FC2ブログ

老害十三人のネタもやったし、思い付かん

 どうも夜九時に投稿するdarkvernuです。
 始める前に恒例の『格付けの旅』が土曜日に更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリック。
 ではちょっと実験作でもやってみるか。

 ここに林檎があったとしよう。皆さんはこれを林檎と呼ぶかそれともリンゴと呼ぶか?
 もしも林檎と呼べば気取り屋だとわかる。
 もしもりんごと呼べば人の機嫌を窺う事がわかる。
 いや、わからんよな。じゃあ次。この林檎が林檎であれりんごでそれは些細な違いだと流したとしよう。ではこの林檎は赤いのか、それとも青いのか?
 赤いと答えた貴方は革新思想に染まってるとわかる。
 青いと答えた貴方は保守思想に染まってるとわかる。
 いや、これもわからんよな。じゃあ最後の質問。仮に色がどう見られるのかも些細な違いだと流したとしよう。ではこの林檎は甘いのか? それとも苦いのか?
 甘いと答えた貴方は軟派だとわかる。
 苦いと答えた貴方は硬派だとわかる。
 いや、わからんよな。三つの質問は何を意味するのか? いや、単なる実験さ。仮に林檎が林檎かりんごか赤いのか青いのか、甘いのか苦いのか……何て質問する人間は果たしてどれ程時間を無駄にしているのか? その方が偉い問題ではないかな?


 と言う訳で実験作を書き終えた。別にこれと言って解説はない。参考に成りそうな話でもなければ感心するオチもない。尚且つ起伏もなければ意味なんてない……これぞ物書きが最もやってはいけない801なのさ!
 以上で実験作の簡単な説明を終える。

 第六十六話の解説でもしましょうか。御覧の通りバッドエンドで終わりました。だが、烈闘や死んでいった者達のやって来た事が無意味だったかと問われると意味はあった。だが、その時代で意味を見出す事なんて誰も出来はしない。そこにこそバッドエンドの神髄であって今からそれを解説しようにも悪い部分しか挙げられない。そう、今のままではな。
 さて、後から見出される事よりも先ずは部分部分の解説でもしようか。救出部隊にも犠牲が出た理由は何と言っても風来のシレンをやればわかる事。しかも死んだシレンを救出する通信プレイでは救出する為に降りて行かないと駄目だからな。当然そこへ到達するまでに死んでは成らない。そんな回りくどい解説で何となくわかる通り救出作業も命懸けなんだよな。待ってるのは残党狩りを得意としたハンター共だからそいつらとやり合って如何に要救助者を救出するかが鍵と成る。犠牲が出ないなんて有り得ない。
 それと烈闘が命を懸けて拠点型の心臓をぶち破ったのにあのオチはないだろうという言葉に対してはこう返しておこう。便利や同然の医者が必ずしも味方側だけだとは限らない。敵側にもブラックジャック級の腕前が居ても不思議ではない。悪いが、ご都合主義の交わり合いを考えてもそうするしかないんだよな。済まないがな。
 とあんまり解説してないが、基本そんな感じで第六十六話の解説を終える。

 さあ恒例のあれでも致しましょうか。

 
 予定日五月一日~六日      第六十七話 ???? 前篇         作成日間
      八日~十三日     第六十八話 ???? 中篇         作成日間
      十五日~二十日    第六十九話 ???? 後篇         作成日間
      二十二日~二十七日  第七十話 優央の記憶 終わりの序章     作成日間

 三連続で中編物をやる予定さ。因みに明日やる奴は後篇が終わるまでタイトルを記さない。どんなタイトルかはお楽しみ。
 じゃあ今日はここまで。ゴールデンウィークかあ。一体誰がそんな名称を付けたのだろうか。調べればわかるだろうが、調べる気は全く起きない。

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(終)

 午後七時零分零秒。
 場所は真古式神武大陸藤原大中臣地方鳳凰堂山標高成人体型八百六十七。拠点型銀河連合中心部。
(ヘ、左腕の感覚はもうねえな。さっきまで激しい痛みで意識を失いそうに成ったのに……俺が変に成ったかな?)
 烈闘が失ったのは左腕だけじゃない。視力も失う。彼は真っ暗な世界で残りの五感のみで銀河連合の群れと今も戦闘を続ける。既に限界を越えた体力、骨だけで支える全身。何よりも参謀型の放つ音波に依って聴力もまともに働かない上に調子が大きく狂わされる。そんな中でも並み居る指揮官型を三体も倒すという荒行をやってのけるだけあって既に烈闘の戦闘能力は天から与えられし物とみて間違いないだろう。
 それでもここでもう限界が訪れる。自他共にそれを認める。特に烈闘は始まる前から既に死を覚悟していた上で僅かな可能性に懸けて生きる覚悟も示してきた。だが、もうここで幕を引くしかない。烈闘はそう考え始める--もうすぐ右腕も切断されようとしてる中で烈闘は長い思考を始める。
(思えば俺はここまで良く頑張った。ねーねの遺志を受け継ぐ為に力以外の術も頑張って身に付けて来た。結局誇れるほどの知識も頭の使い方も出来なかったな。出来たらこんな場所でも参謀型への対処法も思い付くのになあ。でも後悔はしないな。
 但し、心残りがある。死ぬ前に優希と優央、それに--を。三名の顔を見ずに死んでゆく事だろう。俺はあいつらの顔を見ずに死んでゆくとはな。おっと躯央も居たな。まあ躯央なら問題ないだろう、見慣れてるから今更だ。
 後はもしも俺達真古式神武が大変な事に成ったら……今更そこで考えてしまうなんてな。良くないな、これは。新天神武にせめて俺の子供達が流れ着くのを願うなんて俺は……はあ、どうかしてるぞ。今更二つが合わさった国の遺伝子がななの作り上げた新天神武に辿り着いて三つ全てが一つに集約される日を望みなんてよお。
 ……望み? そうだ、まだ俺は生きてる。生きてる限り俺はこのまま銀河連合に食われる訳にはゆくまい。五感を集中させろ。視力は残念な事に使い物に成らないのはわかる。だったら聴力を。幾ら狂わされた耳の力でも拠点型の心臓部が何処にあるかを知らせてくれる筈だ。それでもずれが生じるなら嗅覚を頼れ。銀河連合の匂いを嗅ぎ分けろ。匂いでも自信がないならば肌で感じ取れ、そして味わって識別しろ!
 五感全てを手繰り寄せて視えたその先には……死を与えし鼓動が凡そ成人体型にして俺の身長三百個分より少し先まである。分厚いなあ、五感で視た感じだとそれは。でも俺なら出来る。俺の肉体だって使ってやる。今の俺を動かすのはこの命だ!
 それじゃあ最後の仕上げと行こうか……全生命体の希望としてな!)
 烈闘の動きは加速を始める。最初の一秒間に風の速さを超え、それからコンマ二で音の速さを超えた。そして、全身をすり減らしてでも烈闘が繰り出すのは亜光速の領域。彼は肉体を捨ててまで亜光速に到達。己の思う通りの位置に突入--拠点型の心臓を突き破って見せた!
(どうだあああ--)
























 未明。
『ここは何処だ? 俺は誰なんだ?』
『--気付いたか、烈闘。ここは想念の海……君はもう直ぐ想念と一体化し、生前の記憶を全て失う』
『そうか。俺は死んだのか。じゃあ俺は、俺のやって来た事は意味ない物じゃなかったんだな』
『--残念ながら君が命を賭して敢行した物は……拠点型を全て滅ぼす事が出来なかった。奴らの中には医者型も存在した』
『そうか。治す事を専門とする銀河連合も確かに居たんだな。益々あいつらはやりにくく成るな。ところで俺の名前は何て言うんだ? 俺の記憶が全て失うって聞いたけど、その前に大切な者達と再会したい。声を聞きたい。どうだい、出来るか?』
『--無理だ、烈闘。君は彼らの声を聴いても思い出す事が不可能さ。何故なら君は既に脳も存在しない。魂だけの存在では個が記録されても生前の記憶は全て意味を為さない。それに』
『それに?』
『--後少しで君は想念の海に溶け込んでしまう。もう僕の力ではどうしようもない。御免よ、天同烈闘。僕は君達の時代に干渉出来るのはここまでだ』
『そう、か--』
 やがて天同烈闘の個は溶けてゆき、二度と現世に戻る事はない……
























