後は二撃以上を要するのは他の包丁と変わらないエエ!」
「と先生は言ってるが、レット……現在飛んで来た数は?」
「正確に数えて十三体……内四体はスネッゾル先生が倒した」
 あんなのが後九体モ……ジャナクテ十体、十一体に増えた--カン烈は銀河連合に於ける砲撃員が放つ二発の何かを回避しながら数を足し合わせる!
(何で今の時代では砲撃員がこんなに厄介に成ったんだよ。昔だったら砲撃は只の県政に近しい筈だった……時代を追う毎に俺達が戦い方を追加してゆくのと同じように……ウオオオ、左肩に!
 クソウ、踏み潰してやったぜ……だが、俺の中に銀河連合が入っちまったぞ!)
 ライデンは一瞬だけ死を予感。だが、三名の仲間達の為に其れを心の中に仕舞う。自らが液状型に乗っ取られる事よりも此処で動きを止めて仲間を死なせる方が余程、良からぬ事に繋がる。誤りを上手く変化させるかのようにライデンは自らの潔白を証明するかのように例え包丁が錆びて使い物に成らない状態であっても小粒蚯蚓型を迎撃してゆく。
「あれは……馬型!」レットは更に狙撃を確実にしようとする銀河連合を目にする。「絶対に逃がさない!」
 レットは確かに強い。そして革仙者の能力は新仙者依りも強力でレットの身体能力を大幅に上昇させる。だが、レットでは馬型に太刀打ち出来ない--其れに気付かず、レットは背後に回った馬型に呆気を撮られて後ろ右足蹴りを勢い良く腹に強打して成人体型十迄吹っ飛ばされた!
「レット……クソウ、力を信じ込み過ぎだ!」ライデンはレットが己よりも強く成れる事を信じていた……「だが、カン烈のおっさんも摘出包丁を錆にした先生も出る幕じゃない」だからこそレットを助ける為に自ら進むしかない。「此処は俺が進むしかない……後は頼んだ、みんな!」
「待て、お前ガ……ウウウオオオオ、攀ジ登ッテ来やがって!」
「チイ……蛇族で大事な牙が折れてしまったエエ!」
 レットに向かって馬族は止めを刺しに突進してゆく。其れをライデンは自らの体を張って立ち向かう!
「来い、俺もかつては自らの力を信じ過ぎたんだ!」雄略包丁をくさむらに置いて両手を広げる。「今なら親父や祖父さんが如何ゆう心構えで事に挑むかわかった……だから俺も菅原家の雄として其の心構えでお前に挑んでやる!」

一兆年の夜 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ(後)

 未明。
 一旦、ニャレーダーは何かを取り出して其れを耳……ではなく、何故か舌に当てる。
「ゲホゲホ……尋ねようとしたら、又吐血か!」吐血の後に一瞬だけ眩みを起こすも、会話だけは止めないライデン。「其れよりも如何して其の通信装置らしき物を舌に当てたんだ?」
「……ふむふにゅ、そうですにゃ。そうですにぇ!」指令を受けたニャレーダーは其れを外すと自らの顔をライデンに向けて会話を再開する。「大変な事が発生しましにゃ」
「何だ、大分明くる時の流れでもう出迎えか?」
「いいえ、そうではありませにゅ。強制的に時を止めた為に本体が干渉を始めましにゃ!」
「干渉? 其れは?」
「時間がありにゃせん!」ニャレーダーは急かし始める。「さっさと話しを終わらせにぇ下さい!」
「出来たら苦労しない。だが、レットとの出会いの物語なら間に合う!」
 ライデンはレットとの出会いの物語の幕引きを急ぎ始める。
(確かあれは祖父さんの式を終えて一の月より後の話だったな。祖父さんの死んだ場所でもあり、レットが俺達の時代に亘って来るきっかけでもあったあの迷宮の洞窟にて--)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十一年十一月九十五日午後十一時零分一秒。

 場所は真古天神武大陸藤原菅原地方迷宮の洞窟入り口前。
(あの野郎、何で俺の許可なくして其処へ向かったんだよ。幾ら成長が早く、革仙者の能力があっても未だ若い七つだろうが。俺が保護者に成った以上は勝手な行動を採るんじゃねえ……採るんじゃ、あ!
 あれは……レット!)
 齢十三にして七の月と十五日目に成るライデンは齢七にして一の月と十四日目に成る神武人族の男児レットが齢二十五にして八日目に成る菅原カンガルー族の青年菅原カン烈とカンガルー拳法を嗜んでいる所を目撃。
「レット……其処のおっさんと何やってんだよ!」
 おっさん言ウナ、ライデンノ坊主--カン烈は今の年齢でそう呼ばれるのが好きじゃない生命。
「俺様のせいだ。カン烈とは此処で稽古するって約束した」
「そうそう、レットノセイダ」カン烈は自分への転嫁を好まない性格を持つ。「全くこんな真夜中デ然モ一ノ月ヨリ前ニ立チ入リガ禁ジラレテイル筈ノ所ニ立テ看板を抜こうなんて……何考えるんだ!」
「お前のせいだろ、レットはそんな事しないぞ!」
「痛い痛イ痛イ……毛ガ数十本抜けソウ、痛い痛い!」
「止めて、ライデン」
「わかっているのか、カン烈。幾ら伸びしろが極めて高くても未だ俺と同じ若い生命なんだ。若造なんだよ、レットは!」
「だが、強サハ保障サレテ--」
 其れでも……俺達は自らの強さへの自信があり過ぎて、祖父さんを--ラディルの事を未だ引き摺るライデン。
 ライデンの心境は敢えて記さないでおくとして、彼は一の月経とうとも自らの強さへの過剰な期待から同じ年齢の九名を死なせ、更には助けに駆け付けたラディルを死なせてしまった。其れにより、若き日の驕りは其処で解消した物の悲しみは一の月の期間で拭える重さではない--いや、悲しみの余り後ろ向きに考え始める今日此の頃。
「ライデン、余り自分を責めるのは良くない」
「お前にわかるかよ、去る年に親父が死んで今の年に入って祖父さんが死んでお前以外に肉親一名も居ない此の状態が……わかるかよ!」
 わかるさ……俺様の場合は寧ろ、時代と永遠に離れてしまったと後で気付いた事を--ライデンから目を背けるように語るレットの一聞すると理解が困難な此の言葉。
「何だよ、時代ッテ? 全く未ダ齢七つだろ?」
「本当だったら齢千位あってもおかしくない前の時代から来たんだぞ、レットは」
 又々ソンナ……余リ大人ヲ揶揄ウンじゃないぞ--カン烈は空想話としてそうゆう類は信じない性格だった。
「だが、本当に--」
「いや良いよ、ライデン。如何せ相武様以外には信じて貰えない話だろうし」
「レット……わかった」ライデンは改めて言葉の真意を確かめる。「其れで俺と同じというのは如何ゆう意味だ?」
「わかったんだ、俺様が物心付く前に出たあの言葉の意味が?」
「……覚えてないな、如何ゆう訳か」
「そうじゃない。俺様の名前である『レット・テンタウ』の語源がわかったんだよ!」
「語源? 其れは何処で、だ?」
「藤原バッ戸の著した日記からわかったんだ」
「藤原バッ戸? ライデン、ワカルか?」
 いや、俺は其処迄博識じゃない--ライデンでさえも知らない名前は長い歴史の中に存在する。
「だろうな。だが、其処で俺様は天同烈闘れっとうという名前を見て何かを感じ--」
 危ない、レットオオ--レットの背後から何かが光るのに気付いて庇うようにレットの体に覆い被さる兄貴分のライデン。
「な、何だ此ノ変ナ動キヲスル物部刃は!」
「そりゃあ……銀河連合だ!」物部刃に変化した銀河連合は其の侭、蚯蚓型に変化して二名の体を乗っ取るべく蛇族みたいな移動を始める。「ってこっちに近付いてくる!」
 二名に乗り移らせて溜まるかあ--カン烈は右前足の前脚打ち下ろしで地面に自らの頭部程の大きさもの凹みを起こしながら蚯蚓型を叩き潰した!

