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二回目の雑文は……自分はしょっちゅうやる人格攻撃の件について。議論の基本とは人格攻撃に非ず!

 如何も先週は二回目はやらないと宣言した癖にちゃっかりやってしまったdarkvernuです、申し訳ありません!
 自分が尊敬する学者で故小室直樹も指摘した日本人がついついやってしまう議論中の人格攻撃。だが、実際の議論とはそうではない。其れを紹介しておこう。

 如何もアンチジャーナリストの船田勝一と申します。誰と誰を? 何の事でしょうか? 今回紹介するのは議論の基本について。何が基本なのかを今から三つ紹介して一つを正しく選んで下さい。正解は一つしかありませんので。
 では議題とは『空手は手が空っぽなのか?』である。そして論者二人も其々紹介しよう。
 先ずは空っぽ派の空手検事君。普段はAVが趣味で外食中に味が不味いと一銭も払わないという如何しようもない人物。対する反対派は松尾独歩君。普段は真面目で趣味は新聞テレビ。模範的な人物である。
 其れでは三つの議論の中身を紹介しよう。一つは両方共人格攻撃を伴う議論。二つは片法人格攻撃でもう片方は中身を論じ上げる。最後は両方共真面目に議論するという物だ。では最初は此方から行きましょう。
「空手が何もない空っぽの手なのは当たり前じゃないか。新聞やテレビばっか見てるからそう成るんだ!」
「そうじゃないと言ってるのがわからんのか、君は。其れだから無銭飲食家だって罵られるんだろうが。良いか、空手とは空っぽではなく空を司る手という意味だよ」
「はあ、だから空っぽじゃないのか? 全く新聞やテレビに洗脳された奴は言う事が違うなあ!」
「何だと、君は!」
 続きましては一方が人格攻撃でもう一方は真面目な議論をする方を紹介する。
「空手が空っぽなのは当たり前だろう。何故其れを一々認めようとしないのですか、理由をお聞かせ下さい」
「無銭飲食者の分際で下劣極まるね。空手とは発祥琉球空手で当時は唐の手と書いて空手と読んでいた。だから空っぽの手じゃないんだ、わかったか変態野郎!」
「変態だの無銭飲食はあくまで俺の話であって議論すべきは空手家如何かについてだろう。其れでも殻だって辛だって有り得たじゃないか? 何故空っぽを選んだ?」
「話を聞いていたか、此の女の裸大好き野郎。もう一つ付け加えるとすれば何も持たない手と読んで空手と呼ぶ。其れで此の字が選ばれたんだよ、此の無銭飲食者め!」
 最後に両方共真面目に議論をする方から行きましょう。
「空手が空っぽの手でなければ何を意味するのですか? 如何なのですか、其れ以外の反論はありますか?」
「違います。読みは琉球空手の唐手から由来する空手。他には武器を一つも持たないから空手であって決して空っぽの手という意味ではありません」
「じゃあ何か、他にも良い文字を付けられたんじゃないか。殻手、辛手、柄手って。なのに敢えて空っぽと書いて手なんて強そうな言葉に成らないんじゃないかな?」
「徒手空拳という四字熟語から空手と名付けられた説もあります。そうすると空っぽの手でもしっくり来るじゃないですか。確かに殻手、辛手、柄手も面白そうではあります。ですが、どれも徒手空拳に良く似た四字熟語が由来にありますか?」
 如何ですか? 三つの内、議論として成立するのは果たしてどれでしょう? あくまで誰が正しいとかそうゆう意味ではありません。どの議論が議論の体を為すのかを問うているのですね。


 答えは三番目。前の二つは議論中に無関係な人格攻撃をしている段階で議論の基本が成立しない。
 さて、二回目の雑文を出した理由よりも先に議論の基本に人格攻撃がない理由を紹介しよう。例えばある工場で総司が不十分で課長が係長を叱りました。其の時、課長は次のように叱りました……「掃除も満足に出来ないボケナスめ、だからむかつくんじゃ!」と言われたとしよう。現実の係長ならば此処で反論はしません。出世したいのもあるし、生活が懸かるのもある。だが敢えて反論したとしましょう。此処で正しい反論は二つの内どれか?
 A:お言葉ですが、ボケナスで課長のストレスを溜める男でも掃除出来なかった事は重々反省し、再発防止に努めたいと存じます。其の前に気に成る事を指摘します。私は良いのです。でも他の人にもボケナスや自分のストレスを溜める事について問い詰めるのは如何かと考えます。其の言葉遣いに気を配ってみては如何でしょうか? 勿論、掃除も出来ない自分が言うのも何ですが。
 B:ボケナスとかあんたのストレスは如何でも良いだろうが、言葉が汚いんじゃ! むかつくのはこっちの方だ!
 正解はA。喧嘩腰には喧嘩腰でぶつかるのは余り良い反論ではない。却って収拾がつかなくなる。一方でAの場合は自らの至らない所を反省しつつも返し刀として相手を皮肉る訳だ。然も丁寧に。確かに何方も課長からの怒りを買うのは間違いない。けれども、Aの方がまだ心証を良くすると考えられる。何せ反省と正論の同時攻撃だから如何しようもない。
 つまりだ、何が言いたいか? 要するにゴミみたいな言い方に対してゴミみたいな反論をするべきではないって事だよ。仮にも向こうが不法物で耐え難い下劣な存在でも此方迄レベルを下げる事は議論する姿勢として余りにも余裕がない。確かに大人の対応は時として付け入る隙を与えやすいのは事実だろう。でもな……大人は大きな人だぞ。決して小さな人って意味じゃないんだぞ。つまり器が大きくないと意味がない。後は口汚く成る前にもう少し言い方も考えるのが大人の流儀だ。なのに自分を含めてみんな相手の人格攻撃をする。議論するのは其処じゃないだろ、仮に人格に問題があるとしても丁寧に諭さなくては駄目だろう。人格はあくまで如何する事も難しい部分だからな。其れよりもやはり問われるべき内容について何が問題なのかを指摘する方が議論の体を為すと自分は考える。其れでも向こうが議論しない場合は……まあ、話が通用しないと考えて諦めよう。
 えっとあれだな。こうゆう話をするのはいわばクロワーダと奧山の動画で議論に関する基本的な団塊ってのが紹介されたな。一流の論者は論点を的確に指摘する。一方で論点指摘する中で人格攻撃に踏み切る人間はアウトゾーンに属する。そして罵倒ばかりが目立つ奴を下種ゾーン……少しわかりにくい説明で済まん(悲)。兎に角、自分を含めて人格攻撃と罵倒ばかりの下種ゾーンの議論をする人間は少し丁寧な言葉遣いを学ぶべきだと考える。其れが出来て漸くアウトゾーンに入る訳だ。だが、アウトゾーンは指摘したい部分に詰まって人格攻撃を図る。要は「ただものを知らんとはあいつは糞だな」というような物だぞ。ンな事知らんのはしょうがない、なのに其れでクソ呼ばわりされる筋合いが果たしてあるのか? 此れなんだよ、人格攻撃の良くない所は。だからこそ一流の論者が目指すべきは人格攻撃ではなくおかしいと思う点を攻撃……いや指摘する事しかない。大体人格攻撃したら歴史上の全ての人間の人格攻撃だのに始まって収集付かなく成るだろう。其れ議論に成ると思うか……成らんだろう。
 とまあそんな感じで今回の話の解説を終える。

 ドナルドさんの場合は三つの内の二つ目を実践しているからな。言ってる事は正しいが、だからって存在其の物に迄攻撃するのは議論として如何かと考えるしな。まあ言った所でもう既に七十過ぎた爺さんだからな……聞く耳持つには年を摂り過ぎた。其れでもある程度の有言実行な所は前任のリアルノッチさんよりも仕事を果たしていると此処に評価する。
 以上で二回目の雑文は此処迄。はあ、グルメ哲学者も八洋も口が汚過ぎるからな。何せ八洋の爺さんは学歴が乏しいとか何とか云って詭弁を弄する人間を攻撃するし、グルメ哲学者の場合は流石にガースーやサイボーグに向かって下品な物言いは如何かと思うぞ。相手を批判する前に先ずは自分の汚い口調やらを治したら如何かなあ……例え正しくても其れだけで心証が悪化するもんだぜ!

ええっ! 支那のウイグル人虐殺を肯定するのかよ……KY新聞は最早悪魔しか就職出来ないんじゃないの?

 如何も最近土曜に完成ばっかする約束一つすら守れんチキン野郎のdarkvernuです。
 さあ始める前に『格付けの旅』が更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 では始めよう、流石はサロッド・サルのカンボジアをアジア的優しさとか見出しにしたKY新聞の論調が如何に悪魔に支配された論理であるかを証明してゆこう。

 此の物語は千田祐樹氏の有名な著作カエルパラダイスを本編も読まずに何となくパクったお話です。なので千田祐樹氏に後で「俺の奴ちゃんと読んでからパクれや!」と訴えられても構いません。逃げる事はしますがパクった事は先に謝罪しておきます。
 昔々ある所にただものの楽園がありました。其処ではただもの憲法九条がただものの楽園に平和を齎していると誰もが思っていました。ところが最近は闇の圧力者の楽園住人がただものの楽園周辺或はただもの諸島のある岩を勝手に軍事基地にしたりとやりたい放題。おまけに闇の圧力者の楽園は他の楽園であるピーポン楽園と一般市民楽園を侵略して強制労働及び闇の圧力者を送って民族浄化を図っている始末。然も民族浄化の一環として原子爆弾を使った実験で多くのピーポン君と一般市民を虐殺もしています。人間のする事ではありません……いや、人間じゃないか。
 さて段落を変えてただものの楽園について説明を続ける。ただものの楽園では一度おかもとの楽園に依って統治された過去がありました。おかもとギルドインフォメーションプログラムに依ってただものの楽園のただもの達は闇の圧力者とデモンストレーションマンに謝罪と賠償の心を持つ様に成りました。でも其れが原因でデモンストレーションマンの楽園に依って多くのただものが拉致され、更には闇の圧力者は報道協定と呼ばれる不平等協定にサインしないと取材もさせないという一方的な協定を結ばせたりと好き放題やりました。そんな悪名高いおかもとギルドインフォメーションプログラムですが、そのおかもとの楽園は冷戦が始まると漸く闇の圧力者の楽園が危険な楽園だと知ってただものおかもと安全保障条約やおかもとシスコ講和条約で形だけ一応は独立を認めるように成りました。だが、おかもとギルドインフォメーションプログラムの毒はただものの楽園を平和ボケの楽園にしました。ただもの憲法九条が平和を守っている……そんな幻想を抱かせて。実際はおかもとが睨む事で周辺の楽園は内側からしか攻撃するしかなかった。ただものおかもと安全保障条約の有効性が示された証左。
 そんなただものの楽園では厄介な文筆家が居た。其の名も『モーニングただもの。』。彼は闇の圧力者の楽園やデモンストレーションマンの楽園が侵略行為を行ったりコニシキティックボディプレスを掛ける度にこう主張して来た。
「一発だけならコニシキティックボディプレスの誤射かもしれない。其れでコウノイケただものが被害を受けたなら仕方ない」
「何、諸島に動き回る闇の圧力者? 何言ってるんだ、あれは徘徊老人みたいに散歩しているだけだ、怪しくない」
「闇の圧力者の一般市民の楽園での政策は素晴らしい。平和の為にも一般市民を支給やみの圧力者にする為に推し進めるのが効率性が良い方法」
 果たして本当にただものなのか、『モーニングただもの。』は? どっちの方向を向いて主張しているのか四六時中問い詰めたくなる数々の問題発言。何よりも此のただものの問題点はやはり勝一ただものと千洋ただもの、そして隆ただものや敬文ただものといったただものの益を損ねるジャーナリストの皮を被った工作員達が闇の圧力者の都大虐殺の捏造や従軍デモンストレーションマン婦の強制連行捏造、ただもの国神社の政治問題化、晋三ただもの叩きはうちの社是発言等々……信じられない事を平然と行う点だろう。最近では四年前に従軍デモンストレーションマン婦強制連行が誤報であった事を認める記事を出したのに他の楽園向けの記事は全く出さない上に仮に出してもただものの楽園専用で且つメタタグを埋め込んで他の楽園の住人達に見せないようにする等性根迄腐っております。
 そんなただものの楽園だが、最近では他の情報媒体に依って『モーニングただもの。』を始めとしたただものを貶める楽園を売り飛ばすただもの達が炙り出された。そして、楽園の防衛意識は加速してただもの憲法九条改憲へと突き進む。其れでも『モーニングただもの。』を始めとした捏造報道を信じる平和ボケのただものは多い。其れが今も有権者に占める割合が高い。一寸先は闇……今のただものの楽園に明るい未来は浮かぶのだろうか?


 という感じに日本をただものに例えて千田祐樹の有名な著書であるカエルの楽園を一部パクってお送りした。本当に読んでないので大体聞いた話を参考に自分なりに解釈してパクっただけなのでよう注意を。
 今回の時事ネタはやはりあの悪名高いKY新聞が民族浄化という名のホロコーストを肯定している事だろう……ヒトラーとナチスを批判する資格あんのか、あいつらは! ウイグル人達の誇りとか言葉とか自由とか生きる意味を根こそぎ奪うんだぞ、人間が人間に対して蛆虫に成れって強制するような物だぞ……此れを肯定するとはお前等の血は何色だああああ(怒)! 済まん、取り乱して。兎に角、通常の常識だったらこんな事は絶対に許されない。自分がウイグル人だったら奴等への怒りと抵抗しても叶わないという諦めからガドライド・メオンサムってしまうな。此処迄人間を屑にしてしまうやり方を強いるような連中を肯定するとか……本当にねえ、KY新聞の連中は人間の皮を被っているのかって言いたいな。許せないだろう、こんなの!
 段落を変えて今回の件でやはりKY新聞は国民の敵だと改めて再認識出来た。さっさとは如何に成ってくれないかな……自分としては質問ドラえもんは地方紙でも良いから他の新聞社で連載してくれたら助かるし甲子園主催も他の新聞社が勝手に主催するなりしてくれたら助かるんだけどな。KY新聞から根こそぎ権利を奪っても良いという法案を出したって罪に成らんぞ。KY新聞は自分達日本国民を怒らせ過ぎた……人間に戻りたければ全員を路頭に迷わすつもりで会社を潰してしまえば良い!
 という訳で時事ネタの解説を終える。

 第百二十三話の解説を始める。二度連続で土曜ギリギリに終わる事に成って申し訳ない。謝罪は此処迄にして今回はあくまで天同相武の革新に至る迄の物語を紹介した。革新に至る迄に相武は自分の為に尽力する五名の軍者を選りすぐって守らせる事も考えた訳だ。真古式神武の終盤に登場したあれを参考にして。其れから紆余曲折を経て因縁の新心臓型を打ち破り、一つの区切りを迎えた……うーん、やっぱ何時ものグダグダだな。もう少し考えて話を展開しないと駄目だな。
 とこんな感じで明日から相武と翔和の中篇は愈々最終話だ。ラストはきっと……考えていないな。以上で短いけど、第百二十三話の解説を終える。

 はあ、明日は暗殺者の日常も最終回だしなあ。第百二十四話の最初のパートを午前中までに終わらせたいし、前倒しして起こっかな?

 十月一日~六日      第百二十四話 天地相為す そして相武は赤き革新者と出会う      作成日間
   八日~十三日     第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない      作成日間
  十五日~二十日     第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ           作成日間
  二十二日~二十七日  第百二十七話 終わりの始まり 五武将として              作成日間

 第百二十七話のタイトル名でもある五武将とは恐らく終期五武将の事だろうな。何せ此の長編は真古天神武の終わりを描く物語なのだからな。
 フェイスブック日本版の運営は何してんだよ。支那の言葉位別に使って良いだろうが、海外ではあいつらの事を散々「支那」「支那」呼んでいるんだし。つーかいい加減、グーグルも他の大手も支那に気遣いは止めようぜ。あいつらは『世界の敵』だからさ! 赤い血は一滴も通わない此の世の悪の集約するような独裁国家だからさ。そんな連中は滅ぶ方が世界の為に成るからな!
 という訳で今回は此処迄。独裁国家……いや、共産主義国家或は世間一般で言うリベラリスト程言論弾圧が大好きだからな。ポリコレもいわば言論弾圧の結晶だから我々は世界平和の為にやるべきはそうゆう言論弾圧をする団体を全て消し飛ばす事こそ恒久平和の実現に繋がると自分は考えるがな。

雑文特別編 ハヤトは死なず 第弐拾勇話 祖父の七光りを脱する事が出来るのか! 麻生太郎VS吉田茂

 如何も怠惰なdarkvernuです。
 ではおふざけ政治屋バトルを如何ぞ!

 沖縄知事選迄後一日が迫った……佐喜間氏に転べば沖縄処か日本の未来は一つの光明を迎える。だが、玉城氏に選ばれれば益々基地反対運動が激化して支那の属国化は避けられない。其の為、此の知事選はある意味では沖縄の未来を左右する分水嶺……何方に転んでも我々は覚悟を決めないといけない。普段から覚悟ばかり口にする癖に肝心の覚悟が成っていない作者ではある。そんな作者でも割り切れる部分があるとしたら……嫌な事があったら短い時間を掛けて前向きに切り替えるジョージ・オーウェル思考と呼べる物だろう。誰が命名したのか? 作者である。作者曰く奥底ではネガティブだが、其れでも何時かは必ず良く成るという根拠のない自信から尊敬する本物のリベラリストのジョージ・オーウェルに因んでそう命名した……今さっき!
 其れでは二回戦Dブロック第二試合を始めたいと思います。二回戦の大トリは彼等に担って貰いますよ。ある者は佐藤栄作クラスに新聞テレビ嫌いで有名なあの方にある者は戦後歴代総理の中で三本の指に入る名宰相……因みに作者が三本の指に入る名宰相は過去記事の雑文で既に紹介した後。ではではそんなオオトリの解説は此の二人!
「麻生大神は今直ぐ罷免べき……って何読ませるんですぅ?」
 御存知タラちゃん言葉でお馴染みのツイッターお笑い芸人にして社民党元党首の福島瑞穂氏。ある大臣を神と認定したお笑い芸人のお笑い解説は如何に?
「舐めてますか、此の実教!」
 おお、いきなり誤植ですか。流石ですねえ。では二人目の解説者はかつてはニュースアンカーでお馴染みの解説したら例えインチキ解説者池上彰が雑魚に見える位に説得力の高い解説と小泉進次郎並みの睡眠時間なのに其の質は雲泥の差という名ジャーナリスト兼現自民党参議院議員の青山繁晴氏!
「如何も俺は青山繁晴だ、ジャーナリストだって平和は守れるらしいぜ!」
 一体如何すればあの青山に成るのか作者に問い詰めたいと思った方は堂々とやって下さい、作者は中一の時に体育祭でバトン投げたからって調子に乗り過ぎだよ!
「あれは確かに作者のせいではありますが、抑々虐めを助長するクラスメイト達がいけないのですよ。あんなの本当に鬼畜の極であります!」
 流石は青山繁晴……キャラ付けすらも二言目で一気に元の本人に近い状態に戻っているのが末恐ろしい!
 さあ、二回戦最終試合を務めるのは此の二人だああ!
「全く俺の喋りは其のまんまで何で体中痛い俺にゴルゴ13みたいな事をやらせようとするんでえ、此の若造は!」
 恐らく作者の事を知れば麻生太郎はそう呟くだろう、やはりゴッドファーザーの姿で入場だああ!
「はああ……祖父さんと対決するのは心臓がドキドキして葉巻の一本や二本吸いたく成って来るぜえ」
 残念ですが、試合が始まる前に葉巻は取り上げられます。武器として使用するなら別ですが、嗜好品目的なら没収させて戴きます。
「何でえ、如何ゆうルールだい。宇宙を飛び回ったり、福田の野郎に至っちゃあ何か良くわからん関数使ったりして無理矢理規模を大きくしたりしてよお」
 まあ其処はケン・イシカワリスペクトな作者ならではの表現という事でお許しを。
「ウギギギ、麻生麻生麻生麻生……何なのよ、持参って!」
 漢字読み間違えをマスコミに指摘され続けた麻生ですが、指摘されるべきは持参という熟語も知らない福島瑞穂の方でしょう。先ず、ツイッターで致命的なミスを連発し過ぎてある呟きに至っては最早暗号にすら読めますので如何にか成らないのですか?
「あ、私ですか? 本当に嘆いていますよ、あんな人が国会議員を務めるのです。何故誰も指摘しないのか!」
 其れがマスコミクオリティであります、青山氏。青山氏もそんなマスコミ出身者として怒りをお持ちでしょう?
「其れは私的な意見として控えさせて戴きます」
 では続いて入場するのは此の男オオ……吉田茂ウウウ!
「あのジジイ……益々パワーアップしてるぜ、勇人お!」
「流石は吉田さんだ。サンフランシスコ講和条約及び日米安全保障条約と立て続けに外交成果を世界に知らしめた方だけあって其の圧は……単純じゃない!」
「震えるぞお、此れが圧倒的な政治力って訳かあ」
「フン、其の日米安保法案が生温いから私自ら改正法案にしたのだ。何せソ連や支那を何とかしないといけない時期だったからな」
「だが、お祖父さん。支那を国連入りさせたのは間違っていました。其のせいで台湾は今も不安定な状況にあります」
 さあ、外野は三回戦進出者で溢れる。誰もが此の一戦を待ち侘びる。さあ、主審は伊吹文明。彼の指示の下で両者開始線に就きました。
「では……コオオオオオオ、始めええい!」
 おおっと、両者全く動く気配がありません。
「きっと怖気付いてしまったのですぅ。全くセクハラを容認しない者同士気がある訳ですぅ」
「いえ違います。互いに先手の取り合いをしております。見て下さい、空気の流れの不自然さを!」
 青山氏が指摘するのは両者の間に起こる空間の歪みですね。そう思われると確かに歪んでおります……おおっと、風が吹いたと思ったら突然激しい物音がスパークを起こしているウウ!
「うぎゃああ、き、きっと祟りですぅ。憲法九条を改正しようとする極右政治屋に対して土井先生が祟りを起こしているですぅ!」
「違います、福島議員。両選手を見て下さい、互いに口から血を流したり鼻から出血したり或は皮膚が剥がれたりしているのを。互いに先手を取り合う末に自らの肉体に迄ダメージが届いている証拠で……あ、此れは!」
 如何し……ああ、先に吉田選手が動き出した。麻生選手に向かってバトルキングクラスの跳び蹴りが繰り出され……ああ、直後に麻生選手が初見泉ばりのミリ単位の回避をして後ろに下がった。
「フウ、危ない危ない。祖父さん、あの蹴りは流石に首が吹っ飛ぶ……ゲフゲフッ。フウ、全く裏永田町では非現実的な事が起こるなあ」
「やるな、太郎。其処迄成長したか。だが……わしの相手は務まらん!」
 まだ本意気ではない……そう言いたいのか、吉田茂は!
「勝ちなさい、吉田吉田吉田吉田!」
 どっちを応援したいんだ、全く。
「福島議員はちゃんと解説して下さい。此の席に座る以上は解説者の任を全うしないと意味がありません!」
 一方の真面目な青山氏は福島氏を注意した。まあ、歴代の解説者もまともな解説をするとは限りませんがね。さあ、試合は他の試合に比べて地味に進行してはいます。だが、両者共に本意気とは呼べない。互いに攻撃を仕掛ける、が何方もミリ単位で回避するという神業を披露しております。
「いえ、麻生副総理……ではなく、麻生選手の方が聊か不利な状況にあります」
「ええ、何処が不利なのか教えて下さいぃ」
「見てわからないのですか、麻生選手の服が徐々に破けている状況を!」
「ああ、ああああ!」
 ゴッドファーザーの服装が、吉田選手の攻撃を避ける度に亀裂が走るではないか。一方の吉田選手は麻生選手の打撃を回避しても全然服装の傷みがありません。此れは如何ゆう事でしょうか、青山氏!
「ん? 見て下さい、吉田選手の動いた形跡を。最初の跳び蹴り以外は全く……円から一歩も出ておりません!」
「そんなの……ってええええ!」
 何て男なのだ、吉田茂は!
「祖父さん、全く……こう成れば」
「降参か、太郎」オオット吉田選手の左回し受けで麻生選手の両手がほぼ後方に弾かれたあ。「ならば此のわしが直々に息の根を止めてやる!」
 吉田茂渾身の正拳突きが……「おいおい、誰が降参するってえ言ったあ?」何と銃身で流してからの額に向かってのヘッドショットが繰り出されたああ!
「何だってえ、全てはあれを!」
「流石は……いえ、麻生副総理の試みは!」
 何イイい、何だ此れはあああ!
「勝負ありイイイ、コオオオオ!
 勝者……吉田茂!」
 左打ち上げが炸裂して麻生選手が矮惑星エリスに叩き込まれるなんて--確かにヘッドショットは決まった……筈!
「麻生の奴……まんまと誘われやがって!」
「いや、違うぞ栄作。麻生君は誘われるしかなかった。最初からずっと吉田さん優勢で試合が運ばれ続けた。だから麻生君が勝つには敢えて吉田さんの誘いに応じて渾身のカウンターで得物の長いスナイパーライフルに依る一撃必殺を試みる以外になかった!」
「だが、吉田さんは其のライフルを既に読んで直前に成って右正拳を止めてからヘッドショットを受け流しつつ浮かし気味の右足を半回転させながら左足を更に前に出して左打ち上げで麻生にカウンター返しを決めた訳だ。フッフッフ、中々じゃないか」
 終わってみれば圧勝。吉田茂は底が知れない。やはり戦後歴代三本の指の名は一度大神呼ばわりされた麻生太郎でも届かないというのか?
「ほうら、見なさい。天罰は受けるのですぅ!」
「福島議員は黙ってて下さい。わかりませんか、麻生副総理は最後迄勝ちに行ったのです。結果は振るいませんでした……が、吉田選手の額を御覧に成りましたか!」
 オオット、如何やら一矢は報いた模様です。吉田選手の頑丈な眼鏡が破壊され、額からも血が流れております。此れは全てを受け流せなかった証拠でありましょう。
「フウ、孫を過小評価した事を改めねば成らんな」
 さあ、二回戦の試合は全て終わりました。愈々、準々決勝に入りたいと思います。たったの四試合ですが、此れで其々のブロックの覇者が決まります。さあ、どのような試合展開を迎えるのでしょう? ワクワクしちゃいますね!
「そういや、Aブロック同士だったなあ。小泉の坊主に止めを刺したがあ、未だあ清和会の残り粕が居たなあ」
「小泉さんの敵討ち……取らせて戴きますよ、田中先生!」
 最初の一戦も期待したいですね!
 勝者吉田茂。試合時間三時間五分十三秒。決まり手……左打ち上げ!


 第弐拾勇話に登場した政治屋は麻生太郎、吉田茂、福島瑞穂、青山繁晴、佐藤栄作、池田勇人、岸信介、田中角栄、安倍晋三、伊吹文明。
 第弐拾伍話『幻想の日支友好に終止符を! 田中角栄VS安倍晋三』に続く……

 福島瑞穂は元々あんな喋り方、青山繁晴は当初ダイガードの青山だった。
 其れにしたって実際の青山さんは本当に調査力が凄すぎるからな。一体何処からそんな情報を得たんだっていう位に情報量が物凄く濃い。正に生粋のジャーナリストとは彼の事を指すんじゃないかってな。
 其れじゃあ馬鹿騒ぎは此処迄。しかしデニー陣営はとんでもない連中が応援に駆け付けてやがる。応援するのは良いけど、少しは人選考えようぜ……オザーリン党のあのババアとかさあ、益々胡散臭いし!