『--以上が大陸藤原を我が物にしようと試みた天同烈闘の冒険譚の全て。烈闘が命を
懸けて鳳凰堂山を支配する超拠点型銀河連合を倒す試みは更に厄介な医者型銀河連合
と言う存在に依って阻まれた。やはり情報を知る事は戦を制する一番の鍵であったな。
烈闘は姉である天同メラリマが遠征するまで耳に蛸が出来るくらい聞かされたのにも
拘らず、結果を早く求め過ぎたせいでそれを怠ってしまった。
 成程、七つの罪を自覚させる清麻呂の森とは銀河連合が作り上げた森ではないな。あれ
は神々自らがそれを我々全生命に籠めた報せだったんだな。どれだけの力を持とうとも
性急は時として生命を怠けさせる。時としてその罪を少しでも理解してさえいれば烈闘は
意地を張らずに済んだ。神々は全生命体が利が得られない可能性があったとしても
全生命体に知らせたかったんだな。
 何、この遠征で何が得られたのか? その前にこの遠征に依って真古式神武はどれ程の
損失を被ったのかを記さねば成らない。損を知らずして明日は作れない。私は合理的な
生命故に良い事ばかりを記していたら同じ失敗を繰り返して進歩しない者達と同じに
成ってしまう。故に今は何を得たかではなく何を失ったかを詳細に記さなければ
いけない。
 御免、詳細ってのは真実ではなかったわ。簡潔に纏めてあげるわ。えっと損失は次の
通りよ。先ずは者的資源。これはどの世界でも共通する財産だわ。ほら、物よりも生命。
生命の命ってのは大事じゃないの。誰だって身近な生命が死ぬのは好まないじゃない。
合理的な私だってそう。それが先ず大きな損失よ。実際、実働部隊の大半が失い、
救出活動に向かった五万もの補給部隊は生き残りを利用して待ち構えていた銀河連合の
大部隊にかなりやられ、戻って来たのはたったの五分の一。一応私も始め生き残りは殆ど
救出する事に成功はしたわ。でも真古式神武としては十万以上の軍者を失ったのは大きな
痛手よ。本当に明日を危惧される程のね。
 次が物的資源。あらかたの包丁、望遠刀、鋭棒、刃を使い果たしたわ。食糧だって
どれだけ消費したのかは詳しく載せない。でも経済の混乱を招いたのは事実ね。何しろ、
戦いにはお金が必要なのは誰もがわかる事ね。特に経済が好調の時にそれを行おうと
するんだからその損失は計り知れないわ。特に食糧事情は笑って済まされる話ではない
物ね。本当に明日をどうやって生きるというの。
 最後は意欲。どの世界でも敗れたら誰だって意気消沈するわ。これを取り返すのは
並大抵の時間を掛けてしまう物ね。誰もが烈闘に対して怒りの声をぶつけたく成るわね。
でも怒りをぶつける根性はもう何処にもない。今、こうして記しながらも外を見渡すと
表情が暗い生命が良く見えてしまう。彼らは生きる希望を失った。折角、天同烈闘が
全生命体の希望に成ろうと頑張っても結果が伴わなければ余計な努力として処理
されてゆく。敗れたら何も残らないとしたら努力なんて意味ない、合理的ではないと思う
でしょう。私だってそう考えるね。それくらいこの敗北は真古式神武国民の意欲を
根こそぎ失うに等しい。
 それでも私はこう結論付ける。例え今が、身近な明日でもこの戦いは何の意味もないと
断言されても大分離れた明日。その時に成ってみんなは改め直すね。この戦いは意味が
あったと。天同烈闘を始めとした武者達は大陸藤原を我が物にしようとして決死に生き、
決死の思いで果てた。決死の思いで戦い生き残ってしまった私は決して彼らの戦いに怒り
をぶつけない。寧ろ称賛に値する。私に合理を越えた何かの光を齎した事はこうして。
 いけない。執筆中に涙を流すなんてらしくない。兎に角、コウモレ・リックマンから頼まれた
白紙への執筆作業はもう直ぐ終わりが来る。これで最後にする。最後まで読んで下さって
有難う。きっとあの世で天同烈闘も喜んでいると思う。
                     代行執筆者 ソフェラ・レオルマンより』

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月六十六日午前十一時零分十七秒。

 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇 完

 第六十七話 ???? 前篇 に続く……

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(八)

 午後五時十八分二十六秒。
 場所は藤原道長地方。隠れた洞窟が開通される。そこは後に純友洞窟と呼ばれ、清麻呂の森以外で通る道として密かに伝わる事に。但し、その洞窟は大中臣地方から通る場合は問題はない。だが、道長地方より向かう場合は命の保証がない。どうゆう理由かは今の所明かされはしないが。
 さて、一番乗りで外へ出る生命はコウモレ・リックマン。彼は烈闘の言いつけを守って隠された陸路を発見して見せた。だが、彼の心はそれとは裏腹に悲しみで満たされる。
 そんな彼を励ますべく二番乗りで出て来るのはギャレイ出と背中に乗る妊娠一ヶ月目に入るであろう優希だった。
「貴方は良くやったわ。烈君は期待を込めていたんだわ。安全とは言えないけど、貴方だったら発見出来ると信じて!」
「ぢま烈闘様ほ帰らないんですや。えよ、言葉ご厳し過ぎますに」と反省しつつ次のように訂正するコウモレ。「烈闘様ほ前せこ向けないんど。意地わ張って生きる道わ模索してこなかっと!」
「マンマロートの死で余計に背中を見なくなったんだあああよ!」
「……行きましょう、ギャレイ出」
 何処ね行かれるんですこ、優希様--とこの入り口から入るのを何としても止めるべく羽を大きく広げて妨げに行くコウモレ!
「退きなさい、コウモレ・リックマン!」
「退きません、優希様」
「そんなにここから入るのを阻むんかああよ!」
「そうです。何故のろここころ入るた平衡感覚わ失い、気ご付くた足下わ掬われるようね地形ご形成されてるなです」
「それでも……それでも私は天同優希という名前に誇りを持って戻るのです!」
「それぢもお通しほしません!」
 意地でも優希の為に必死なコウモレ。ギャレイ出はどうしてかを尋ねる。様々に質問を変えながら。すると次のような答えが返ってきた。
「烈闘様ほ希望わ体現せち前ね進まれました。僕ほ烈闘様な言葉ね従ってもう一つな希望ぢある優希様たお腹なお子様ねほ生きて真古式神武な明日わ作って貰わないたいけないなです!」
「コウモレさん、貴方は……それを鵜呑みにしたのね」
「鵜呑みぢほありません。烈闘様わ信じるころかさその言葉ま信じられるなです!」
 ううう、雄ってどうしてみんなそんなに勝手気ままなのよ--と優希の瞳から涙が溢れる。
「ウワアアアアアん、優希様ああああん!」
「行きましょう、優希様。早く補給救出部隊ね連絡わ取ってかな先ぢ追われる仲間達な救助ね向かわないた助かる命ま助けられませんや」
 戦う生命と去る生命。これは一体どうゆう基準で決められるのか? 遠過ぎる過去に於いてもそれは全く見出せない。いや、見出す頃には既に手遅れなのだから……

 午後六時四十三分二十一秒。
 場所は鳳凰堂山標高成人体型六百六十五南側。
 そこで合流するは右前と右後ろの足を骨折し、流れる水に骨折部分を掛けるソフェラと齢十七にして一の月と四日目に成る藤原飛蝗族の少年藤原バッ戸。
「何何かしいら、坊やや?」
「生き残りだかだ? 会話だできるだという事だは本当だに生き残りだなのだなだ?」
「ええ、死にい損ねたわねわね」
「何だ、その血だで濡れた紙だはだ?」
「あらあら、写しいは既にい出来てるけど……それにい破けてるわねわね。全く全く学者の格じゃないいわわ、私ってって」
「どれどれだ?」バッ戸は入念に確認する。「これはだ八割方だ血だが覆っていてだもう無理だなだ」
「はあはあ、写しいしいか歴史的資料としいての参考にい成る物はないいねね。折角命を懸けてこいいつを手にい入れたのにい……烈闘様は本当にい報われないいわねね」
 いやだ、そうでもないだ--とそれに賛同しないバッ戸。
「どうしてどうして?」
「俺だはここだへ来ただのは旅者感覚だでしかないしなだ。だからだ、遠征部隊だの重要性だも良く知らないしだわかる筈もないだ。それでもだ、俺だはわかるだ。烈闘様達遠征部隊だがやって来た事だは決してだ意味だのない行為だではないだ!」
 そうそう、それで良いわわ--と何だか返す言葉が見つからずに呆れるソフェラ。
 さて、バッ戸だが……彼はここだけの生命ではない。後の話で主要な存在感を示してゆく。その話についてはこの話に集中する以上はまだ語るまい。