一兆年の夜 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ(覚)

 三月七日午後一時三分一秒。
 場所は迷宮の洞窟入り口前。
 普段は鴨下政治塾が其処で開催される。だが、此の時代に成ると其の政治塾は既に塾生が足りない事を理由に三十四の年より前に廃校。以来、此処は軍者や暇を持て余す子供達の遊び場と化す。
「おいでおいでえ!」ライデンは生後二の月を過ぎた赤子と遊んでいた。「はしってえ!」
 其の赤子は生後十の日に寝返りを打ち、十三の日に這いずり回り、二十の日に立ち始め、一の月を過ぎる頃には歩き出し、そして三十八の日に走る所迄成長。現在では銀河連合ごっこで遊ぶ迄に走り回れるように成った!
「まだまだだよなあ、おまえは。やっぱぼくがいちばんはやい!」
「あうあう、あう、あう?」赤子はまだ名前が付けられていない。「あああた?」
 ん--ライデンは其の赤子が何かを覚え始めるのを感じた。
「てん、てん」
「アマテラスことばを? もしかしておまえは、あまてらすことばを?」
「あま、あま、て、て、ら、ら?」
「ひょっとしてことばつうじるの?」
「つう、つう、つう?」赤子は徐々に言葉を習得し始める。「じ、じ、じ、る?」
「まだまだそうゆうのははやいっておじいちゃんがいってたからね。だからおまえはことばおぼえるのはあとにしてよ」
「まだ、まだ、まだはやい?」
「え?」子供にとって己よりも幼い生命が追い付くだけじゃなく……「そ、それはまだはやいからさ」追い越すと成れば危機感を覚えるのは自然の摂理。「だ、だからもっとはしっていればいいからことば、ことばおぼえなく、ていいよ!」
「おぼえなくて、いいよ? おぼえ? あ、いいから?」
 如何したのだ、ライデン--其処へラディルがやって来る。
「あ、おじいちゃん。じつはあかちゃんがことばまでおぼえはじめたよ」
「いやいや、這い這いを飛び越えて歩いたり走ったりしても流石に言葉はそう簡単に--」
「いやいやいやいや? はえ?」
 何……何て赤ん坊だ--思わず尻餅を付いてしまったラディル。
「だろ? あかちゃんなのにことばおぼえたよ。こんなことってあったの?」
「ないな。抑々言葉なんて長い年月を掛けて脳に叩き込んで更には羅列を手足尻尾翼のように理解するだけの脳の拡大が無いと難しい高等技術だったと死んだ父親が言ってた」
「られつ? こう、とう? んん?」
「またおぼえた。どんどんえっとなんだったっけ? なんとかにしていきはじめたって」
「手足のように……其れが何か名前も知らない赤ちゃんにわかる訳がない」
「なまえ? なまえ? ね、なまえ?」
「ああ、何か名前に反応しているみたいだ」
「うん、そうだね。でももうそんなのおぼえさせなくていいって」
「いや、気のせいかも知れない。だから試しに赤ちゃんの名前は何か尋ねてみるのもアリだ」
「たず、ねて、みる、の、、お?」
「おい、赤ちゃん。名前というのはそうだな、俺は菅原ラディル。普段はラディル、と呼んでくれ」
「すが、わら? ら、ど、ぅ、ぃ、うる?」
「ラディル、ラディルだ」
「らどぅぃうる、らでぃうる、らでぃ、る?」
「そうだ、其の調子だ。其処で赤ちゃん、君のお名前、は、お名前は言って、くれませんか?」
「おな、まえ、は、は、いって、いって?」
「此のように」ラディルは自身の掌を開くように口から出す事を『言う』と表現。「此のような事を、『言う』だよ。『言う』って、だよ」
「いう、いう、こおおおお、いいいいいううううう」
 ああ、もうこれいじょうなにもおぼえないでえ--危機感を覚える年頃の子供であるライデン。
「良いじゃないか。如何せ名前は言えないし、抑々名前なんて後で明らかに成るんじゃないか?」ラディルは楽観的な生命であるのか、記憶について過剰に期待を寄せる模様。「だから若しかすると覚えているかも知れないだろう、自分が付けられた名前について」
「そんなのぜったいにないよ。ためしにいってみてよ、おまえ」
 なまえ、なまえ……れっと、れっと、れっと--生後間もない赤ん坊の記憶には其れが何なのかは今でも明白ではない。
 だが、ライデンとラディルは驚きを隠せないし、隠し通せる筈もない。
(れっと、れっと、レット!)
 なまえ、なまえ、れっと、れっと、てん、てん、てんた、てんた、てんたう--そして赤ん坊の名前はこうして決まった。

(『レット・テンタウ』という名称の由来を俺は尋ねられた事がある。其の度に俺は奴に此の話題を取り上げて出したんだ。奴の一名称が『俺様』なのは自らがそうゆう高い地位にいる生命である事を忘れない為以外にもある。赤ん坊の頃に言葉を覚えたばかりに其れ以外の一名称を思い付かなくなった。正確には其れ以外の一名称にすると己の中で何か違うような感覚の和にぶち当たるというらしい。俺には最後迄其の違和が何なのかを知る由もない。
 其れよりも『レット・テンタウ』という名前でこんな話もあったな--)

一兆年の夜 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ(序)

 未明。
 未だに終わりが見えないライデンとニャレーダーの周囲。ニャレーダーはライデンの気を遣う。
「気にするな、俺は未だ死ぬつもりはない。けれども、時計は止まらない」
「止めて見せましたにゃ。だからこうして貴方にお話をしているにゃ」
「そうだな。一体何処迄……ああ、そうだ。今度は俺にとって唯一無二の親友でもあるあいつの話でもしよう。大丈夫だ、前に比べたら短い話に留まるつまらん話さ。其処迄長くはない」
 大体そういう時に限って話が長くにゃるんでしょ--ライデンが頭脳労働者の一面を持つ事を理由にそう皮の肉を指摘するニャレーダー。
(だろうな。昔から親父に『今日は昨の日に比べて早く帰る』と信じた為に其れよりも遅い時間に帰って来られると一体どれだけ満足し得ない感情が芽生えた事か。あの日もそうだったな。そして祖父さんもそうゆう日に限って帰って来なかった時があった。確か--)

 ICイマジナリーセンチュリー三百十年二月二月五十六日午前八時七分十一秒。

 場所は真古天神武大陸藤原菅原地方道真県第八北地区菅原ラディル邸。
 齢六にして六の月と十日目に成る菅原人族の男児である菅原ライデンは朝五時に起床して食事を始めとした家事を八の時迄に終わらせる。
「ごちそーさまあ」たった一名でも神様に感謝する心は忘れない。「ごちそーさまあはたしかかみさまにごちそうをありがとう、だったかなあ?」
 其れから食器を片付け、生ものを小さな体という条件の下で分けて行く男児ライデン。
(おとうさんだけじゃなくおじいさんもおそいなあ。なんでだろう、なんでおそいんかなあ?)
 齢六の男児にとって通常通り帰って来た身内が今回に限って帰宅しない場合は安心出来ない思いが募る。だが、ライデンは既に父が通常通り帰宅しない事を経験済み。故に一の週迄帰宅しない場合があってもそんな心境に成る事はない。寧ろ、自分の力だけである程度の生活の糧を得る手段を持ち得る。
 そんなライデンだったが、そうゆう思いの時間は僅か二の日位で済んだ--齢三十八にして六の月と十日目に成る菅原人族の中年が生後三日目に成る赤子を連れて帰宅してゆくのが見えた!
「おじいちゃん、おじいちゃんだあ!」ライデンは喜びを隠さない飛び跳ねるような走りをする。「よかったあ、てっきりぎんがなんとかごうにくわれているんかっておもったあ!」
「俺がそう簡単に食べられるかっての……其れよりも見りゃあわかる通り、少し大変な拾い物をしてしまった!」
「おじいちゃんのかくしごお?」
 オイオイ、歳相応の言葉しか覚えないようにしろよ--孫であるライデンが既にそんな単語を覚えている事に其のような返事をした後、溜息を吐く。
「まあ良い、迷宮の洞窟内である飛蝗族の坊や……だったか?」
「だった?」
「まあ良い。其の方が連れて来た赤子だったが、突然にして其の方が行方を晦ましてしまった。昨の日からずっと探していたんだが……今の日の朝に成ったので一旦、食事も兼ねて--」
「あ、おじいちゃん。そのひだりうでのきずはあ?」
 何、軽傷さ--尚、大分前の話では百獣型に左肩を噛まれて以降、一切動かなくなった旨の説明をした……が後にラディルはある名医の施術を受けて一の年より後に前に比べれば柔軟でないにしろ、動ける迄に回復した事を付け加える。
「それでそのあかちゃんは?」
「ああ、此れは大事な大事な借り物だ。何れ、元の方に帰す為に俺達が大事に育てなければ成らない」
「え、かえすの?」
 ああ、もう一度時の扉が開いた時に必ず--知っての通り、此の赤子が元の時代に戻る事は二度とない。