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(終)

 午後零時三十八分三十七秒。
 心臓型の要素を持った指揮官型との命懸けの戦いが始まる。五武将一の知性派であるメエジン・メヒイストに依る作戦は単純明快である。指揮官型を一身に相手するのはカゲヤマノザルノスケ。戦っている中で左右からカバジンとワンダローが挟撃。だが、三名が吹っ飛ばされるのは想像に難くない。指揮官型はあらゆる攻撃方法を編み出す。其処で支援に徹したメエジンとライドが三名を吹っ飛ばした後に遠距離から一斉攻撃を仕掛ける。当然ながら心臓型の特性を持った指揮官型は迎撃を始める。其の迎撃は前衛を務める三名よりも激しい。広報を担当する二名の内、一名の死は避けられない。もう一名はソレイユが回収する。救出する一名を誰にするかで今後にも影響する。若しもメエジンが強者至上主義者と呼ばれるのならば自らを必要としない生命として捨てる事を命じるだろう。だが、彼は戦略家。戦略家は今よりも数十の年を見据えて戦略を構築する。故にメエジンはライドを後回しにするしかなかった。其れもライドは承知で後回しを了承。そんな方針で始まった戦い!
 だが、ザルノスケの予想以上の凄腕は吹っ飛ばされる前に指揮官型の隠し腕を含む全ての腕を機能停止へと追い込んだ。だが、腕が機能しなくとも心臓型の恐るべき血液噴射攻撃は残されていた。其処にメエジンとライドに依る望遠砲及び望遠刀に依る一斉斉射が放たれる。だが、予想出来ない事態が発生--何と指揮官型は其れを発射する前に軌道を予測して安全圏に避難しながら加速!
「何処迄化け物なんだ……畜生めーイ!」
 メエジンを倒せば今後の影響は甚大であると踏まえた指揮官型は此の中で頭脳労働に偏った彼を狙う。超至近距離からの血液噴射を回避する術をメエジンは知らない。メエジンは頭脳労働者故に臆した病を持つかと思えばそうではない。其れでも膨大なる恐怖は尻餅付かせるだけの凄味を帯びる。最早死は免れない。そんな時、更に予想外の事態が起こる!
「メエジンはやらせない!」左正拳で綺麗に上方へと噴射の軌道を逸らした青き光を点滅させる相武。「僕が……いや、僕達が全てを守ってみせる!」
 其の予想外ともいえる相武の活躍に依り、ライドは指揮官型の急所三ヶ所に望遠砲に依る射撃で確実に撃ち抜く--指揮官型は仰向けに倒れ、其処には血の水溜りが出来上がる!
「ハアハアハア」点滅は終わり、相武は屈みながら荒い息を吐き続ける。「た、倒したあ」
「た、助かりましたね」ソレイユはライドと共に駆け付ける。「まさか作戦を越えて良い結果に結び付くなんて思いませんでした」
「生きた心地がないーイ。全く頭脳労働者にやるべきは肉体労働ではないーイぞ」
「そうだな。其れにしても新心臓型が指揮官型と融合するなんて思いもしない。此れがワンダルーダの語る新心臓型の特性なのか?」
「ウーググ……今は、寝かせーてくれ」
「僕もだグバア、蓄積した痛みのせいで体が言う事を聞かないグバア」
「俺端、大丈夫妥。妥牙、直ぐ似駆け付けられる妥化乃体力端、もう暫く掛かる」
「情けないかなーア、立ち上がるーウ力を忘れて暫くは動けない。ハハハ、肉体の機能とはこんなにも便が良くなイーな」
「でも脱出迄はまだまだ休んで良いですよね、相武様?」
「ああ、休めば良いと思--」
 相武様をやらせは……グおおおおおお--直後、指揮官型の血管が動き出して其れが噴射……自らの筋肉を収縮させて受け止める人族の生命が居た!
「ライドさん!」
「まだ……生きていーイたのか--」
「待て、僕が」其の時、相武の眼は青く輝き……「ライドに代わって全てを終わらせる!」瞬時に神武包丁を抜き、指揮官型に止めを刺した。「此のオオお!」
 こうして相武は包丁に錆を残した侭、一つの区切りを終える。翔和の仇は討った……だが、代償はやはり大きい--此処迄に死んでいった軍者達や数多の無垢なる生命、そして菅原ライドも!
「ライドさん? あれ、何で反応しないのよ」既にライドは笑みを浮かべながら想念の海に旅立った。「返事をしてよ、ねえ?」
「ソレイユ……ライドさんだった生命に幾ら尋ねても戻らないんだ。というか僕達はライドさんに依って齎された休憩をそろそろ終わらせて此処を立ち去ろう」新仙者に覚醒した相武は崩壊を予知。「生き残った僕達が死んでしまっては死んでいった命に対して申し訳ないだろう?」
「亜亜、そう妥」
「ライドさんーが、ライドさんがー切り開いたーんだ!」
「俺達には帰るべき場所があルーう!」
「そうだグバア、何て情けないんだグバア。ライドさんが命を懸けたのに何が五武将だグバア!」
「うん、帰りましょう」涙を流し続けるソレイユは相武と一緒にライドの亡骸を担いでゆく。「せめてライドさんだけでも……綺麗な菅原の大地で眠って貰わないといけないのです!」
「ああ、戻ろう。其れが僕達の役目だ!」
 こうして相武は革新し、左腕の激痛を乗り越えた。だが、同時に失ったモノは大きい。五武将に成ったばかりの菅原ライドは死んだ。ライドだけじゃない。此処迄に死んでいった軍者の数は累計一万を越す。そんな彼等を黙祷するべく相武は敢えて権限を使って最高官に申し出た。すると了承し、犬猿道は死んでいった者達の為に一の週も喪に付された。其の後に再び一般生命が気楽に走れる道に戻ったのかと問われればそうではない。
 犬猿道は拠点型に依って穢れが進んでいた。其の穢れを全て払う為に急加速で建設が進められてゆく。最後迄犬猿道は復活する事はなかったが、此れが今後の全生命に与える影響がどれ程の物かは記憶に残れば紹介してゆく事と成ろう。
 さて、其れから四の年より後……

 ICイマジナリーセンチュリー三百一年七月十八日午前五時七分一秒。
 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間外庭。
 其処で齢二十八にして二の月と三日目に成る神武人族の青年天同相武は既に一名称を変えて向かい合う齢十九にして七の月と十五日目に成る雄略人族の少女ソレイユ十九代と訓練をしていた。
「まだまだライドさんに敵わないです」
「こんな物じゃないだろ、ソレイユ。後五の月程でお前も立派な五武将に成るんだ。空席だった土の将として強く成って貰わないといけない!」
「強者の道は険しい。相武様の為に頑張るって大変だよお」
 まあね、五武将制度はあくまで王を守る為の役割を担う物さ--後に五武将制度がある部隊の総称に様変わって行くとは相武達は想念の海に旅立っても知る由はない。
「ねえ相武様?」
「何だい、ソレイユ十九代?」
「若しも相武様よりも先に死んだら如何しよう?」
「余り縁起の宜しくない事を口にするな。お前は私よりも長く生きろ。でないと私はお前に対して何も感謝の口を述べない。生きるんだ、其れが私の願いの一つでもある!」
「そうよね……うん、そうだよね。地同ソレイユが相武様よりも死ぬなんて有り得ないもんね!」
 だからお前はソレイユ十九代であって地同家を名乗る事は許されん--其れだけは譲らない相武であった。
『--こうして私が革新する物語は幕を閉じた。其れは激しくもあり、緩やかでもある。
私にとっては忘れる事の出来ない日々の繰り返しである。
 序に少し終わる前に五武将について補足しておく。主に火水木金土で構成される。
火は中期五武将ならばワンダローの事を指す。彼は火の将として激しく戦い続ける。次に
水の将はカバジンの事を指す。普段は穏やかで戦いに成ると力強くうねる。三名目は
木の将で此方は戦略を木に例えるとメエジンが務まる。常に先を読み、生き残る為の
戦略を構築してゆく。金の将は金棒を持つ事からザルノスケが務まる。其れ以外の意味は
ない位に頼り甲斐のある生命。そして土の将はかつて菅原ライドが務める筈だった。
中期以降に五武将其々に付けられる将名であるからライドは残念ながらつけられる事
はない。だが、ソレイユ十九代は其れを担う。彼女は最後迄土の様な雌であった。
 さて、愈々行方知らずだったもう一名の天同と出会う迄とこうして執筆中の私の命が
もう直ぐ尽きる物語
を始める。此処に至る迄、激しい時もあれば緩やかな時もある。だが、
国の終わりが訪れ始める頃というのはメエジン曰く必ず其れなりに終わりを迎えて行く
のだよ。一瞬ではなく、段階的に。
 其れを語るべく、一度休息を迎えよう。私は疲れた。流石に頑張りを間違えた--』

 ICイマジナリーセンチュリー三百一年七月十八日午前五時十五分五秒。

 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新 完

 第百二十四話 天地相為す そして相武は赤き革新者と出会う に続く……

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(六)

 午後零時一分二十一秒。
 場所は拠点型心臓型付近。
 ザルノスケ、メエジン、カバジン、ワンダローは既に一の日以上も戦い続けて限界が来ていた。彼等と共に付いて来た軍者達も既に力尽き、銀河連合に喰われ、もう亡骸すらない。そんな四名が相手をするのが新心臓型……ではなく、新心臓型の機能を取り込んだ一体の指揮官型。然も尋常じゃない速さを残した状態で新心臓型の複数者を同時に攻撃出来る術を持つ以上、従来の指揮官型を凌駕する存在と化していた。其の為、ザルノスケは其の指揮官型との戦いで両眼が見えなく成っていた--三名を守る為に指揮官型の攻撃を受け続けた為に!
「ザルノスケさーん、もう下がーって下さーい!」
「そうだそうだアーア。奴を倒す方法は既にーイ考案したが……余りにも数が少な過ぎるーウ!」
「メエジンがグバア、考案してもグバア……僕はもうグバア、戦いグバア、たくないグバア!」
「目牙見えない方牙却って……此乃足音端知らん那。二、いや三名」ザルノスケは他の五感で物を視る術を土壇場に於いて身に付ける。「気似成る乃端中央於走る乃端……少し動き科羅して恐らく相武様似違いない」
 ザルノスケの言葉を信じてメエジンは後ろを振り向く……「言う通りイーだ……其れから、勝ったぞーウ!」だが、何故勝利条件に繋がるのかは未だ誰も理解出来ない!
「ザルノスケ……其れにみんなもそんなに傷付いて!」
「もう無理だグバア、メエジンは自信満々に言ってるけどグバア。グバア、無理グバア!」
「何で心が折れてるのよ、カバジンさん!」
「道中で何名かの骨を見たな。そしてあれは」ライドは其の指揮官型を見て唾液を呑み込む。「フウ、如何やら人生の終わりは直ぐ其処迄来ているのかも知れないな」
 ライドの言葉に六名は六洋の反応を見せる。カバジンは依り後ろ向きに感じ、メエジンは既に覚悟を決めているような素振りを見せ、ワンダローは怒鳴り散らし、ザルノスケは表情の変化を見せず、ソレイユは悲壮感を露わにして相武は左腕を依り強く掴む!
「もう悔いはない……何て言うな。其れにまだ妻に看取られる未練は残っているだろ?」
「御心配有難う御座います、相武様」
「そうだよ、相武様の言う通りだよ……って--」
「摩亜待て」ザルノスケは折れ曲がった金棒を無理矢理矯正させながら指揮官型の初速を遮りながら先手を取る。「時間稼ぎ妥化端させろ!」
「ザルノスケは目が見えないグバア、なのに……何で己よりも早い相手に付いて来れるんだよグバア!」
「クソーウ、ザルノスケさんーを見ているーと己の鍛練の足りなさを痛感さーせられる!」
「だが、今のザルノスケではあの指揮官型を倒すーウ事は実現出来ないーイ……そうだろうーウ?」
 其乃通り、付けた刃照端未だ……ウググッ--たった一名の強力な生命でも今の指揮官型は遥か先を行くのを苦しそうな表情を浮かべて答えるザルノスケ。
「死んだら戻らないよ、ライド。まだ教えて欲しい事がたくさんあるんだから。入って何月経つのよ!」
「大丈夫、君が跡を継げば良いだけだ。其れに未練は既に無い」ライドは既に後継者を指名する。「其れに若しも生き残れたら私は後世の育成に邁進するとしよう」
 全くだよ、短い付き合い過ぎ、るよぅ--ソレイユは涙目でまともに言葉が話せなかった。
「本当に良いのか、本当に--」
 ウオオオ、相武様亜--相武の元に吹っ飛ばされたザルノスケが彼の上に乗っかった!
「イデデ……最早時間がないのか!」
「ウオオーオオ、相武様はやーらせ……ウワアアー!」
「ワンダローグバア!」
「急げーイ、俺達も時間稼ぎが出来ない……俺が作戦を伝えるから急いで配置に就けええーイ!」
「わかった、直ぐに」相武の眼は青い点滅が起こる。「お前の作戦案に付き合う!」
「此の……何、速い!」ライドは左手で物部刃に依る刺突を仕掛けるも簡単に回避され、背後を……「危ない、只でやられん!」素早く膝を曲げる事で屈んで回避するも新たな指揮官型に改めて力量の凄味を感じ取る。「速いだけじゃない……全霊を懸けて挑むしかない!」
「此の……キャアア!」
 屈んだライドを助けるべく、刺突に依る攻撃を仕掛けるも前蹴りが早く出て其れを腹に受けて成人体型十も吹っ飛びながら咳き込むソレイユ十九代!
(強過ぎる……勝つにはメエジンの作戦でみんなが協力するしかない。だが……そうするとライドが死ぬ!
 ……僕達はライドの命を捨てるしか道がないのか!)
 だが、ライドを助けようと行動すれば全員が食われて拠点型は再び始動。其の意味する所は即ち、真古天神武が食われて全生命体の明日はもう無くなる--四の五の別の道を考案する手立ては……真古天神武側に無い!

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(五)

 七月十七日午後十一時二分一秒。
 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区中央病院二階専用医務室。
 其処で相武は目覚める。彼を看ていたのはソレイユとライドだった。
「目覚めましたのね、良かったあ!」ソレイユは抱きしめる。「本当に如何成るかと思いましたよ!」
「だから言った筈だ、ソレイユ。相武様は運命に愛された御方だと!」
「そうゆう問題じゃないでしょう、ライドさん。相武様が倒れてから私はずっと責任を痛感して来たんですよ。わざわざ武内大陸から此処首都ボルティーニ迄の道程だって険しかったんだから!」
「其の為に私が駆け付けて何とかしました」
 何とかしました、じゃないでしょうが--ライドの両頬を引っ張るソレイユ。
「コラ、ライドが困っているじゃないか。其れに……ウグッ!」
「相武様、又左腕の痛みが走ったのですか?」
「いや、不思議と左腕の痛みはない。でも、体が思うように持ち上がらない」
「無理もありません、相武様。二の週も寝ていましたから」
「二の週……そんなに!」其処で目を大きく開いて何が起こっているかを尋ねる。「じゃあ聞くけど、何故ザルノスケ達が此の場に居ないのだ!」
「相武様、其れがですね」
「例の犬猿道にずっと腰を下ろす拠点型が突然動き出しました」
 何--拠点型は動かない……其の思い込みが相武の表情に驚きと愕然を齎す!
「私だって口から心臓が飛び出しそうな勢いでしたよ。あの拠点型が、ですよ」
「大樹型と同様に地に根を張ったあの拠点型が動き出す意味は何なのか? ワンダローが語ってくれた新心臓型の驚くべき秘密と関係するのか?」
「そんな謎を解くよりも現在の状況は如何成っている!」
 其れがですね、真っ直ぐ六虎府に向かっております--実に噛み砕いた物だが、其れでいて明白な危機を示す報告!
(元々、真正神武及び古式神武、そして両方を合わせた真古式神武の首都だった六虎府。其処が陥落したら予言の日が訪れる前に僕達全生命体は銀河連合に喰われてしまう!
 だから政府は僕が居ない間に進めて五武将の内の四将を投入せざるしかなかったのか!)
 相武は次の事も尋ねる……「ところで原子望遠弾は使用されたのか?」其れが抑止力の一つとして機能する原子望遠弾についてだ。
「其れが……奴等は此方が使用しない事を踏まえて敢えて付近の市町村に沿うような形で移動して来ました!」
「というかあれは使用したらいけないって。一杯一杯死を蔓延させるよ!」
 其処だよ、ソレイユ……其処に奴等は付け入ったんだよ--銀河連合は一般生命が簡単に使用に踏み切れない心理を衝いている事を相武は断言した。
「兎に角、僕も……う、動けない!」
「ずっと筋肉を使わなかったのですよ、相武様。点滴を打たれた状態で寝ていた貴方様が簡単に体を動かせると思ったら大きな食い違いです」
 うん、だから私が其の痺れが無くなる迄は支えるから--ソレイユは相武の意思に応えて支えた。
「有難う、みんな。そうだな、未だ僕の肉体は……ずっと休み続けるだけで精一杯だからな。其れ迄は……ウグウ!」幾ら休んでもたった二の週では未だ激痛は止まらない。「何だってこんなに接合した腕が都合良くないんだよ!」
 だが、二名は気付き始める。激痛はまだ相武に襲い来る。しかし、相武の左腕が、指の先迄自由自在に動き出している事に!
「相武様……今は向かいましょう、拠点型に!」
「うん、私だって此の二の週はたくさんライドさんから教わりましたからね」
 ああ、ソレイユが若さが余って余計な動きが多い事をな--一言多い菅原ライドであった。
(痛みが前に比べて心地が良い? 気のせいか? 其れとも僕の心境に変化を齎すのか? 兎に角、僕は夢の中で実質一の年以上も翔和と戦い続けた。現実では二の週の出来事でしかない体験でも僕の心に少しは余裕が出来た。寝た状態からの目覚めで満足に体が動けなくても僕は出来るかも知れない!
 其れが只の過剰な自信であっても構わない。こうして生きている事が何よりも最大の根拠だ!)

 七月十八日午前四時二分一秒。
 場所は六虎府経済都市第五東地区犬猿道入り口。
 相武達が駆け付けた時には既に拠点型が間近まで迫っていた。
(体はも動ける。しかし、其処迄何をしていたんだ、真古天神武軍は!)
 何事も大人の事情で後手に回るのは歯痒い思いである。其れでも相武は起こってしまった事に今更抗議する訳にもゆかない。大事なのは現在は如何ゆう進捗状況なのかを確かめるのが先決。齢三十二にして二の月と二十二日目に成る神武猫族の熟女にして雌初の総司令を務めるニャルタラノニャルメンに尋ねる!
「そ、相武様にゃ。御目覚めで何よりですにゃ、今は安静にすにゅべきでは--」
「そんな事じゃない。其れよりも進攻状況は如何成っている!」
「はい、相武様が選りすにゅった五武将の四将を送り込んで既に新心臓型と一騎打ちしていると思われにゃす!」
「ザルノスケ、メエジン、カバジン、其れにワンダローか!」
「後は全ての区画を機能停止にして足を止めにゃした。後は新心臓型を倒すだけにぇす!」
「要するに現地部隊が頑張っていたから此処でせき止める事が出来た……そう言い訳するつもりか?」
「そんな言い方はないでしょ、ライドさん!」
「いえ、言い訳に聞こえて当然でありにゃす。もう少し早く避難を完了していにゃら原子望遠弾を発射する事が出来ましにゃ!」
 起こった事を糾弾しても仕方がない、今はみんなが血を流して切り開いた道を……僕達が進んで新心臓型も倒せる事を示さなければいけないんだ--相武は奥深くに入り込む事を自らの足で立つ事で意志を見せ付けた!
「まさか……ですにゃ、止めても意味がありませんね。左腕の翔和様の意思を……止にぇる資格は自分にはありにゃせん!」
 有難う、ニャルメン--彼女に感謝のお辞儀をした相武はソレイユ及びライドを引き連れて拠点型内部に入り込んでゆく……

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(繋)

『--ワンダルーダは語ったさ。新心臓型は一体だけじゃない。犬猿道の他にも新心臓型
を要する拠点型があると。其れは既に十ヶ所以上存在していた。ワンダルーダは何処にも
所属しない遊撃軍者として銀河連合に関する事に詳しい。足にはかなりの自信があった
し、何よりも自慢の息子を育てる経験に繋がったと自慢していた。そんなワンダルーダで
さえも新心臓型の前では為す術もなかった。何とか生き残った物の、徐々に生活が
出来ない体に成って行くワンダルーダ。そんなワンダルーダの妻とワンダローは父の為
に一生懸命に成る。妻は父を支え続け、ワンダローは父が強い事を証明する為に力を
努めて行く。だが、其の度にワンダルーダは自らの虚しさを痛感。依り介護されるだけの
状態に成る。遂には妻は倒れ、帰らぬ生命と成った。残ったワンダローは母の分迄
ワンダルーダを支え、そして強く成って行った。其れから彼は仇を討つ為に、怒りの先に
ある強さを求めて五武将を引き受ける--』

 七月三日午前六時零分一秒。
 場所は藁小屋外。ワンダルーダの亡骸は燃え盛る藁小屋と共に焼かれてゆく。火事に成らないように藁小屋の周囲は事前に焼いた後。勿論、不完全性燃焼対策も取った後。
「父上は最後迄強くあって欲しかったー。だがー、最後の最後にかつての強い父ー上に戻ってくれたー。此れで母は安心してー父上を迎え入れるーだろう」
 ううう、泣けてきますね……相武様--昨の日からずっと泣き続けて目が充血気味のソレイユ。
「新心臓型於倒す似端ほん乃少し触れるだけ照良い攻撃於当てる支科ない……如何ゆう意味妥、其れ端?」
 要するにワンダルーダはもっと強く成って技を極めろって主張しているのではないか--強き道を今一理解出来ない相武はそう解釈するしかない。
(だが、此の種こそが新心臓型を倒す為に必要な事。僕達は遂に揃える事が出来たぞ!)
「だが、仇を討つーと言っても強く成る過程で僕は幾つーかの恐怖もー体験した。勝てない思いだーって幾らでもしたからーあの時の父上の気持ちを知る事も出来たー。あの心臓型ーは容易じゃなーい。指揮官型ーとか百獣型とは別方向に進んーだ強さだろう。だから相武様ー、あんたーの誘いに乗るしかない。協力ーして得らーれる強さとは何かをー僕は知ーりたい!」
「ああ、僕が其れを……ウグアアアアア!」相変わらず激痛は突然やって来る。「全く、ウグググ……いか、ん、だ、ぉ」
 そ、相武様あああ--相武は既に限界が訪れ、ソレイユの叫び声と同時に俯せに倒れて意識を暗闇に追いやられた!

























 --全く情けない程、強く成らないな。
(誰だ、僕を呼ぶ声は?)
 相武が気を失う中で誰かが彼を呼ぶ。
 --俺だよ、俺は死なないってザルノスケが言ってただろ?
(ああ、そうだったな。翔和か……ン、此の場合は何て呼べば良い? と呼べば良いか?)
 --うーん、正直に言うと此れは俺を想像する相武が映した翔和だ。だからって呼ぶのは正しいな。
(じゃあ、僕を強くして下さい!)
 --お前を強く? 言っておくが此処でお前に実戦的な稽古を付ける事は出来る。しかし、所詮は想像の産物でしかない。現実に戻ればお前は寝たきりの状態から始めるぞ。何せ想像では現実に於いて強くは慣れないのは常識だ。其れでもこんな実に成らない稽古を受けるのか?
(ああ、如何して翔和は強くいられたのかを知る為だよ……!)
 --はっきり言って誰もが最初から強い訳じゃない。そんなのは銀河連合だけだ。仮に強さを得ても常に其れは後付けだ。地同翔和だって後で上には上を思い知らされて強く成って行った。だが、其れでも奴は死ぬ迄自分は強く成る必要がない強さを得る生命とは思わなかったさ。其れが強さだ。其処にお前が辿り着くには現実で辛酸を舐められる以外に道がないぞ!
(辛酸を舐める……ところで辛酸って何だ?)
 --やっぱお前は強く成れないな。そんな事も知らんのか? 辛くて酸っぱい思いを舐めるって意味がどれ程、舌にきつくて痒いような思いか? 同じような意味じゃあ苦汁を舐めるってのがあるが苦い味を感じる思いは中々抜け切れないぜ!
(良くわからんが、良くわかった。だから僕を強くしてくれ。僕には翔和の仇を取りたいんだ。でないと僕の人生は、僕の人生の意味を見出す事なんて出来ないんだ。だから頼む、!)
 --わかった。但し、想像とはいえ絶する様な実戦稽古が始まる。其処で相武は俺を倒す事が出来たら此の夢から目を覚めるだろう。だが、倒す事が出来ない状態が続いたらお前の人生は終わりを迎える。現実の時間は呆気なく短いからな。其れでも俺の稽古を受けるのか?
(ああ、僕が受け続けた激痛に比べたら軽い物だぞ!)
 --良いだろう、存分に付いて来い!
 こうして相武はと呼ばれる想像上の翔和と激しい稽古を受けるのだった!