 午後六時四十七分一秒。
 場所は純友洞窟中間地点。
 そこで何かを観察するは齢二十にして三の月と十日目に成る蘇我梟族にしてフク兵衛の亜流の血を引く青年蘇我フク五郎は岩肌を観察する。
「ふむううふむうう、これが噂の大陸藤原の謎を解明すうううるに相応しい岩肌だな」
 あんた本当に亜流の雄なのか--とツッコミをするのは齢十九にして二十七日目に成る仁徳人族の少年レイデル・バルケミン。
「そうゆうお前こおおうそ岩の種類も知らんだろ、このバルケミンのおおう面なしよ」
「良いや何となくわかるんだよな、この良くわからない地図を頼りにしたらねえ」と龍脈地図の写しを既に持っていたレイデル。「この地図は地図研究を専門とする俺を唸らせる新発見物だ」
「ふううん、それで水の惑星の謎の解明に繋がる物かああ!」
「でも近付く筈さ。近付けるからこそ今度こそ俺の代でバルケミンは最後の瞬間を輝かせられる」
「いや、その前ええにレイデルの坊主」
「何だ?」
 まだまだ親戚がたくうううさん居るだろおおおう--とバルケミンはまだ家系として絶えない事を告げるフク五郎。
「それでも天同家と同じように長く続く家系は絶対存在しない。これは真理でね」と歴代のバルケミンらしく見通すような事を口にする。「万物始まりのある事象は何れ終わりが訪れる……俺の一族だって頑張っても後四百の年も続くか微妙だぞ」
「余り言いいいううではない、レイデルのおお坊主。蘇我フク兵衛の一族だってその時が訪れえええるまで精一杯何かを残そおおううとすううるんだ。俺達はその時まで抗あああい続けなければいかないぞおお」
 はあ、どうだろうな……始まりも終わりもない存在にも成れない俺達が幾ら足掻こうとも想像の海は必ず俺達をそこまで至らしめるからな--と更に何かを知ってるような口振りをするレイデル。
 さて、この二名も次の話で重要な役割を果たす。次の話を始める為の下準備として紹介した。
 では次からいよいよ天同烈闘の壮絶なる最後をお見せしよう。果たしてそれは我々の想像通りであるのか?

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(七)

 午後一時十四分四十八秒。
 場所は拠点型銀河連合内部。
 数百もの百獣型が侵入者を見下ろす。侵入者の名前はヤマビコノシデノミチ。彼は折れ曲がった金棒を片手に並み居る百獣型と戦闘を仕掛けようとしていた。
「さあ、降りて来い!」命知らずなシデノミチは挑戦的な発破を掛ける。「俺端百体抜きだってやってやる鬼だから那!」
 その挑発に乗せられた百獣型の一番下段の列は一斉に襲い掛かる。彼らの動きは普通の生命では捉えるのが難しい。技量でも申し分ない。だが、それ以上にシデノミチの戦上手が光った--一体を折れ曲がった金棒で串刺しにするとそのまま振り回して一体又一体と入念に対応し、僅か一の分も経たない内に全滅させた!
「もう金棒端使い物似成らん。これから端肉弾戦出お前達於全て片付けてやる!」
 右拳を左手で覆い、骨を鳴らすシデノミチ。それから反対の手で同様の事も行い、奴らを挑発する。シデノミチは腕に自信があり、己がやられる未来が見えてないように映る。
 そんな彼の背後より静かに、音を立てずに接近する海中種族のような形をした銀河連合。それに気付かないシデノミチではない。だが、その動きを察知すると同時に二段目に下段の列に居る百獣型が一斉に降りて来た。初めて呆気に取られたシデノミチは武者が先ずやってはいけない行動をしてしまった!
 それは……目先の銀河連合に気を取られえる事--即ち、背後より現れた銀河連合はそのまま彼の左肩を抉り込むように喰らった!
「ウグアアアアアア、俺牙あああ……」
 シデノミチが目にする参謀型銀河連合……情報通り賢い行動を採る個体。そして心が揺れたシデノミチに向けて和の協力がまま成らない音を放って、眩暈を起こさせる。それからは降りてきた百獣型数十体に依る執拗なる捕食。シデノミチは確かに敗れた。だが、武者として最後まで戦った事と己を破った銀河連合に敬意を表して自ら喜んで喰われていった……

 午後二時零分四十二秒。
 最奥まで辿り着いた烈闘。既に倒した指揮官型の数は十三体目。六影包丁は後一回使えばもう一回斬っただけでは銀河連合を倒す事が不可能なまでに錆が進行する。
(今……シデノミチの喜びの声が聞こえた。あいつめ……力を認めていたのにあっさりと食われてよお)
 烈闘は確認こそしない物の、僅かな胸騒ぎ一つでシデノミチの死を感知。だが、シデノミチに悲しむ余裕はない。目の前に指揮官型に体が聳える以上は涙を流す暇はない。包丁を構えて対処するだけ。
「銀河連合……どうしてお前らは悲しみを広げるのが好きなんだ? 俺達は今でも理解出来ないんだ。お前らだって仲間が死んだら悲しい筈だ。悔しい筈だ。なのにどうしてお前達は平気で仲間を捨てる事が出来るんだ? どうしてそのような道を外した行為に染まる事が出来るんだ? 教えて……ウグ、危ないなあ!」銀河連合が会話に応じ擦る筈もない上に礼節を弁える事もしないのはわかっている……わかってても烈闘は全生命体の希望として説得を試みるのを躊躇わない。「ねーねを食べた時だってお前達はそんな事が出来るのか? シデノミチはお前達に敬意を表して食べられたんだぞ。理解するだろう、お前達がもともと一つの存在だったら理解……ウグ、話を聞けよお!」
 風を超える速度と更には会話をしてる相手に許しを取らずに襲う姿勢を持ち、尚且つ剛胆の舞と疾風の舞の両方を扱える指揮官型を相手に烈闘は薄皮一枚で何とか躱すしかない。
(はあはあ、それと空腹も関係してるよな。まあ二体同時に相手をするんだからこれくらいで愚痴を零す訳にはゆかないなあ)
 そう考えつつも肉体は戦いを学び、背後から攻める指揮官型が足を転ばすのを五感を駆使して確認すると素早く疾風の舞でそいつの左脇の付近まで接近。鎌鼬流に似た足運びで仰向けに転ばしに掛かると地面に到達する前に拾い上げて向こう側に居る指揮官型にぶつける--と同時に顔面に一突きで決めた!
「はあはあ、これで二体同時に……もう六影包丁は使い物に成らないな」包丁を手放した烈闘はこう吐き捨てる。「どうやらこれで俺の死は確定したな……大笑いしながら死んで行け、お前ら」
 烈闘は指揮官型二体の死体を右横に避けるように通るとそのまま心臓部のあると思われる黒き穴に向けて走り出した……

 午後三時零分十九秒。
 ようやく拠点型の心臓部に到達した烈闘。
(俺が見たまんまだな。ここから先をどうやって変えるかは楽しみだな。もう後戻りは出来ない俺でも少しは未来を変えられるんじゃないかって思えるんだよな。ねーねがそうして来たようにそれから死んでいったあいつらが、マンマロートがそうして来たように俺だってやれそうな気がするんだな。まあやってみなくちゃわからないが……いや、やろう。その為に俺は二十年も生きたんだ。総合年数に直すと何というか短い年月だが、それでもその短い年月で俺はこれだけ進んだ事を誇らしげに出来るんだぞ。未だ残る子供心が躍るじゃないか!)
 と考える烈闘を待たせない心臓型は数千もの指揮官型で烈闘を取り囲んだ!
「オイオイオイオイ、洒落に成らないな。せめて辞世の句を考える時間をくれ。お前らがくれるとは思わないけど」
 ところが指揮官型数千は動かない。代わりに指揮官型の中から顔を出す海中種族のような何かが飛び出し、和が協調されない音を放つ。その音に全身が抜けるような感覚に陥る烈闘。
(あいつが噂の参謀型銀河連合。何て心地良くない音だ。あんな音を考案するくらいならどうして言葉を実際に使おうとしないんだよ。そうすれば俺達は……俺達は!)
 だが、銀河連合は烈闘の思いを踏みにじる事には躊躇しない。指揮官型は一斉に包丁のような何かを投擲!
(目を瞑れ……そして俺自身を見極めるんだ!)
 その何かは一斉に衝突!