(俺がほぼ覚えていない歳頃の中で初めて弟の代わりが出来た。死んでしまった弟に代わって奴は元の主に帰すという期間限定的な意味合いで育てられるように成った。まあ最初はそんな借り物同然のあいつにどれだけ苦労した事か。直ぐに泣くなら未だしも尿を掛けたり、突然糞を出したりやりたい放題。喜びの動きでは俺と同じく歳相応に苦労させられた。其の癖、俺よりも早く物事を覚えたり未だやった事もない技術を模倣したり……正直背中を追っかける筈の存在が気が付けば先頭に立つ存在に変わってしまった。当時は奴の成長速度の速さに劣る様な感情が芽生えたのは確かに真実だ。
 まあ其の話は後にして先に話すべきは奴が言葉を覚え始める頃だったか? 二の年? 一の年と十の月? 其れが--)

二回目の雑文……物事を決定する時に気を付けるべきは情緒

 如何もdarkvernuです。
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 ではあるショートストーリーでも書いてみようかなあ。

 とある本能山に聳える二つの村。一つは情緒で全てを決定する感情村。もう一つは経験則で全てを決定する理論村。其々同じように見えて全く違う。最初は感情村から見て行こう。
「良し、決めた。理論村と話し合いをしよう」
「村長、我慢出来ませんよ。あいつら何時も屁理屈ばっかりで頭に来るんだ」
「わかっているよ。だから先に話し合いをしてから最終決定をしようと思う」
「でもやっぱ攻め込もうよ、ねえ」
「だから駄目なもんは駄目だって」
「舐められっぱなしじゃあ我慢出来ないっすよ。わかってるでしょ、攻めましょう、村長!」
「そ、其処迄怒り心頭かい?」
「ええ、怒り心頭ですよ」
「で、でも……うーん、わかった」
「やったああ。じゃあ早速戦争の準備を始めましょうか」
 と此の様に一斉に攻め立てられると最初に決めた事は一瞬で覆してしまう。そんな感情村。一方の理論村では如何成るか?
「やはり話し合いは無理だ。感情村に備えて戦争態勢に入る」
「村長、其れじゃあ余りにも横暴ですよ。話し合いの道は如何したんですか?」
「そうですよ、村長。向こうだって話せばわかる筈です」
「駄目だ駄目だ。もう言ってしまった以上は今更決定は覆らない。此れは決定事項だ」
「でも向こうの中にも話が聞ける人間だって居る筈ですよ」
「最終決定は覆らない。わかったか、最終決定だ」
「横暴だ、俺達の意見は如何したあ!」
「村長は私だ。其れに戦争態勢の理由は幾つか用意する」
「本当に納得出来る理由なのか?」
「ああ、向こうは一時の情緒で今迄の話し合いを全て覆す村だ。そんな村と何度も交渉を試みた所で無駄だとわかった。だから此方は準備をしようと考える。わかるだろう、昨日の決定を今日の感情一つで翻す事の愚かしさを」
「た、確かにそうだけど……でも、だからこそ和平交渉派の村民とコンタクトして和平運動へと持って行けば話し合いへと繋がるんじゃないのか?」
「其れが出来たら苦労しない。其れにそんなのは初めからやらないと意味がない。此処迄来た時既に遅い。故に私は戦争態勢に踏み込む。此れ以上の異議申し立ては一切受け入れない。決定した以上はさっさと始めんかい!」
「頑固だなあ」
 と此の様に理論村では最終決定した以上、何が何でも決定事項を遂行する事を義務付けられる。こうしてみると二つの村は何方も目糞鼻糞に見えるだろう。しかし、明くる日に成ると如何なるか?
 先ずは感情村から行こう。
「え、戦争準備は?」
「やっぱ話し合いにしましょう、ねえ?」
「早々、向こうすんげえ武器を備えていますぜ」
「で、でも昨日は戦争しようって言ってたんじゃないの?」
「そ、其れは昨日の事じゃないか。俺達は日々成長する村だからね」
「だ、だから戦争しないの? 昨日は舐められっぱなしじゃあ我慢出来ないって言ってたじゃないか」
「そ、其れはあくまで熱く成り過ぎたんだよ」
「そうだよ。酒に酔っていたらそう成ったんだ」
「どんな理由だよ。其れに向こうは話し合いに応じる雰囲気じゃないよ」
「でも丸腰だったら向こうも手を止めてくれるし」
「そうだよ。だから戦争は止めよう、人死ぬし」
「うーん、わかった。そうしよう」
「流石村長だね、わっかりやすー!」
 昨日の事が今日の感情で全て覆す事に。何という村なのか? 一方の理論村では如何成るか?
「昨日と同じだ。最終決定は覆らない」
「でも向こうは白旗を上げております」
「駄目だ。昨日、武装して此方を威嚇した事実は変わらない。其れを此方が武装した理由で白旗を上げるとしたら今後も向こうは挑発行為をする可能性も踏まえて徹底して潰さないと駄目だろう」
「でも無抵抗な相手に牙を向けるのは余りにも非人道的ではないでしょうか?」
「其れは向こうもやるかも知れない事だ。其れに白旗を上げた此の時こそ、絶好の攻め時だ。そして、昨日の決定はやはり覆る事が無い。残念ながら村の存続の為、無垢なる村民の安全を守る為に感情村を攻め込む」
「あのう、村長。向こうの使節が話し合いを要求しましたよ」
「追い払え。昨日決定した事は一切覆しては成らん。決定は覆らない!」
「そんなあ」
 理論村の決定は依然として変わらず。結果、感情村は理論村を挑発した罪で攻め滅ぼされて其処に暮らしていた村民は全て理論村の奴隷と成った。其れだけではない。理論村は再発防止の為に感情村の土壌に塩を撒いて二度と人が住めない土地にしましたとさ……完!