(何度も想像上のは僕の命を落とすような攻撃をし続ける。最初は動きを読むのが大変だった。苛烈で余りにも理が尽きかねない攻撃の数々に動きを読むのが辛い。だが、想像上の僕は幾らでも強く成れる物があった。だからやれば想像上のだって動きが遅く成る。そう思って遊んでもいたな。だが、途中で其れではいけないと考えた。翔和は最後迄強い存在でないといけない。そんな思いが最後に僕を心の中で強くし--)

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(四)

 六月百二十日午後十一時二分十八秒。
 場所は真古天神武武内大陸波多八代はたやしろ地方巨勢こせ山標高成人体型千九百。
(探すのも良いけど、僕には王としての使命もあるからな。様々な所でおべっかしなくちゃいけないせいで最後の五武将探しが難航した。其れに腕の足の翼のある生命を何名か声を掛けたりもしたがどれも不発気味だ。如何にもやりたい事の一致が実現出来ないな。まあ現実はこんな物だ。だからこそ僕は--)
 ねえ、何時に成ったら集落に辿り着くの--ソレイユは五武将探しに同行し続ける……未だに彼女は五武将の一員に成る事を諦めない。
「所照相武様、俺於呼んだ理由於お聞かせ下さい」齢三十一にして二の月と二十三日目に成る神武鬼族の中年カゲヤマノザルノスケは問う。「俺照左依模苦戦する様那生命でしょう科、其乃犬族乃雄斗端?」
「ザルノスケを苦戦させるような奴は此の世で天同生子か銀河連合指揮官型か新心臓型か或は翔和だけだろう。僕が同行させるのは此の巨勢山には数多の強力な銀河連合が潜んでいる事を危惧してだ」
「成程、万牙一乃時似身於守る似端誰か乃協力牙必要斗いう訳です祢」
 ああ……其れとメエジン、カバジン、其れとライドには子守を任せた--ライドは既に本名から呼び捨てしても良いとお願いされ、今に成ってやっと出た模様。
(他にはそいつがとんでもない変わり者で中々首を縦に振らないそうだ。勝手に付いて来るソレイユはまだ良いとしてもきっちりと世界が広い事も示さないといけな……ググッ、全く!)
 又、例乃痛み牙発症於……っ照気配科--ザルノスケは既に金棒を右手に戦闘態勢に入った!
「ええ、まだ……ってうわっ!」ソレイユは風を切る音を聞き、反応で物部刃のような何かを屈んで躱す。「今の……銀河連合!」
「済まない、僕は身動きが取れる状況じゃない。二名で何とかやってくれ!」
「承知した!」
「わかりました、相武様。ですが」ソレイユは相武から離れようとしない。「私は相武様の近くにて守らせて戴きます!」
「……済まない、痛みを振り切る事が出来ない僕で!」今でも激痛に耐えられる状況ではない事を嘆く相武だった。「だから今は……まだ!」
 銀河連合の数は五体。何れも犬型、雉型、猿型、鬼型、人型。ザルノスケは木に登って投擲を続ける雉型と猿型を発見次第直ぐに木ごと薙ぎ倒してでも二体の打倒を試みる。だが、其れはザルノスケを離す為の銀河連合に依る罠だった--狙いは残り三体でソレイユと激痛に苦しむ相武を喰らう事にあった!
「此奴等……って一番厄介な鬼型が相武様に来る!」駆け付けようにも犬型の機動性と人型の対応力に防戦するしかないソレイユ。「全くさっきから……噛み付かせないからさあ!」
(来るぞ、僕は痛み如きに動きを止められる訳には往かない。しかし、若しも死んでしまったら僕のせいだ。痛みはあくまで受け止める者の一つに過ぎない……責任を嫁に転ばせるような碌でもない意味に繋がる事ではない!)
 転嫁は誤解されやすいが、嫁が転がるという意味ではない。一般生命の気質は一度嫁入りした雌が再度嫁に成る事はほぼない。其れがあるとするなら前の夫を捨てる事に繋がる。そうすると彼方此方に痛みを流すのに等しい意味に繋がる。
 さて、話を戻して相武は痛みで死んだという事を絶対に避けたいが為に神武包丁を抜くべく右手で握りを掴む。しかし、鞘から包丁を抜く時は何かに固定しないと滑らかに抜けない。鞘とは簡単に抜けないように寸法を計算して包丁製作の過程で形作られる。其れ故にまともに動く右の腕力だけで包丁は上手く抜けない。其れに焦る相武。其れを好機とみる鬼型。巨大な口が身動きも満足じゃない相武に襲い掛かる時--齢二十歳に成ったばかりの武内犬族の青年が鬼型の首を咥えていた雄略包丁で深く切り裂いた!
「危ないーなあ、間一髪ー……か?」其の一撃は口を大きくした鬼型の進路を僅かに変えて相武の左横に其れながら俯せに倒れて行くのを見て彼は安心した侭、咥えていた包丁を落としてゆく。「おーっと、ついつーい喋ってしまーい……落としちゃったーな!」
「た、助かった」力みが緩むと其の分だけ鞘にかかる圧力が抜けて包丁を抜きつつ尻餅する相武。「情けない姿を晒して申し訳ない、其処の犬族の方」
「情けなーい姿を晒すのーは……ウッグー」再度咥えながら喋り出す犬族の青年。「もっとばべーべぶればびばー? びばぶぶーみぃぼばーぶぅ」
 其れから其の青年はソレイユに加勢して特に苦戦する犬型をたった一撃で仕留めた。人型を倒すのに三撃も要したソレイユに自らの力の無さを痛感させるように--其の時に雉型と猿型を金棒を使わずに自身の両脇のみで首の骨を折って倒して来たザルノスケが戻って来た。

 七月一日午前八時二分三秒。
 場所は標高成人体型千九百一南側。
 一軒の藁小屋に相武達は案内された。其処で相武は齢四十二にして十の月と十五日目に成る武内犬族の老年であるワンダルーダと対面した。
「貴方が翔和を助けたという凄脚のワンダルーダさんですか?」
「ゴホン、ゴホーン…如何にもわしが、貴方方を助けたワンダローの父じゃー」既に寝込んでいて余命幾許もないワンダルーダ。「全く翔和様を助けた頃のわしはもうない。四の年より前にーある銀河連合との戦いで全身不随にー成って、其のせいでー妻を先に逝かせてーしまった……ゲホゴーホ!」
「其の父上ーをこんな目に遭わーせたのが道中で語った通りのあいつでーす。あの翔和様のー命を落とすきっかけに成り、相武様のー左腕がこんな事に成った……あの新心臓型さー!」

(此処で僕はワンダローを六武将に採用する事を決意した。まあ、ワンダルーダとワンダローの話はまだまだ続く。何しろ、ワンダルーダは僕達との会話をした後に死んでゆく、其の前に彼は新心臓型に関する情報を教えてくれた。其れについて此れから伝える)

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(三)

『--記し忘れたけど、五武将は前期と中期と後期と終期に分かれる。前期から後期に
掛けて務めたのは実はカゲヤマノザルノスケ只一名のみ。後は前期のみ、中期のみ、
後期のみ、終期のみ、或は前期から中期、中期から後期、後期から終期と三連続はない。
四連続に至っては私みたいに長生きでなければ可能ではない。其れだけ入れ替わりも
早い。そんな中で最初に探すのは前期五武将。其の中でザルノスケ、メエジン、カバジン
を引き抜く事に成功した。残りは後二名。其の中に先程五武将として紹介した
ソレイユ十九代は居ない。告白すると彼女は中期五武将であり、後に死ぬ予定の
前期五武将の一名である者からの推薦で入る事に成った。其れを忘れずに--』

 六月八十日午後二時二分一秒。
 場所は藤原大陸大中臣地方道真県第八北地区。
(此処に凄腕の人族が居ると聞く。一名位は人族出身者が居ないと均衡が取れないな。だが、二名以上は必要がない。あくまで人族というのは器用なだけで極に至らない種族だから何時も他の種族に比べて半端に留まる。走りでは如何頑張っても熊族にさえも後れを取る。腕力ならば大半の種族に泣きっ面を見る。悲しいかな、生前の翔和も……何だ、急に左腕に痛みが走り出した!)
 何か絶好の間隔で痛みが発動するという都合の良い相武の左腕の激痛。いや、表現が前向き過ぎる。此の場合、考えて欲しくない場面で痛みが発症する都合に見合わない……という表現が正しき近似値に近い。そんな相武に目が合うのは齢三十五にして四の月と十日目に成る菅原人族の老年。無精髭で然も首迄髭が生える程、雄性刺激物質が豊富な証拠。彼は世にも珍しい片手で担げる望遠砲を持っていた。
「貴方が天同相武様ですか?」
「そうだが? そうゆう貴方はまさか例の『百発百中のライド』と呼ばれし--」
 そうです、初めまして……私は菅原人族の菅原ライドと申します--礼儀正しいのか、深々と頭を下げるライド。
「初めまして、ライドさん。私は五武将の地同ソレイユですよ--」
「ああ、此奴は只のソレイユ十九代で五武将でも何でもない」
「ちょっと、相武様。何て事を--」
 まあまあ良いじゃないかグバア--尚、カバジンだけじゃなくメエジンも同行している模様。
五武将とは如何ゆう物だ?」
「其れについては中で詳しく説明しよう。案内してくれませんか?」
 有無、わかった--ライドは相武達四名を己の家に案内してゆく。

 午後六時一分二秒。
 場所は一階建て木造建築。ライドは昨今流行りの煉瓦造の建築物ではなく、従来の木造建築を好む。理由は次の通りである。
「最新なのは構わないが、如何にも私は其れでは古き良き物を信仰する者達が居なくなるのではないかって危惧している所だ。何事も最新が一番かも知れない……でも其れだけじゃあ古い物の良い所を捨てる訳にもゆくまい」
「確かにそうでしょうね」
「又為に成る話ですか、ライドさん?」齢三十七にして二の月と八日目に成る菅原人族の老婆が客者一名一名に御茶入りの茶碗を受け皿に載せて前に置いてゆく。「あ、皆さん。熱い内に如何ぞ」
「有難う御座います、ミーナさん!」
「さっきから話を逸らし続けるようだが、何が言いたいーイ?」
「若かりし頃ならば私も断るつもりで在ったよ、相武様。私はそう言いたいのです」
「若かりし頃は? じゃあ若くないライドさんは如何ゆう意見ですか?」
「そうだな、引き受けようと思う。丁度孫も出来た。名前はラディルと言ってな、何れは何かの形で私の跡を継ぐかも知れない。最も私の期待に応えない可能性も無きにしも非ず……だが」
「何か良くわからんグバア。つまりさっき迄の話は何だったのグバア」
「何、私も新しい物に抗えない若造だった頃があった。今じゃあ其の若造は私の息子に成ってしまった。彼は私に反抗しながらも向こうで家族を持ち、最近じゃあ私の知らない所で二名目を儲けるそうだ……全く反抗期なのは何処に吹く風やら。だから私はあいつの家族の為にも人生最後の大舞台を相武様と共に過ごそうと考える……良いか、ミーナ?」
「ええ、良くってよ」ミーナは既にライドの好きなように生きる事を了承した。「貴方はずっと何か伝統とは掛け離れた物をやりたかったのでしょう。良いですわよ、もう既にランバーが私達の跡を引き受けるのですから」
「何か遠い所のように言ってて実は近い所にお住いの気がしているんですけど」
 ハッハッハ、鋭いな……其の意味は木造建築事業拡大の為にあいつは私の仕事を引き継いでいる--ライドが言いたい『向こう』とは自立或は独立を指す意味だった。
(何とも難しそうな生命だね。だが、案外引き受けてくれて良かった。そうして残りは後一名か)
 おや、客者カイ……ライドの旦那--其処に齢十八にして九の月と十日目に成る菅原カンガルー族の少年がやって来た。
「あ、紹介しよう。彼は菅原カン十郎と言ってな……菅原カンガルー族の若き飛びカンガルーさ」
「宜シクナ。ってか何ノ話をしていたんだ?」
 五武将の話さ--相武は一応、カン十郎に其の旨を説明した。
(其れでカン十郎が五武将に成ったのはソレイユと同じ時期に成る。何故なら彼はライド自体は実力を認めてもまだまだ年季が足りないと判断して勧めなかった。勿論、上昇志向のカン十郎も其れには同意した。最も自身が一番力を持つという自信は溢れる。其の為にソレイユと何度も喧嘩をしていたな。全く歳が近いのとカンガルー族が昔から天同家と縁があるせいなのかも知れないがな。
 さて、前期最後の五武将は一体誰に成るのか? 其れは--)

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(二)

 六月七十七日午後九時四十一分十八秒。
 場所は真古天神武テオディダクトス大陸サッカス地方サッカス県第二南地区。
 其処は嘗て『カバオラの村』と呼ばれた地区。現在では最早誰も其の名称を呼ばなく成った……ある歴史学者を除いては。
(何で最も小さな建物内に凄脚の生命の話を聞きにいかなくちゃいけないんだよ。然も同行者がザルノスケではなく--)
「へえ、此処が例の歴史学者の家なんだあ」そう、ソレイユ十九代が付いて来る。「相武様にお願いする旅も良くない事ばかりじゃないんだねえ」
「だからお前は選ばんと言ってるだろうが」
「選んで下さいって。こう見えて地同翔和の業を引き継いで--」
 ないだろ、生前の翔和と一回も会った事がないお前が--相武の言う事は事実であり、ソレイユ十九代と彼女の双子の弟であるゼイン五世も翔和と生前会う事が無かった。
「全く……と思ったけど、居ないねえ」
 二名は既に誰も居ない其の南地区で最も小さな建物内に入った後。此れは決して許可なく入るのではない。実はとある歴史学者を良く知る生命が先に入って待つように頼んだそうである。
「其れにしても相武様。其のメヒイスト最後の生命が如何して五武将に相応しいと思ったのですか?」
「其れはな--」
 連れて来たグバア--齢二十八にして二十八日目に成るサッカス河馬族にしてカバレイと血縁上縁がある雄カバジン・ジョンソンが齢二十二にして二十一日目に成る今はサッカス羊族の青年にして歴史学者を務めるメエジン・メヒイストを連れて来た。
「勝足に俺の家に……って此れは此れはーイ!」
「如何も僕は神武人族にして真古天神武の王を務める天同相武と申す」
「私は地同ソレイユだ--」
 お前に地同の名は相応しくないって何故わからん--やはり認めない相武が其処にある。
「其れじゃあ僕はこの辺でグバア」
「待てーイ、我が友カバジン。此の方を俺の家に入らせた訳を知りイーたいから残れ!」
「全く何て劣友だグバア!」
「訳か……其れは僕直属の軍者に成ってくれないか、メエジン・メヒイスト!」
 答えは……俺は戦いが得意じゃないーイ--当然の答えであろう、少なくとも現時点では!
「ほら、やっぱりですよ」
「如何しても戦いは好きじゃないのか?」
「当たり前じゃないかアアーア、戦いは俺達生命体の魂を銀河連合に近付けルーうモノだぞ。何故お前達は何時迄も戦いに夢の中なんだアアーア!」
「其れは銀河連合を心の底から怒りで溢れるからだよ!」
「神武人族の祖である天同家の生命ともあろうーウ者が戦いに夢の中か。怒りなんて所詮は戦う為の口の実さアアーア!」
「何かさっきから戦いを如何しようもない物だという見方のようだけど」我慢出来ずに会話に割り込む若きソレイユ十九代。「じゃあさあ銀河連合を話し合いで分かり合えると思っている訳え?」
「こらグバア、相武様とメエジンの会話に割り込まないでくれるか?」
「わからない、翔和の第一子だよ」
 いやグバア、其れでも特別扱いする程僕達大人は甘くないグバア--カバジンは平等な生命だった模様。
「カバジンの言う通りだ、ソレイユ。幾ら翔和と縁があっても其れと此れとは別の話だから……さ、五武将に迎え入れた後にゆっくりと意見を言ったら良い!」
 ちょっと待てえーイ、何勝足に話を進めるかアアーア--流石に勝手な進捗だけは抗がい異なる議を唱えるメエジン。
「実はあんたの父親が生前に翔和と口約束していたそうだ。翔和は死ぬ前にザルノスケに其れを告げていたそうだ……あんたが五武将入りするのは避けて通れない!」
 其の親父……メエゼリ・メヒイストは銀河連合にーイ喰われて死んだんだ、液状化した銀河連合から俺達を守るーウ為に--メエジンは死に様を告げて生前の約束は受け付けない理由を固める。
「え、そりゃあ確かに……でも其れは最近の話じゃないの?」
「小娘は幾つーイだ?」
「小娘じゃないよ、其れにもう十五歳の成者だよ!」
 どっち道グバア、まだ子供だな--少女の域から離れない内は大人ではないと主張するカバジン。
ICイマジナリーセンチュリーにしいーイて四年前だ。当時俺は六歳だった時に兄貴分だった此奴と一緒に遊んでイーる時に親父が突然銀河連合に襲われて……襲われて、よおーア。わかルーか、此の痛みが!」
 ああ、わかるさ……僕だって未だに痛みから解放出来ない、身だ--相武は何時の間にか包帯で巻かれた左腕の状態をメエジン達に示してゆく!
「何……此れは、何だこりゃアアーア!」
「相武様グバア、まさか……此れが翔和様を亡くした代償ですかグバア!」
「ううう、お父さんの……まさかお父さんの腕?」
「未だに完全な状態で動かせない。お椀を持たずに食べるのは馴れたけど、自力で服に着替える事も出来はしないさ。風呂に入れば依り痛みとの戦いは鮮烈に成る」相武は三名の前で其の痛みを告白する。「一体何に例えたら此の激痛を表現出来るのかを僕は知らない。だが、風呂に入る度に包帯は湿って其の湿りが皮膚に浸透して痛みを走らせる。其の痛みは左腕から来るのではなく、左肩に或る接続部に直接起こったかと思ったら今度は全身に浸透する。特に肺に痛みが走ろう物なら呼吸が止まりさえしかねないさ!」
「何て痛みなんだーア……何故そんな痛みを担いーイで迄、俺を直属の部下にしようルーと思うんだ!」
「何故か? 亡き親父さんの甘い約束ではない。無き親父さんもかつては高名な戦略家と聞く。其の戦略は空論ではなく、実論としてテオディダクトス大陸を守って来たと伝わるぞ。そしてあんたも其の才能を受け継いでいる!」
「ヘンッ、戦いから去って歴史ばかり漁るーウ俺が--」
 いやグバア、お前は何時も戦史ばかりを読むじゃないかグバア--カバジンは正直過ぎた!
「はあ、言っておくが戦いはないーイに越した事がない。其れに相武様に比べて痛みは軽くても……あれだけは忘れられないーイ。重みの異なりだけで流して良い問題じゃないんだぞオオーオ……でも!」メエジンは棚にあった既に黒ずんだ冊子を取り出して咥えながら次のように答えた。「若しも俺が戦いを止める方法を編み出せるーウとしたら……戦ってみるしか道がないかも知れない!」
 つまりグバア、僕達は相武様の部下に成るって事なんだね--代弁したのは良いが、何故か勝手に五武将に成ると勘を違える部外者のカバジンだった。
「待ってよ、河馬族のおじさんは引っ込んでて!」
「まだ僕は齢三十にも届かん二十八だグバア!」
 其れでもおじさんだあ--と取っ組み合いを始めるソレイユとカバジンだった。
「全くカバジンは碌でもないーイな……けど」一方でメエジンはカバジンの力を次のように高く評価する。「此奴は中々守りいーイが固い奴だ……あんたの期待以上の強さを見せるーウぜ!」
「其れなら有り難い」
 こうしてメエジン及びカバジンは五武将として迎えられた……

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(一)

『--当時の私にとって課題と成るのが予言の日が迫る事、如何に其れと向き合うか?
そして仇である新心臓型を倒す事、私自身が左腕を己の手足とする。最も楽なのが三番目
の課題だろう。奴について私が最初に乗り越えて行くべき課題として立ちはだかる。そう
しないと前に進めない。そう思って私はソレイユがやって来て一の週より後に打診をした。
勿論、此の前からも打診して来た事だ。だが--』

 六月七十日午後三時十二分十八秒。
 場所は中央地区中央官邸二階会議室。
 其処では齢四十一にして五の月と八日目に成るストテレス栗鼠族の老年にして現在二期目を務める保坂リぜんを白く四角の板を背にして数多の閣僚が座る。勿論、リ善の左後ろ横の椅子に座るのが相武。彼は王として会議の様子を伺う。だが、時折意見を打診する。しかし--
「相武様、拠点型は更に巨大化して遂には原子望遠弾の使用も辞さない状況に追い詰められたのですんよ。わかりますんか、此の状況下を!」
「何時も言ってるじゃないか、如何してこう成る迄みんな放置して来たんだ!」
 軍事問題は複雑を極めて最早拠点型に構っていられない状況なのですんよ--とリ善は如何して放置し続けるのかを端的に説明する。
「最高官の仰る通りでぶね」齢三十八にして七の月と七日目に成るヘラクレイトス豚族の老年にして官房官を務める小島ブ点凶てんくうは足し補うように語り始める。「銀河連合が各地で展開中でぶ。一体に依る襲撃ならば通常の軍者でも対応出来そぶですが、液状型に依る襲撃の場合は身体検査を要しぶ其れ所の状況じゃない。特に海の方ではシャーク傭兵団及び楠木傭兵団が対応しても対応し切れない時だってあるのでぶ」
「同感で御座いますな」齢三十七にして九の月と四日目に成るアリスト鶴族にして財政大臣を務める板垣ツル総司は担当部署らしくこう苦言を呈する。「そして度重なる福祉が一定量膨れ上がっている現状は更に他への対応を遅らせらるる。そして金を出すのも渋る私も居まするな」
「わかっているじゃないの」齢四十にして十一の月と三日目に成るゼノン人族にして厚生大臣を務める足尾未転は担当部署の立場に立って反り返った論理を展開。「だがな、生活が大事なのだ。其れに今更挙げた物を減らす事を如何やって我々政の立場にある者達が国民に説明するのだ!」
「はあ、纏まらんぶ」
「つまりこうゆうん事ですん、相武様。今は軍に回すお金が少ないのですん」
「はあ、もう少し早く政に参加していたら大人の事情を理解出来たんだけどな」
 遠過ぎる過去であろうとも喫緊の課題が全て早急に果たせると思ったら大きな誤った解釈。実際はやるべき事が多過ぎて常に遅れて実行される事が多い。そして、此の様に良い所がないように思えるリ善の政権。だが、二基目を務めている状況から鑑みるに国民からの支持が厚い。そして政策実行力はどの政権よりも素早い。実際、彼の時代に依って実現したのは水中軍を現在の海洋藤原、雄略海、アリスティッポスのみならず現在の領海全てに配置する迄に成功。其れから領空を担当する空中軍の誕生は依り軍の円滑化を齎す。そして陸に関しては齢四十三にして二日目に成る雄略河馬族の老年にして軍務大臣を務めるカバカズ三十代と連携で軍政との切り離しに成功する。故にカバカズは相武に話し掛ける。
「相武様グバア、軍に関しては此のカバカズ三十代にお任せあれグバア」
「何でカバカズが僕に声を掛けるんだ?」
「困っているのでしょグバア、仇を討ちたくてグバア?」
「そう、だが?」
 ではグバア、わしにお任せあれグバア--カバカズは会議の途中で相武と共に外へ出る。

 午後三時三十分五十秒。
 カバカズ三十代の案に相武は次のように反応を見せる。
「いや、でもなあ。まるで、えっと真古式神武の末期みたいなのを、やっても、なあ」
「ですがグバア、私も軍務大臣を務める前は戦略研究に身を置いた者でありますグバア。今の状況は真古式神武末期のように福祉に金を回し過ぎて幾ら憲政を誇る我が最高官ともあろう御方でも此の状況を何とかする事は……理無きでしょうグバア」
「だからって同じようにそんなのを結成する意味があるのか?」
「仇討ちを果たす為に相武様を守り抜く最高戦力を結成するのは……理に適っていると思うグバア。因みも私は頭脳労働の方に回し過ぎて其の一員に成れませんがグバア」
「でも本当にそいつ等が要れば新心臓型を倒せるというのか?」
「基本的に新心臓型一体だけに集中すれば勿論倒せますグバア。ですがグバア、予言の日を乗り切る事は理無きでありますグバア」
 当たり前だよ、だって世界中に降って来る奴をたった一名だけで対応出来る筈ないもんな--呆れるような声を出して答える相武。
「でも良い案でしょグバア、五武将というのはグバア?」
「選りすぐった者達だけで構成される僕の手足に成る者達か……一名は既に決まっている。後はそいつに残り四名を選んで貰わないとね」
「ほうグバア、カゲヤマノザルノスケを既に選んでおりますか……賢明な選定ですなグバア」
「だってあいつは翔和が生きている頃は既に翔和も認める程の力量を誇っていたからな。其れに僕の事を最も理解するのは現在ではあいつ以外に居ない。なのであいつは五武将として働いて貰う……が残り四名は誰にしよう?」

(こうして会議では今後の財政政策と原子望遠弾を撃ち込むか如何かの会議が行われ、結果として原子望遠弾は後の統治に於いて危惧される環境問題を考慮して使用は控えられた。だが、同時にカバカズ三十代の提案した五武将制度は採用された。
 だが問題はザルノスケ以外の五武将を誰にするかで僕は悩んだ。いや、正確には各地を回ったな。全くこんな話を入れる意味が果たしてあるのかな? あ、後は如何ゆう訳か彼女も付いて来たという話も付け加えておく。其れじゃあ--)

一兆年の夜 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新(序)

『--さて、始める前に色々と長い前置きが待ち受ける。始まるのが何時も遅れて申し訳
ない。けれども書き始めは何時も何かか書けば良いのか浮かばない。筆も進まない。取り
合えず無駄話だけでも書いてみてから状態を確かめる。状態が良く成る迄は無駄話に
単語を並べて昂じる。そうして筆は加速してゆく。加速した筆はやがて数多の意味を
見出せない単語と共に徐々に
峻かな別けを産む。産んだ後は漸く本題に入る。
 では本題に入る前にある話から紹介しよう。ある者は突然やって来た--』

 ICイマジナリーセンチュリー三百年六月六十三日午後十一時五十一分二十一秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間外庭。
(又、明くる日は……ウグッ、痛みが!)
 齢二十三にして十一の月と十九日目に成る神武人族の青年にして左肩から爪先迄柔軟性を確保した包帯を巻く十代目王である天同相武そうぶが寝付けずに木製包丁を右手に自己鍛錬に励む。此れは齢三十一にして二十五日目に成る神武鬼族の中年であるカゲヤマノザルノスケの教えではない。彼は稽古こそ厳重ではあるが、深夜の鍛練を勧めない現代的な教育指導者だった。ならば何故相武はやるのか? 其れは左腕に宿る地同翔和しょうわの魂が命じた為だと解釈。
(特に少しでも体力が残れば何時も翔和は僕に命じて来る。まだ動かす事も出来ないというのに。無茶苦茶な左腕を付けたもんだ……だが、何れは此の痛みが引いて僕の物に成ればもう今迄の痛み何て何のその……ウグッ、何で、こんなに、も!)
 相武がこうして片膝を付いて左腕の痛みに悶える様は傍から見れば笑って済ませられる。けれども本者にとっては笑えない激しい痛み。其れを代わりに例えるなら蹴りを我慢する際に起こる痛み? いいや、其れではない。陣痛? いや、実は陣痛依りももっと痛みの激しい分娩に例えるとわかりやすい。つまり雄では耐えられない痛みを毎の日も相武は耐え続ける。何時死んでもおかしくない痛みであるのだから相武にとっては今楽に成った方が幸せかも知れない。けれども--
(僕が死んだら誰が真古天神武を任せられる? 僕は死ぬ訳には往かない。父さんも姉さんも其れにこうして生きている翔和が付いている。だから僕は耐えなければいけない、此の痛みを!)
 彼を突き動かすのは罪よりも先にある使命。既に翔和や数多の同胞を死なせた罪は激しい痛みで償われた。後は此の痛みに応えるように一名前の仙者に成る事。覚醒がまだ遅いが其れでも一歩ずつ前進を続ける。そんな彼の下に齢十五にして五の月と一日目に成る雄略人族の少女が庭にある木陰に隠れて様子を見守っていた。
「誰だ、出て来い」
 見付かりましたね、だから如何です--其の少女は雄略鋭棒と呼ばれる蘇我鋭棒とは別系統で突くよりも斬る方に特化した棒を二つ折りにして背中に背負いながらも胸とある部分以外は隠した状態で姿を現す。
「はあ、はしたない恰好を」
「ちょっと待ってよ、此の刺青を見て何か感想が無いの?」
「雄は雌の隠す部位が少ない程、如何しても--」
 そっちじゃないでしょ--右跳び蹴りを相武の顔面に決める雄略人族の少女が其処に居た!
「ウグッ……いきなり何をするんだ!」
「あ、離しなさいよね。其れ一般社会では猥褻って呼ぶんだよ」
「何を言ってるんだ。隠している部分に出来る限り触らないように……イデッ!」
 全く南雄略から離れるとみんな私の事をそんな目で見つめちゃって--右打ち上げを相武の顎に決める少女。
「フウ、丁度首の筋肉で脳の揺れを抑えたから良いけど・・・・・気を付けろよ、其処の雌の子」
「雌の子じゃありません。私はソレイユ十九代だよ」
「ソレイユ……ひょっとして翔和が語った南雄略に居た少女の--」
「うん、十八代は私達の母よ……二の年より前にもう亡くなったけど」
 亡くなった……そうなのか、其処迄寿命が短いのか--相武は其処で次のように考える。
(きっと翔和の後を追った……そう考えるしかない。だが、其れを彼女に尋ねる事が僕には出来ない)
「其れよりも貴方が天同相武様ですか?」
 知ってて二度も叩いたのかな、君--折角悲しい表情をしたのにそんな事を口にされて呆れるしかない相武だった。
「まあ良い。御母さんは良く何処かで暮らす碌でなしのお父さんの話をしてたんだ。若しかしたらお父さんについて何か知ってるのかと思ったけどね」
「生憎だが、其のお父さんは消息を消してもう探す事も出来ない」
「まだ名前すら言ってないのにそんな答えはいけないよ」
「じゃあ行ってみたら如何だ、ソレイユ十九代?」
 ソレイユで良いよ、此れから地同ソレイユでも名乗ろうかって思ってたんだ--其れを聞いて相武は--やはりそうか--と心で思ったのか思わないのか。
「はあ、其れは出来ないな」
「ええ、如何してえ!」
「君が名乗ると地同家は君を先祖にして一から始めないといけない系譜に成る」
「ええ、父はあの地同翔和だよ!」
「其れでもだ。君は地同ソレイユを名乗る事が出来ない……其れが伝統だ!」
 うーん、お母さんも生きている頃に言ってた--如何しても地同を名乗りたいソレイユだった。