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(六)

 午後一時三分零秒。
 烈闘は指揮官型の猛攻を躱すので精一杯の状況。巧みに舞を駆使する事で紙一重の所で躱すも反撃に転じるにはまだまだ読みが甘い模様。
(シデノミチが居たら直ぐに反撃に転じて一撃なんだろうけど……それくらい俺はシデノミチを頼りたくなるんだよ)
 指揮官型の速度が烈闘より速いのは明白。風より速く動く上に何と三度も烈闘の背後を取って見せる程の機動力を披露。故に烈闘は先手を取れないでいた。
(会話術は通用しない。あいつに会話が通じたら始めからある生命は戦いという選択をしない。会話が通じないからこそ俺達は生き残る術として戦う道を選んだ。そこに……うぐ!)
 烈闘は突然、胸の痛みを患う。その隙を突いて指揮官型は唐竹割を敢行……が、心は静止しようとも肉体は生きる事を希望--やはり紙一重で寸での回避を見せるのだった!
「胸が痛む……俺達は気付かぬ内に胸の痛みを患っていたんだな。戦う選択をした時から」そう口にする烈闘は信じられない動きを見せて何と紙一重の回避と同時に逆さ唐竹割で指揮官型を一閃するではないか。「それがわかるとこんなに軽やかに成れるんだな……優希」
 妻の名前を口にする事で胸の痛みを少しだけ和らげる烈闘。どうして今に成って胸痛を患うのか? それは次のような考えだと考察する烈闘。
(戦う事を選択した時からじゃない。銀河連合を死なせる事をしてからこの胸の痛みは始まった。元々俺達の罪に死なせる罪はなかった。それも間接的ではなく直接的な話の罪は。だが、熊族の少年ベアール・真鍋が銀河連合を直接死なせた事からこれは始まったんだろうな。ずっとこれに苦しめられ続ける先祖達。気が付けばその痛みは気付かない物として処理されてゆく。けれども俺がこの痛みに気付いた時に思った。俺達はずっとこの錘を身に付けていたんだな。でも何処で気付くきっかけが出来た?
 ……そうだ、俺が独自の神々への呼びかけをした時に別の誰かが俺にその痛みを気付かせたんだ。あれは果たしてどれだけ明日の生命だ? 俺にこれだけの事が出来るなんてとても普通を越えている。いや、異常で片付ける程の能力じゃない。前に躯央くおうからある話を聞かされた事がある。どんな話かなんてもう忘れちまったな。
 まあ良い、大陸藤原を我が物にしたら改めて聞くとしようか)
 そこで考察を止めて足は動き出す……

 午後一時六分八秒。
 場所は拠点型銀河連合南側出入り口付近にて。
 全身傷だらけに成りながらも右手に折れ曲がった金棒を掲げるはシデノミチ。彼は指揮官型三体に取り囲まれ、一発も攻撃が当たらずに切り傷だけを増やしてゆく。
「全くすばしっこい奴らだ。俺於相手似三体掛かり斗端何処まで模臆した病似罹っておる那亜!」
 会話ダッテ最後まで聞く耳など持たない三体は勝手に喋るシデノミチを好機と踏んで切り刻む……いや、喋ってる筈なのに薄皮一枚の差で切り傷しか与えられない。それだけにシデノミチは三体の動きを既に見切っていた。
 真実である。その証拠に背後に居る一体が功を焦って最大速度で横薙ぎ斬りを敢行--と同時に奴の胴体は逆さくの字に折れ曲がったまま高さ成人体型四十まで飛ばされ……着地と同時にシデノミチの左足で首を踏んづけられ絶命!
「さあ残り端二体だ。噂乃参謀型端何処科なあ?」
 未だに力を持て余すシデノミチの前に形勢不利と見た二体は拠点型の中へと姿を消した。
「引き際於心得ている相手程やりにくい物端ない那。さあ、烈闘様端無事似拠点型乃心臓部於倒せますかな?」

 午後一時十分一秒。
 サイ電は二名もの無名なる犀族の少年に救出され、モノ気の無い場所まで運ばれた。二名は賢明な治療を試みるも……既に時は遅し。幸い、遺言を聞く時間は設けられた。
「どうして命の息吹がどんどんなくなっていくんだあい」
「ねえい、しっかりして下さあい!」
「はあはあい、二名に、告げらあい。ど、うか、生き残って、ク、く、れ、ァ、ぃ……」
 そこで藤原サイ電は二十一年もの短き生涯に幕を閉じた……
「うううう、うおおおおおおおおい!」
「無くない。お前は聞いただろい。僕達だけでも生きて真古式神武の未来を作り上げるんだい!」
 そうしてサイ電の遺志は少年二名に受け継がれてゆく……

 午後一時十一分四十七秒。
 顔色も蒼白く、今にも目を瞑りそうなエリフェルスはソフェラを背負って巨木から巨木へと跳んでゆく。彼は最後の命の炎を燃やしてでも銀河連合の追手が届かない場所まで彼女を運んでゆく!
「もうもう、良いいのよのよ!」
「良くなえい。良く、なぜえよう」
 そして最後の跳躍を果たし、枝に体を凭れた状態でエリフェルスは倒れる。その反動で思わず枝の下に落っこちて左後ろ足と左前脚を折るソフェラ。
「イデイデ、ハアハア……こんなの合理から外れるわわ。どうどうしいて毒が回っておきながらそこまで命を懸けてしいまうのよのよ!」
「はあはあ、毒が、毒が回り、過ぎて、るぜえい。だから、考える事、は、一つ、だけえよう」
「そんなのそんなの良き事の押しい売りいよよ。僅かな可能性でも……いや、それそれが私の主張する合理性よねよね」
「君に免じて、遺言ぜよう。何時か、かなら、ず、この大陸、を、我が、物に、して、くれえよう……」
 わかったわかったわ、エリフェルスさん--ソフェラはその遺言に従って骨折箇所を無理矢理接合してこの森から出る事を決意した!
 エリフェルスは確かに毒が元でこの世を去った。けれどもエリフェルスの遺志は若き炎であるソフェラが受け継ぎ、希望と成って水の惑星中を駆け回る事と成る……

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(五)

 午後零時十五分四十一秒。
 烈闘はシデノミチと共に百獣型十体を相手に手古摺る。その技量は一体辺りとれも通常の兵士達に任せられる強さではない。
「シデノミチよ、一名だけでいけるか?」
「俺於誰妥斗思ってる?」
「じゃあ任せたぞ」
 烈闘はこの戦場をシデノミチに任せて先に進んでゆく。それに対して百獣型十体中三体は烈闘をの所に向かおうとするも--
 俺於見ろ、銀河連合--と先頭を走る百獣型の真ん前に落下し、素早くその頭上に金棒を振るうシデノミチ!
 一撃で百獣型一体を仕留めるその鬼族の雄に残り九体は慎重な脚運びを見せる。基本は的確でシデノミチを囲うように進むも……まるでわざと囲んでると百獣型球体は思考する素振りを見せる程に。
「どうした? 俺端ここだぞ。今なら後頭部科羅齧り付く斗美味しいぞ」
 煽る事で九体に注意散漫な踏み込みを誘うシデノミチ。それに掛かり、シデノミチの正面と反対側に真っ直ぐ位置する二体が跳び込み、刹那の内に二体の頭部は大きく凹んだまま反対側に飛んで行った!
「後七体だな。烈闘様、どうやらそちら似向かえそう似ありませんね」
 これは遺言ではない。冷静に状況を判断して出した答えである。