 まあ少しわかりにくいから解説する。何時如何なる取引でも昨日と今日で大きく意思決定が異なると取引先の心証を損なう。なので意思決定する時は必ず今日の情緒でしない事。此れと同様に感情村の滅亡は民主主義の悪い手本として未来永劫語り継がれる。一時の情緒で全てを決定すると大変な事に成る。一度決定した事は如何なる時でも覆しては成らない。民主主義の基本はあくまで民衆の多数決で選ばれた代表の決定はどんな国民世論であろうとも覆る事が絶対にあっては成らないのが基本。だが、衆愚政治の場合は一々民衆の顔色ばかり窺う代表はまともな決断が出来ない。結果、外交は迷走に次ぐ迷走をする羽目と成る……例えばあの国とかあの国とかあの国とか。昔なら最後に会った人の意見に従って発言を覆すルーピー。幾ら官房長官や外務大臣がフォローしてもルーピーの一言で混乱を招く訳だからな……全く誰だよ、あいつを要する政党に票を投じた連中は(自分は違うからな……だからこそあの悪夢の三年超は今でも日本の足を引っ張っていると考えるからな)。
 要するに感情村の村長みたいな奴程、最も民を苦しめるトップは存在しない。幾ら下々がそう言っても一度取り決めた事を絶対に覆しては成らない。でないとカルタゴ民のように一族総奴隷にされたって過言ではない。一方で理論村の村長みたいに決断したら例えどんな罵りを受けようとも実行するトップは民を幸せに出来る。何しろ、周りから見れば筋が通っていて男らしく映るのだからな。そうゆう意味じゃあ昨今の政治屋どころか選挙屋に落ちぶれた連中は一回民主主義の基本とは何たるかを知らしめないと駄目だ。幾ら其れに不満があるからって其れは多数決で選ばれた代表が決定した事で在り、其れが不満なら選挙に出て代表に成って政治を変えるのが筋だろうに!
 此れは政治の世界だけじゃない。個人にも当て嵌まる。優柔不断な人間は何一つ決定出来ずに周りから非難を受ける事と成る。一方で決断力のある人間は例え一時的に周りから引かれるような事があっても最終的に周りが付いて来る。決断とは即ち、自分を示す絶好の指標だ……だから自分は其れに近付こうと頑張る物の、中々上手く行かないんだよなあ(辛)。
 という訳でショートストーリーの解説を終える。

 情緒による決定で最もやってはいけない例がやはり裁判の判決だろう。あれは判例に凡例を重ね、更には国民的な感情……ではなく、法律上ちゃんと適合出来るかを判断してから裁きを下す物だ。だが、とある地裁の裁判官や人権派を騙る弁護士共やある国の検事や弁護士共は此の基本を理解してないが為に一々感情で判決を下して法令順守の精神を歪ませてゆく。考えてみろよ、感情で全ての裁判が決まる悍ましさを。万引き事件で犯人が自分の親友という理由だけで無罪判決を出す意味を。殺人事件で殺された側が元虐めっ子だったという理由で無罪判決を出す愚行を。そう思うと如何に人間の感情が当てに成らないかがわかる筈だ。そう考えるとあの国の司法が如何に狂っているかを理解出来る筈だ!
 そうゆう訳で二回目の雑文は此処迄。後、検事や弁護士は絶対に筋読みするな。其れする位なら先ずは証拠を集めて理詰めしていかないと真実には辿り着けんぞ!

少し表現として納得出来ないかも知れないが、あいつらの下らない文句はカラオケで好きな曲を歌えない事と思えばどれ程辛いかわかる筈……かな?

 如何もdarkvernuです。
 早速、例の国旗に関する話について自分なりに如何して文句を言う事が不当なのかを文字に現してみようと思う。

 とあるカラオケ店でJ君とクォーク君と米君とダルシム君が歌いました。其々持ち歌があり、J君は演歌、クォーク君はKポップ、米君は洋楽、ダルシム君はアニソン。尚、其れ以外の歌は知らないという前提で歌いました。ところが--
「やい、演歌ばっか歌ってんじゃねえ。演歌なんてダサいし、流行らねえよ。次演歌にしたら消すからな!」
「良いじゃんか、演歌くらい歌っても。其れは好き好きだろうが。そう決めていたんじゃないの?」
「駄目に決まってるだろうが。演歌以外歌え。でないと名誉棄損で訴えるぞ!」
「ああ、もう良いよ。俺帰る!」
 こうしてJ君はカラオケ店を去りました。残った三人だけでカラオケを続けました。するとクォーク君は突然、演歌を予約」
「ちょっと、クォーク。何でお前、演歌歌ってんだよ!」
「良いんだよ、俺が歌っても。其れとも演歌を歌ってはいけないってカラオケ店が言ってたのか?」
「じゃあ俺、Kポップ絶対歌わない」
「俺もだ。Kポップ以外は全部歌おうっと」
「な、何でそう成るのよ」
 こうしてクォーク君の傲岸不遜なやり口のせいで折角自由に歌う空気が不自由な空気へと変わった。特にJ君を追い出す事に成った筈の演歌禁止の約束はクォーク君が演歌を歌うというダブルスタンダードに依って二人が抗議する形でKポップを歌わない事と成った。
 さて、昨今話題の観艦式に於けるネタの例えとして適切か如何か? 其れはわからない話。だが、考えてみて欲しい。幾らFM802やらで流れる音楽以外を禁止にするって言われた場合、楽しくカラオケは歌えるだろうか? アニソンや演歌を歌う事がださいだの幼稚だのと言う理由で一方的に排除される事が果たしてカラオケの語源に繋がるだろうか? ウルトラマンのテーマを歌う事が恥ずかしいのか? 天城越えがださいから歌ってはいけないと誰が決めたのか?
 さあ、如何思う?


 カラオケについての解説は後にするとして先ずは奴等が又やってくれた。そりゃあ日本政府が参加しないと表明して当たり前だ。だって国の色であり、自己主張の象徴でもある日の丸を掲げられないなんて一体参加する意味があるのか? そりゃあないに決まっている。幾ら向こうの主張する過去が如何のこうのと言おうとも……下らん情緒を持ち込むんじゃねえぞ(怒)! てめえらは其の前に日韓合意をちゃんと履行しやがれ。世界中に建てられる気持ち悪い慰安婦像を片っ端から粉砕処分するよう努力しやがれっつーの。そんな事もせずに一々……いや、止めよう。どんな約束事したって情緒一つで全て翻すような国とまともに対話なんて出来る筈がない。もう何回も主張しているけど……だ。何が入るかは自ずと想像が付くだろう。
 さて、カラオケの話をしよう。国内に於けるカラオケ店には嫌な噂とか何とかは此の際、別問題としとこう。只なあ、知人と一緒にカラオケ店に行くと大体そいつの言論弾圧の兆候が明らかに成るからな。言論弾圧をしたがる奴程、自分の好きな曲を他人に強要する。逆に自分の嫌いな曲が流れると強制的に消しに掛かる……取り敢えずそうゆう奴が居た場合は真っ先にそいつと一緒にカラオケに行かないように勧める。一緒に行ったって文句ばっかり口にして楽しめる筈がない。カラオケとは一緒に行く奴の懐事情を調べるのにうってつけだからな。何を歌おうとも其れは勝手だ。但し、行き過ぎた下劣な歌(猥歌を始めとした下ネタがちりばめられる奴等)を歌う場合は気分を害する可能性があるので其処は流石に言論の自由が保障されても歌う前に事前に相談する事だ。だが、其れ以外ならば例えガオガイガーだろうと鉄腕アトムのテーマだろうと問題はない。寧ろそいつ等を歌って何がいけない? お経を熱唱して何がいけない? 別に何も犯罪染みた事はやってないだろう? なあ、知人と一緒にカラオケ店に行って言論弾圧したがる諸君よ!
 という訳で時事ネタの解説を終える。

 第百二十五話の解説を始める。出だしが思いっきり失敗している感が大きい。如何やら自分もネタを想像するだけの力が失っている証拠かな? だが、まだ三十代初頭だぜ……四十台近くとかならまだ想像力も尽きるだろうけど、まだ三十代初頭だぞ。やっぱ一杯掌編作り過ぎた弊害のせいかなあ?
 ネガティブな話は此処迄にして主人公は菅原ライデンで彼を中心に様々な話が展開される。最初は父や祖父との突然の別れを散文的に描いては見た……うーん、わかり辛い。やっぱ波乗りを一旦外すと何がしたいかわからん話に成るもんな。本当に物を書くのはそう簡単じゃないな。いっそ、次の話からは一パート当たりの分量を少なくても良いから適当にやるのもアリかも知れない。うん、そうだな……そうしよう。
 ってな訳で何時も通り解説に成らない解説を終える。

 やっぱやる気は物を書く上で重要だな。此れがあれだと幾ら駄文でも活発なのかそうでないかが読者にまるわかりだしな。其れでもやる事はやらないといけないのが物書きの辛い所だ!