(ソレイユ十九代は其の後、真古天神武五武将の一将として数えられる事に成る。教育指導者は僕と同じようにザルノスケが担当する。つまり、僕とソレイユは同じ匠を持つ者同士という訳だ。まあ紹介した僕は何とか説得するのに苦労したな。何せあの翔和と同じく誰かれ構わず迷い惑わすからな。
 さて、そろそろ次の話に移行するか。そう、僕には翔和達の仇討ちの他に如何してもやっておかなければいけない事もあった。其れが軍備増強、そして僕が信じてやまない五名の軍者……さっき紹介した真古天神武五武将さ。考案したのは--)

二回目の雑文は……誰もが避けて通れない下ネタのお話

 如何も追い込まれていて此の後如何すれば良いか悩んでいるdarkvernuです。
 早速だが、二回目の雑文でも始めましょうか。

 今回は下品なワードが飛び交い、読むのが辛く成ると思われる。そんな読者はとっとと解説の方にスクロールして如何ぞ。
 さあ、とある大江健三郎村にある村上春樹喫茶店に入るなろう君とハーレム君。二人の会話は其の喫茶店では日常茶飯事の模様。どんな会話なのか追ってみよう。
「あそこを貫くって凄くドパッとするじゃない?」
「わかるわ。此の慎太郎は最初一口飲んだだけでビクンビクンして次に飲んだ時はイクーッと成り、最後に中は駄目ーってなるなあ」
「わかるわかるう。障子に成りを貫通させたくなる程にぼっきんして最後に処女膜をミシン針で貫通してしまいかねない危うさを見せるじゃん」
「オイオイ、ミシン針刺さったらどんな女でも死ぬぜ。流石に処女は舐めるのが丁度良いじゃない?」
「血管で中の方を鼻水の塊みたいな処女膜を? だが、鼻水と違って貫かれた部分の血管は二度と再生されないんだぜ。処女膜は永遠に其の侭なんだぜ」
「何だよ、残念だな。そして一度貫通された部分は急激に腐るらしいな。慎太郎酒も其れと同じで今日中に呑まないと発酵するそうじゃないか」
「熟女は発行した時が丁度良い処女膜に成るって聞くぜ。だが、此奴は一度貫通すると今日中に呑まないと糞不味いどころの騒ぎじゃないってな。処女を貫通したばかりの女なのに二回目は全く気持ち良くないってどんだけサービスの悪いビッチだよ!」
「全くだよ、ハッハッハ」
 御覧の通り下ネタだらけの会話。然も艶な話の中に汚い単語と暴力的な単語を混ぜ合わせるという代物。ボキャブラリーがないかと言えばそうではない。しかし、下ネタ以外でもっと良い表現があってもおかしくない。だが、二人は其れをしない。何故なら酒と女と泣き上戸しか表現する術がないと捉えても過言ではないだろう……


 うーん、実際に下ネタ全開の会話をやろうとすると何故か上手く行かない。何か自然の流れに成らないな。兎にも角にも下ネタの数が多いか少ないかでライターの腕がわかるって話もある。だが、下ネタとて上手く調理して上品に扱えば筒井康隆無双を遂げる。逆に下品に仕上げ過ぎると小高和剛みたいに下ネタさえなければもっと評価出来るっていう文章に成る訳だ。前者はレジェンドって事もあるんだろうけど、後者の場合は誰か一名を下ネタ避難所にして生かさないと他のキャラが下ネタ連発してしまう危険性が高い。まあ筒井の御大の作品は詳しく知らんけど、下ネタを見事にストーリーラインに乗せたビアンカは流石としか言えんな。一方で小高は初代ダンロンでは腐川とジェノサイダーを避難所にして何とか乗り切ったけど、2だと花村を早々に退場させた為に縁の無さそうな終里が其の後尻尾発言を含めた下ネタ連発して終始プレイヤーを苛立たせる結果と成った。絶絶少女の場合はまだ境遇が下ネタと密接な言子だから良いけど其れでもあれだしな。其の為、V3では入間という下ネタ避難所を4章まで活かして他のキャラの下ネタを極力抑えたとも捉えられる。其れでも小高の下ネタは本当に酷い。もう少し筒井の御大みたいに上品に仕上げて欲しいと考えるぞ。
 さて、下ネタで気を付けるべきはやはり読後に後味の悪さを残す点だろう。だって下ネタ聞いて気分良く成ると思うか? 自分は絶対に思わない。つーか自分は昔から下ネタが大嫌いで其れ言う位ならアニメとかゲームの話をする方が百倍も千倍も有意義だと思うからな。というか自分は昔から性の話を嬉々として話したがる奴が大嫌いでそうゆうのは他所でやれって思うからな。元々保健体育に興味ないのもあるんだろうけど。エロは確かに生命力だろう……だが、同時に諸刃の剣でもある。何故かと言えばセックスと同じで一度処女膜を貫いたら後は新鮮味が無くなる。其れと同じように処女だから価値があった作品に処女膜を貫いた作品は最早中古と同じで新鮮味も何もない。良くわからんと思うけど、下ネタってのは其れだと思う。だからこそ自分は余り巨乳キャラも女性キャラを出すのも好まないからな。理由は性の話をするのが好きじゃないという一面が強いからだよ。大体誰が好きとか誰と誰のカップルが良いとか……如何でも良いんだよ! 自分にとって作品とは魂であり、戦いなんだよ!
 おっと下ネタについてもう少し掘り下げようか。下ネタについては最近連載再開予定のバキさんが「戦いとセックスは同じ」って発言したそうだ。此れについては同感する。というのも下ネタは結局エネルギーでもある。エネルギーがないと下ネタに変換されない。戦いたいという感情の裏返しとして下ネタが存在すると言っても過言じゃない。こうして考えると下ネタだけでたくさんの文章が並べられるもんだ。後は下ネタが多い奴に限って荒々しいのが多い。いや、本当だよ。短気な奴も直ぐ物に当たる奴も下ネタが多い。理由は簡単でボキャブラリーがないからだよ。そうゆう奴は考えずに喋る事は長けても理知的な話をする時に必ず矛盾を突かれる。そうすると行き着く果ては原初のワードである下ネタに行き着くからな。つまりだ、下ネタを少しでも減らそうと思ったらボキャブラリーを増やしなさい……そうゆう事なんだよな。ま、自分がボキャブラリー溢れるかは別だけど(辛)。
 と以上でショートストーリーの解説を終える。

 もう直ぐツクールMV制作予定の方は悪役ルートが完成しそうだな。色々不備な点を加えてゆく内にどんどん巨大化してゆくのがわかるなあ。さあ、てと。如何成るかなあ。そうゆう訳で二回目の雑文は此処迄。次週から日曜に一回の雑文に戻るぞ。やっぱ理由として雑文を二回やるのは割に合わんからな。

サイボーグは戦後最長の任期を持つ新聞嫌いを越える事が出来るのか?

 如何もdarkvernuです。
 始める前に『格付けの旅』が更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 さて、大叔父の新聞嫌いを果たして越えて更には戦前の腐ったマスゴミに潰されたあの桂太郎の任期を越えられるのか? 注目が集まる所だ。

 ゲルショッカーの惨敗を受けて日本政治の闇を中枢とする裏永田町ではある外道が売国奴を集めて会議を開く。
「御覧の通り、ゲルショッカーは六年前の総裁選に比べて党員数では実数で十以上も落とし、地方票では四十パーセント台を何とか死守出来た物のサイボーグにダブルスコアで敗れた。此れは我々としては喫緊の課題だ!」
「調子に乗りやがって、碌に謝罪談話も出来ない晋太郎の餓鬼が偉そうに!」
「認めたくないようだね、君の息子が彼の部下として外務大臣としてちゃんと仕事している事が」
「ああ、ヨウツバーデビューも失敗して然も獣医師会に居る父ちゃんに親孝行する為に仕事して来たのに」
「ところでフルアーマー、君の党員を俺に寄越してくれないか?」
「サイボーグ晋三は腹を切って死ぬべし!」
「サイボーグ長期政権反対」
「オホン、奴は見事に新聞嫌い及び桂太郎の任期を越えようとしている。来年ではシゲルに初代総理大臣の伊藤博文に迫る勢いだ。此れは非常事態だと思わなければ成らない」
「だが、長くやり続ければ弊害も起ころう。其処を叩けば良い!」
「フルアーマーよ、貴様は此の場に居る十八年間も委員長を務めるしぃが居る事に何か言いたい事はないのか?」
「何だと、此のフルアーマーが後れを取るというのか!」
「奴等が其の気であればしぃの長期政権を指摘して正当化だって可能だろう。或は与党の頭がパーン党でブーメラン党が政権交代して以降ずっと党首をやるナツオについても指摘するだろう」
「グワアアア、僕達には指摘出来ないあの頭がパーン党かよ!」
「許すまじ、許すまじ……サイボーグ政権!」
「勝利の鍵は……沖縄知事選だあああああ!」
「喧しい、陸山会問題で落ちぶれたオザーリンの分際が。其れと同じように貴様達は連帯ユニオン関西生コン支部に於ける一連の騒動を知らんと言わせんぞ」
「晋太郎の餓鬼が密かにガサ入れしているという北新羅と密接に繋がる労働組合かよ……ったくあの餓鬼は最初の政権の時でも総連にガサ入れして来て迷惑だったというのに!」
「フクヤスからガサ入れは無くなって助かったのに……なのに政権奪還以降の、いや党代表に復帰して以降のサイボーグはリアリストな面と元々あった駄目大人党の結党精神に則って憲法改正を着実に進める。お前達が幾ら発狂しようとも此の流れは逆らえない。せめて2F等の獅子身中の虫を使って何とかサイボーグを妨害する工作はまだまだ有効打に成ってはいるがな」
「ゲルショッカーもシンジロウも後藤田のドラ息子も……みんな落ちぶれ始めるかも知れないな」
「ああああ、益々危機感が高まるじゃないか。モリカケは不発だし、他にネタを探そうにも無理だし」
「やはりサイボーグ晋三は地獄の業火に焼かれるべきだ!」
「最後の勝つのは……金と勇気だあああああ!」
「拙いなあ、他に何かあるか?」
「せめて馬鹿息子をもう一度売国的行為をさせるように誘導出来ればなあ……あの野郎は外務大臣として毅然とし過ぎて俺の平和の素晴らしさを実感して貰えればなあ!」
「まあ、サイボーグとて完璧ではない。蒟蒻ババアや2Fのように獅子身中の虫を潜ませているようにまだまだわしの手駒は邪魔だてはしておるしな。じゃが、ブラックレイピアはまだまだ何か仕掛けるかも知れない。関西生コンの関係者が武を含めて計二十人以上も逮捕されているのは奴が手を回したからだろう。だからわしは虎ノ門ニュースに少し嫌がらせをしてやったさ。流石にウイグルの奴等を臓器売買工場の部品にしているという事実は馬鹿な愚民共に知らせまいと思うてのう」
 マイオスの日本解体工作は此れから更に加速する。だが、若しも減速するのならばバイブ清美の再逮捕や沖縄県知事選の結果、そして憲法改正が本当に実現した時だろう。其れ迄はまだまだ我々日本国民は油断成らない……


 因みに沖縄県知事選の結果が理由なのはやはりデニーの奴は一国二制度を始めとして信じられない事を主張しているからな。あいつが知事に成ると益々辺野古移設は遅々として進まないだろう。まあ、此れに関しては自分でも結果の予想は難しい。先の総裁選みたいにわかりやすい結果ならば幾らでも自信持って断言出来るんだけどなあ。
 兎に角、今回の総裁選で誰が国民の敵なのかを炙り出す事に成功。ゲルショッカーも良い道化だったな。後藤田のボンボンや村上のデブはまあ言わずもがな。中谷のヘタレ何かも炙り出して良かったし、後は最近株を下げ続ける我等がシンジロウだろう。まさか此処迄時勢を読み解く目が無かったとはな……あそこでゲルショッカーに票を投じるとか何を考えてるんだ。全く此のせいで奴は益々立場を危うくするだろう。其れにしても平さんも国民の敵の一員とはな。此れから如何成るやら。
 序に総裁選の法則として一騎打ちで敗れた方は次の総裁(或は総理)に成るという法則があるらしい……が、其の場合あんな惨敗して大丈夫なのか? 後は幾ら総裁選中でも沖縄の基地に関する事に政府案に異議を唱えたり、ワシントンポストのフェイクニュースに釣られたり、更には斎藤元農相の辞任を学生みたいないちゃもん付けたり……流石にこんな奴は党内に居ては駄目大人党としては今後懲罰動議に掛けるべきじゃないかな? 幾ら何でもやり過ぎだろう、いっそ票を投じた七十三名諸共離党すれば良いんじゃね(最もヘタレが何人も居るから離党する人数はきっと……其の半分だろうかな?)。
 という訳で時事ネタの解説を終える。

 では第百二十二話の解説でもしましょう。土曜迄縺れ込んで申し訳ない。其処は反省しないとな。さて、今回はメイン主人公が翔和から相武に移る様を描いた訳だ。少しあれな展開に成ってしまったけど、最後の方は自分の中ではまあまあ良かったと思う。ああして生かし、然も肉は滅んでも魂はずっと相武と共にあるってな。そうして次の話に移行するように成る。
 序にニャレーダーを以降出さないようにしたのは言ってしまえばあんまり時間旅行者が影響を与えるのを避ける為だよな。其れでもあるキャラはほぼ過去から来たから時間旅行者の影響はまだまだ健在だと捉えるべきかなあ。
 と短い解説で申し訳ないが、第百二十二話の解説を終える。

 其れじゃあ予定表と行きましょうかねえ。行くぞう、行くぞお。

 九月二十四日~二十九日  第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新              作成日間
 十月一日~六日      第百二十四話 天地相為す そして相武は赤き革新者と出会う      作成日間
   八日~十三日     第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない      作成日間
  十五日~二十日     第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ           作成日間

 第百二十六話であの男と出会うという訳だ。さあどんな出会いに成るかなあ?
 人は弁論上手に騙されやすい。マキコもそうだし、シンジロウもそうである。そう言えば花田の爺さんが言ってたな。轟盲牌は女の話しかしないって。もっと早くに其れをマスゴミが伝えていればある程度は轟盲牌の中身がわかり、如何してブッチホン内閣誕生時の総裁選で轟盲牌の得票数が他の二人に比べて少ないかが理解出来た。成程、下ネタ好きか……そりゃあわかりやすい能無しだな。何故下ネタ好きが能無しかって? 実は自分の経験談でもあるが、仕事に詰まったり少しでもアイデアが思い付かない時に人間ってエロ話に逃げる傾向にある。そうするとエロ話は立派な自慰行為に当たるし、何よりも気持ち良い物だ。そうすると深く深くエロに溺れ始める訳だ……こんな状態で実務を熟せると思うか? 実務なんて熟すよりも女を抱く快感の方が遥かに高揚感が増すのが生物の定めだ。するとそいつは中身を鍛える事なく他者に引き離されてゆく。すると引き離された疎外感を埋める為に又エロに走り、更に引き離されて又……の繰り返しだ。え、机上の空論だって? 空論じゃないんだ、実際そうゆう奴を知っているからな。碌に棚の整理も出来ないリフト乗りが居てね。そいつが口にする事は何時も下ネタ。他にネタがないんかって言いたい位に其のデブは下ネタ好きの禄でなしだ。そう、碌に棚の整理も出来ない癖に言い訳と女を抱くテクニックだけは一流……救えんだろ、そんな奴。女を抱く暇があるならスキルの底上げをしろって自分だけでなく棚の整理を担当する者達みんなが思った事だ。故に下ネタ好きは能無しが多いとはそうゆう事だ……序に下ネタばかり言う奴の傾向としてサブカルに疎い癖にスポーツネタが豊富な奴にも多いから十分注意する事。下ネタを口にしないようにする方法としてやはり何でも良いから本を読め……読むならSF小説とか夏目漱石の書物とかそうゆうのをお勧めする。逆に村上春樹や大江健三郎なんかは駄目出し、ライトノベルやなろう系も駄目だ。前者二人に関しては下ネタ大好きな癖に反日思想家(反日思想家も下ネタ暴言が多いからな)だし、後者は変な擬音やらハーレムネタを使うから余計下ネタに走りやすい。ン、新聞? ダブルオーツネヤスが言ってなかった……KY新聞を始めとした五大新聞社の新聞はまだ頭脳を鍛える面では良いとしても地方新聞特に宗教新聞染みた沖縄タイムスや琉球新報と言った下劣な新聞は読めば読むほど頭が悪く成るから駄目だぞ。後はイソコを雇った頭狂新聞や変態新聞系列の信濃変態新聞も駄目だ。兎に角、地方新聞は一部を除いて読めば読むほど頭が悪く成るからお勧めしない。
 とまあ途中で話が脱線したけど、今回は此処迄。全く中身をちゃんと見る奴等がもっと増えれば世の中良く成る筈なんだけど……そうゆう奴はほぼ一握りだしなあ。

雑文特別編 ハヤトは死なず 第弐拾参話 娘だけの親父は辛いのだ! 池田勇人VS小渕恵三

 如何も酔っ払いのdarkvernuです。本当はサボるつもりだったのに本能が其れを許さなかった!
 さて、『格付けの旅』の赤魔法の章05の一ページ目が終わり、二ページ目に入りました。読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 さあ、やるかあ。総裁選も無事終わったし。

 総裁選の結果は安倍晋三の圧勝。にも拘らず、石破茂を忖度するマスメディア。一体此処迄腐ったか、マスメディアは。いや、最初から腐っていた。戦前の頃から。其れはアメリカが日本兵捕虜を独自に調査した結果、軍部よりもマスメディアへの不満の方が高かった。戦前の頃からマスメディアに人の心はない。注目を集める為に只管に人の心を捨て去る精神に兵士達も嫌気が差した証拠であろう。大本営発表の愚を彼等は繰り返す。彼等にアドルフ・ヒトラーと其れを総統に押し上げたナチスを批判する資格があるのか? いい加減、ナチス悪玉論を主張する前にスターリンや毛沢東の悪行がヒトラーやナチスを遥かに上回る事を認めて貰いたい。
 そうして馬鹿騒ぎは幕を開ける。さあ、愈々此の馬鹿騒ぎの主人公の登場だあ!
「全く、ですね。主人公は、此の、石破、茂、ですよ」
 あ、居たんですか。然も斎藤一農相も一緒に。
「ほざけ、実況の分際で。俺は斎藤健だ、名前を間違えるな」
 るろうに剣心の方が憑依しましたか。てっきり龍が如く維新の方かと思いましたよ、ハハハハ。
「君は私達を、馬鹿に、してます、か?」
 そりゃあ勿論ですよ。あんな惨敗を喫しているのにどの面下げて総理大臣最強トーナメントの解説をするんですか、ゲルショッカー元痴呆創生大臣さん?
「名称、間違って、ますよ」
 あ、いけね。さて、其れよりも遂に始まるは二回戦Dブロック第一試合。先ず最初に登場するのは……おおっと、躓きがちな小渕恵三だああ!
「いけませんね、死人である我が身なのにこうも躓き始めるのは……おおっと、そうだそうだ」
 と流石は凡人総理と呼ばれるだけあって普段通りに対応しているじゃないか。相変わらず底が知れない!
「小渕さんはああして擬態するのが得意だ、なあ?」
「あ、ええ。そう、ですね」
 大丈夫ですか、あんた達は。特に惨敗で心が折れそうな石破さん?
「あ、れは善戦で、す。失、礼で、すね」
 八十九が七十三に減ったのに? うーん、マスメディアの基準が今一わからん。さて、小渕側の応援席には田中派の一同が集まるじゃないですか。
「……頼んだぞ」
「ウィッシュ……其の意気で、小渕君!」
「池田さんに目に物言わせたれえい!」
 さあ、優勝候補の一人が入場……相変わらず変態機動での入場とは恐れ入りますよ!
「同じ娘ばかりの親同士だ。どっちが優れているかの勝負だ、小渕の坊主!」
「お手柔らかに頼みますよ、池田さん」
 何だ此れは……互いに違うのに政治力が、拮抗している!
「あの野郎……勇人の政治力と拮抗しやがるのか!」
「経済畑という意味では小渕の坊主も中々やりおるわ!」
「小渕君は実質的にはわしが育てたようなもんや」
 池田勇人応援陣には競争相手の佐藤栄作、栄作の兄岸信介、そして一番弟子にして不肖なる宮澤喜一も居ますね!
「此の勝負……此の俺が辞職届を強要する程の激しさが展開される!」
「全く、安倍政権は、何て圧力を、掛けま、すので、すか」
 いや、安倍選手関係ないから。さあ、Dブロックの主審は伊吹文明氏が担当。何故か無理矢理なキャラ付けなのか息吹をしながら喋る模様で在ります。
「コオオオオ……開始線に就きましたね。
 では……始めええええええい!」
 さあ、二回戦Dブロック第一試合が……おおっと、両者共に動かないぞおお!
「此れはきっと。先の先が、ですね」
「おかしいな、池田さんは良く知る先生方の中では先手必勝の政治屋だと聞くぞ。其れが何故、速攻戦を仕掛けないのか!」
 確かに変な話ですね。憑依しているのは明らかに速攻戦が得意なゲッター2系列。一方で小渕選手は合気道で有名なあの渋川……何と先に動き出したのは、小渕選手だあ!
「おやあ、こ、此れはあ歩いて、ますね」
 其れは見ればわかります。具体的に何故歩いているかを説明して下さい、石破さん!
「其、れはですね、あ、れです。一見す、ると歩いて、いるように、見えるか、ら判断がし辛い、からです、ね」
 いや、我々は何故歩いて間合いを詰めているのかを尋ねているのですよ。過程の話よりも先ずは結論を先に言うのも解説員の仕事ではないですか? 全く、こんなのを応援するあっち界隈に問いたい!
「其れよりも……池田さんの間合い一キロの地点に踏み出そうとしたら。突風が吹き荒れた!」
 何と、読者の間では不評な初見加納戦を匂わせる長刀で払われたかのような土煙が発生。小渕選手はわざと射程圏内に入って池田選手を誘う気ですね!
「此れは、きっと後手、必勝の合気の、ような感じられ方、ですかねえ?」
 駄目だ、解説にすら成っていない。ゲルは無視して試合の流れでも追って行きましょう。さあ、小渕選手は更に間合いに入ってゆく。其れでは拙いと感じたのか、池田選手のドリルハリケーンが小渕選手を襲う--何と池田選手が触れる前に自ら飛んで行くかのように後方に火星迄飛んで行ったあ!
「おかしいですね。計算では木星に飛んで行くと思いましたが」
「やるな、手を一切使わせずに俺の危険信号を逆手に取るか……成程、冷えたピザは決して間違っていないという訳だな」
 再度ドリルハリケーンを仕掛ける池田選手。だが、小渕選手は寸前でやや後方に--何、池田選手が突然翻って仰向けに地面へと激突したじゃないか!
「野郎……何てハッタリを」
「おかしいですね。やはり計算が……ウグッ!」オオット、小渕選手の鼻から出血が溢れ出るではないか。「避けた筈でしたが……まさかたった二回で守の守を破りに、来ましたね」
「惜しいな、其の侭ドタマに風穴を開けるつもりだったぞ」
 流石は主人公。作者が最も贔屓にする戦後総理大臣。成程、只ではやられない訳だ。
「全くですね。如何やらもう少しだけ私を本気にさせないといけませんか」さあ、小渕選手が前羽の構えのように両掌を前に出した。「全く嫌に成りますね」
「フン、此の池田勇人を舐めるな」立ち上がった池田選手はまだまだ余力が残っている。「貴様如きにやられる程、俺も落ちぶれちゃあいない!」
 さあ……何だ、急に台風が。裏永田町の台風は最近襲った台風二十一号の比ではない。地殻が抉られる形で両者の政治力がぶつかり合っている。拮抗し過ぎておかしくなっているのか……其れとも両者共に本気じゃないというのか!
「……来るぞ!」
 さあ、両者同時に何と先手を取ったのは……小渕恵三--肘固めならぬ右肩固めだあ!
「如何考えたってですね、小渕さんは、勝つつもりです」
 いや、勝つつもりだから戦うんでしょ? 其れ以外に何があるんですか。全くゲルとたたえられた彼は何処に行った? さあ、そんな政治合気道の小渕節が炸裂……おおっと、池田選手の左ドリルアームで無理矢理穴を掘ってから肩固めを解除しに行った!
「流石ですね、でも地面に穴を掘るのは……危険ですよ!」
 此れは小渕選手の……地球投げが炸裂。ドリルアームを使わせたのは此の伏線だったというのか。何て豪快な技で池田選手を埋めた地球ごと太陽に叩き付けようと思ったか--太陽の前ではクウラ同様に逃れられない池田選手が--
「勝負あり!
 コオオオオオ、勝者……池田勇人!」
 えええええ、何と小渕選手の胴体に巨大な風穴が開けられているではありませんか--其の先に……地球ごと投げられた筈の池田選手が左膝を付きながら右手のドリルアームを展開しているウウウ!
「紙一重……だ、坊主!」
「ガッフぅ……上手く行き、ませんね」
 小渕選手は俯せに倒れたあ。何という決着ダアア。一体如何成っているのか!
「きっと投げられた際に何かの拍子で、ですね。其の、あれでありますよ」
 いや、だからまともに解説をして下さい!
「一体如何成っているか、此れは!」
 役に立たない解説二人に変わって佐藤選手に解説をお任せしますね。
「決まっているだろ、池田ビジョンでわざと穴を掘るフリをして小渕を誘ったんだよ!」
 成程、分身に釣られた小渕選手は投げたまま隙を見せた訳ですかあ。流石ですね、どっかの具体案も出さない魔人ブウとは大違いですね!
 さあ、次回から愈々二回戦最終試合が始まります。さあ、今度は果たして如何ゆう激闘が繰り広げられるのでしょうか!
 勝者池田勇人。試合時間二分一秒。決まり手……ドリルハリケーン!