 午後零時三十三分十一秒。
 ソフェラは全身傷だらけでここに来て今までの傷が全身に負担をかけ始める。既に四足歩行用雄略包丁は先端が欠け、錆び付き、鈍器の代わりにも成らない程にまで劣化。それでも百の獣の王を自称する獅子族の誇りと頭脳労働者を自称する並外れた知能指数を以て彼女は戦いを有利に進めてゆく。そう、次のような事を喋りながら。
「ウフフウフフ、私は私は骨だけで全身を支える支える。必要と必要な時にい全身の筋肉も活動させ、それから反撃の内にい相手を仕留めるわわ。百の百の獣の頂点を自称する獅子族を相手にいするのがどれほど無謀なのかを貴方達にい教えてあげるわわ」
 彼女は巨木を背にして襲い掛かる猿型、犬型、雉型計三の三乗を相手にする。しかも反撃の内に首根っこを噛み千切るのだから奴らも迂闊に突撃出来ない。故に望遠刀のような物や投石、それから折った枝の先端を尖らせて投擲するしか対処法はない。だが、ソフェラはそれらを巨木に凭れながら紙一重で躱すではないか。これは一体どうしたら可能なのか?
「これがこれが龍脈地図から見出した合理的な戦い方なのよなのよ。貴方達が貴方達が良くやる合理的で円滑にい事を運ばせる手段なのよよ」
 ソフェラは具体的な事を告げずに結果だけを口にする。そうして銀河連合を誘き寄せ、一撃で噛み千切ってゆく。だが、噛み千切るのにも対処法はある……それが首元に何か頑丈な物を身に付けておけば歯を二、三本ほど引っこ抜く程の事態に陥らせる事は可能である--実際にソフェラは十体目の首を噛み千切る時にそれが発生する。
「痛いわ痛いわわ。私の私の歯は雌の命なのにいにい。それをそれを折れた枝を何本も首にいき付けて送り込むなんて……死なせる事でしいか私達を倒せないいなんて何処まで哀れなのなの?」
 銀河連合は会話術を持たない。持たないが故に奴らは仲間を何体死なせようとも心が痛まない。正確には心など始めから持たない。持っていれば傷付く事を其処まで好まないのだから。故に心を養う会話術を持つ筈がない。
 ソフェラは銀河連合がどうして会話術を持たないのに互いに理解し合えるのかも考察。そこで彼女はある考えが浮かぶ。もしかするとここに居る彼らは贋作であり、本体は別に居るのではないか、と!
「へえへえ、だとしいたらだとしいたら卵から私達が育てても絶対にい私達のようにい心を持つ事が有りい得ずにい平気で傷付ける事が出来るのも納得が行くわねわね。そんな事そんな事考えてると私が命の危険にい晒されるわわ。もうもうこの歯じゃあ無理みいたいいだしいだしい」
 噛み付き出来ないなら自慢の尖った爪で頸動脈を狙うしかない。だがソフェラは獅子族が持つ身体能力に依る恩恵があっても部位に当てる技術はそこまで優れていない。それだけじゃなく、彼女の持つ尖った爪が使えるのは前右足だけ。他の足は全て動かすのも困難な程に傷付くのだから。そんな状態で頸動脈を狙うのだから詰みも良い所である。
 そうしてソフェラは覚悟を決め、両眼を閉じるのだった……
「御免御免、みんな--」

 午後零時四十二分六秒。
 エリフェルスは既に山羊族特有の山登りの技術で多数の銀河連合を蹴散らすしか道はなかった。既に包丁も望遠刀も使い物に成らない。肉弾戦でしか銀河連合を対処出来ない所まで追い詰められた。
「この巨木に登ってみたぜえい。だがよう、相手が私よりも一回り大きい熊型では木登りの面でもこちらが……登って来たぜえい!」
 目下に居る熊型は全部で四体。エリフェルスは巨木から巨木、更には三角飛びを駆使して逃げ回るしかない。当然、相手は熊型だけではない。熊型四体が木登りし始めた所で降りた時には後ろ左足を毒蛇型に噛まれて徐々に衰弱し出した。
「ウグ、このよおう!」咄嗟に頭部を反対の後ろ足で潰したが、既に回り始める。「ハアハア、毒は予想外でしたぜえい」
 エリフェルスは覚悟こそしたものの、徐々に追い詰められて死ぬ事までは覚悟しなかった。まさか一思いではなく、苦痛に依って死が近付こうとは今まで思いもしないのだから。
「まあそうゆう死に方も神様がお与えした物でしょうぜえい。ならば受け入れますよう」
 熊型が四体全て降りて来た時には既にエリフェルスはその内の正面一体に突っ走っていた--

 午後一時一分十秒。
 サイ電は既に限界が訪れる。頼れる部下十八名は既に銀河連合達の腹の中に居て、骨しか残らない。サイ電自身も右後ろ脚は既に骨が剥き出されて機動力も突進力も対した自信を持てない。
「僕の最後ですかあい。それならばこの角で一体だけでも仕留めていかないと全生命体の希望と呼ばれませんなあい」
 残りの三足だけで少しでも突進力を最大にするしかない。たったの一体とは囲い込む五十七体中真正面の河馬型。体格上互角なだけに僅かな部位を食われたサイ電にとっては不利。右後ろ脚が使えない以上はどう頑張っても河馬型に勝てない。身体能力と言うのは互角であればある程、五体がどれだけ無事かで勝負が決まる。それなのに河馬型を狙うのは相討ちに出来る自信があるからだろう。
「フウウウウウウウウウい……それじゃああい、死なば諸共オオオおおい!」
 サイ電は真っ直ぐ突進。河馬型は銀河連合なので一対一など関係なく隣の熊型と鹿型と共に決死のサイ電を追い詰めに掛かる--

 午後一時二分零秒。
 場所は拠点型南口。そこには全長成人体型二の人族の右手のような何かが奥を守る。
 烈闘は六影包丁を抜き、構える。
「お前がそこを通さんとするんだな。じゃあ押し通すぞ、良いな?」
 右手型は真っ直ぐ烈闘を握り潰さんと迫り来る--だが、一瞬にして右手型の背後に烈闘は立つ!
「どうだ、これが仙者の舞に近い天同斬弥の編み出した舞だ!」という言葉を出すと同時に烈闘の背後に居る右手型は縦一文字に分かたれた。「フウ、後二回……いや、後四回しか使えんな。相手が巨体過ぎて綺麗な太刀筋は実現出来ないな」
 そして烈闘はその奥を目指す……いや、彼を妨げるように指揮官型が風を切る速度で烈闘の首を刎ねん勢いで隠し腕による攻撃を繰り出す--間一髪の所で回避し、左手でおでこに溢れ出る冷や汗を拭う烈闘。
「現れたな、最強の銀河連合である指揮官型。相変わらず目で捉え切れない速さで出て来るよなあ」

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(四)

 午後四時五十七分三十八秒。
 場所は標高成人体型六百六十五。北と南の狭間。
 そこで休憩を摂る一行。その中でも烈闘だけは今も休まない。
(一の時休憩を摂らせると少数の救出小隊を編成して滝壺に落ちた数千もの兵を救出しなければ成らない。それだけでも有効だろう……それと同時に交代制で居残りの奴らにはここを見張って貰わないといけない)
 そこで烈闘は目を閉じようとする幹部級を呼び出して午後六の時に目覚めてから何をするべきかを伝えた。彼らはそれを聞いてそれぞれ議論を交わし出す。それに対して烈闘は進軍は明日の八時にすると伝える。つまり、今日はここで暖を取る。それから交代々々で監視しながら休息を摂らせる事で説得する。それでも聞き入れない幹部級の彼ら。その説得は二の時も掛かった。
(もう月の方角が……要するに今で六の時か或は七の時だな。新天神武にあるあの仕掛け物を持参すれば良かったかな?)
 遠征部隊は仕掛け物を扱う者が限りなく少ない為に従来の目視で時刻の確認を執る。その為に正確な時刻を烈闘達はわからない。

 四月三十六日午前一時五十七分四十八秒。
 眠りに就けない烈闘の下に襲撃の報せが届く。
(五十二名を滝壺の救出に向かわせてる時に……この睡魔は中々に厄介だな)
 と考えながらも六影包丁を左手に取り、襲撃する約四千八百もの銀河連合の軍勢と戦う烈闘。その余りにも好都合な時間帯の襲撃は普段ならば基本的動作で対応出来る兵士達が寝呆けも入り、開始から一の時と十一分も掛ける事に。しかも銀河連合の数が千を切った所で奴らは撤退。完全に意表を突かれる事態に……何故ならこの戦いでとうとう一万を切る手前まで兵の数を減らす事態と成ってしまった。
「僕達は何の為に戦ってるんだい」涙を流すは藤原サイ電。「もう食糧も其処を突きそうだあし、更には武器だってもう鈍器しか持たなあい」
「流石は流石は地図にい載る龍の流れる箇所ね箇所ね」と状況が芳しくないのに頭脳労働の結果、何か喜びを見出すソフェラ。「さあさあどっちが倒れるかが見物よ見物よ」
「止めるんだ、そうゆう考え似侵される乃端」そこに現れるは滝壺に落ちたシデノミチら生き残りの五十四名と救出小隊全員。「俺牙居たらこんな事似成らなかった斗言える乃科?」
「帰って来たか、シデノミチ。いや、居た所でここは銀河連合の支配する領域さ。どっちみちお前は都合良く帰って来ないだろうよ」
「大分参ってる那、烈闘様。ここ出身於引く科?」
「もう海路に通じる道まで届かない。届いても俺達は全滅だろう……そう一兆年の神々は仰る
「烈闘様は仙者であられますんから神様の声を直接聞く事が可能ですんね」とロージネスは語る。「だとするんといよいよ覚悟を決めるん時が来たな」
「いや、少し異なるな」
「如何異なりますんか?」
「いや、ロージネス。何だろうな。神々の中にどうも俺に良く似た誰かが伝えてたりもするんだな」
「その誰かとはもしや初代仙者の豪様、それとも歴代最強と知られるん生子様でしょうんか?」
「いや、豪様でも生子様でもない……いや、とーとやじーじ達とは違う何か。寧ろこれは遥か明日より来たりし誰かだよ」
 遥か明日より……ですんと--これにはロージネスだけでなく誰もが驚くしかない!
「兎に角、今は死んでいった者達を弔ってゆくぞ!」
 死んだ者達を弔うのは寧ろ当たり前。それが出来なければ銀河連合と同じように命の大切さも命よりも大事な者も理解出来ない存在へと成り果てる。それは死よりも恐ろしい事である。故に烈闘達は全生命体の希望として当たり前の事を遂行。それから進軍の時を早朝ではなく、昼を迎えた時に変更。少しでも弔う時間と休息を求めて!
(俺達に出来る事はそれだけだ。後はもう……いや、ここから先は希望撤退者を募ろう。これ以上の死者を出す訳にもゆくまい。俺は良いとしても帰りを待つ彼らだけでも……いや俺にも居たな。でももう遅い。ここへ足を踏み入れる前に幾らでも背を向ける事は出来たんだがな。マンマロートも死に、そしてマンマロート以外も死んでしまった。今更俺が後戻りしたらあいつらに叱られてしまうしな。済まないな、優希、優央、そして--)
 烈闘は第二子が雄で何という名前にしたのかを既に優希には伝えていた。その名前はもしも己が死んでしまった時を考えて己に因んだ名前にするよう彼女に頼んでいた。その名前はまだここで明かす訳にはいかない。