 十月十五日~二十日    第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ           作成日間
  二十二日~二十七日   第百二十七話 終わりの始まり 五武将として             作成日間
  二十九日~十一月三日  第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く         作成日間
 十一月五日~十日     第百二十九話 終わりの始まり 己の中にあるもう一つの己       作成日間

 ライデンの回想から始まる物語は最後に彼の死で幕を閉じる。其れでもライデンは如何しようもない現実に悔いる事なく駆け抜けるだけだ。
 こんな人達界隈は救い難い奴等の集まりだ。未だ野次を飛ばしたんなら其れに注意するのは正しい。だが、野次を擁護する意味が理解出来ない。更にはどの国でも共通する礼儀を排除しろって言い出し始めると最早こいつらに対して「いや、礼儀こそが一般的な大人である貴方達が気を付けるべき事じゃないの?」と言ってやりたい……が聞かないだろうなあ、どっかの脳科学者とかどっかの精神科医とかみたいに。
 そんな訳で今回は此処迄。天パとかリカちゃん先生はいっそ免許失効処分にしてやったら如何かなあ? 振る舞いを知る度に他の脳科学者や精神科医の先生方の風評被害が心配されるからな。

雑文特別編 ハヤトは死なず 第弐拾陸話 互いに盟友を持つ者同士譲れない戦いが此処に! 佐藤栄作VS伊東正義

 如何もHP版サボって雑文特別編をやる怠惰の象徴darkvernuで御座います。
 さて、『格付けの旅』の赤魔法の章の05の二ページ目が終わり、三ページ目に入りました。読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 さあ、やるとしようか。

 小池百合子の築地悪玉論はあるプロ市民の看板に依って悪質な工作活動だと判明。小池百合子は益々無能を曝け出す。まあ、何一つ仕事しない都知事は最早選んだ有権者に問題があるとしか思えない現状がある。最早小泉純一郎チルドレンの殆どは無能を曝け出す昨今の情勢。石破も小池も進次郎もみんな……所詮、構造改革とは只の破壊でしかないと漸く気付く馬鹿な大衆。漸く気付いても尚、未だに亡国に成らない奇跡の国日本。玉城デニーが沖縄県知事に成ろうとも上手くやれる気がするから救い難いそんな日本。
 そんな日本でこんなふざけたトーナメントは開催される。そう、準々決勝第二試合というおふざけ迄続ける程に。さあ、始まりますよ。今度はBブロックの覇者を決める第二試合だああ。前試合では現総理大臣は三期目に相応しい勝利を飾りました。だが、そんな安倍晋三の前に立ちはだかるのは戦後歴代最長政権を築き上げたあの佐藤栄作なのか、其れとも首相の器でありながらも其れを死ぬ迄放棄した総理大臣代理の伊東正義なのか!
 そんな試合に於いて解説を務めるのは甘利神拳の伝承者にしてTPPに於ける功労者……甘利明あああ!
「甘利神拳は……じゃなくて如何も私は甘利明だ」
 相変わらず見えない所で称賛される御方ですね。確かに目を覆いたくなる実績もありますが、やはりTPPに於いて成長率十年でコンマ三パーセントの加算を一パーセントにした功績はやはり貴方だからこそでしょう!
「何、私は仕事を果たした迄だ」
 さあ、二人目は前回の外務大臣時では多くの所謂保守陣営の評価を覆す活躍ぶりと仕事ぶりを見せたあの男……河野太郎ウウウウ!
「見た目は大人、頭脳も大人……其の名も外務大臣河野太郎!」
 洒落も聞いておりますね。ツブヤイターでのあのツッコミは今でも語り部と成ります……が、本当に大丈夫でしょうか?
「バーロー、もう親父とは違うんだよ。疑う余地はないだろうに」
 そうは言っても作者も含めて警戒を弱める訳にはゆきません。其れじゃあ入場!
「全く毎回毎回前置きが長いっつーの。ちゃっちゃと終わらせろや!」
 其処迄態度が悪い訳ではないが、佐藤栄作は退陣会見で新聞記者を全て退場させたあのシーンは今でも語り部と成る話。此れを佐藤栄作の態度の悪さのせいにするのは簡単。だが、裏を返せば散々新聞記者が佐藤栄作に不公平である証拠ではないか? 西山太吉という人間の屑を正当化する昨今の新聞およびテレビ局のテロリズムは佐藤栄作を大いに苛立たせた。そう考えれば佐藤栄作が新聞記者に対して冷たくあしらうのは新聞記者の面々の日頃の行いが悪い証拠ではないか? そうとしか説明しようがない。
「俺の擁護は其処迄にしろ。同情される為に総理大臣やって来たんじゃねえ!」
 尚、ノーベル平和賞に相応しいかは今でも議論の種と成る。其れじゃあ佐藤栄作と対峙する伊東正義の登場だああ!
「此処迄来たんだ。最後迄気合あるのみだ!」
 リサーバーとして出場し、破竹の三連勝を達成したあの伊東正義。歴代最長の佐藤栄作さえも越えて見せるか!
「伊東さんの恐ろしさはやはり最低限の仕事を果たす根性だ」
「親父から聞いた事がある。伊東さんは本来総理大臣をやってもおかしくない人材だった。親父や祖父さんさえも達成出来なかった総理大臣の席に相応しい男はとうとう佐藤総理の器さえ超えて見せるのか?」
 解説二人は如何やら伊東正義推しですな。まあ、気合で打ち勝つ伊東だけあって今度もやってくれるという期待が高いのでしょうね。
「だが、栄作は簡単な相手じゃないな」
「だなあ、あの方はあ……益々政治力高めておるぞおう!」
「臨界点ギリギリか。あのままじゃあ取り込まれるぞ」
 一方で佐藤を知る三人の宰相は其処の知れなさを評価している。果たして勝者は何処に? 尚、主審は例に依って国賊二階俊博が担当する。
「よおし、準備は良いな……では、始めええええい!」
 さっさと済ませる辺り、安定のガースーこと菅義偉とは大きく違う面白みが全くない二階らしい。だが、開始早々から伊東選手の大嶽殺しの突進右ストレートが佐藤選手に炸裂--しかし、大嶽みたいに怯まなああい!
「中々やるじゃねえか、伊東。だが」左打ち上げで右を押し上げると間髪入れず、右下突きに依る肝臓打ちが炸裂。「俺には届かねええ!」
 其の侭、伊東選手……海王星の地表に叩き込まれたああ!
「ゲフゲフ……ハッ!」
「貰ったああああ、栄作トマホオオオオク、ブウウメラアアん!」
 佐藤選手はゲッター1張りのトマホークブーメランハリケーンに依る支離滅裂を仕掛ける。だが--
「ウオオオオオ、そんな手に乗るかああ!」
 伊東選手気合のヘッドバッドが顔面に炸裂ウウ--思わず、佐藤選手……ハレー彗星を真っ二つにする程吹っ飛ばされたああ!
「バラバラに成る前に間合いに詰めて頭突きか!」
「普通なら強張った状態であれを防ごうとする所を敢えて間合いに入れると信じて突進なんて……無自覚なのか或は計算なのか? 何れにしたってタイミングが良過ぎる、伊東正義!」
 だが、佐藤選手も負けていない。変態機動をしながら両手に栄作マシンガンを握った状態で何と天王星付近で弾が尽きる勢いで撃ちまくる撃ちまくる撃ちまくるウウ!
「オラオラオラオラアア!」弾切れしても即座にダブルミサイルマシンガンに切り替えて駄目押しをしてゆく。「如何した如何した如何した如何したああ!」
 だが、其れを伊東選手……全身に撃ち込まれても一切速度を落とさずに突進して来たああ。そして間合いを詰めたと思ったらいきなり右ストレートが……ああ、佐藤選手--何時の間にか右ストレートで相殺!
「ウグッ!」思わず、弾き返される。「あの一瞬でミサイルマシンガンを離して正拳を打ち込めるのか!」
「当たり前だ、おらああ!」左ローキックが炸裂し、伊東選手の右足が大きく折れ曲がる。「ヘッ、こんなもんじゃねえだろ?」
 何だ、此れは。さっき迄優勢だった伊東選手が右ストレートを機に佐藤選手に依って後手に回る。こんなに大差が付く結果に成るかあ。攻撃しようとしたら繰り出される正拳、そして防御に回れば破壊必死のローキックが炸裂。やはり沖縄返還を実現した内閣総理大臣との格差は広がるのか!
「いや、未だだ。伊東さんの本領は此処からですよ!」
「ええ、こうゆう危機に瀕した時必ず伊東さんは逆転劇を見せるのだ。見て下さい、ローキックの威力を減殺するかのように屈み始める伊東選手。そして僅かに浮く右腕の存在を!」
 河野氏の解説通り其れが何と右ローキックを平で止めたと思ったら寸勁の間合いに入って金的打ちの右膝蹴りが炸裂--
「へッ、そう来ると……思わなかったぜ!」
 何だって--栄作ビームの存在が此処に来る迄如何して誰も気づかなかったか!
「ウオオオオオオ!」
 真っ直ぐ太陽目指して押し出される伊東正義。脱出しないと太陽に焼き尽くされるぞ。だが、全身が入った状態で且つ両足共に変な方向に曲がった状況を如何やっても困難に思われる。だが--
「何ッ!」佐藤選手も驚くビーム内で自らを省みずに突進するではないか。「ウオオオオオオ、だったら限界迄ぶち込んでやるわああああ!」
「ウオオオオオオ、此の勝負ウウウウ!:」そして、伊東選手は遂にビームの外に出て、振り上げた右手で佐藤選手に向かって叩き付けに入るウウ。「俺の勝ちだああああ!」
「ヘッ……悪いが、俺は今迄の粕共とは違うんでなあああ!」
 そして--
「勝負ありイイイ、勝者……佐藤栄作ウウウ!」
 何イイ、伊東が繰り出す渾身の右ストレートを……躱したあ--其れが決まって、伊東……まさかの失神!
「危ないぜ、今のは。だが……お前は確かに勝っていた」
 何という事でしょう。こうゆう結末もあったのか。限界を超えた一撃を佐藤選手が避けた事で勝負が決まるという結末が。
「今のは佐藤さんも迎撃出来なかった。事実、栄作ビームで政治力を大きく消費した以上は」
「だが、伊東さんは其れ以上に消耗が大きい。此処で反撃して返り討ちにするという手も有った。だが、其れをしなかった。何故か……反撃は佐藤さんにとって高リスクと判断して躱す方に選択した。彼は政治屋にとって大事な戦術的勝利を選んだのですよ」
 そう、戦いはKOで決まる物ではない。判定勝ちもある様に時には躱す事で安全に勝利する選択もある。卑怯と呼べるかも知れない。しかし、此れは戦後歴代総理大臣最強を決めるトーナメント。総理大臣である以上は時として卑怯とも言える勝利も欲さないといけない。そうゆう意味で総理大臣に綺麗事の遂行の絶対化は勧められない。
「ヘッ、褒めるなよ。俺は反撃が遅れただけだ。結果、試合では勝っちまっただけなんだよ」
 勝者佐藤栄作。試合時間十八時間二十四分十三秒。決まり手……栄作ビーム!