 第弐拾参話に登場した政治屋は小渕恵三、池田勇人、石破茂、斎藤健、伊吹文明、橋本龍太郎、竹下登、田中角栄、佐藤栄作、岸信介、宮澤喜一。
 第弐拾勇話『祖父の七光りを脱する事が出来るのか! 麻生太郎VS吉田茂』に続く……

 斎藤健はるろ剣の斎藤一。酔っぱらっているので思った程の出来じゃないくて申し訳ない。次からは気を付ける。

 では赤魔法の章05の一ページ目の解説をチャチャッとやりますか。今回は最新の全生命体の敵が登場するわ登場するわ。そしてデュアン達が相変わらず良い所なし。まあ二ページ目から本格的に活躍するけどな。因みに炎上ヒーラーの方が先でファイアーリングツバターは後で考案した。何方も元ネタがあのパチンカスでいっつも不祥事起こした人間をDISるような良くわからない救いたいシリーズやったりするとんでもないヨウツバーだからな。つまり……後先考えずに作ったから辻褄合わせの為に二ページ目の設定に成った訳だよ、申し訳ない。裸踊りスペシャルはあれで黄泉山東伝は何か自分の中でヒットしたので急遽出演した。ファイナルディザスターについてはアズナーの戦士ガインを、動き出す山はまあ……何処で出すか考える。兎に角、格付けの旅赤魔法の章では様々な全生命体の敵が登場するからな。但し、神才の皆さんの出番はほぼない。理由は一つで、神才は出し辛いんだよな。出し過ぎると不完全性が証明されないから余り出さないようにしてるんだよなあ。
 という訳で赤魔法の章05の一ページ目の解説を終える。

 全く支那がウイグル人を臓器売買工場の部品扱いしている時点で更に同じ人間だと思わなくなる自分が居た。あいつらは絶対に人間の皮を被ったエイリアンじゃないか? でないとあんなひどい事を平気で出来る筈がない。実質あいつらのせいで夏目雅子は死んだようなもんだぞ、え……夏目雅子だって? 検索してみればわかる……如何に奴等が人間の皮を被ったエイリアンであるかが良くわかるぞ。ウイグルの地で行っているのは核実験だ。其れを浴びて夏目雅子は死んだ。でないとロケ地に何度も(二年間ではあるが)足を運んだだけで白血病を患うなんて有り得んだろ? 其れはウイグルで奴等の核実験が行われている裏付けの一つとして考えられるからな。然も核実験の事を報道しない日本の反日報道機関の連中も最早人だと思わないように……血の一滴でも通っていたらヅラ前知事だって無理して公務を強いられる事もなかったと誰もが思う事だからな。あったらヅラ前知事は辞任して副知事が代わりに公務をこなしていないとおかしいだろ? んで何でウイグルに於ける非人道的な事を語ったかと言えば……其れは虎ノ門ニュースの未来の放送予定だった奴が何故か削除された事件だよ。支那の奴等が如何に非人道的な連中なのかをウイグルの方が虎ノ門ニュースに出て語ってくれたそうだ。此れが効いたのか、奴等は未来の放送予定なのに削除しやがったからな……全くやっている事は悪の帝国じゃないか。マジで支那には善意なんて一つもないんじゃないの?
 という訳で今回は此処迄。其れにしてもウイグルの人達を臓器の部品扱いするなんて……反吐どころじゃないな、此の胸糞悪さは!

格付けの旅 第六天魔王波旬……降臨! サダス再び

 ファイアーリングツバター……其れは『炎上ヒーラー』の前世の姿らしい。元々はあるヨウツバーに憧れて本人に成り切ったという本末転倒且つ模倣の果て。其の模倣の果ては何時しか殺人事件を起こし、社会問題の果てに怪物として世界を荒らし始める。そんな中で偶々通り掛かった『プグーグ』とかいう蛙外の蛙は「リングで勝負しろ」と理解に苦しむ挑戦状を叩き付けた。本人に成り切った此の怪物は其れに応じて宇宙空間内にあるリングで死闘を開始。其の死闘は何と最長の百五十二年十一カ月二十六日二十一時間四十三分三十八秒という凄まじい死合時間。勝ったのは『プグーグ』で此れを機に奴は死んだ……筈だった。
 炎上ヒーラー……ところがファイアーリングツバターはプロレス演出と呼ばれる降魔術を以って何と此奴を召喚。死して尚も炎上レスラーの模倣は死なず。然もコインの表裏の如く倒されても今度はファイアーリングツバターを召喚させる為にある意味では『日光首有り騎士』と『月光首狩る武者』の如く死んでも復活する様な存在。何、スタイルは同じだって? 全く違う。ファイアーリングツバターは曲がりなりにもある炎上系パチンカスヨウツバーを模倣しているのに対して此奴の場合は動画にバッドボタン一つでも押した奴は不意打ちしてでも神殺しのチェーンソーで襲い掛かるという正真正銘極悪な怪物。なので模倣先へのリスペクトも糞もない。其処を気を付けて欲しい。
(と解説してゆく内に……此処はリングの上?)
 オイ、二本足……何で俺達はプロレスのマットの上に居るんだよ--アルッパーの生存を確認!
「ああ、お前さん……俺よりも二億光年離れた場所に連れて行かれたみたいだな」
「五月蠅いぞ、てめえ!」
 五月蠅いのはお前だ……直接俺に声を届けるな--其の意味する所は即ち、アルッパーが声を通す度に周囲に甚大な被害を齎す事を伝えていたそうな。
(幾ら音を逃がす宇宙空間とはいえ、アルッパーの声迄は逃がせないだろうが。あいつが大声発する度に周辺の星々は崩壊してゆくのが想像出来るな。全く迷惑な鯨め!)
 如何もお、炎上ヒーラーだよおん--其処へマイクを右手に登場するのがウェディングドレスを着たおっさん……じゃなく炎上ヒーラーである!
「出たな、良くも不意を打ってくれたな!」
「不意打ちされるのが悪いんだよ、バアカ!」
「何だと、パチンカスの分際で。おい、お前は--」
 君の相手はワタシだよ、アルッパー君--アルッパーは背中を気取れなかった……乗っかるのがお盆を右手に成りを隠す指定裸リストの裸踊りスペシャルだと!
「何のエキシビジョンマッチだ、斎藤光の物真似野郎?」
「決まっているだろうが、裸レスリングを知らんのかあ?」
「裸レスリング……クソッ!」デュアンは気取れなかった……「居たのかよ、裸レスリングと言ったらそっくりさんの中でもかなりの凄腕であるてめえが居なきゃ始まらないだろうが」注連縄で重要な部分以外を締める筋肉隆々の天の輪っかをした怪人が一体。「なあ、『エンジェルフェアリー』さんよお」
 フン、歪みないね……君--此方も炎上ヒーラー同様に本人に成り切って変貌した全生命体の敵である!
 エンジェルフェアリー……其れはとあるパンツレスリングのカリスマ的存在だった男を崇拝していたあるゲイが其の彼が交通事故という悲惨な最期を遂げたのを認めずに自ら其の男に成り切る内に何時しか怪物に変貌してしまった全生命体の敵。元々がやはりゲイなのか常に男性の下着を脱がす事のみを生き甲斐とする指定裸リスト。尚且つ、銃弾を浴びても車で轢いても怪物と化した其の頑強な肉体の前では何物も通じない。挙句の果てに発砲した相手は女の場合は無視して男の場合はやはり組み業の後にパンツを脱がしに行くという返り討ちを仕掛ける。故に男からしたら厄介な全生命体の敵。
「生憎だが、俺はターバン以外は着用していないぜ」
「仕方ないね、じゃあ心臓で我慢してやる」
 こうしてデュアンとエンジェルフェアリーの戦いが始まる。

 一方のアルッパーは圧倒的な力の差があるにも拘らず苦戦する。攻撃を繰り出す度にファイナルディザスターの援護攻撃が炸裂。一切の攻撃が届かないとは此の事を指すのか!
「卑怯だぞ、二対一なんて!」
「彼はワタシの裸踊りの理解者なのだ。其の上で味方をするのだ!」
「五月蠅い、俺の放射能熱線拡散で……グぎゃああ!」
 アルッパー君、君も裸踊りに昂じなさい--裸踊りスペシャルは今、絶賛裸踊り中!
「ふざけるなよ、裸踊りスペシャル。貴様の様な二本足にはわからないだろうが、俺のホエールスピリッツはファイナルディザスターさえも凌駕するんだ」アルッパーは全身を白く光らせる。「喰らえ、ホワイトホエール!」
 当然、カウンターとして援護攻撃が召雷……だが、跳ね返されて其れが発射光を直撃--其の空間に亀裂が走り、黒く更に茶色なのか赤いのかわからない色をした何かの塊が飛び出して空間にこびり付いた!
「やりますね。それでこそ君も裸リスト--」
 死ね、ホワイトホエールだ--アルッパー……裸踊りスペシャルを撃破!
「ハアハアハア……全く厄介な相手だぞ」
「次は俺だああ!」倒した直後に背後から真っ二つにされたアルッパー。「如何もオオお、炎上ヒーラーでええっす!」
「ギョエアアアア、てめえはパチンコだけやっていれば良いんだああ!」
「流石はアルッパーだよ。此の俺様のチェーンソー攻撃で真っ二つにされて生きていたのはお前で五回目だあ!」前の四回は一体? 「喰らえ、バスターヒカキン!」
 五月蠅い、内閣総辞職ビームだあ--真っ二つの状態からアルッパーは放射能熱線を繰り出す!
 さあ、アルッパーの戦いはヒートアップを見せる!

 では視点をデュアンに戻してゆこう。エンジェルフェアリーの繰り出すYOUGOTMEMADNOW組み業の数々は通常の魔法使いに詠唱させる時間を与えない。無論、零詠唱のデュアンは魔法を繰り出せるが、固有魔法を繰り出す余裕がない。其れ等が極まる前にデュアンは転移魔法で回避を続ける。だが、だらしねえ(何と言ったかを表す英語を探すのを諦めた)先読みに依って詠唱する余裕さえ与えないエンジェルフェアリー兄貴。そして仕方なくデュアンは受けに回らざる負えない!
「此れぞ『妖精のトライアングル』と呼ばれる三竦みの組み業だ。歪みねえな、此れが!」
「--ファイアーブリット……ならば基本魔法でじわじわと倒す!」
 固有魔法だけが能ではない。デュアンの強みは圧倒的な基本魔力。其れだけで十分に相手を制圧する事が出来るのである。
(武術をしている場合じゃないんだ。ったく何でこんな面倒臭い奴と相手をしなくちゃいけないんだよ!)
 妖精のトライアングル……其れは歪みねえ、だらしねえ、仕方ないの三つを組み合わせたエンジェルフェアリーの強さの原点。歪みねえという凄味を武器に攻撃を徹底し、だらしねえという戒めを移動法に回して例え相手が己よりも速くともだらしなく先んじる。最後に仕方ないという諦観を受け身にして全ての攻撃を躱す事を諦めて安心安全に受け止める。たった三つだけだ。たった三つなのに全く隙がないように感じさせる。其れがエンジェルフェアリーの持つ最大にして最強の武器である。
(だから困るんだよ。組み業がどれも歪みなく極めて来るから半端な奴なら一瞬にしてバラバラにされる。だが、其れを躱そうとすればだらしなく先回りして来やがる。勿論、攻撃に於いても此奴が厄介で俺が魔法を放つ前に安全圏に移動して仕方なく受けてダメージを壊しやがるからな。正にレスラーの極致を体現したトライアングルだぞ。俺が奴を倒すには……三つの内で最も理想的な歪みねえ組み業を敢えて避けずに受ける以外にない!)
 そしてデュアンは回避を諦め、だらしなく極められる。だが、歪みないデュアンは何と心音詠唱と呼ばれる方法で全身を赤らめながらファイアーボール百連発でエンジェルフェアリーを焼き尽くしてゆく!
「--おまけだ……アイスディスク百連発だ!」デュアンは一切手を抜かない。「--そして強力なグラビティガンだ!」
 フ……『歪みねえな』--ところが本来の意味である『今、お前は俺を怒らせた!』と言って一点集中型グラビティガンに耐えたエンジェルフェアリー!
 其の姿……まるで天使。文字通り天使の妖精と成ってデュアンに襲い掛かる!
(オイオイ、第二形態なんて聞いてないぞ!)
 そして、通常の魔法使いならば終わらない刹那の速さでデュアンの間合いを詰める--思わずデュアンはファイアーボールに依る攻撃防御回避の三拍子でエンジェルフェアリーの右ストレートを躱す!
(何て速さだ。零詠唱使いでなければ今の攻撃で流れを掴まされていたぜ。だが、俺は下級魔法に依る走攻守を可能とするからな。そして先の先も既に通った後だ!)
 同じ属性は何度も使用しない。火、風、水や水、氷、地や地、風、風という具合に更に下級と中級の組み合わせで緩急を付けてエンジェルフェアリーを翻弄する。エンジェルフェアリーも翻弄するデュアンに苛立ちを見せる--其れが余計にデュアンのヒットアンドアウェイを依り先鋭化させる!
「ちょこまかと利かない攻撃で俺を虚仮にするな」依り赤く燃え上がる肉体は依り一撃一撃を重たく圧し掛かる。「ぶっ殺す!」
 速度はやはり上がる。しかし、デュアンは闘牛士の如く魔法で捌いてゆく。其の間、実に……一年!
(倒れないな。此れがレスリングする奴の馬鹿みたいな体力なのか?)
「ふううううううぅううう」そしてエンジェルフェアリーの肉体は突然、冷ましたように青く変色。「やっぱりデュアン・マイッダー……歪みねえな!」
 デュアンは其処でエンジェルフェアリーが第三形態と化して『暴武』を駆使しようとする事を察知!
(第一形態の冷静無比な攻撃と第二形態の暴走状態に依る無軌道の組み合わせか……だったら其の起こりを思い出して切り替えに備えるしかない!)
 暴武……其れは弱者を蹴散らす本能の侭に破壊し尽くす暴虐の力と強者を如何にして効率良く且つ短期間に制圧するかを突き詰める武力を組み合わせた暴力と武力の融合。要するに動の権化である暴力と静の権化である武力を組み合わせて冷静且つ強力な戦法を確立した状態の事を指す。一読すると弱点らしい弱点がないように思われる。だが、どんな物でも必ず良い所もあれば悪い所もある。此の暴武……使い熟せないと肉体への過剰な負荷を招き、更には怒りで動きたいのか考えて動きたいかはっきりしない矛盾性が内包して使用者の精神を崩壊させてゆく。静動合一とはハイリスクノーリターンな真理よ。
 そしてエンジェルフェアリーは第二形態の無軌道且つ強烈な力の連撃を仕掛ける。デュアンは……「--ならば……ファイアーウインドカッター!」炎と風の魔法で回避する地点へと移動を--ところがエンジェルフェアリーは既に第一形態のだらしねえ先読みをしてデュアンが避難したい位置へと移動をして歪みねえ組み業でチョークスリーパーを仕掛けた!
「--何……チイ!」デュアンは咄嗟にテレポートで十億光年迄避難。「--行くぞ、エクス--」
「歪みねえな、デュアン!」突如やって来たエンジェルフェアリーの右回し蹴りに思わず中断して左腕でガードするしかないデュアン。「上級魔法の使用を許可しない!」
(野郎、切り替えが早過ぎる。十億光年が気休め程度でしかない事はわかっていたのに……此処迄に第二形態に切り替えて普通の回し蹴り……腕が痛いぜ!)
 切り替えの早さに加えて意思統一が為された連携の数々はデュアンを防戦一方にさせる。特に第二形態の速度はデュアンに上級魔法以上の詠唱を許さない。幾ら零詠唱でも発射時は必ず隙が大きい。強力な魔法に成れば成程、やはり武の世界と同じく隙が大きく成りがちである。だが--
「止めだ、うおあああ!」
 エンジェルフェアリーの腕拉ぎでとうとうデュアンの右腕が破壊された瞬間--エンジェルフェアリーは自らが誘い出された事に気付いた!
「……馬鹿な!」其れは単純にして御都合成るデュアンの作戦勝ち。「何時の間に……デュアンロールは消滅した筈ではないのか!」
「あれが消滅? あれは俺の魔術回路にて3Dプリンタの如く復元が可能なんだよ」反撃に出られないのならわざと受けて罠に嵌めるしかない。「今のは大変だった……腕が痛くて痛くて何時に成ったら腕拉ぎに移るかって思ってたんだよ」
「腕を破壊するのは一瞬だ……其の一瞬でデュアンロールを復元し、そして!」
「--そうだ……ボーリングオブコスモスで事象の地平線の先へと旅して来い!」
 し、仕方ないね--エンジェルフェアリーは敗北を認め、百億光年掛けて事象の地平線の先へと追いやられてゆく!
(全く面倒な相手だったな。此れで後は……何だ此の感じは!)
 デュアンは振り返ると……其処で折れた右腕から植物が生えるのを見た!
「ヒ、ヒイイイ……お前を、お前をわしは、わしはあ!」
「さ、サダスか!」
「し、しっかり息の、根、根をと、止めてやる、からなああ!」
 こんな時にお前が出て来る理由は何だあ--デュアンは火系付加魔法の応用であるファイアーアームズで全身を燃やして植物の種迄焼き尽くす!
「ファ、ファイナルディ、ディザスタアを……ヒイイ、ヒイイ!」
「--俺を狙う理由が理解出来ないだろうが……エレメンタルシュート・スピン!」
 中級魔法の九連射にてサダスが如何して己を狙うかを確かめるデュアン!

 一方のアルッパーは炎上ヒーラーとの約六十七年八ヶ月二十六日十五時間四十三分に及ぶマイクパフォーマンスの末に漸く戦いが始まる--内閣総辞職ビームやバスターヒカキンは戦いではないのか!
「喰らえ、モンスターXを狙撃したファイナルブレスだあああ!」
「黙れ、固有結界『〇〇を救いたい!』だああ!」
 だが、戦いは僅かこんな零が十一桁と三秒で決着--勝ったのは……アルッパー!
「ギャアアアアアアア、俺が、俺が、俺があああ!」
 炎上ヒーラーは粉々に焼き尽くされてゆく--再びファイアーリングツバターに戻る形で!
「ハアハアハアハア……マイクパフォーマンスに時間を掛け過ぎた!」
 だが、突如としてアルッパーは別の世界に映される--そう、『他化自在天』に!
 --来たか、余の空間にようこそ!
「貴様は……何処に居る!」
 --図体が大き過ぎて余が目の前にいる事も気付かんか?
「……其処かああ!」
 アルッパーと第六天魔王波旬の戦いは今……始まる!


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一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(終)

(あの時だったな。奇跡なのか、俺の左腕に依って繰り出す手刀が致命の一撃と正面からぶつかって割きやがった。流石に腕の届く距離から少し離れた所迄しか割けなかった。世の中そんなに上手く行かない証拠だろうな。あの奇跡は起こるとあの心臓型は痛みで反応を示すにしては余りにも動きが大袈裟過ぎるような躍動感があったな。恐怖であのような意味を理解しかねる行動をするのは俺も昔やっていたから同情してしまうがな。まあ、銀河連合に同情するとすれば此れ位だろう。
 ああ、其れとあいつ……あいつが全く動けない俺を運んで行ったな。運ぶなら今しかない。そんな訳で俺は延命した。だが、心臓型との戦いで受けた傷はもう俺に満足に動かす事さえも許さなかった。いや、其れだけではなかった。もっと深刻なのは此れからだ!)

 六月六十一日午前八時二分十一秒。
 中央病院二階専用医務室。其処は相武と翔和が共に寝かされる病室。
 其処で齢五十九にして八の月と十三日目に成るテネス鬼族の老年が齢二十にして一の月と一日目に成る仁徳鬼族の女性である鈴村きね代に連れ添われる形でやって来た。
「あんたは……呼んだのはザルノスケか?」
「ああ、そう砂。久しい乃迂、若造也」既に限界が近いギズルダール・ダッジャールは其れでも誰かを救う為に足を運ぶ。「ゲホゲゴ……御覧乃通り砂。妥牙、最後乃大舞台位、わし牙、何斗科、せね芭、那亜」
「余り理牙無けれ芭最後乃弟子於名乗るあたし牙何斗科して見せます!」
 有難い那、不肖乃弟子乃言葉端--年老いて益々、口の鋭さに磨きがかかるギズルダールであった。
「生きていたとはな……普通は死んでいるぜ」
「フン、死似場所端戦場砂。此れ科羅わし端相武様於救う為似、執刀、する、乃邪……ゲゴゲホ!」
「やっぱりあたし牙します環、執刀端!」
 馬科鹿召エエイ、熟せない弟子端黙って雄乃花道於支えていれ芭良いん妥亜--頑なに固いギズルダールだった!
「です牙翔和様。此れ似ついて、気端正しい乃です科?」
 俺の姿を見て如何思うんだ……こんな状態に成って迄生きたいとは思わない--既に銀河連合から受けた傷と新仙者の能力を最大限に生かした翔和の肉体は最早食べ物さえも専用の道具を使用しないと通らない程に迄である!
「わし斗、同じ砂。生きたがりじゃないん妥。せめて満足乃ゆく死似方、じゃろう?」
「ああ、だから最高の執刀を求めて今回の移植手術を命じたんだ……なのに出て来たのは死んでいると思っていた爺さんかよ!」
 わし以外、適任牙居なかった、乃じゃろう--翔和は最後迄知らないが、実はギズルダールが偶々死ぬ前に最高の医療を訪問しに来た際に運ばれてゆく二名を目にして強引に申し込んだという経緯がある!
(俺がやるのは魂の移植だ。此れをやれば相武は助かる。だが、代わりに俺の肉体は最早使い物に成らなくなる。もっと極めれば俺自身の命が想念の海に旅立つ。其れ位の手術が始まる。其の為に最高の医術を持った先生を依頼したんだが……なのに現れたのはまともに執刀出来るかもわからん鬼族のジジイかよ。全く、何やってんだよ……相武の命運をジジイに委ねるとか気は正しいのかって言いたいのは俺の方だよ。だが、そう言わないのはこのジジイならやってくれると信じているからさ。何故ならこうして俺が戦い続けられたのはジジイが執刀してくれたお陰だ。全く其の恩があって言えないぜ……此のジジイは間違いなく腕は今も本物だ!)
「あんたには感謝しているからな」
「感謝する乃端寧ろわし乃方砂。こうしてわし似執刀於許可為さった若造似那」
 あんたの腕が本物なのは武内大陸にあるあの集落からずっと信じ続ける事さ--初めて出会った頃から此れは運命だった、と翔和は次のように思い始める、
夢宇宙は俺に対してとんでもない道を用意してくれるぜ。其れに乗っかるかはわからないというのにそれに応じる俺もとんでもない奴だと最後迄思う。こんな命の運びに対して俺はある仮説も浮んで来る。若しかして銀河連合が本当に目指す事って……命の運びを自ら選択したいが為か? だとするなら其れはどうしようもないな。確かに己の意思で道を切り開く事に意義はある。誰かに設定されるよりも遥かに意志があると俺は思う。でもな……其処で大事なのは本当に守れているのかって話だろう。守破離……其の導入部である守、つまり基本が疎かな状態から破と離なんてやったら其れこそ筋肉あって骨なしだろ? 骨が無ければ筋肉何て只の肉の塊でしかない。骨があるから筋肉は筋肉足り得る。銀河連合には其れがわからない。守るべき物を視ずして果たして命の運びを選択する事に意味があるのか!
 だから俺は間違いなく夢宇宙を信じる!
「覚悟が出来た那」
「何言ってんだよ、ギズルダールさんよお。俺は昔から覚悟なんかしてないぜ」
「如何ゆう事砂?」
「最初から覚悟する事を覚える機会に恵まれなかったんだよ。だから俺にはそうゆうのは似合わない。依って今回も何時も通りでお願いする」
 ……日乃常斗同じ訳科、良いだろう--ギズルダールは既に覚悟が決まっていると気付いた。
 そして始まる執刀、其の時間は何と六の時も掛ける最長手術。余りにも流れ出る血と汗。死んでもおかしくない二名の命。なのに結果は成功。手術を終えたギズルダールは休憩室にてキネ代と最後の会話を始める。
「お疲れ様です、先生」
「何牙お疲れ砂。わし端限界寸前乃、肉体於何時、模通り似動かした、妥化砂」
「出模、今回模先生乃……亜乃素晴らしい執刀術似、どんな困難似模、亜乃ような流れるよう似動く乃於、あたし端大変似感動致しました!」
 わし端、当たり前似、やった妥化、砂亜--意地を張る事を止めないギズルダールだった。
「でもあたしは今回の事は--」
「もう良い、明くる日模早い。お前さん端明くる日乃準備於し似向かえ。其れ科羅わし於迎える乃砂!」
 わかりました……出端又今度--其れが二名の会話の終わりでもあった!
 きね子が休憩室から出て行くのを見てギズルダールは独り言を呟き始める。
「フウ、あ奴模気付いておる那。砂牙、正直似成れ芭、わし端、あ奴似道於、いや、もう良い科。後端、頼んだ曾……」
 其れから目を開けたまま、想念の海に旅立つのだった……

 六月六十二日午後十時二分七秒。
 場所は天同相武と翔和が共に寝かされる病室。
 翔和は未だに眠り続ける相武が仕切り越しに居るのを確認しながらザルノスケと最後の会話を交わす。
「そろそろだ。俺の命はもう直ぐ尽きる。如何やら爺さんよりも直ぐ後みたいだぜ」
「翔和様、本当似良かった乃です科? 左腕於相武様似捧げて」
「そうしないと、あいつは間違いなく死んでいた。医者が言ってるんだ、間違いない!」
「其乃結果、翔和様端左腕於無くした痛み牙走って……長く生きられる命於、風前乃灯火似等しい状態似した乃です曾!」
「良いじゃないか、俺に病室暮らしは似合わない。死ぬなら誰かの命を救う為に死ぬ方が……良いじゃないか」と運命を認めつつも次のように矛と盾がぶつかり合うような事も告げる。「だが、俺は生き続けるんだ。此れでまだまだ戦える!」
「翔和様……何斗、いう魂妥!」涙が溢れるザルノスケ。「だ、だか、ら、俺、妥化於、此処似、此処似、来させた、乃出で、す祢!」
「ああ、そうだ。お前だけには--」
 翔和はザルノスケに対して遺言を告げた--


 六十三日午前七時零分五十四秒。
「--以上牙翔和様牙相武様似伝えたい事です」
「そうか、翔和は……左腕、イデッ!」
「直ぐ似其れ牙相武様乃手足似成る筈牙ありません」翔和と同じ位腕の立つザルノスケだからこそ言葉に力が増す物であった。「元々翔和様似合わせて成長為さった左腕於助ける為似接合した乃です。然模血液於全て抜いて更似端相武様斗合う血液於流して科羅接合した乃です。相武様乃手足似成る迄一生於懸けて貰う事似成りましょう!」
「だな、ザルノスケが言うなら間違いがない。だが……僕は此れを今直ぐにでも僕自身にしたい!」既に涙を流す相武の涙腺は依り流す涙の量を増やす。「ウウウ、で、出ないと……浮かばれん、だろうが!」
「今乃侭出端……理牙ありません。です牙、俺模御供させて戴きます。翔和様程出端ありません牙、手解き那羅芭……出来ます!」
 有難う、ウウウ……有難ううう--まだ動く右腕でザルノスケの衣服を掴みながら其の胸元で大いに声を上げて泣く相武だった!
『--そして私は天同翔和の無事だった左腕を受け継いだ。彼の肉体は既に無くとも魂は
今もこうして生き続ける。そうして私と彼の左腕の共同生活は始まった。最初は感覚だけ
が残る左腕に大いに困った。動かす事も出来ないのに動かそうとすれば筆舌と呼ぶ
かな? そんな痛みが常日頃から私を苦しめ続ける。いっそ左腕何て接合させなければ
良かったって何度も思った。口にする言葉をこうして吐くのは今回が初めてだ。だが、口
にしなかったのは私自身の戒めでもあった。此の痛みは自らの犯した罪を償う為に
あるのだって。
 さて、其れを己の物にしたのはどれ位先なのか? 実は次から語るべき物語こそが
其れである。彼に託される物語はこうして終わりを告げた。託されるとすれば彼の肉体
滅んでも魂だけは左腕と共にある。そんな左腕を私の物にするという私が覚醒する物語
が次に来る。其れから最後の物語である行方知らずだったもう一名の天同と出会う迄と
こうして執筆中の私の命が尽きる物語
へと手綱を渡してゆく訳だ。
 さて、次に紹介するのが私自身の物語。そう、左腕を私自身の物にして覚醒する物語
が次に来る。又休息の時間が訪れるという訳だ。申し訳がない--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十八年六月六十三日午前七時四分五十九秒。

 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された 完

 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新 に続く……

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(六)