 午前九時五十七分四十八秒。
 烈闘はシデノミチから希望撤退者の名前が記された厚紙を手渡された。それに目を通した烈闘は直ぐ様招集するよう呼び掛ける。すると僅か三の分も掛からない内に彼らは傷だらけの肉体を晒しながら姿勢良く烈闘の前に姿を現した。それを見て烈闘はようやく演説を始める。
「フウ、ここに集まったのは他でもない。これからは俺と俺に付き従う者達だけで大陸藤原を我が物にするべく進軍を再開する。まだ最後の戦いは終わってない。この戦いだけが最後にしたくない為にも明日も生きたい者達を調べる為に希望撤退者を募った……すると全員そんな物は希望してない事がわかった。
 どうやらお前達は事の重大さを理解してないな。何も実現しないんだぞ、この数で並み居る銀河連合を蹴散らせると本気で考えてる大きな馬か鹿と違えた者達だな。本当に救い難いな。だったら仕方ないな……俺が死ぬまでお前ら全員突っ走ろうじゃないか!
 それがお前達望みなら俺はもう何も言わない。何を言ってもそれは理解出来ないと思ったからさ。なので俺はここまで連れてきた責任を取って死ぬまでお前達を引っ張ってゆくぞ……もう逃げたりするんじゃないぞ、お前ら。逃げるのなら俺が死んでからにするんだ!
 それがお前達が選んだ選択だ!」
 そう、あれは白紙。故に烈闘は誰一名として送り返す決断を執らなかった!
(こう成ったら俺は進んでゆくしかない。こいつらだって腹を括った。俺だけじゃない。だからこそ俺は胸の中で悲しみを抱く必要もなくなった。後は何処まで進むか……決まってる、大陸藤原を我が物にする為に俺達は駆け抜ける!)

 午後零時一分十一秒。
 場所は標高成人体型八百六十七。中間地点。そこにあるのは山と融合した拠点型銀河連合。それを守るは四ヵ所。
 その中でも南側を防衛するは指揮官型十体と百獣型二十八体。そして一万を超す銀河連合。
 一方の遠征部隊は一万しか居ない上に既に食糧の補給は底を尽き、更には武器も替えが一回しか許されない状態。烈闘は一の分もの間目を瞑る。
(さあ、始めようか。一兆年の神々よ……天よ、地よ、海よ、そして一兆年もの長き時よ!
 俺に何を知らせるか知らせるか……)
 それは従来の御呪いとは異なる烈闘自ら編み出した呼び掛け。すると烈闘の眼前に広がるは……仄暗き中で右手に何か先端の掛けた物を持って何処までも歩く蒼き光
(……良くわかったよ、じーじにねーね。俺は行くぞ、そして……その先まで俺は突き進むだけだ!)
 両眼を開いた烈闘は最後の号令を出し、命を使ってでも運命と共に突き進む!

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(三)

 午前六時一分一秒。
 遂に最後の戦いに向けて遠征部隊の足は動き出す。向かう先は鳳凰堂山。標高成人体型最大で一万を越す未踏の山。そして銀河連合が死守しなくてはいけない要所。そこを突破する事が出来たら最早真古式神武は地上に於ける絶対的な地位を物とし、例え四十二の年より後に訪れる流れ星の嵐が来ようとも問題なく対処が可能と成る。
(問題は四万の軍勢で簡単に突破出来るかどうか、だろう。山である以上は赤い森だって有り得るし、後は大樹型銀河連合及び拠点型銀河連合の存在を無視出来ない。それでいながらも無数の百獣型及び指揮官型。それと新たに判明した参謀型の存在。そいつらの存在がある以上は頼れる仲間達で何処まで奴らを倒せるか、だろうな)
 烈闘は気付いていた。鳳凰堂山を突破する事は不可能であると。それでも亡き祖父と姉の言葉を忠実に果たす為に前に進むしかない。後退するのは己が死んだ後でも良い。己は死ぬまで後退はしないと。
「本当に行くの?」
「心配はない。お前らの為に海路だけは確保してやるからさ!」
「戻って来てね、約束だよ。死んだら私はあの世に逝ってでも烈君に謝らせてあげるから!」
「それは恐い話だな……でも子供はちゃんと産め!」
 誰だと思ってるのよ、優央やさおの母よ--根拠はないが、説得される一言であった。
「じゃあ俺達は行くぞ!」
「行ってらっしゃい」
「行ってくる、優希」
 これが夫婦の最後の会話に成ろうとは!
「良いのですうううか?」
「良いのよ、ギャレイ出。烈君はメラリマお姉様の約束を果たしに行くのよ」

 午前七時零分十三秒。
 場所は標高成人体型百五十南西側。木が生い茂る地点で大樹型は雑草型に依る奇襲を仕掛ける。
「無事か!」
「ギャレイ出乃居ない今端俺牙烈闘様乃御言葉於伝える番だ……依って戦闘乃狼煙於上げんかアアアア!」
 こうして最後の激闘に身を置く総勢四万もの軍勢。彼らは完全より程遠い情報を元に南西側の分厚い包囲網突破を目指してゆく。
「フフ龍脈地図の写しいはもう完了しいたしいた、存分にい存分にいあたしは戦うわねええ!」
「退け退けええい、銀河連合の雑草が如何したあい!」
「包丁はどれほど保つか知らないぜえい、根性は無限に保つでよう!」
「根性論はあくまで意気込みでしかない。俺達は情報を武器に考察し、それから的確に勝つ術を見つけてゆくんだ!」
 烈闘は都合は己が前に出れば殆ど無力化出来ると信じる故に最後の六影包丁を右手に迫りくる雑草型を刃毀れの起こさない綺麗な斬撃を以って仕留めてゆく!
(とか言ってる俺が一番力押しで向かってるじゃないか……いや、力押しじゃない。俺が前に出るのも又、勝つ術の一つさ。全生命体の希望の為ならば一兆年の神々に誇れるほどの礼節と勇猛果敢とそして優しさを武器に俺は導いてやる!)
 有言実行の名の下に薄い箇所を突っ込む事で皆を其処へと傾れ込ませる烈闘。今の彼は正に誰もが認める全生命体の希望その物と化す。皆が希み望まれる光と成って命を懸けてゆく!
(そうだ。俺がみんなを導けばその分だけみんな助かる。俺がみんなの助けに成ればその分だけ大陸藤原を我が物に出来るんだよ!)