 第弐拾陸話に登場した政治屋は佐藤栄作、伊東正義、甘利明、河野太郎、二階俊博、岸信介、田中角栄、池田勇人。
 第弐拾漆話『妖と魔が集う究極の戦い! 大平正芳VS岸信介』に続く……

 まあ佐藤栄作に勝たせたのは単純に展開上の都合だ。其れに伊東正義は如何しても勝ちに懸かるから扱いも難しいのだ。

 では格付けの旅赤魔法の章05の二ページ目の解説と行きましょうか。と言っても此れと言って解説らしい解説無いんだけどな。あるとすればサダスの再登場は他の神殺しを出すのはルール違反だと考えたからだよな。何たって自分としてはあんまり神才は出したくないって決まっているからな。あいつらって結構制作者に保護されている感があるからな。成るべく自分は出さないように調整しているんだよな(其れでも出してしまう分、自分の未熟さが益々露呈してしまって情けない気持ちに成る)。
 そうゆう訳で解説は以上だ。

 そんじゃあ今回は此処迄。ジョジョのオープニングは毎回毎回癖に成るなあ。まあ第五部も三つくらい用意されてそうだな。さあ、二クール目迄フーゴは登場するのだろうか? まあ三クール目は確実にトリッシュに入れ替わる形で登場しないだろうけど。

格付けの旅 第六天魔王波旬……降臨! メタルジェノサイダーリボーンズ

 メタルジェノサイダー……其れは透明色の心臓の形をした災厄。ループが約束される世界で度々、何かに憑依して新生する無形の存在。其の強さに形が無い。形が無い分、対処が難しい。故にあらゆる選択肢が用意されてやりやすいとも取れる。だが、格は全生命体の敵の中では上位に位置する故に簡単には倒せない。なので安易な相手だと思わないように。尚、形が無いと紹介されたが一応固有の攻撃方法がある。其れが虐殺期間と呼ばれる同化法を応用した防御無視の攻撃。あらゆる防御力を貫く其の攻撃は対処するには其れに合わせて属性で軽減するか或は耐久力を増やすかの何方かしかない。そして万が一に倒してもループ或る限り何度でも何かに憑依して新生する。そうゆう意味では透明の虐殺者という名前に相応しい災厄だと言えよう。
 さて、アルッパーは呆気なく波旬を倒す事成功。しかし、波旬ではなく出て来たのは……何とメタリックカラーの心臓!
「此れは何だ……グワアアア!」アルッパーは突然、全身から出血を起こす。「ハアハア……てめえ、何をしやがる!」
 だが、其の心臓は何も語らない。語るとすれば其れは肉体言語……成らぬ鼓動言語--アルッパーは益々、血を噴き出して意識を朦朧とさせる!
「クソウ、全然頭が、わらわない。体、が、重い、ぜ!」飛行能力を失い、他化自在天の重力に屈するかのように麓に腹から墜落。「グ、ガアアア!」
 アルッパーは其れでも闘志だけは鯨百倍いや千倍はある鯨外生物。其の闘志を激しく燃やして背中の鰭を青白く放熱。そして、メタリックカラーの心臓目掛けて口を向けてからの放射能熱線が炸裂--だが、心臓の血管に沿うように其れは弾いてゆく!
「馬鹿なあああ、俺の渾身の放射能熱線が……グぎゃああああ!」
 三度目の鼓動言語--出血多量でアルッパーの目力は光を失い、意識を闇に沈めて行く……