 午後十時四分零秒。
 翔和は間合いに入り、心臓型に攻撃する隙さえ与えない連続斬りを最初に仕掛ける。其の要は踏み出す足を事前に取って攻撃する歩調を自分の物にする為である。
(だが、幾ら俺が先読みの斬撃で攻撃しても防御だけは巧いな。此の銀河連合は前の複数腕型と同じようにやろうと思えば白刃取りも出来るだろう……其れだけに、全然攻撃が届いていない!)
 だが、幾ら攻勢一方の翔和も防御が上手い心臓型を前に決定打を与えられない。
「あの心臓型……包丁乃ような何か於使用せず似素手だけ出翔和様乃攻撃於全て絶妙那間隔出捌いている乃科!」戦いを見守るザルノスケは更にこんな事を語る。「そして、形勢牙入れ替わる時端……今妥!」
 ザルノスケの一読すると誰にでも出来る解説は、心臓型が右足のような何かで翔和の左足を踏み始めてから現実味を帯びる。其れは先を取った筈の翔和の左足が却って更なる先を取った心臓型に依って力強く踏み付けられる--いや、此の場合は踏み潰すと捉えても良い!
 そして、一瞬の痛みが走る翔和を見逃さずに白刃取りをして叩き折った心臓型。又しても白刃取りで叩き折られ、険しい表情をする翔和!
(次に来るのは……間に合わないな。此の状態で回避行動を採ろうとしても全てが一撃必死の攻撃ばかりだ。左足を踏み潰された状態では回避が出来ない。俺は即想念の海に行く段階に入った。此奴は間違いなく強いな……だがな、銀河連合。姉ちゃんを死なせたお前のあらゆる予測を想定した攻撃軌道線にだって隙がある!
 其れは俺が左足を理無く刃を理にする事で……肉を引き千切り、骨の身でえええ。骨の身でええ、攻撃を躱すんだよおお!)
 久方振りに封を解いた新仙者の力を最大限に駆使して一撃必死の銀河連合の攻撃を回避した翔和。其の力は既に眼や傍にある脳の機能だけでなく、体全体にも波及して冷気のような青い光を放つ--此れを見たザルノスケは危機感を抱く!
「左足於骨だけ乃状態似……いや、あんな状態乃新仙者乃力端一体初めてじゃない斗言い切れる乃科!」其れだけではなく、更に独り言を口にする。「まさか……最初科羅命於落とすつもり出、戦うおつもり科亜!」
「五月蠅いぞ、痛みの余り叫び声を上げるのに集中出来ないだろうが!」翔和には聞こえていた。「だが、お前の懸念は合っている……が、俺は此の日に死ぬつもりはない!」
「此乃日似……つまり如何ゆう意味です科?」
 予め決められた日に俺の肉と魂は、果てるって意味だよおおお--其れから翔和は心臓型に向かって一切の言葉を紡ぐ事を止める!
 先端の欠けた神武包丁を右手に右足だけで心臓型に挑む翔和。だが、全ての攻撃は肝心の足が片方しか使えないと全く決まらない。幾ら新選者の力を最大限発揮しても左足が骨を剥き出しにした状態では精度は大きく落ちて、一回も届かない。届かないだけではない。一方で心臓型の攻撃は全て翔和に届く。何とか致命の一撃を全て得意の受け流しで何とかして見せる翔和。だが、蓄積した痛みは徐々に全身に浸透--口から赤い液体が出始める時にはもう肺からの出血が始まる!
(左足を踏み潰された時点で既に戦いの趨勢は決まっていた。俺は奴に斬撃を、届けられない時点で勝てなかった。勝てなかった……だから如何した? 俺はそんな結果論の為に戦うのか? 結果がわかっていれば戦いなんて挑まないのが此の世の真理? いいや、俺が戦う意味はな……其れは残りの命を全て相武の為に尽くすんだ!
 そして、姉ちゃんの仇を取る為に戦うんだ。勝つとか倒すとかそうゆう物を越えて俺はこうして勝てないと誰もが思われつつも挑まないといけないんだよおお!)
 とうとう、左腕以外が全く動かない状態に成った翔和。最早、ザルノスケ以外が見ているなら翔和はもう死ぬ寸前。心臓型の一撃は翔真を背後から襲った心臓型の鋭い触手。其れが翔和の手が届かない距離から繰り出される時--ザルノスケは信じられない光景を目の当たりにする!
「何だって……翔和様牙、翔和様牙!」


 六月六十三日午前六時二分三十一秒。
 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区中央病院二階専用医務室。
 其処にある寝台にて白の布団に肩まで包んで更には頭を固い枕に載せて仰向けに寝ていた相武は目を開ける。
「此処は?」当然、己の周りには大勢の付き者が居ると思っていた目覚め始めの相武。「あれ?」
 御目覚めです科、相武様--出迎えるのは何故かザルノスケ只一名のみ。
「あれ、何でお前だけなの? みんなは? 其れに……いや、此処に居ないという事は匠は、いや、翔和さんは、いや、翔和はもう--」
「いえ、翔和様端まだ生きておられます。です牙、二度斗相武様斗話す事牙出来ない姿似成りました」
「……僕のせいで、翔和が」相武は其の時、ある感覚に気付く。「あれ? 左手が、左手に?」
「お気付き為さりました科、相武様。そうです、其れ牙翔和様牙取った最後乃行動那乃です!」
 ウググ……意外に重たいな--上体を起こすのが難しい事を感じながらも腰を曲げてから左腕を見つめる相武。
『--無い筈の左腕の感覚から私は病み上がりの状態から体を起こした。其れから、
しっかりと左腕の感覚の正体を確かめる私。すると左胸から爪先に掛けて包帯で
巻かれていながらも確かにある私の左腕。拠点型の中にて銀河連合の腹の中に収まった
筈の私の左腕。其れが不思議な事にこうして包帯で包まれながらも存在する大きな理由
が其処にある。
 其の話は今からザルノスケの口から語られる。如何してザルノスケだけが病室内に居る
のか? 如何して私の左腕がこうしてあるのか?』

(確かに、お前に引き継がせたぞ。俺の肉体と魂はもう此の世に無い。だが、あの世に逝くのはまだ早い。何故なら俺にはまだまだあいつに謝っておきたい事がたくさんある。其れを果たす迄、俺は死ぬ訳にはいかない。決められた定めであっても俺は生き続ける義務がある。そうだ、俺は時雨様と約束したんだ。時雨様と出会う前に相武と出会ったんだ。其の前から俺達を見守り続けた秋雨の思いもあるんだ!
 だから……俺は絶対に死んではいけない理由があったんだよ!)

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(五)

『--私にとって悔しかったのは何も出来ずに彼の気体に応える事が出来ずにみんなが
介抱する中で彼だけが居なかった。此れが私にとって悔しかった。だから私は医者の声を
聞かずに寝室から抜け出して更には神武包丁を一本だけ保管庫から取り出して例の
拠点型の所迄走って行った。勿論、私の行く先を止める者は居た。翔和は私の考える事を
確実に理解していたのだろう。だが、私は其れを考えもせずに自らの権利を使って進行へ
の口実を立てた。私が行けば軍者達は必ず高揚する。其れを知っていて私は過ちを
犯してしまった。私は--』

 午後一時一分三十一秒。
 場所は拠点型入り口。
 相武は傷が治らないまま、其処で右手に包みと鞘で覆った神武包丁を持って足を踏み入れる。其処へ齢三十一にして二十八日目に成るボルティーニ虎族の中年で佐々木家とは先祖が同じなタイガンド・宮本率いる宮本班四名が声を掛ける。
「いけない、タイガンド。此処は僕がやらないといけない!」
「其の傷で入られるのですカカ、相武様アア!」
「此の傷が何だ。実戦ではもっと怪我を残すんだ」
「いエエ、怪我処ではなくなりまスス。如何か我々に任せてお下がり下さイイ!」
 断る--そう言って相武は剥き出しの迷宮へと足を踏み入れた。
「待って下さイイ、相武様アア!」意外に足が速い相武の後を追うタイガンドら五名。「我々を置いて先に行かないで下さイイ!」
 そして相武と宮本班は突入許可も採らずに目を逸らしながら入ってゆく。だが……「あああ、此れは報告あるが侭にでしょう。こんな事は絶対に会ってはいけないでありましょうか。そうに決まって--」

 午後十時二分四秒。
 場所は拠点型内部心臓型区画。
 相武は左腕を食べられながらも生き残りであるタイガンドと共に心臓型迄到達する。数多の生命の助けと翔和に見習って包丁が欠けてでも素手と素足で何とか戦い抜く。だが、其の度に宮本班の生命が一名、又一名と銀河連合に食べられる。後少しで食べられる所を相武は決死の覚悟で左腕だけ食い千切られた状態で何とか助かる。だが、タイガンドは相武の命を救う為に胸に人族の平均的な成者の雄の拳位の貫通穴が出来る。衣服等で傷口を塞いでも居るが、貫通した箇所は強く縛っても漏れ出るように血が溢れる。其れだけではない。
「ウグッ……歩くのも、まともじゃない、のか?」
 此の位イイ、ウグッゥゥ、大丈夫ウウ、ジャジャ--喋る度に何度も口から赤い液体を吐くタイガンドは最早幾許の命しかない。
「僕が、僕のせいで……僕が強いと勘を違えなければ--」
「そうしテテ、己ノノ、行いヲヲ、悔いる前ニニ、、先ずは……あれですウウ!」
 心臓型……だが、此処に来て、か、体が--左腕がないせいではない……相武は心が恐怖で硬直を始める!
「確かニニ、恐い……だがアア、我はアア、我はアア!」タイガンドは心臓型より成人体型十離れていようとも、傷が深かろうとも……「全生命体の希望として恐怖を怒りに変えるウウ!」命の炎を燃やして限界以上の力で跳躍。「思い知れエエ、使命の為に命を懸ける事の素晴らしさをおオオ!」
「タイガンドオオオオ!」
 タイガンドが後少しで鋭い爪が届く其の時--信じられない光景が相武の目に焼き付ける!
「そ、そんな……ウグッ、左腕が、又、痛い、よおおお!」激しい痛みが思い出す程の衝撃が相武に駆け巡る。「恐怖が……身に余る恐怖がああ、痛みに、変換を、変換されてゆくウウ!」
 タイガンドは遅かれ早かれ想念の海に旅立つ……だが、其れをやったのが本来動けない筈の心臓型--いや、あれは心臓型なのか?
「何で心臓型の背中を持った……前に翔和と、翔和、と戦った、あの、あの複数腕の方なんだよ!」
 複数腕の銀河連合の真の姿とは恐らく……「間に合った!」と其の前に神武包丁が複数腕の銀河連合の右胸の辺りに飛来--残念ながら複数腕を表す触手で払われて其れは真下に落下してゆく!
 左腕の痛みに意識を飛ばされそうな相武の左横に立つのは……「間に合った……済まない、俺本来の使命を忘れて!」翔和だった!
「翔和……いや、此の場合は--」
「翔和で良い、俺の半身よ!」翔和は左腕が無いのを見て謝罪の言葉を再び口にする。「済まない、あんな事を強いた上に剰え……大事な左腕をそんな目に遭わせてしまって!」
「謝罪するのは、僕、の、方だ、よ……」
 相武ウウ--駆け寄る翔和だった。
(息はする……大丈夫だ、大丈夫なんだ!)
「其乃傷出端後少し出、相武様端」齢二十七にして二十二日目に成る神武鬼族の青年にして最後のカゲヤマノ家の雄であるカゲヤマノザルノスケは心配する。「如何します、死んだら天同家端絶たれます余!」
「其の時は俺の……いや、相武はまだ死なない!」翔和には明くる日が見える。「其処で大人しく見ていろ、ザルノスケ。俺が戦いを見せてやる!」
 承知しました、翔和様--ザルノスケは後に相武の右腕として最後の時迄戦い抜く真古天神武歴戦の軍者の一名である!
「其れよりも……此の感じ、そして如何にも初めてとは思えない感覚から」漸く翔和は倒すべき銀河連合を見付けた。「お前は地同翔真の事を知っているだろう?」
 銀河連合は一切言葉を発しない。だが、意思表示として新心臓型は背中にある触手から大量の血を噴き出しながら一気に間合いを詰める--血液を噴射に使う全く新しい銀河連合だった!
 翔和は己よりも遥かに速い其れを相手に右膝蹴りを喰らわした--明後日酔いと呼ばれる症状に苦しむ生命とは思えない反応速度と対応をしてみせる!
「あれ於……神様乃如く、対処した乃科!」
「まだまだこんな物じゃないだろ、銀河連合ウウウ!」
 こうして翔和最後の戦いの幕が開けた……

(此の戦いの結末を俺は知っていた。だが、其れでも俺はやるしかなかった!)

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(四)

 六月六十日午前零時一分二秒。
 場所は天同相武の間外庭。
 翔和と相武は何時ものように秘密の訓練をしていた。そんな時だった……「フウ、やはりお前は俺の跡を継ぐには強くない!」突然、翔和がそんな一言を告げる。
「何を言うんだ? 僕は匠みたいに強く成れない--」
 其の己を後ろ向きに見る態度が……俺は気に入らないんだ--突然、翔和は相武の頬を右拳で勢い良くぶん殴った!
「な、何だよ!」
「立て、此れからお前に銀河連合とは以下に恐ろしいかを思い知らせてやる!」
「な、急に何の馬か鹿だよ。いきなり何を考え出したんだ--」
 黙れ……今から実践訓練を始める--恐らく公の中で初めて試みられる実践且つ命懸けの修行が始まる!

 午前一時零分一秒。
 其れは一の時も経たずして終わる。翔和は徹底的に相武を傷付けた。其の度に自らの心に何か痛みが走る。物理的な痛みでは相武の方が甚大。なのに翔和の方が痛みが走る。
(俺には出来ない。銀河連合を倒せても一般生命を死なせようと行動する度、意識が本能が急停止させるんだ。そして、痛め付ける度に俺は罪を重ね、呼吸が困難と成り、そして何が何だかわからなくなる。出来ないんだよ、こんなの!)
 心の痛みからか既に翔和は涙を流し続ける。堪えたつもりが実は心の痛みが予想以上に翔和に命じる。
(俺は結局、一般生命なんだよ。俺は銀河連合を倒せても一般生命を倒せない。一般生命を倒そうとすれば本能が其れを止めるんだ。其処で俺はわかるんだよ、如何して今迄ずっと先者達が痛みに耐えていた証拠か。怒りを覚えた頃から心の痛みは始まり、其れから始めて刃を取った時もずっと心の痛みは重なり続けて来たのか。何なんだよ、こんなの。俺には激しい痛みとして、痛みとして、何で、何だよ!
 俺は、俺はああ!)
 翔和は耐え切れずに気を失う相武を放っておいて塀を飛び越えて第四北地区へと走ってゆく!

 午前一時七分四秒。
 場所は第四北地区。其処にある暗い時間帯にだけ開いてある酒場。
 翔和は其処に駆け寄る……「いらっしゃいぶ」齢三十八にして四の月と二日目に成るボルティーニ豚族の老年新谷ブタ彦は器用に瓶に詰まった軟木を右前足の蹄を一回捻るだけで開けて見せる。
「酒を三瓶」
「あんたは地同家の翔和さんじゃないかぶ。相武様は如何したんだ?」
「今は酒を呑みたい。俺が居なくとも相武は……いや、相武様は誰かが付いている」
「……まあ良いぶ。溺れるのも自由だ。だが、早いぞ」
「ああ、早いな。だが、あんたには俺が早朝から何をするのかわかる筈が--」
 聞いたぜ、犬猿道に潜む謎の拠点型を叩ぶんだってな--ブタ彦は噂好きな老年だった。
「はあ、情報統制が成ってないぜ。まあ良い、酒に酔った俺は聞かなかった事にする」
「そりゃあ一般生命の心意気として如何なんだぶ?」
 其れは其れは宜しくない……が、今は忘れたい--翔和は心の痛みに激しく参った後である。
(相武の為と思ってやった最後の訓練……其処で俺は激しい痛みを思い出す。襲うのではなく、思い出すのさ。天同家が蓄え続けた罪の重さ、地同家に成っても此の痛みは継続し……其れが実践訓練の時に解放され、俺に思い出され続ける。何故俺はやったんだ、相武に!
 昨の日に夢宇宙との対話をしなければこんな事には成らなかった。明くる日を知ろうとするからこんな目に遭うんだよ。いっそ、明くる日を知らなければ心は痛みが走る事もないのに!)
 翔和も仙者である以上、夢宇宙との対話が可能。だが、同時に明くる日を断片的に知る事と成る。其れは自らの寿命が残り少ないという事実である。其れは肉体的に寿命が少ないという意味ではない。彼は自らに襲い来る命の運びを思い知った。思い知ったが為に急いでしまった!

(俺の命が尽きる三の日より前に俺と相武はあの一件以来、顔を合わせない。俺は相武を大分痛め付けてしまった。時雨様や秋雨に対して礼を失する事をしてしまったんだ。俺に彼の傍に居る資格がない。そう思って俺は仕事に逃げてしまった。いや、逃げるしかない。
 其れがやがて俺にとってとんでもない悔いを齎すとは知らずに。そうだ、其の悔いは今日起こった!)

 午後八時四十七分十二秒。
 場所は六虎府経済都市第五東北地区新犬猿道弓八ゆみは坂。
 其処に突然走行者が発見した拠点型の入り口。其れは三の日より前に起こった事件。以来、犬猿道は立ち入り禁止と成り、総勢一万もの軍者が交代を繰り返す事で張り込みが続くという厳戒態勢が敷かれる。
 其の現場指揮官を務めるのが齢二十八にして四日目に成る神武猫族の女性であるニャルタラノニャルメン。彼女と会話をするのは翔和。
「万事問題ありませんにゃ。仮に忠告を無視してにょ分隊なら分隊全員で、小隊にゃら小隊全員で、中隊にゃら中隊全体で……と命を投げ出す覚悟は当に出来ておりにゃす!」
「いや、其処迄やるなよ。只でさえ、軍者は緊張感を維持する為に何名も心労で病院送りか或は辞めて行くという過剰労働なのによお。只でさえ数が少ないのに理無きは余りするな。小出しが一番だろうが、今は」
「小出しは良くにゃい。此れだから一名だけで何とか出来る生命は良くにゃいのです!」
 はあ、全然聞かないや--ずっと此の会話の繰り返しで呆れる翔和。
 そんな二名の下に齢二十三にして三の月と八日目に成るタレス燕族の青年陽孫堅が飛んで来た!
「た、た、大変であろうか。此れは僕も大変な状態であられましょうぞ。其れは其れは何と言えば良いのかわからなかろうに--」
「わかったから要件を率直かつ端的に伝えにゃさい、情報員の陽孫堅!」
「ええ、相武様が、あの真古天神武第十代王で在らせられる天同相武様が何と何と間違いなく天同相武様が--」
「だから端的に伝えなさいよね……って相武様がにゃああ!」
 何で相武が……じゃなくて相武様が--翔和は思わず神武包丁を二本持った儘、走ってゆく!
(俺とした事が……クソウ、何で早朝に酒を呑んで動きを鈍らせたんだよおお!)
 酒のせいにする一面も持ちながらも状態が万全ではないという中で拠点型に向かってゆく翔和であった!

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(三)

 六月五十六日午前三時二分十一秒。
 場所は首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間。
 其処に謎の猫族の少女が仕組みが明かされない何かを使って此の間に入り、相武を起こした。
「ウワアア……って三度目だね」
「短い刃を直に入れて申し上げにゃす。後一の週より後に地同翔和は死にます」
 ……死っているさ--既に相武は気付いていた。
「知っていたのなら動かないのは理解しにゃせん!」
「知っていても僕は……夢宇宙が示した命の運びを如何する事も出来ないんだよ」
 そうして命を運ぶ事に委ねる事がどれだけあたし達の時代を此処迄の状況にしたのかわかっておりますにゃ--胸ぐらを掴んで少し皮膚に食い込んでても必死の思いなニャレーダー。
「痛い、よ」
「ご、御免にゃさい」ニャレーダーは掴んだ手を放す。「二足歩行の技術を編み出しても爪を丸める技術だけは捨て切れにゃい」
「先ず、僕には進化の変遷とやらを知らない。知ろうとすれば壮大な系図を辿らないといけないし、抑々の大元を僕は知らない。そんな遥か遠い話を今の時代の僕に語っても助からない物は助からない。其の何て言うか--」
「其れでもあたしは、ニャレーダーは相武猫族の雌として貴方様に助けを求めるにゃ!」
 僕の名前が……だから僕に--其れで一つの納得に行き着く相武!
「其れでも、其れでも救う術は見付からないと思いますにゃ?」
「ああそうだ。そうして生命の歩みは形作られるんだって僕は思う。其の時代に生まれた生命は其の時代にある術を駆使して次の時代の術を作り始める。そうして僕達は歩み続ける物だ……君が拙速するのも理解する。僕だってもっと覚えが良くてやる気があれば翔和を救うかも知れない。けれども生まれ持った物は目を背けられないし、一生背負う物だ。僕は……此の時代の術で明くる日を救って見せる!」
「相武……やはり命の運びは変わらないのですにゃ」
 御免、君の期待に応えられなくて--相武が謝罪するのは過ぎ去る事ではなく、今に対してである。
「わかりましたにゃ。ではもう二度と相武様の前に姿を現しにゃせん」
「わかった……と言いたい所だが、一つ聞きたい事がある」
「にゃんでしょう?」
「君以外にも過ぎ去る時代へと誘われた生命はどれだけ居る?」
 何故相武が其れを尋ねるのか。実は相武は其処でニャレーダーから信じられない事を知る。
『--信じられない事実とは次の次に語る話で紹介する。其れよりも重要なのが
ニャレーダー以外にどれだけの生命が僕の時代を始めとした時代に誘われに来たのか?
其の時代のある部署だっただろうな、其処の総司令を務める同姓同名の天同生子は
其の時代を救う為に約百名を選出して時間旅行をさせた。理由は簡単で救う術に成る
示唆を発見する事にある。そうゆう意味でニャレーダーは私から明確な答えを得るに
至らなかった。けれども彼女は救う為の示唆を得た。其れをどう活かすかに依って彼女
の時間旅行は有意義な物と成る。反対側も又然り。
 後はニャレーダーとやらは二度と表舞台に姿を現さなくなった。其れは宣言通りでも
ある。其れは寂しいし、同時に安堵でもある。何の安堵なのか? 其れは此の時代に影響
を及ぼして若しも其れが明くる日の彼女が生まれないという事態に陥れば私は混濁した
中で謝罪しなければならなく成る。そんなのは絶対に避けたい。そう思い、彼女にそう
答えたのかも知れない。
 いけないな、記憶が曖昧に成って来た。老いは記憶の整理を齎してゆく。落ち着きある
事も体力で何とか出来る事も老いは制限をするかのように捨てて行く。そう成ると老者達
は自然に若い世代に余計な期待をしてしまう訳だ。全く、老者達に文の句を口にしていた
私が今では文の句を言われる立場に陥るとはな。此れだから年を摂るのは辛いのだ。
 とまあ、満足し切れない事は置いて於いてそろそろあの日が迫り始めたな。
ニャレーダーと最後に会って告げられた時限。文字通り其れは確実な話である。避けては
通れない命の運びさ。悔いは、残ったさ。意地を張るつもりはない。だが、其の悔いとは
助けられなかった事ではない。そうだな、三の日より前に--』

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(二)

 六月四十九日午前一時二十七分四十三秒。
 場所は西物部大陸ユークリッド地方エウク県第五西地区。
 其処は幽霊地区と呼ばれる場所。近年のエウク県は既にかつての栄光は無かった。鳩山家も配達本部も既に首都に移され、更には派遣本部も最早見るも無残な状態。エウク県は急激な速度で幽霊地区化が進行。後数十の年もすればエウク県は完全な幽霊歳に成る明日も近いと言われる。
 そんな場所に十八名の軍者が骨と成って転がる……齢二十三にして三十日目に成ったばかりのエウク馬族の青年真島ポニー仁は表情を蒼くして更には震わせる--目の前で掠り傷一つ付かない複数腕の銀河連合!
「い、いけなあああい、いけ、いけけ、こ、こことわりりりり!」ポニー仁は既に戦意を悉く砕かれて言葉すら出ない上に下がる事さえも忘れる程、憔悴し切っていた。「こ、こ、これ、から、か、かか?」
 複数腕の銀河連合は其れを機会だと感じて笑みを零す。剥き出しの素顔から浮かび出る笑みは一般生命に見られる微笑ましい笑みでも幸せ溢れる笑みでもない。何と言うか、命を取る事を至上の喜びとする余りにも考えられない笑みである。然も強者との戦いに至上の喜びとする生命は確かに存在しても強者との戦いを至上の喜びとする銀河連合は一体たりとも存在しないという絶対的な法則を裏付けるかのように此の状況を嬉しいと感じる複数腕の銀河連合。一方的に食い散らす事が出来る……其の為に此の状況迄縺れ込ませた。いや、既に喰われた後の十八体と此の銀河連合とでは力の差が極端に離れていた。なので頭脳を駆使する迄もなく身体能力だけで此処迄事を運ばせたという表現が正解。なので縺れ込む程、苦戦もせずに複数腕の銀河連合はたった一名を残すのみと成った。
 ポニー仁は既に動く事さえも忘れた状態にある。自力では何も出来ない生命が求める事と言えば……「助けてくれえええい!」と如何しようもない状況に成って初めて救世主を求めるのだった--此の意味は自分の命が助かる為じゃない……自分の力では如何する事も出来ない時にこそ叫ばれる懇願の叫びであった!
 そんな声に反応する生命は何処にも居ない……銀河連合はそう思って一歩ずつ歩を進めて行く。だが……「聞こえたぜ、其処の馬族の奴!」翔和は駆け付けた!
 翔和は真正面から例の複数腕の銀河連合に対して抜いた神武包丁で仕掛ける。其れに対して複数腕の銀河連合は何と一太刀見ただけで六手白刃取りにて掴み取るとそのまま折って見せた!
「何、ウオッ!」直後に繰り出される右上腕に依る直線突きを屈みながら咄嗟に下がる事で回避する翔和。「俺の一太刀を一回見ただけで白刃取りするなんて……今迄の銀河連合とは何か異なるぞ!」
「ハアハア、匠いい……いや、翔和!」ポニー仁が居る前では呼び方を公にする息切れ気味の相武。「ハアハア、如何したんだよ……お前らしくないじゃないか!」
「た、た、助かりましたあああん!」身長成人体型一の相武に凭れる漏れのポニー仁。「恥とかもう、そんなんじゃなくてええん!」
「お、重たいよ。其れに何か匂うけど……十分其の恐怖は良くわかったよ」相武は冷静に分析するだけの体力は残る。「あの翔和自慢の斬撃が防がれる事からも……あれは僕だって同じ立場だったら貴方と同じようにしてましたよ」
「一昔前の俺だったらもっと汚らしいぜ」と自らの経験を少し口にしながら包丁を鞘に戻して相武に放り投げた翔和。「欠けているが、持っていろ!」
「わわ……何で僕に?」
「やるんだよ、例え徒手空拳でもな!」
 茶無き事だ、止めるんだ--相武がそう口にするのも理無きではない!
「だが、実際に素手で確かめないと」其れでも挑むしかない翔和が居た。「そいつがどれ程の強さかわからない!」
 翔和は叶わないとわかりつつも間合いに入るのではない!
(倒す為には直接、肌で感じるしかない……行くぞ、謎の銀河連合!)
 そして、複数腕の銀河連合の繰り出す連続打撃を躱さずに受け止める--両掌で回しながら!
「凄い、全然見えないのに全部受け止めている!」
 ふええ……思ったよりも受け流すのは上手だな、俺も--決死の覚悟で見切る翔和!
 だが、複数腕の銀河連合は笑いを籠める。其の意味する所は即ち、速度を上げてあらゆる方向から翔和を叩き潰す為の連続打撃の始まりだった!
「あの攻撃だあああい。あの攻撃を避け切れずにみんな死んでしまああああったんだああん!」
「ああ、体が支離滅裂に成りそうな速さと鈍い音が耳に響く……でも!」相武は目を逸らす程の勢いでありながらも翔和の為に見届ける。「翔和はまだ、余裕だ!」
 確かに速い……だが、こんな攻撃で俺がやられるかあ--左肘で右上腕を下方に流すと瞬時に右手刀で複数腕の銀河連合の喉を貫き、倒して見せた翔和!
 然もただ貫くだけでなく、瞬時に抜いて成人体型五迄下がる事で観戦の確率を最小限にしてみせる。
(其れでも後で薬草浄化しないといけないがな。にしてもギリギリだった。かなりの強さはあるぞ、此の複数腕の銀河連合は!)
 其れから駆け付けた援軍が来る頃には既に複数腕の銀河連合は事切れた後。彼等に依って亡くなった軍者達は適切に埋葬され、ポニー仁は精神治療を受ける為に運ばれてゆく。一応、翔和は駆け付けた軍医の足厚い治療を受けて万全の状態に成った。
「良かったよ、翔和!」
「信じろよ、真古天神武の医療技術……を?」
「如何したのですか、匠?」
 今はまだ呼び捨てで構わない……が--翔和は気配を感じた……底知れぬ何かが翔和を倒すつもりで睨んだ事に!
(あの複数腕の銀河連合よりも恐ろしいのが一体睨んでいた……然もあれは間違いなく姉ちゃんが死んだ時に感じた其れに似ている!
 まさか……面白いじゃないか、やっと会える日が待ち遠しいなあ!)