 午前十時十五分零秒。
 場所は標高成人体型五百一西。このまま西に進むと海路を確保する事に成功する。
 そうすればより円滑に大陸藤原に攻め込む事が可能と成る。
 だが、西側へ向かえば最大標高成人体型線を越えるか越えないかの峠が立ちはだかる。その場合、問題と成るのは圧力差。高ければ高い程、調子を大きく狂わせてくる。それだけじゃない。標高が高いという事は即ち、空気が薄まる。より肌寒く成る。そう成れば寒さで倒れる兵士が続出する。
「烈闘様。本当似西側於真っ直ぐ進む乃です科?」
「何だ、休憩を摂りたいのか?」
「別似俺端このまま出模良い。だが俺以外乃小童共端直ぐくたばってしまう。しかも白い大地端より足下於掬われやすい。そこ似向けて銀河連合端攻めて来よう」
 そうなんだよなあ、マンマロートだったらこうゆう場合は更に北進するんだけどなあ--とマンマロートが居たらどうなるのか……を考えてしまう烈闘。
「いや、マンマロートはもう居ない。居ない生命を幾ら考えても意味なんてない」
「だろう余。俺端的確那助言端しないし、出来模せん」
 いや、しろよ--と武骨過ぎるシデノミチに呆れる烈闘。
(ここはマンマロートの考えではなく、俺自身で取り決める。そうだなあ……良し、俺はこのまま北進する!)
 成程、西進於諦めました那--とシデノミチはそれを全ての兵士に伝えた!

 午後零時二分三秒。
 場所は標高成人体型七百五十程。南と北の狭間。そこには滝が流れる。そして滝下に渡らないと北に進めない。だからとて別の道を進めばそれより遠回りする。
 遠回りは却って兵士の疲れを増大させる。故に滝下を渡る遠征部隊。そして空中類の銀河連合が一万襲来……戦闘開始。
「野郎、この地形で襲い掛かるとはな!」烈闘は反撃戦法を以って誘き寄せ、鞘を抜くと同時に隼型、燕型を一閃。「フウ、その後に鞘へと戻すのは中々出来る技術じゃないな」
「ウオオオオオオ、掛かって……おおおおう!」シデノミチは鷲型の頭部を叩き潰した際に勢い余って滝壺に落ちてゆく。「俺端ここ出死ぬ命出端ないぞおおお!」
「シデノミチイイ……てめえ、らあああ!」
 滝下に進む為に幅成人体型一にも満たない陸路を進むしかない。それは同時に銀河連合ではなく、鳳凰堂山の自然に依って多くの兵士達は命を落としてゆく事に。それだけではない。一万という軍勢は四万を切る遠征部隊を半数まで減らす事に繋がった!
(この戦いは四の時と十四の分も続いた。奴らが二百四十を切った所で撤退し、何とか収まったが……滝壺に落ちた奴らの安否をどう確認しろと言うんだ。特にシデノミチが落ちたのは痛い……まああいつはこの状況下でも死なんとは思うけどな)
 尚、シデノミチがそんな風に思われる理由は簡潔に纏めると人族が死に至る分量の出血をしようとも医者の所まで運ばれて僅か三の日の後に何事もなかったかのように軍の会議に出席するという荒業を成し遂げた所にある。
 兎も角、シデノミチの一時的な離脱は彼が再合流するまでに遠征部隊をより多く減らす原因にも繋がる手痛い物。烈闘もそれに気付いてるのか、こんな風に考える。
(兎に角、切の良い場所が見つかれば一旦休息を摂ろう。これにはあいつらを休ませるだけじゃなく、滝壺に落ちた数千名の救出作業にも繋がるしな。まあ全員無事ならそれで良いんだけど、神々は時として俺達に試練をお与え為さるからな。さて、どうした物か)

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(二)

 午後一時二分三十八秒。
 場所は鳳凰堂山南西登り口前。仮設民家を建てて激戦前にそれぞれ語り合う。これを提案したのは烈闘でも優希でもない。
「という訳でえええい、皆の者よおおおおう」齢三十にして六の月と二十九日目に成るエウク馬族の真島ギャレイ出はマンマロートに代わり、副司令を務める。「存分に思いのたけをぶつかり合えええい!」
「何だーよ真島がやーんのか」
「よりにも依ってギャレイ出のおっさんかいな?」
「ギャレイ出さんも競い相手が死んで辛いんだろうね」
「そりゃあギャレイ出としーいてはな」
 と元々マンマロートは烈闘に依る無茶な指令も効率化を図り、皆に伝えて来ただけにギャレイ出の頼みを聞き入れる程の土壌は出来ていない。ずっと優希の付き者として行動して来ただけあって命令を下す側に立つのは殆ど無い。それだけにギャレイ出の言う事に従う軍者は少ない。いや、訂正……居ないという表現が正しい。
「オイ、みんな!」そんな彼の言葉に威力を付ける者が一名。「何時までもマンマロートの死を引き摺ってる場合じゃないだろうが!」
「このこの声は……烈闘様様」と烈闘が威力付ける事に驚くのは齢十八にして二の月と十二日目に成るキュプロ獅子族の少女ソフェラ・レオルマン。「烈闘様が烈闘様が自らギャレイ出さんの言葉にい威力を乗せてくれますかますか」
「聞いた科、小童共!」と金棒を振り回して烈闘の言葉に重みを持たせようと掛かるは齢三十二にして四の月と二十六日目に成る六影鬼族の中年ヤマビコノシデノミチ。「烈闘様模お認め似成ったんだ、でない斗俺牙叩きのめすぞ!」
 いや、叩きのめしたら良くないだろ--と諫める烈闘。
「確かにそうだ。何を引き摺ってんだろう」
「そうです。マンマロートは死にました」
「それっでも俺達はまだまだ戦うんっだ!」
「鰐族の名を更にとどろかせるときに何を弱い事考えてたんがあ」
「こうゆう時こそ駱駝族の体力が物を言わすんじゃあ!」
 という声が隣から隣に伝わり、開始から既に半数以上も死に意気消沈気味な遠征部隊を元気づかせてゆく。
「鳳凰堂山と名付けられるん場所がどれだけ恐い所であろうんともな」と若干影が薄かった齢二十一にして十の月と十二日目に成るキュプロ栗鼠族の青年ロージネス・メデリエーコフは更に鼓舞させてゆく。「僕達が可能でないと誰が言えるん物かああ!」
「兄さんほ死んだごそれぢま」と齢二十九にして四の月と十三日目に成るクレイトス蝙蝠族の青年コウモレ・リックマンは後方待機であるにも拘らず鼓舞を後押しする。「兄さんほ進む事わ止めたりほしないざ!」
「命を懸けるとは良く言ったあい」齢二十一にして二の月と二十七日目に成る藤原犀族の青年藤原サイ電も更に後押しする。「この命尽き果てようとも僕は銀河連合には恐怖を与え返してやるぞい!」
「まあ今はそれぞれの思いの丈をぶつけあうのがギャレイ出さんが言いたい事でろう」と少々趣旨を思い出させようと進めるのは齢二十二にして六日目に成る武内山羊族の青年エリフェルス。「銀河連合打倒は明日起きた時に改めてやろう」
 みんなああああん--ギャレイ出は涙を浮かべる。
(これだよ。ねーねは最後の戦いの前もこうしてみんなを励ましたんだな。そして励ました後に覚悟の据わった者達と共に大陸藤原で果てたんだよな。良くわかったよ、ねーね。だが、俺は果てたりはしない。必ずや大陸藤原を我が物にする。命に懸けても、例え俺一名だけに成ったとしても!)
『--さて、ここから先は想像が記されてゆく。というのもここで日記は幕を閉じる。
これから先は空白が続くからな。どのような結果に成ったのかは俺にもわからない。
それでも俺は必ず大陸藤原を我が物にする。
 さて、想像を何行か記す。先ずは俺が並み居る参謀型を全て打ちのめしてゆく。次に
俺はみんなを庇うように銀河連合の曲がりくねった策に嵌り、絶体絶命の危機に陥る。
それから俺を救うようにギャレイ出達が駆け付けて命を燃やしてでも俺を助ける。
最後は命を賭して鳳凰堂山を制覇してゆく。それだけだ。
 さあ何処まで俺の想像が真実と成るかが楽しみだな。さあ、これで日記は幕を閉じる。
ここから先はありのままに真実を記してくれ。俺はもう関わりはしないからさ。
                                 天同烈闘より』