 一方のデュアンはサダスと戦闘を行う。
(相変わらず強い。引き剥がしたと思ったら小粒の種一つだけで幾らでも戦局が引っ繰り返る。目視だけじゃあ難しい。演算魔法も駆使しながら探知して先の先を取ってゆくしかないな。だが、奴の性格は先の先に最も相性が良いから厄介だ。臆病な程、準備が良くて悲観である程警戒心が強く、マイナス思考程に防御手段は幾らでも取れるからな!)
 デュアンはサダスが持つ制空圏が既に己を覆うデュアンロールの内側に迄浸透している事に気付く。其の上で近接戦は難しく、撃ち合いではまともに攻撃が届く事も無いのを察する。其れからサダスの性格が依り一層、防御力を高める事にも同時に察する。
「何を考えるんだ、デュアンよ。わしに勝てない癖に何故勝とうと拘るんだ!」
「--貴様が何故俺を始末しようとするのかがわからん。そして、其の性格の悍ましさ故に俺は正当防衛を兼ねて始末する気だ……エレメンタルシュート・アヴァランチ!」九種類の下級拡散魔法を一斉斉射するエレメンタルシュートでサダスの技撃軌道線を読みに入るデュアン。「--成程、そうゆうルートか!」
「其れでわしを出し抜けると--」
 背後……採ったぞ、エレメンタルインパクト--魔法は砲撃だけじゃない……九属性を籠めた右拳から放つ打撃技をデュアンは内包する!
 だが……サダスに届かない--デュアンを貫く百八十七種類の植物の茎……インパクトする寸前を見極めてからのアースプラントは改めてサダスの恐るべき次元を思い知らせる!
「わ、わかっていたんだ。わしと同様にお前も徒手空拳の素人、だ、だ。だが、だからこそ近接戦に於ける間合いは最低限しか鍛えていない。お前、ででは此れが限度。だからわしは、わ、わしはお前の打撃技の一瞬止まる瞬間を見極めてカウンターを、私、仕掛けたんんじゃ!」
「ク、だと思った、ぜ!」
 デュアンは背後に回る前にデュアンロールを切り離して即死を免れた。だが、改めてサダスが簡単な相手ではない事を思い知る。
(近接戦に於ける間合いの採り方が下手糞なのはお互い様だ。だからこそ其処を衝いて苦手な打撃魔法でケリを付けようと賭けに出たんだけどなあ……だが。寸前で止まるのをあいつは見逃さないとか……さあ、如何すれば良いんだよ。
 遠距離ではあの植物群が邪魔をしてまともに届かない。かと言って勝機がある近距離は……種を植え付けられるデンジャーゾーンだ。此処迄次元が違うと……長期戦に成れば成程必ず俺は負けるぞ。其れは不本意だな。俺は死を覚悟する事もスリルを楽しむ事も既に慣れている。しかし、不本意な死は受け入れない主義だ……だから最もマシな遠距離から次のような行動を採るしかない!)
「に、逃げる気か……さ、させん、ぞぞお!」
 サダスはアースプラントの他に各宇宙塵を無理矢理植物の種にして対象を集中放火させるコスモプラントも持つ。其れに依り、デュアンが其の場を脱出する事を読んで先んじる--ほぼ隙間が存在しないかのようにデュアンを包囲!
「--全く嫌に成るぜ」そう言いつつ、詠唱を止めないデュアン。「--植物学者はそんなに俺を仕留めたいのか……テレポーテーション!」
 デュアンロールだけを残して空間の外に逃げるデュアン……「さ、させる、か、かあ!」サダスは既にデュアンが逃走するであろう空間の外に種をばら撒いてアイアンメイデンで穴だらけの死体依りも残酷な死体作りに邁進する!
 ところが……サダスは読み違えた。デュアンが狙ったのは空間の外に脱出する事ではなく、デュアンロールを使った固有魔法ローリングストーンをサダスにぶつける事にある。其れをまともに受けたサダスは全身から血を噴き出しながら自らの傷の修復に全ての植物を自らの内に戻すしかない!
「な、何で痛い、こ、事をするんだ。そしてデュアンロールが突然、姿を消した!」傷の修復は一瞬で済むが、其れに依ってデュアンを見失う。「わ、わしがよ、読み違えた、というの、かか、あ!」
 此の勝負……デュアンの敗走で終わった。デュアンにはサダスを攻略する方法が見付からず。

 デュアンは一旦、『ちたま』に降りてサダスが如何して自分を始末しに来たのかを考察する。
(『マザーシステム』が俺を邪魔者扱いしたのか? 其れとも俺の存在が奴の地位を脅かすからか? 或は奴は何か恐ろしい存在に気付いて俺を始末しに来たのか? 三つ共、有り得そうな感じではあるが確かめないと気が済まないな。
 先ずは『マザーシステム』の反応を確かめるとするか)
 デュアンは格付師として『マザーシステム』から全幅の信頼を寄せられる存在。だが、あくまで比較的信頼でしかない。邪魔と成れば自らが擁する神才に命じて始末しに来るかも知れない。要するに同盟関係でしかない。そんな同盟関係の解消があるか如何かをデュアンは確かめずにいられない。
 --何かしら、デュアン・マイッダー?
(応じたか、マザー。サダスが俺に襲撃して来た)
 --そう、あの臆病者が貴方に。其れで私を疑う訳なの?
(当たり前だろう。あんたを修理したのは奴だろ? だったら其の恩を利用してあんたが俺を始末しに掛かってもおかしくないだろ? 如何なんだ、マザー?)
 --答えは外れよ。そんな要請をあの男に頼んだ覚えがないわ。女心を舐めないでよね。
 最初の懸念は外れである。ではデュアンは如何するのか?
(じゃあ俺の存在が奴の地位を脅かすから襲い掛かった……と言うのは如何だ?)
 --私に聞かれてもわからないわね。あの臆病者の考える事は想像もつかなくてよ、貴方と同じくね。
(其の部分は奴に命懸けで尋ねるか、誰か近しい奴から聞かないと駄目だな)
 --そうゆう事ね。ああ、そうそう……第六天魔王波旬は如何するの?
(何故マーラの事を尋ねるんだ?)
 --近付いているわよ、貴方の傍まで。詳しくは預言者ノイズンに尋ねてみては如何かしら?
 『マザーシステム』からの通信は途絶えた。波旬が近付く……デュアンとしては前に一度、倒した相手ともう一度対峙するのは何でも骨の折れる話ではない。だが、当時のデュアンからすればマーラは簡単な相手ではない。今でも簡単である保証がない。
(背後に気配? 此の気配は……ノイズンか)
 あら、既に来るという情報に備えているのね--盲目の預言者ノイズンはマザーシステムの言った通りデュアンの元にやって来た。
「ノイズンか……あ、そうだ。昔馴染みに言われた事の一つに身嗜みはな」デュアンは直ぐに服に着替える。「整えないといけなかったか?」
「大丈夫よ、目が見えない人間は元来そうゆう所は想像に及ばないわ」
「成程、『盲目』は服を着ようとも全裸に見える訳か」
 盲目……其れは目の見える人間には理解し難い視力以外の五感で周囲を確認する能力の事。通常は聴力が視力の代わりを務める場合がある。其れは視力以外で最も聴力が視力に近しい機能を持つ為に。だが、時折嗅覚を以って視力の代わりを務める者も存在する。匂いで形を把握し、危険が迫る事を回避するが為なのか或は。だが、盲目には如何やっても難しいのが触覚或は味覚が視力の代わりを務める事だろう。特に味覚は舐めなければ何があるのかわかる筈もない。当然、盲目初心者は聴力或は嗅覚を鍛える以外に盲目を克服する以外にない。そして、極め付きなのがやはり盲目には服を着用するという人間を想像出来なく成る事だろう。以前は視力が冴えた人間ならば其れも想像付く。だが、生まれつき盲目者は服の着用が如何して重要なのかを理解するのが難しい。其れ以前に服が体に付ける異物以外にしか見えない。高度な社会で生まれ落ちたとすれば衣服の着用もある程度は理解出来るだろう。だが、言葉が悪いようだが蛮族に生まれた場合は何故五感の邪魔に成る様な衣服の着用をするのかを理解し難いだろう。盲目とは決して万能ではない。其れに視聴する事の楽しみに対する理解も薄まる故にやすやすと成ってみる物じゃあない。見る事には見る事の楽しみがあるので其の楽しみを失って迄盲目を求める勿れ。
「そうね。だから私には人間社会が如何して衣服の着用に其処迄神経を尖らせるのかを理解に及べないわ」
「もう貴様の都合は如何でも良い。其れよりも何を伝えに来た?」
「もう直ぐ波旬が降臨するわ。彼女を相手に貴方は何処迄戦えるのかしら?」
「所詮、あの時と同様に力が薄まった奴を相手に俺が後れを取る筈がないだろうが」
「あの時と同じ……筈はないわ。だってファイナルディザスターの失われようとする力を彼女は取り込んで全盛期の暴威を振舞える状態迄戻って来たわよ」
「何、ファイナルディザスターの力を……有り得ない。動き出す山が其れ程迄に彼女を復活させたい意図は何だ!」
「ネットワールド……の再誕よ!」
 まさか『暗黒の光』を……拙いな、あいつを呼び出すとすれば待ち受けるのは最強のあいつの到来を意味するじゃないか--顔を蒼褪める程にデュアンが其処迄恐れる存在なのか、『暗黒の光』とは!
「そんなに恐いの、あれが?」
「ノイズン、預言してないで止めたら如何なんだ!」
「出来ない相談よ。私の目的は未来へと進める事なのよ。止める事は只の時間稼ぎに過ぎない。千年王国が何れ終わる様に万物は喜んで終わりに向かって進むのが世の真理の正しき姿なのよ。なのに如何して貴方を始めとした連中は生への終着にしがみ付く訳? ブラフマンとて前身のブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ-という創造、維持、破壊を繰り返さないと到達し得ない境地なのよ。其れと同じように驕れる者も久しからず……終わりは平等に訪れないと世界は均衡を保つ事も難しいのに」
「やはりお前とは意見が合わないな、ノイズン」
「ええ、そうね。そして、貴方は終わりを何としても引き延ばしたいよう……だけど、もう来たわ」
 そしてノイズンがテレポートしたのと同時に訪れる他化自在天の覇者--彼女の到来は世界を焔で包む!
「会いたかったなあ、デュアンや」
「出たな、波旬」
「メタルジェノサイダーの輪廻を利用して此処迄戻って来たわ。やっと……あの時の復讐が果たせる時が来たのう」
「ああ、そうだ。だが、今度こそ決着を付けてやる!」
「望む所よ」
 デュアンと波旬の戦いは再び幕を開ける……