『--其の時の翔和は如何にも怒りと楽しみが混じり合うような笑みを零していた。
間違いない、感じていたんだ。翔和の姉である翔真しょうまを死なせたあの恐るべき銀河連合を。
私には一切感じる事が出来なかったモノは翔和には感じる。翔和が其れ程に高みに上り
詰める生命である証拠なのかも知れない。其れは同時に翔和の覚悟もあった。自ら
封していた新仙者の力を解き放つ日でもあり、自らの命を燃やし尽くす時でもあった。
 私にとってあの時に感じていなければ翔和は死なずに済み、ひょっとしたら何処かの
政党に立候補して最高官の道を歩んでいたのかも知れない。なのに翔和は政の道よりも
戦いの道を選んでしまった。「如何してなのだ、地同翔和!」そう叫んでやりたい程に
悔しい。今でもな--』

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(一)

 六月四十八日午後十一時七分四十三秒。
 場所は中央官邸三階最高官第二執務室。普段は客室を招く為に用意された執務室。第一と比べて部屋は広い設計。
 其の場所で翔和は最高官の仕事の一部を引き受ける。彼は実質的な副最高官としての一面も併せ持つ。
(かと言って俺は政に余り参加しない。あくまで王である相武の補佐役に過ぎない。けれども、そんな補佐役は暇さえあれば多忙な最高官の仕事の一つを熟す。其れにしたって俺に寄越す案件は実に下らないな)
 彼が下らないと称する案件とはピアス県に於ける本家ピアス饅頭とピアス県以外で売られるピアス饅頭を巡る商標権の問題、コルギ市の産地特産品であるコルギ仙人掌の商標権問題、武内大陸に現在も続く封鎖社会の今後……と言った物である。
(ピアス饅頭は二百の年より前にピオール社の社長が鞍替えすると共に産地特産品だったのが外で売り出す形と成ったからな。だが、長い年月と共に産地で使われる物と産地から離れた所で使われる物の違いで味の異なりが明確化して今じゃあ地元や実際に足を運んで食べて来た生命にとってはピアス饅頭とはピアス県で売られる物しか思わない形と成った。其れが原因で俺の所に寄越される案件に繋がった。全く名称如きに拘る理由が良くわからん。
 コルギ仙人掌の場合はピアス饅頭が外に売り出す時期に誕生した謎の発祥地で話題の仙人掌だな。だが、此奴の場合は少し特殊なんて話じゃあ済まない。如何やったらこんな品種に繋がるのかわからない程の種で今でも論争の火種と成る。問題の商標権についてはやはり二百の年を掛けると味の変質を起こして昔のような味とは異なると齢五十を超える駱駝族の生命が訴えたそうだ。全くたったの五十の年程の爺さんが二百の年より前のコルギ仙人掌がどんな味なのかを知ってるのかっつーの!
 其れと武内大陸を如何かしたい今の政権は俺に此奴等への協力を促しているみたいだな。だが、俺達が出た所で何の意味もないだろう。だから此奴は適当な地元担当者に任せて於けば良い。現地の奴等は又俺達の事で文の句を垂れるだろうが俺だって垂れたいんだよな。そうして--)
 その時、扉を五回叩く音を聞く翔和。「相武……様か」一応、公の場では呼び捨ては認められないのか、敬称を付ける翔和。其れから「別に入って問題ありません」と少し丁寧な口調で入室を許可した。
「礼を失しますね、翔和様……じゃなくて!」
「ああ、そう呼ばせていたな。まあ良い、手伝え!」
 来て早々に其れかよ、折角……もう何も言えない--約八の時も勉強漬けと王としての本格的な仕事の手解きを受けて心身共に疲れ果てる相武。
「其れにしてもコルギ仙人掌だとかピアス饅頭の件とか……如何でも良い話ばっかりだ」
「だろ、後は武内大陸に於ける封鎖的な伝統に口出しする俺達国の対応も余り感心は--」
「んん?」相武は武内大陸の件の横に置かれたある件に目がゆく。「謎の銀河連合捜索依頼って?」
「其れも下らない案件だ。大体、そんな物に--」
 匠、ひょっとしたら探していた仇に関する情報じゃないかな--其れを右手にとってそう口にする相武。
「仇だと? だが、たかがエウク県で起こった話だろうが。幾ら異形の銀河連合が中には居ても其れと俺の仇である銀河連合が--」
「確かめもせずに断言するなって何時も言ってるじゃないか!」
 俺の台詞を返されるか、全く--翔和は自らの言葉を返す相武に利き手で髪を掻くしかない。
「如何なんだい?」
「一回だけだぞ、こうゆうのを勝手に付き合うのは!」
「そうでなければ地同翔和と言えないからな!」
 だな--翔和は微笑ましい表情を見せるのだった。

(如何せ其れは時間の浪費に過ぎない案件だって俺は思っていた。何しろ、数千件ある中の一つとしてしか数えられない。銀河連合に関する案件は俺に届くだけでも三百件以上もある。だが、どれも俺が直接足を運ぶ必要性がない事柄ばかりであるのさ。
 例えば足長の銀河連合がやって来た時だってあった。相武と共に足を運ぶと其れは既に現地の一般生命が力を合わせて倒した後だった。然も軍者でもなければ武を嗜んだ生命でもない。そんな奴等だけで倒せるような銀河連合に足を運んだのが馬か鹿な話さ。
 次に例えるなら海豚と犀の混合型。一見すると梶木鮪型のような姿を想像する銀河連合混合型。だが、異なる。海豚の俊敏性に犀の突進性を加えた品種改良で一回の突撃で船体に穴を開けて沈めて来た銀河連合だった。其れで俺は腕試しに足を運んだ事がある。其れは相武と出会う前だったさ。だが、足を運んでみると既に現地の漁師達に依って倒された後さ。然も倒した中にはイモールと共に一の年も放浪した銛使いの子孫が居たな。お陰で徒労に終わって肩の透かしを喰らったな。
 最後に例えるならやはり相武が勉強中に六虎の工業都市を襲撃した混合鬼型で右腕は蛇型を足されたような奴で其れで居て鬼型の身体能力を駆使した奴だから現地の奴等では対処出来ないとして俺が顔を出しに行ったな。だが、俺が駆け付けると通りすがりの虎型のおっさんが倒したそうだ。此れ又肩透かしを受けたな。現地の軍者共では対処出来ないと思って俺は腕試しの序に駆け付けたのに虎型のおっさんが少しやって来て呆気なく倒したのだから何の為の俺なのかわかんなく成った。だから俺は以降、現地に任せるという方針にした。別に駆け付けなくとも奴等は後日、最高官に報告して無事完了する旨を伝えているのだから間違いはない。
 だからこそ以降の俺は銀河連合に関する下らない案件にも首をツッコまないようにした。今度も足を運んだ時にはもう事件は終わっている物……そう思っていた。だが--)

一兆年の夜 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された(序)

『--地同翔和しょうわの話は愈々大詰めを迎える。勿論、私天同相武そうぶの物語は中間地点へと
差し掛かる。父時雨しぐれに託された翔の者という王名も地同翔和と共に行けば全てが上手く
行く。そう信じて成者と成った私は五の年もの間、翔和と共に様々な困難に立ち
向かった。未だ襲い掛かる銀河連合に依る数多のと呼ぶかな。という単語は余り良い
言葉ではないけど、私が成者に成り始めてからある言語学者が考案した物だ。兎に角、
足下に突如として搦め取るという意味かな? 罠という言葉は徐々にではあるけど、
私達一般生命の意識を銀河連合へと近付かせる一歩に成ると考えられる。まあ、此れ
は誰かが先に言った物だ。だから私自身が自ら考案した物ではない。如何な、余り上手く
成らないな。まあ仕方のない話ではある。
 段落を変えて次の話にでも移そう。成者に成って五の年、つまり私が青年に成る頃より
少し前の話だ。真古天神武は私の誕生祭という事で一の月より前から準備が進められる
時だったかな。彼女が私の前に尋ねて来た。ほら、前に話した秋雨あきさめ姉さん以外で明くる日
の時代よりやって来た謎の猫族の少女。其の彼女がな--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十八年六月十五日午前十一時五十三分二十八秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同躯央の間。
 其れはまるで本棚其の物である躯央を祀る為の間。其の理由は躯央が提示した残りの全都市の地下に要塞化を促すという無茶苦茶な計画を空論ではなく、実践する為の研究図書室として活用する為に。
 其処でたった一名が読書をする。齢十九にして十の月と一日目に成る少年相武。翔和は現在、ある用事の為に席を外して代わりに相武に躯央の間で昼の一の時迄読書するように伝えた模様。だが、やはり覚え込みの良くない相武は何を読んでも如何して学ぶ事に繋がるのかを掴めずにいる。そして速読法もない為に一文字一文字を追って読むが故に時間内に一冊を読破する事はほぼ可能ではない。そんな相武の前に齢二十八にして十一の月と二十九日目に成る謎の猫族の少女がやはり二足歩行で部屋に足を踏み入れる。
「にゃあ、お久し振りです」
「君は……誰だったっけ?」
「やはり物覚えはいけにゃいですね、あたしですにゃ。時間旅行者のニャレーダーでありにゃす」
「思い出した。本来なら有り得ない二足歩行を熟す猫族の……えっと少女だったよね?」
「うん、そうにゃ。あたしは明くる日の時代を救う為に此の時代へと渡ったにゃ。天同相武なら何もかもわかると考えて此処にやって来にゃ!」
「だから過ぎ去る時代の生命である僕が大分あくる日の時代より来る君達の事を詳しく知る訳がないだろう」
「其れでも危機に瀕しにゃ時代同士だからこそ学べる事があります」ニャレーダーは相武の前に或る机に凭れて豊満な胸を机に押し広げながら顔を見つめる。「天同相武ならば一体如何すれば危機を乗り越える術を持つのか、てね」
「持つ訳ないじゃないか、ニャレーダー。僕を過ぎ信じている。其れに君の時代の事は其の時代に生きる君達だけで解決してくれ!」
「其れがですにぇ、あの天同総司令ですらも最早救う手立てがないって口にしておりましにゃ」
「何処の天同家か知らないけど、そんな方の--」
 天同生子せいこと聞いてにょ、ですにゃ--ニャレーダーが告白した総司令の正式名称に思わず持っていた蘇我フク兵衛著作の『土地でわかる天同家の興り』巻の十二を床に落としてしまう相武。
 だが、もっと驚いたのは相武だけではない。扉越しに聞いていた齢二十九にして六の月と十六日目に成るある神武人族の青年も同様だった。
(そんな筈がない。天同生子が後の時代にも存在していたというのか。此れは偶然か、其れとも必然なのか? いや、其れ以前に此のニャレーダーは一体何者なんだ。如何して二足歩行が出来る? あんな猫族は世界中どこを探しても居なかった筈だ。毛からして紫色を帯びるがそんなのは別に珍しくもない。胸の大きな猫族ってのは子を産んだ雌以外だったら別段居てもおかしくないし、何時も忠実な犬族とは真っ当にぶつかる立ち位置の猫族ならば胸を鍛えて雄を惑わそうと試みるなんて有り得る話だろうし。だが、二足歩行は真っ当にぶつかる立ち位置にある犬族同様に同じ祖先を持つ猫族には絶対有り得ない話だろう。まるで人族か鬼族と融合した形でないと……いやそうゆう仮定を浮かべるのは良くないな。俺のいけない癖だ。
 全く覗き聞きとはいけないな。予定通り昼の一の時に相武を迎えないとな)

『--其の後は話が全く進展しない侭、終わったな。翔和が来る前にニャレーダーは立ち
去った。全く謎が深まるばかりだろうな。彼女を此の時代まで派遣したのがあの天同
生子だ。彼女でもあの時代の終わりを止める事が出来ないとすればもう打つ手も無いな。
なのに如何して私に頼るのかを今でも理解出来ない。そう、今でも理解に苦しむ。
 とまあ序盤を少しだけ脱線して始めた。脱線した主な理由は此れから翔和にとって因縁
の深い銀河連合が姿を現すからさ。其れはある取るに足らない事件から始まった。そう、
取るに足らん事件の筈だった。翔和は流し気味に其れを別の者に任せようと思った時
だったな。其処へ丁度、今日の勉強を無事に終えた私が執務室に現れた時だったかな?
 まあそんな感じで--』

二回目の雑文は……文学者は何故共産主義に憧れるのか? その一

 如何も自分は共産主義者に関しては虐め問題の大元だと考えて毛嫌いするdarkvernuです。
 さあ始める前に『格付けの旅』が更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<赤魔法の章>をクリック。
 そんじゃあ最近わかったけど、ピカソもヘミングウェイも実は共産主義者であるという事実に驚いたな……因みに自分が尊敬し、思想学の師と崇めるジョージ・オーウェルは社会主義者だ。共産主義を資本主義以上に毛嫌いする人物だが、民主主義への愛や其れでも世の中が劇的に変化しないという現実主義と理想主義の組み合わせから彼は死ぬ迄社会主義者だと断定する方が適切だよ。
 じゃあ段落を変えてそろそろ始めようか、題名と噛み合わないけど昔の日本の差は連中の変遷を小馬鹿にしたショートストーリーを。

 昔々ある所にたった百人だけのスウィフト村がありました。其処では一神教であるたまご教が村公式の宗教として支配しております。卵神が絶対で卵神以外の卵は認めないという一神教。そんなたまご教は一枚岩ではありません。
 段落を変えて紹介するとゆで卵派と生卵派に分かれる。ゆで卵を毎朝食べる事が卵神に適う者として信じて疑わない一派が五十人、生卵で直に食べる事が神様に御馳走すると主張する一派が五十人。そうやってスウィフト村では喧嘩が絶えない。時には殺し合い一歩寸前まで追い込まれる事もある。そんな如何でも良い教義の為にスウィフト村には一つで二つの状態が長く続いて遂には生卵一派が独立しようと試みた其の時だった。
 今度は生卵派内で独立派と非独立派で分かれる事と成る。独立こそ自由を獲得する手段だと主張する独立は二十人と独立せずとも生卵を食べる事を主張する三十人として。其れから独立派の二十人は遂にスウィフト村を出て行き、誰も居ない土地で何とジョナサン村を起ち上げる事と成る。
 だが、今度はジョナサン村……つまり生卵独立派内でも派閥争いが勃発。今度は村住み込み派十人と村襲撃派十人に分かれる。そして、村住み込み派は其れを猛反対。村襲撃派と一騎打ちに成り、最後は一人の生き残りだけを残して村独立派は全滅。村に残ったゆで卵派と生卵派主流は驚きを隠せない。
「何処で俺達は道を間違えたのか?」


 まあ実につまらん終わり方だが、仕方ない。兎に角、今回のショートストーリーの狙いは如何して内ゲバは起こるのか? 何故つまらん事で争うのかを確かめる為の実権も兼ねている。因みに元ネタはガリバー旅行記。角から割る派閥と丸い方から割る派閥という実に下らん事で争う小人族の設定をベースにしている。スウィフトはトーリー派とホイッグ派やらカトリックとプロテスタントの争いを卵をどこから割るかで揉める争いに例える事で痛烈に批判する訳だ。其れと同じように自分は学生運動をやった共産主義の連中の争いをゆで卵か生卵かの争いに例えて痛烈に批判した訳だよ。下らない争いは結果として村を出て行った少数派の醜い内ゲバに発展して惨憺たる結末を迎える訳だ。全くどいつもこいつも低次元で実に下らないと思わないか……だが、当事者達にとっては深刻に思えるのだから説得するのにも骨が折れる。いや、本当だよ。カルト宗教に嵌って破滅しようとする人間を説得するのは至難の業で短時間で戻って来られるなんて思わない事だ。心酔ってのは一度酔ったら陸に上がる何て出来ない危険な状態だからな……勿論、読んでいる方々だけじゃなく自分にも言い聞かせないといけない事柄だしな。重々気を付けて取り掛かるように。
 以上でショートストーリーの解説を終える。

 うーん、文学者が共産主義に傾倒する理由は中々見付からないな。数学と違って理論が介在しないからそう成るのか……否、マルクスは理論家だし時として数学者の一面も持つから数学者が必ずしも共産主義に陥らないとも限らない。だが、やはりわからん。村上春樹だろうが武者小路実篤だろうがあの宮沢賢治だろうがはっきり言って共産主義者だしな。実篤の爺さんの甥に極左の公秀の爺さんが居たからな。宮沢賢治に至っては文学作品を良く観察すれば何処か共産主義に近いような雰囲気もあるからな。若くして死んだから後世に酷評されるという事はないが、あの妹尾河童が宮沢賢治を扱っている部分があるので其れに轢かれている可能性だってあり得なくはない。まあどっちにしろ、自分が挙げた三人は間違いなくアカの可能性は極めて高いだろう(宮沢は不明だが、実篤の爺さんと村上春樹はガチ!)。
 という訳で二回目の雑文は此処迄。一応、SF作家も赤に傾倒しているのが多いからな。初期のウェルズは間違いなく其れだし、アシモフ何て本人も何となく認めているからな……ハインラインの場合、あれは少し違うから気を付けるように。

昔やったやらせ話をもう一度やる羽目に成るとは!

 如何もツクールに夢中のdarkvernuです。
 さ、今回は軽くやっていきましょう。

 『やらせたろう先生のそうなんだ、やらせ講座!』
 やらせ太郎--如何もフリップ通りやらせをして然も知識人みたいな発言をするやらせ太郎です……そうフリップに書いてあったんだよ。
 やらせ花子--如何もアシスタントを務めます細木数子に脅されてほいほい占い師の話をカットしそうなやらせ花子ですわ。さあ、先生……今回はどんなやらせ話でざんすか。
 やらせ太郎--フリップ君、ちゃんと台詞は書きましょう。字が下手糞だと此方も変な読み方するじゃないか……あ、此れもフリップ通りですな。
 やらせ花子--さて、本題に戻りましょう。今回のやらせ話はどんな内容に成ります。
 やらせ太郎--劇団員の皆さんを一般人枠で紹介するという内容で御座います。そうですね、総裁選の予想なんかを話し合うのです。
 やらせ花子--成程お、つまり其処でゲルショッカー候補に有利に成る様に発言を誘導する訳ですね。其れでちゃんと指定する通りの子供に発言させますか?
 やらせ太郎--そうですね。此処で注意するのがやはりやらせだと馬鹿な国民に知らせない為の手段として劇団員の子供達はみんな手を挙げます。
 やらせ花子--でもばれますわよ。如何します?
 やらせ太郎--此処で行動経済学の基本である囮行動を用います。此処で重要なのが二つ。
 やらせ花子--行動経済学? 囮行動? 良くわかりませんが、如何ゆう事ですか?
 やらせ太郎--必ず指名したい相手の両隣の間隔を均等にするように。其れと必ず二人以上が重要。後は不自然に成らないように一番前で右から二番目の子供を指名するように誘導してゆく。此れが先ず一点。
 やらせ花子--へえ、敢えて不自然に成らないように一番前か一番後ろを狙うのですかあ。じゃあ二つ目の重要な点は何ですか?
 やらせ太郎--やはり「誰にしようかな?」という素振りを見せる事ですね。馬鹿な国民にやらせだと知られないようにする為にもわざとらしいように挙手する劇団員を選ぼうと私が迷う素振りを見せる事ですね。
 やらせ花子--へえ、そうなんだあ。でも其れって行動経済学でアメリカのある大学教授アリエリーから受け取った意見でしょ?
 やらせ太郎--残念、アリエリーと作者は何の接点もないんだ。作者がアリエリーの本を読んで其れを基にやらせ話を構築したんだ。正に怠惰な作者らしい発想じゃないか!
 やらせ花子--そうなんだあ、てっきり今度もはちまん先生の意見をパクろうとしていると思っていましたあ!
 やらせ太郎--正に此れこそ自分の意見に見せ掛けたやらせ……やらせリストは今回も健在であります!


 いや、本当だよ。行動経済学は前に自分が読んだアリエリー教授の行動経済学の為に成る話を基にして如何に子供達が自然に挙手している風に見せるかを自分なりに構築した。行動経済学の全ては残念ながら英語ペラペラな状態でデューク大学(今も在籍しているかは知らんが)のアリエリーに尋ねるしかない。其の教授に教えを乞えば間違いなく自分よりも更に踏み込んだ行動経済学のテクニックが学べると思うぞ。
 兎に角、行動経済学で基本中の基本がやはり囮だろう。要はフェイクを二つ以上用意して選ばせたい相手に誘導するようにやる訳だ。例えば合コンでは三人のうちのどれかを選ぶ場合に敢えて選びたい相手以外をブスか少し劣った奴を連れてくる訳だ。ブス好きなら間違いなくブスを選ぶだろうが、大概は綺麗好きを求める。そうすると貴方は必ず綺麗な方を選ぶよう誘導される。何故か……悲しい事に貴方はベターを選びたくなる訳だ。ベストは此処に居なくともブス、綺麗、少し劣化の三つの中ならベターなのは如何考えても綺麗しか居ない。故に貴方は綺麗を選ばざる負えない。え、其れは有り得ない。中身だろう……誰も中身は問うていない。此処で重要なのがブスと少し劣った方は囮である事。綺麗な方を選ばせる為の引き立て役として存在し、其の役目を全うする訳さ。此れが行動経済学の基本にして最も恐ろしい点だからな。此れ以降は実際の行動経済学を学ぶと良いさ。
 さて、本題に戻すとして今回の時事ネタの主役は間違いなく詐欺師イケガミの化けの皮がこうして剥がれた事にあるだろう。まさかやらせの劇団員子供の仕込みがばれて更には真のリベラリズムを最近提唱するはちまん先生に依って過去にイケガミが己の意見をさも自分の意見に使い経ってしつこく求めていた事をツブヤイターがばらした事で一気に劇団員仕込みは一大やらせ事件へと発展した訳だ。はちまんめ、こうゆう所を狙って呟くとは……畏れ入った! 正にクロワーダの言う通り「イケガME TOO運動」だな……ま、知らんけど。其れにしてもあのイケガミとかいう詐欺師は正直言ってあれだと思っていたんだな。まあ何がきっかけかは知らんが、頭がパーンとかを批判したのは良かったけど……其れ以外はノーサンキュー。というか此奴は本当に評論家なのかと言いたい位に経済の話然り、政治の話然り、全然なあ……御免、思い付かん。兎に角、そんな奴がこうして化けの皮が剥がれただけでも有難い。こうゆう何ちゃって知識人を世の中から一掃されれば日本は良く成って行くと思うしな。
 不図こうして書き殴ってゆく内に思い出した事がある。其れは古畑任三郎でやってた唐沢寿明演じるクイズ王が殺人事件を起こす話を。あるクイズ王は王の座にしがみ付く為にスタッフを介して事前に何とか……忘れたけど、不特定問題を知って其れが何なのかを番組が放映する前に予習するという事を何回もやって来たそうだ。だが、スタッフの方針が途中で変わったのか事前に問題を知るという手段が封じられて焦ったクイズ王は何と違法な事をして不特定問題は何なのかを知ろうとして楽屋(だったっけ?)に入って伊集院光演じるスタッフを殺してしまった。殺した代償に不特定問題が何なのかを得る事は出来たが、楽屋(?)で読んでいた偽新聞が元で首を絞める羽目に成るそうだ……詳しくは其の回を如何ぞ。今回のイケガミの騒動は唐沢演じるクイズ王が思い出される。イケガミみたいな詐欺師がそう思われない為に行動経済学の基本中の基本である囮を使った誘導なんかを駆使。無知を知らせまいと振舞った詐欺師。だが、劇団員の子供が言ったある言葉を基に疑問に思ったネット民は調べ上げ……一体どんな方法か知らんが、劇団員である事を特定して其れからはちまん先生の呟きで更に一大問題へと発展してゆくとは。正に今のイケガミは唐沢演じるクイズ王と同じ末路を辿るかも知れないぞ。まあ其のクイズ王と違って殺人は起こしてないから牢獄にぶち込まれる事は絶対ない……が、如何するんだ? もう自分で一から調べ上げる以外に無く成ったぞ、イケガミイ(煽)! いやあ、まさか古畑のクイズ王話がこうして預言と成るなんて思いも寄らない(但しこれは自分の私見だけど)!
 さて、少し脱線するけど行動経済学に於ける囮を使った方法は推理漫画にも取り入れられる。其れが金田一少年の事件簿と名探偵コナン。剣持警部と金田一の関係、毛利のおっちゃん達やコナンら生粋の探偵との関係は正しく囮と本命の関係にある。市子ちゃん書いといて良かった。成程、こうしてみると囮の迷推理があるから金田一やコナンの推理に説得力が増すという訳か……勉強に成ったぜ!
 という訳で時事ネタの解説を終える。

 第百二十一話の解説をしよう。いやあ、タイトル回収が無理矢理過ぎる。そしていい加減タイムトラベルネタは止めい……と自分に訴える空しい自分。全く実力ないからこんな展開が生まれるんだ。ったくもう少し過去話を振り返らないと駄目だな。というかHPの方はキャラ辞典は何とか必死だけど用語辞典と銀河連合辞典はずっと更新止まったまま……再開の目途は恐らく長い休載期間に書き上げる以外にないだろうな。そして矛盾は発掘されてゆく……長い事やるとこんな感じだから一人で制作するのは余りにも空しく成って来るぜ。
 本題に戻すと要するに成長した翔和が成長が遅い相武を育てて行くというお話。二名は師弟関係を築きながら様々な悲劇を通して内面的に成長を果たしてゆく訳だ。時雨は翔和が相武を無事に育てると信じて相武の王名に翔和の名前を付ける訳だ。一方で秋雨は既に居なく、同名の秋雨が実の弟と重ねながら相武を温かく見守り、そして果ててゆく訳さ。其の死に様から色々な……御免、途中で解説を止めた。兎に角、あの秋雨が一体何なのかはまあ思い出せば色々語られるだろう。まあ語られるだろうし、すっかり忘れて語られないって事もある。そんな物だ、設定ってのは。
 という訳で第百二十一話の解説を終える。

 さあ、予定表と行きますか。

 九月十七日~二十二日   第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された         作成日間
  二十四日~二十九日   第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新              作成日間
 十月一日~六日      第百二十四話 天地相為す そして相武は赤き革新者と出会う      作成日間
   八日~十三日     第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない      作成日間

 第百二十五話は二回目の長編なので少し主人公を人族にする。どんな奴が主人公に成るかはまだ詳細は明かさんが。
 やらせってのは本当に酷いな。こうして日本版フェイクニュースは形成され、国民を馬鹿にしてゆく訳だ……腹立たしいと思わないか、イケガミにしろサンモニとかにしろ!
 では今回は此処迄。多分、二回目の雑文はやるかもな。

一兆年の夜 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる(終)

 六月四十五日午後十一時五十八分二秒。
 場所は神武聖堂天同相武の間外庭。
 齢十五に成ったばかりの相武は成者で初めて翔和から稽古を付けられる。
「イデッ……まだまだ包丁の使い方だけは馴れないな」
「当たり前だろう。誰だって最初から出来た生命じゃない。俺だってそうだし、お前だってそうだ。だがなあ、出来た生命に成ればそりゃあ天同生子に成る位のもんだ。俺もそう成りたいさ」
「そんなに大袈裟なのか、出来た生命って?」
「何、どの時代に行こうとも天同生子より強い生命を誰もが知らんからな」国家神武の建国者にして最強の仙者として今も君臨する天同生子は翔和にとって目標でもあった。「だからこそ其れを吹っ飛ばす程ならば……壁なんて些細な物に成るさ!」
「そんなの一生懸ったって理が無いな」
「当たり前だ、此れは国家戦略と同じく絵に描いた餅だよ……結局はよ」
「ならば如何して国家戦略は必要なのさ!」
 希望だよ、相武--国家戦略とは言わば全生命体の希望である!
「希望かあ、でもそんなの絶える望みに変わるだろうが……出来なければ!」
「まあな。希望は何時迄も続かない。だから国家戦略の土台には数多の現実的な目標が掲げられる訳だよ。天同躯央の提示する事も国家戦略ではなく、結局は中期目標に過ぎないのさ」
「其の躯央は中期目標の先に希望を求めたのか?」
 何を当たり前の事を言ってるんだ--其れ以外に何を求めるのか、と言わんばかりの返答である。
「其れでも一般生命は限りある命の中で果てるんだよ。其れから幾ら誰かが思いを継いだって一般生命と同じく其れは長続きしないだろうが」
「其れでも長続きした者は目の前にあるじゃないか!」
 ……僕の事か--連続性こそ天同の仙者の強み……十分過ぎる全生命体の希望である!
「確かに幾つもの壁は立ちはだかるさ。何時かは天同の連続性は何処かで途切れるかも知れない。其れでも俺達は抗い続けられる。其の連続性こそが強みであり、責任重大であり、鈍重にだって成るさ。けどなあ……銀河連合には其れはない。其処を衝けば俺達は銀河連合が作り出す世界を払拭して俺達だけの理想郷が何れは作れる。俺達が歩んで来た歴史にこそ、希望が見出せるのだよ!」
「途中から良くわからないけど、兎に角やる気が湧いて来たぞ!」其れから木製包丁を持った儘、再度稽古をせがむ相武。「今度は僕が一本取ってやるうう!」
「其の意気だ……だが、俺が歩んだ道はお前に比べればちっとも軽くはない!」
 二名は明くる日の深夜一時迄稽古を続けるのだった……
(行くぜ、時雨様に秋雨様。あんた達が守りたかった者は俺の命に代えても守り抜いて覚醒する其の時迄、生き抜いて見せる。其の日は何時か訪れるかも知れないし或は訪れないのかも知れない。其れでもなあ……俺は二名が秘密にして来た物を墓の下に持ってゆく覚悟で天同相武を俺以上の仙者にするつもりでいるぜ!
 だから想念の海で期待してみておけよ!)

『--翔和は最後迄、私が秋雨姉さんについて知らないと思っただろう。其れでも
構わない。何故なら私もあの秋雨姉さんがずっともう一名の私の事を救えなかったんだ。
最後位は姉の思いを受け止めてやらなくて如何するんだ。其れから漸く救う事が
出来たんだ、もう一名の天同相武を。彼女も又、壁とひたむきにぶつかったんだ。私や
翔和だけじゃない。壁は誰だってある。特に全生命体にとって壁とは銀河連合だけ
じゃない。内面にある壁だって立派に聳える物だ。其れをゆめゆめ忘れない事。然も
壁は乗り越えたり壊したりした位じゃあ消えたりしない。新たなる壁が死ぬ迄立ち
はだかる。気が遠くなる程の歳月も、な。だから我々が壁と向かい合う時は決して壁が
無く成ると思わずに只管、乗り越えるか敢えて其処で自問自答するか或はぶつかって
砕ける気で居るかの何方かだ。私の場合は中間の答えに行き着いてしまったがな。
 さて、彼と私の物語は此処で終わった。彼に託される物語私が覚醒する物語、そして
私が行方知らずだったもう一名の天同と出会う迄とこうして迫り来る銀河連合の嵐が
執筆中の私をも喰らう迄の物語
までまだ遠い。其れでも読者のみんなにはまだまだ
付いて貰うさ。
 次は翔和にとって最大の仇であるあいつが姿を現す彼に託される物語を始めるとする。
其れ迄暫しの休息を。では--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十八年六月四十六日午前一時零分零秒。

 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる 完

 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された に続く……

一兆年の夜 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる(五)

(俺にとって翔和の育成は大きな壁だった。現状の真古天神武には躯央の提案を全てを実現するには時間がない。特に全ての都市に地下施設を建造するなんて余りにも夢幻が過ぎる。確かに其れが実現すれば後五十の都市より後以上にやって来る真古天神武規模の流れ星から全生命を生き延びさせて真古天神武を生き残らせる事は出来るだろう。だが、そんなのは百年計画の如く予算が幾らあっても足りない。故に現在も実現に至っていない。此れは大きな壁かも知れない。
 其れでも俺にとって翔和は大きな壁だ。あいつの学習能力が一般生命に比べて遅いのもわかる。出来の良くない生命程、誰よりも労力を費やさなくてはいけない者は居ない。だが、そっちではない。俺にとって壁とはあいつの学習能力の速度ではない。そんなのは日常と思えば大した問題に成らないし、幾ら何でも一般生命は成長に急ぎ過ぎる。神様のように長い目で見届ければあの程度の速度なんか大した事もない。寧ろ俺にとって壁なのがあいつの姉ちゃんの真の姿を知らせて良いのか? 其れにある。俺はあいつが姉の振りをする同名の秋雨との仲の良い姿を見る度に心が締め付けられる思いを抱く。如何して本当の事を話せないのか。如何して本当の秋雨はもう此の世に居ないと伝える事が出来ないのか?
 そんな風にして俺は奴が齢十五を迎えようとする日が迫る度に葛藤する。其れがあの悲しい出来事に繋がるとは誰が思おうか--)

 六月二十五日午後八時十八分四十三秒。
 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区国立公園。
 齢十四にして十の月と十一日目に成る相武は齢二十九にして十一の月と十九日目に成る同名の天同秋雨が会話を楽しむ。
「--そうなんだよ、姉さん。だから今日は珍しく翔和さんが僕を自由にして良いって言ったのが凄く珍しくてさあ」
「そうね、普段は相武君の代わりに政務に就く事があっても稽古に関しては翔和君も手を抜かないのにね」
「ハハハ、今日は久しぶりに姉さんとじっくり話せるぞ!」
「うん、そうね。まさか翔和君が私達の為に時間を用意してくれるなんて!」
 実は齢二十四にして六の月と二十六日目に成る翔和は木陰に隠れて二名の様子を伺っていた。勿論、護衛は翔和だけではない。公園の周囲を軍者が取り囲む。翔和が命じるように誰一名として公園の中に入るな、という命令だった。
(二名の為だけじゃない。銀河連合はこうゆう時に必ず一般生命の体を乗っ取ってやって来る。だから敢えて軍者で取り囲むのさ。相武が重要な生命だから公園内に誰も立ち入らないだけじゃない。其れでも銀河連合はあらゆる方法で来ないとも限らない。其れ故に俺と秋雨が居る。秋雨はあの力は制限して使わないだろうが、其れを抜きにしても実力は認める。俺は説明する迄もない)
 説明口調を頭の中で思い描く翔和。だが、同時に次のような事も考える。
(案外鈍い相武があれを同じ秋雨だと思い込むのも理無きとは限らない。誰が如何見たって秋雨だし、一見したってあれを秋雨じゃないって気付くのは至難の業だろうな。だからこそ後一の月程で成者に成る相武はやがて永遠の別れを経験するだろう。其の前にあれを本当の秋雨じゃないと伝える方法があれば……あればどれだけ苦しくなくて済んだか!)
 未だに其の壁は翔和に立ちはだかる。立ちはだかる中で翔和は迷う。其の迷いは……やがて秋雨の中に入っていた銀河連合に付け入る隙を与える--突如として秋雨は悶え出す!
「如何したんだ、ねえさん!」
「う、う、うううう、私の、私の中に……離れて、相武君!」
「秋雨様の言う通りだ、相武……間に割り込むぞ!」相武を肩車すると半径成人体型六十迄離れた翔和。「あの粒子は……まさか、いやそんな筈が、あるか!」
「姉さんが如何したんだ、翔和さん。如何して姉さんが--」
「相武……現実に壁を作るな、目に焼き付ける時だ!」其れは己自身にも言い聞かせる言葉ではあった。「既に秋雨は……第三公営墓地での戦いで既に銀河連合の術中に嵌っていたんだ!」
 翔和は其れ以外に秋雨がそう成ってしまった理由はないと解答する。だが、其れは秋雨から告げられる言葉で大いに外れた解答であると判明してゆく。
「君もまだまだ、ね。私が、こう成ったのは、十一の、年より、前、からなの」
「十一の年より前? 何言ってるんだ、ねえさん!」
「あの時に私は……ずっと、ずっと銀河連合、は、此の時を、良くない笑いを込み上げる瞬間を、待っていた」
 既に秋雨の左手には抜き放たれた神武包丁があった。其の先端は既に心臓がある位置を示していた。其れは誰が見ても秋雨が今から死ぬ気である証……が、一方で銀河連合が操る右手は相武の方角に向けられていた!
(相武の方に……良くわからんが、あの秋雨は大分明くる日の秋雨だった筈だ。だとすると超常現象を如何にかする術だって持っていないなんて有り得ない。だとすれば--)
 考えるよりも先に体が動く--お陰で相武を死なせる赤黒き閃光を指先程の幅に上体を下げる事で回避した翔和。左側に走る閃光を見て心臓に電撃が走った相武!
「今のは……姉さんが、攻撃、した?」
「今度は、足が」秋雨は既に頭から左手爪先迄しか言う事が利かない状態だった。「お願い、に、逃げて!」
「いけないよ、姉さん。そんなの僕は好まないよ。其れ使えるなら自力で何とか出来るだろう、姉さん!」
「……出来ない。十一の年も……抑えて来た、の。もう、もう」秋雨の左腕は愈々、決断をする。「此れで、お終いなの、ですよおおおおおおおお!」
 そして一撃は……心臓の中に居た液状型の息の根を止め、其れから秋雨の口から大量に噴き出す。刺さった部分からでは出し切れないのか、口にも……そして、耳穴、鼻穴、其れから眼元からも赤い液体が噴出してゆくように。其れを見て考えるよりも先に動き出す者は肩車から落っこちるように左肩から着地すると直ぐに這いずりながら二足歩行で走り出して駆け寄る。一方の命じる以上に体が動かない者も居た。其の者は膝を崩して其れから両手を付ける。
「姉さん、姉さん!」
「ゴフッ……御免ね、相武君、私、ずっと、本当の事を--」
「わかっていたよ。何となくだけど、あの閃光を見て、ウウウ……姉さんが、姉さんがどれだけ、姉さんの為に姉さんをしていたのか、が、があああ!」
「まだ、まだ、相武君、一名前の雄に……グブウウアアアア!」
 姉さんの血が、僕に……も、もう、姉さんの命の、灯が--わかってはいても己の欲望が瀕死の生命に更なる供述を求める事をしようとして罪を意識するあまり、言葉が出ない相武!
「良いんだ、よ。自分に、正直、で、ね。そ、其れが相武君の、優しさ、なの。其れで、ずっと、私は、私は、死んだ、死ん、だ弟の、死んだ相武君、の--」
「姉さん、僕はまだ、生きている!」
「そ、そうだ、だ。心、残り、は、相武君、が、成者に、成者を、迎える、日、迄、生きて、いたかった、よ」
 もう十分僕は、姉さん、にとって、成者、に成ったよ--泣きながらも鼻水を必死に鼻の中に戻しながらも相武は一名前の雄を演じようと試みる程に情けなく成ってゆく。
「そ、そう、ああ、此れで、私は、私は……元の、時代に、帰って、ぇ……」
 其れから静かに瞳を閉じ、二度と言葉を交わさない存在と成ってしまった!
「ああ、ああ、姉さんが、ああ、ぁあ……」
「相武? オイ、相武ウウ!」翔和の肉体はやっと主の言う事を聞き始め、相武の様子を確かめに動き出す。「お前は死者の後を追うんじゃないぞ!」
 駆け付けると……「フウ、良かった。死んでなく……な!」相武は無事だった--代わりに近くにあった何かが徐々に姿を保てなくなって砂のように消えて行くのを確認した翔和。
(……相武は秋雨の本来の姿を知らなくて良かった。秋雨が如何して瓜二つだったのか、という疑問を解決する理由の裏付けに成るかも知れない。だから如何したというのだ、こんな物が此の時代にあったら……如何して悲しみ迄もが一緒に此の時代に運ばれるのだよ!
 涙が、涙が、止まらない!)
 其れから翔和は大泣きする。其れを聞いて居ても立っても居られない軍者達が駆け付けて漸く……秋雨は正式に死んだ事を知らされるのだった!
 亡骸の無い国葬……其れは歴史上初めての試みと共に後世に如何して亡骸が存在しないのかを数多の歴史家に論じさせる事と成ってゆく。兎に角、此れだけは明白であった……死んだ生命が居れば心の穴を埋める為に涙を流すのは当たり前である、と!

一兆年の夜 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる(四)

『--私には隠し事の一つや二つがある。敢えて此処で隠していた事としたら三つある。
 一つは翔和が席を外していた時に蘇我フク兵衛から外れた分家の流れを汲みある一名
がやって来た時。確か私が齢十二の時だったな。其れは--』

 十二月二十日午後二時七分三十一秒。
 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間。
 其処で勉強するのは一名。齢十二にして十の月と十日目に成る天同相武。家庭教師は二名。其の中に齢二十二にして五の月と十八日目に成る地同翔和は含まれない。担当するのは齢三十に成ったばかりのアデス九官族の中年である臨兵りんぴょうキューぞうと齢三十八に成ったばかりの蘇我梟族の老年である蘇我フク贈訝ぞうが。前者は文学関連の教育を担当し、後者は数学等論理学関連の教育を担当する。
「コクゴハムズカシイノダ。イツモワタシ、オレ、ボク、アタシ、オイラ……オノレヲサスシュゴダケデモタシュタヨウデアル」
「だかあああらこそ文を構成するうううううには慎重を要しなくては成らない。単純化は会話の効率化を促しいいいても会話の純度を底上げええええする事に必ずしも繋がらなああああい!」
 だから細かい事は良いからさっさと進んでよ--他者よりも倍は詰め込まないと一般生命並に成長しない相武は二名の挟まれて頭を抱える。
「トコロデフクゾウガヨ」
「ああ、遺伝子の話だあああろう。幾ら他家同士と言えどおおおも偶に同一遺伝子に近い生命同士が結ばれええええるという組み合わせも存在するからああああな」
「又、其の話……しつこいよ」
「ヤハリテンモンガクタンイデオコルトキハテバサキノホドコシヨウガナイゾ!」
「少し脱線すうううるけど、幾ら赤の他者同士で配合を続けえええても何れは同じ遺伝子同士のぶつかり合いが必ず起こるうううのだ」
「其れが僕が教わる『類似学講座』と如何一致するんだよ!」
「同じなああああんだよ、最近の作品はどれええええも世界が終わああある話ばかりで異なる点なのは登場生命の数や主役やら或は表現の仕方やらがあああな」
「オナジサクシャデモサクヒンヲダシツヅケルアルイハチョウキレンサイヲツヅケテイケバニタヨウナハナシガラレツスルノトオナジヨウニデスネ……イデンシモオナジナンデスヨ!」
「でも遺伝子の数はフク贈訝曰く二千か三千じゃないの? 然も組み合わせ次第だったら一億とか二億とか気が遠く成る数だよ。だったら類似するなんて難しいんじゃない?」
「其れが類似してしまうんだああよ、天文学のおおおお段階迄生命史が続けえええば、な!」
「セイメイノイデンシモルイジハサケテトオレナイノダ!」
 何なのかなあ--此の時、相武は流すように聞いていた……だが、後に相武の中で大きな物へと発展する事に成る!

『--類似学講座のとある話については翔和に語る事はなかった、永遠に。だが、翌の
年だったかな? 二つ目の隠し事があったんだ。其れはある生命との出会いから始まる。
彼女は明らかに此の時代の生命ではない。なのに此の時代にやって来た。其れは--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百九十八年三月二十七日午前零時二分十一秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂天同相武の間。
 齢十三にして十の月と十一日目に成る相武は目を覚ます。深く眠っていても不図したきっかけで目覚める事もあった。目覚めて直ぐに気付くのは其処に翔和が居ない事で在る。其処で相武は付き者を呼ぼうと電磁信号機に触れようとした時--
「其れはいけないいけにゃい」齢二十三にして八日目に成る謎の猫族の少女が二足歩行で布団から出ない相武に近付く。「にゃあ、君が真古天神武十代目国王の天同相武にゃ?」
「だ、誰だ? 二足歩行の猫族なんて珍しいとかそうゆう問題じゃないだろ!」
「質問に答えてにょ、君がファーストスモールコスモアマテラス銀河にあるスサノヲ太陽系去第三惑星水の惑星にある真古天神武第十代国王の天同相武にゃの?」
「……天同相武は確かに僕だが、真古天神武迄はわかったけど其の前が全然何の事かさっぱりわからないよ」
「本当に頭の方は其れ程でもないのは確かにゃ。あ、御免にゃさい。あたしはニャレーダーだよ。まあどんな種族かは教えませんが、時間旅行者とだけ覚えておいて下にゃい。今はあたしの住む時代は既に終わりを迎えようとしておりにゃす。天同総司令の命じるが侭に救済の術を探り、あたしが選ばれて--」
 ちょっと待て……一つずつ教えてくれよ、一編に話されても全然わからないって--流石に規模の大きさが数万にも倍乗されそうな話に待ったを掛けた相武だった。
「そうだにゃ。確かに其れはあたしのミスでしにゃ」
「ミス?」
「勘の違い……と呼ぶべきにゃしら?」
 時代の差が浮かぶよ--幾ら頭脳が優れなくとも時代の異なりは何となく感じる相武だった。

『--此れが二つ目の隠し事だ。ニャレーダーは天同と呼ばれる人族なのか或は猫族
なのかわからない上司に命じられるが侭に此の時代にやって来て元の時代にある宇宙を
救済する為に私に何かを得ようとしたのだろうな。だが、今の時代の救済する術に夢中な
我々が大分後の時代の宇宙とやらを救済する術を持つ筈がない。後の時代にとって
旧時代はそう映るそうだな。全くの夢幻ではないか。何とか成らないのか、と。
 さて、二つ目も伝えた。三つ目の秘密を此処に書き記そう。実は私には翔和と姉秋雨
の秘密は知っていた。知っていながら私は其れを知らない振りをしていた。何時から其れ
に気付いたのかは今じゃあ思い出せない。だが、私がそんな二名に告白する勇気が
あればどれだけ感謝の気持ちを伝える事が出来たのかわからない。
 あの日が訪れなければ良かったのに--』

一兆年の夜 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる(三)

 三月二十六日午後十時五十三分三十二秒。
 場所は首都ボルティーニ中央地区第三公営墓地。
 第一公営墓地は天同家及び地同家、中同家の生命のみが入る事を許される特別な墓地。其の為、天同家の血を引く者或は婿養子及び嫁養子に成らなかった天同及び地同及び中同の生命のみが墓石の下に入る事を許された神聖なる墓地。
 一方で第二公営墓地はボルティーニに住まう全ての生命が入る事を許された共同墓地。然もボルティーニ及び六影、其れに神武に帰化した者達だけが其処で眠る。若しも其れ等以外の者の場合は帰化した土地に合わせた墓地に眠る事に成る。無暗に非帰化種族が入る事は他の都市に深刻な過疎化を招き、更にはボルティーニへの一極集中を招く。墓一つとっても国を運営する事は容易ではない。
 最後の第三公営墓地は何と首都で倒されて来た銀河連合を埋葬する恐るべき墓地。其の為、埋葬する度に其処から銀河連合が湧き出るという噂が絶えない。そんな場所に普段から立ち入るのは墓地専門の軍者部隊か或は物好きかそして--
「やっと暇が出来た、出て来い!」己の用の為に来る地同翔和位である。「銀河連合ではない証明は出来ないが、一般生命である証明は出来る筈だ」
 何時から気付きましたか--齢二十四にして十一の月と十八日目に成る相武の姉である秋雨が第三公営墓地の中で最も大きい三角墓地の翔和から見て死角から姿を現す。
「やっぱりな。あれだけ歳の差が離れているのに心配しない姉ちゃんが居るかよ」
「まあそうですね。ですが、ちゃんと質問に応えましょうね、翔和君」
「其処も俺の姉ちゃんと同じ感じか。まあ良い、気付き始めたのは一の月より前からだ。まあ公には語らないけど、俺達の秘密の出来事から国立公園迄気配を消して見守り続けたんだろ?」
「あの辺りからですね。でも私が相武君の監視をし始めたのは何も君と翔和君が出会う前からだって知ってた?」
「だろうな、そんな気がしたんだ」
「流石は翔和君。だったらわかると思うけど、此処に墓を掘り起こそうとする銀河連合が潜む事も知っているよね?」
 ああ--既に二十五体に囲まれている事に気付く翔和。
(内訳は目で確認しないとわからないが、百獣型と並ぶような特殊な気配は……ない。だが、神武包丁とて万能ではない。かといって素手でやれば感染の恐れもある。幾ら仙者とて避けて通れない)
 翔和は数の多さに冷や汗をかく。其れも其の筈で今も昔も包丁は銀河連合一体を倒す度に刃毀れを起こしやすい。昔に比べて使用回数が若干増えるように改良が加えられても居る物斬り包丁。其れでも一般生命と同じく骨すらも斬り落としたり、血液に含まれる鉄分で酸化する事は避けて通れない。故に包丁の刃毀れを最小限にする斬撃の技術が必要と成るが、翔和自身はまだ……其の域には達していない。
「翔和君、包丁を持つ時は脱力が重要なのです」
「姉ちゃんと同じような事を」翔和は背中合わせに秋雨から何かを感じつつも次のように口にする。「だが、其れは此奴等を全員倒して墓の下に埋めた後で問うとしよう!」
 気付き始めるの、私が何者なのかを--そう口にしながら微笑みが絶えない秋雨だった。
 以降は一の分と十五の秒の間は互いに喉を通して声を発しない。そして、雄叫びと共に二名は其々の方向から攻めに来る銀河連合に向かって石床を蹴り飛ばす!

 午後十一時零分零秒。
 戦いは終わり、刃が一割迄短く成った神武包丁を見つめる翔和。其れを気にして声を掛ける秋雨。
「まだまだ使い勝手に慣れていないわね」
「ああ、そろそろ埋葬作業に入ろうか」
「質問に答えるのが先です、翔和君」
「全く姉ちゃんみたいな雌だな、あんたは」
「まあね、弟を持つと如何してもお姉ちゃんぶるのですから」
「……本当は天同家の生命ではないんだろう?」
 其の話は後よ、先にさっきの質問に答えて--一般生命らしく隠し事はしてもぶつかろうとはしない秋雨だった。
「えっと……包丁に関しては時間を掛けるしかない。何せ上り詰められるのは一握りだしな……俺は其の一握りに到達する覚悟はある!」
「出来るわ、相武君と一緒なら……じゃあ埋葬作業に入りましょう」
 微笑みが絶えない秋雨は翔和と共に二十五体の火葬と浄化と埋葬を始めて行く。

 三月二十七日午前一時零分三秒。
 途中で合計五体もの銀河連合の奇襲もあって作業が難航しつつも三十体の埋葬を完了した二名。其の間に此処にやって来た生命は一名も居ない。そんな中で翔和は疑問をぶつけて行く。
「ええ、そうね。私は此の時代の天同ではない」
「やっぱりそうだ。あんたは包丁を握った時に何か変な粒のような物が見えた。あれは何だ?」
「其れは極秘ですね。だってこの時代に存在しない物質ですから」
「わからんな。其れと如何して今迄天同秋雨を名乗っていたのだ?」
「そうね、六の年より前にマンドロス山にて本物の天同秋雨は……死んだのよ!」
 クウ、生存を信じていたのに--翔和にとって其れは聞きたくもない事実だった!
「実は本物が死ぬ前に一の週より前にマンドロス山にて彼女と出会ったの」
「そうか。じゃあ何で今は亡き秋雨の姿をしているのだ?」
「いえ、元々私の顔は秋雨と瓜二つなの……そして本名もね」
「如何ゆう事だ……そんな話があるか!」
「そんな偶然はない……誰もがそう思うでしょうけど、本当なのです。そして私の弟の名前も相武なの!」
 そんな馬か鹿な話があるか--翔和は驚く以外の反応を表現し得ない!
「だからこそ私は羨ましかった。幼い頃に守りたい筈だった相武は死に、孤独に苛まれていた所を突然の時間旅行で過ぎ去る時代の此の宇宙へと跳んだ。そして、偶然にもアマテラス銀河にあるスサノヲ太陽系第三惑星である水の惑星に辿り着いたの。其処で偶然にも性格も姿も年齢も同じだった彼女と出会ったわ。そう過ぎ去る宇宙の天同秋雨と!」
「そんな偶然が……夢宇宙は如何して平気で時間旅行を繰り返してゆくんだ!」
「其れでも此の出会いは運命だったの。そして私は一の週もの間、此処で潜伏しながら暮らして秋雨と様々な話をしたの。やはり偶然にも過ぎ去る時代の相武君も死に別れた相武君同様に出来が良くなくて其れで居ながらとても優しくて放っておけない生命だってわかった。わかったのは良いけど……直後に其の秋雨は背後から銀河連合に食べられてしまったわ、目の前で!」
「何て事だ……だが、其れなら今迄如何やって気付かれずに秋雨を演じ続けられたんだ?」
「いいえ、既にお父様が……此の場合は時雨様と呼ぶべきかしら?」
「いや、如何せあんたの父親代わりだろう。良いじゃないか、好きな方で!」
「ええ、お父様が既に私達との関係に気付いていたらしくて誰よりも早く駆け付けて私に相武君の姉を演じる事を認めてくれた……いいえ、誰よりも相武君のお姉ちゃんとして救えなかった本当の相武君を重ねてもう一度愛する事が叶ったわ!」
 そうか、だからこそ俺が出会う前から相武をずっと見守っていたのか--己が手を出さなくとも何れは彼女が救っていた……余計な事をしたのではないかって考えが翔和に過る。
「いいえ、君は正しい。君は一般生命として当たり前の事をしたのです。いけないのは相武君です。災害時に山を登ってはいけない事を知らずに無茶をした相武君がいけないのです。そんな相武君は君が助けても私が助けても此れはきっと夢宇宙の決定だと私は断言します!」
「言うね、あんたは」
「でも私の事は墓場迄秘密にして下さい。私は相武君が成者に成る迄、見守るつもりです。其れ以降は元の明くる時代の秋雨に戻って二度と姿を表したりしませんので如何か宜しくお願いしますね」
 期間限定かよ、益々俺の姉である翔真と瓜二つだな--思わず微笑みを零す翔和だった。

(相武が成者迄彼女はずっと見守り続ける……そう思っていた。そう思っていた……のに!)
プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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