 一方のアルッパーは拮抗縛りされて時計が集まる空間に閉じ込められていた。目覚めて早々に何時ものように大声を出して周囲の空間を歪ませる。
「まあ御待ち為さい。此処で叫んでも何も解決しないのが此の世の摂理でありますな」
「てめえ……黒い方で見掛ける顔じゃねえのか!」
「いいえ、違いますね。とは言っても此処は私が作り出す奇妙な空間という訳ではありません。此処は『時の迷宮』と呼ばれる空間」
「『時の迷宮』……確か『時空王』とか呼ばれる奴が作り出すあれか。という事は此処に元メジャーリーガーの男が潜んでいるのか!」
「いや、私でもなければ『グランドマスター』の仕業でもない。おっと其の前に」サングラスの男は自己紹介を始める。「私はこう呼ばれる……『世にも奇妙なモリタ』と」
 『世にも奇妙なモリタ』と名乗る其の男とアルッパーはお互いに睨み付け始める。互いに戦いは近い事を予感しながら……そして、デュアンとアルッパー其々離れた地で激闘は今、幕を開ける日が近い!


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一兆年の夜 第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない(終)

 十一月六十四日午前十一時三十二分四十三秒。
 場所は迷宮の洞窟地下十二階最北側。
 其処は新たに掘り進められた区域。だが、昨の日より前から突然現れた銀河連合の襲撃を受けて工事は中断。洞窟内の銀河連合を掃討しようと現地軍は奔走する--も未だ早期解決には要員が足りない。
(だから俺達十名で銀河連合共を倒しに来ているだろうが!)
 ライデンはレットこそ呼び出す事が実現出来なかった物の齢十二にして十の月と二日目に成る菅原猿族の少年菅原サル次を始めとした齢十三から十一迄の少年達だけで銀河連合掃討を図る。だが--

 午後三時一分四十八秒。
「何だよ、このし子型っは……ギャア!」
「サル次イイ!」サル次を始めとした少年九名は突然現れた獅子型ならぬ……「ウオオオ……俺が死ぬ訳にはゆかない!」百獣型に依って全員食べられた。「絶対に仇は……取ってやる!」
 ライデンは百獣型の攻撃を避け切れない。常に顔を狙う爪攻撃を躱す度に皮膚に僅かな出血を伴う。腕を裂く攻撃も本者が意識しない所で出血線が入り続ける。
(イヅッ……右腕に血が流れる)
 痛覚は後から来るのか、何かの衝撃が伝わる時に漸く気付く程にライデンは全身傷だらけで思った以上に出血している事に漸く気付く。
(躱し切れていない。俺はずっとあの獅子型……いや、正確にはサル次達を死なせたあの百獣型の攻撃を受け続けたのか。だとすれば何処が良くなかった?)
 ライデンは世間からすれば強くない生命。だが、己は強さを極めたと思い込む。故に何処が良くないのかを客観視出来ない。当然である。己以外の九名が死ぬような判断を簡単に下してしまう程に熟し切れない少年はいけない点を気付くには若過ぎる。
(此の侭じゃあ勝てない。何だよ、話が異なるじゃないか。こんな筈はなかった。俺は強いと思っていたんだ。レットに褒められるような強さに近付いたと思っていた。親父よりも賢くて祖父さんよりも強いと思っていた……なのに俺は液状型に乗っ取られた一般生命どころか、あんな百獣型に、に、逃げないと!)
 考える事も儘ならなく成ったライデンは背を向けて上の階に走ってゆく。だが、百獣型から逃げられない--天井をも蹴って跳んで来る其の身体能力の前に圧し掛かられた衝撃で右肩を脱臼する事に!
「あぐっつ……右の、痛みと同時に、感覚、が……」思った以上に叫び声を発しないライデン。「う、ぐ……い、痛い、よお!」
 百獣型は決して離さない。対象を喰らう迄、絶対に離さない。ライデンは自らの至らなさと熟し尽くし足りない部分を此処で漸く痛感。だが、痛感するとより一層恐怖は襲い来る。既に恐怖に依って怒りは逃避行へと切り替えたばかりのライデン。だが、余りにも巨大過ぎる恐怖感は時として父の死で意識を失ったライデンと同じような状況を生み出す。そう、ライデンは木を失った。そして--

 午後十時五十九分四十一秒。
 場所は迷宮の洞窟入り口前。
 気が付けばライデンは外に出ていた。目の前にラディルが居る中で!
(祖父さん? 何故俺が?)
 ライデンは血塗れなのに自らの状態が自棄に熱を帯びて、然も周囲が冷ややかに感じるのを理解してゆく。其れから如何して祖父が目の前にいるのかを一瞬では考えが浮かばない。だが、一瞬を超えた時に漸く……「そうか、俺は意識を飛ばしている間に祖父さんに助けられたのか!」と自らの至らなさと熟し足りなさを痛感し、悔いた!
「いいや、少し異なるぞ。お前は自らが意識をしない内に……ライデンンン!」
 え--後ろを振り向くと其処には血塗れの百獣型が今にも首を抉り取らん勢いで振るではないか!









 未明。
「話は其処にぇ終わり?」
「ああ、祖父さん、そして親父との思い出は此処で終わる。此処から先は無二の親友であるレットとの出会いと奴との下らない友情のお話さ。あいつが来てから俺は祖父さんが来る迄一名で居る事もなく成った。時にはあいつのお締めを変える度に苦労した思いでもあったかな?」
「あにょう、ラディルさんの最後にゃ?」
「既に語った以上の事を如何してやるんだよ。そうゆうのはあんまり好きじゃないな。兎に角、俺の物語は気紛れだから何が飛び出してくるかわからないぜ。時にはかなり大昔の話も来るかもしれないからな。覚悟しとけよ、短くも長い俺の物語を!」
 未だ時間は止まった侭……同様に未だ此処へと至る物語が始まる気配もない!

 ICイマジナリーセンチュリー三百十一年十一月六十四日午後十一時二分零秒。

 第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない 完

 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ に続く……
プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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