 四月三十五日午前三時十一分四十三秒。
 コウモレ・リックマンが眠る仮設民家を訪れるは烈闘。彼はコウモレだけを起こして自らの日記を渡すと次のような命令を下す。
「何ですこ、それほ!」
「お前らは必ず生きてこれを届けろ。良いか、清麻呂の森以外の陸路を発見しろ。そして全力を以ってそこを突破するのだ、良いな?」
「既ねお伝え申しましたようね海路以外ね陸路ほありません。それぢま戦線ころ離すおつもりですこ?」
 二言はない--とやはり無茶を撤回する気はない烈闘。
「わかりました。必ずよさな日記た現状わ伝え、救出部隊わ動員する事わ成し遂げて見せます」
「宜しく頼んだぞ、コウモレ!」
 烈闘は既にコウモレを始めとした後方部隊三千二百十四名を撤退させる準備を進めていた。
(後は優希やギャレイ出だけか。あいつらを含めた残りの死にたがり屋は何としても逃がしてやりたいがな。これ以上の死者は真古式神武を根底から覆す事態へと陥る。折角先祖である斬弥きるみ七弓なゆみが築いたと言っても過言ではないこの国が俺のせいでこれ以上の戦力保持が不可能の状態に成ったらそれこそ本末が転び倒される事態だろう。どうにかしてキリの良い場所であいつらだけでも逃がしてやりたいがな。キリの良い場所があれば……の話だが)

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月三十一日午前九時四十七分十八秒。

 場所は真古式神武大陸藤原大中臣地方新乙奈子平野。銀河連合に依って明白にされた本当の乙奈子平野。そこは赤い大地ではなく、緑溢れる大地で構成される。だが、その緑は水の惑星の生命エネルギーではなく銀河連合に依る死を齎すエネルギーが齎す歪なる色をする。正確に表現するならば緑なのに作り物の緑……いやそれ以上に剥き出された何か
 そんな風に大樹型を倒したばかりの齢二十にして二十一日目に成る神武人族の青年天同烈闘れっとうは昨日までの戦いで生き残った数が四万七千程だと聞き、歯を食い縛る。次に向かうまでにこの先に何があるのかも確認を怠らない。だが、先の戦いで偵察隊の数も半分以上減らした為にその調査に余り時間を稼げない模様。不十分なまま切り上げるのが目に見える。それでも戦いに於ける基本中の基本は怠らない。
(俺が傷を少し治す間にこの先にあるという命名鳳凰堂山と呼ばれる山には何があるのかも確認しないとな。死んでいったマンマロート達の為にも俺達は果たさなければいけない)
 やっぱり引き下がった方が良いわ--と烈闘に勧めるのは齢十九にして九の月と二十九日目に成る妻の優希。
「それは何があっても聞かないな、優希」
「死ぬ事が大きいわ。もう良いでしょ、ここまで来たら」
「今下がったらあの森での全滅は避けられない。俺はお前達が安全に戻れるように海路を確保しないといけない。その為にはあの山を越えることが条件だ」
「あの山を?」
「ああ、そしたら後ろに控える五万の補給及び救出部隊を短くとも四の日までに意志を届けて無事に船で送り迎えさせるんだよ!」
「危険だわ。それにあの山って標高がどれだけあるのを知ってるの?」
「それを調査しに偵察隊を送り込んでるんだろう。何、あいつらは無事に任務を果たすと信じてる」
「全く無茶苦茶よ」
「無茶苦茶で結構だ。だが、ここまで進んでしまった以上は俺自身もこれからの真古式神武の為にももっともっともっと--」
「それ以上は言わないで、烈君!」優希は烈闘の左頬を叩く。「貴方は安易に決めてしまったのよ!」
 優希……持続的な程に痛かったぞ--と意外にも肌に響くのを口に表す。
「私の言う事を聞いて……メラリマお姉様のように取り返しがつかなく成るわ。それで本当に全生命体の希望に成るの?」
「雌の勘は良く当たると聞くが……残念だけど俺にはもう届かない」
 烈闘……どうして雄は馬か鹿ばかりなのよ--と最低限の指令を出しに行く烈闘の背を見て優希は崩れ落ち、涙を流す。

(あの時、優希はこの先どうなるかも予言していたんだろうな。だが、俺は一度決めた事を反故しない為にも鳳凰堂山に進出するしかなかった……なかったがあれは!)
『--鳳凰堂山の調査は僅か三の日で打ち止め。何故なら調査に赴いた偵察隊の内の
四分の一しか帰還してない事を受けての事。持って帰った情報ではあの山には百獣型や
指揮官型と言った並の兵士では太刀打ち出来ない銀河連合の他にも新たな個体が判明
したとの事。故に目先の調査よりも偵察隊の生き残りを図った。
 えっとその個体は海洋種族の姿をしておきながらも口の中より何かしらの怪音波を放ち、
足止めをしてる所を他の個体で一斉攻撃を掛けさせる事より俺達は彼らの口から
伝えられた限りの情報を元にその個体を参謀型(仮)と命名。
 まあ実際には戦うだろうからこれは仮の名称に過ぎないけどな』

 四月三十四日午前八時五十九分五十五秒。
 遠征部隊は進軍を再開。向かうは偵察隊を四分の一まで減らした鳳凰堂山。そしてそこは天同烈闘が最後に戦う激戦の地に成ろうとは誰が予想出来たのか?

(マンマロートが死んだ場所は最後の戦いより前の場所。だが、ここは俺の最後を締め括る地だ。四万居ようとも十二万居ようともあの参謀型の存在がどれだけ脅威なのかを理解していたら……数なんて何の意味もないじゃないか!)

溺れた犬が目の前に居たらどうゆう行動を取る?

 どうもdarkvernuです。
 始める前に恒例の『格付けの旅』が土曜日に更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリック。
 まあタイトル名の問いに対して自分はこれを貫いてるとは思えないが、一応答えておくと助けるのが普通だろう。だが、今回紹介するショートストーリーでは奴らは助けない事をここに表しておくよ。

 ある時、俺は川に溺れる犬を目撃した。直ぐに助けようかと考えた。しかし、俺は泳げない。どうする?
「仕方ない。ここは泳げる人に助けを求めよう」
 俺は近くに通るおばあちゃんに頼んでみた。
「え、わしかえ?」
「お願い、あの犬を助けて」
「わしは腰が痛いんじゃ」
「俺は泳げないんだ」
 すると犬は見えなくなってしまった。
「ああ、婆さんが俺の頼みを利かないのがいけないんだぞ」
「わしを誰だと思ってるんだ。お前達が大事にするべき老人じゃ」

 ある時、わいは溺れる犬を目撃した。直ぐに助けようと泳げない事を承知で跳び込んだ!
「ウオオオオ、目の前の犬も助けられなくてどうするんだあ!」
 だが、流れは速い。気が付くと犬を助けるどころかわいまで流されてしまい……そのまま滝壺に!
「助けるん、じゃ、なか、た……」

 ある時、私は溺れる犬を目撃した。直ぐに助けようと近くに道具がないか探した。
「あ、あったわ。この棒はちょうど長いし、きっと犬は噛み付くわ」
 その判断は正しく、その棒に噛み付いてでも犬はしがみ付く事に成功。後は急な流れに持っていかれないよう慎重に陸へと運ぶだけ。
「ああ、良かった。何よりも犬が助かったんだから有難いわ」

 ある時、僕は溺れる犬を目撃した。
「た、助けようかな? で、でも」
 だが、僕には自信がなかった。周りの誰かが助けてくれると信じていた。でも誰一人として助ける気配がない。
「ああ、犬が滝壺に……僕は何て愚かなんだ」

 ある時、わしは溺れる犬を目撃した。
「ああ、こりゃあ良い見物だな。折角だから溺れる犬でも眺めとくか」
 そんな時、棒切れを発見。
「これで犬でも叩こっかな?」
 直ぐに犬を突きに掛かった。すると川の流れが急激に変化。棒切れに持っていかれるようにわしが落っこちてしもうた。
「ウワアアア、誰か助けてくれえええ!」

 ある時、俺様は溺れる犬を目撃した。俺様は泳ぎに自信がある上にあの犬ッコロ程度なら放り投げる腕力もある。
「どれどれ、この川はどれだけ急かを確かめてみようか」
 全力で泳ぎ切り、それから犬の所まで駆け付けると俺様はそいつを陸まで放り投げた。
「さてさて、大した川の流れじゃねえなああ。今回も良い事を……おや?」
 だが、犬は頭を強打して死んだ。力があれば良いって事じゃないと理解した。


 という訳で川に溺れる犬を巡る各人の行動について紹介したぜ。一人目は安易に人助けして結局何も助けられない。二人目は勇気と無謀を履き違えて死んでしまった人。三人目は適切な対応をして犬を助けて見せた。四人目は他力本願過ぎて結局何もしなかった。五人目は溺れる犬が流されるのを願って余計な事をして逆に落っこちて死んだ。六人目は力こそあるけど、使い方を見誤って犬を殺してしまった。このように犬を助けられたのは三人目の私だけ。他はみんな犬を助ける事も出来ない。酷いのは犬を突く五人目。わしは同情すらされない。
 何故このような話を思い付いたのか? 中川女の息子が親父と同じく不倫して離党までされる羽目に成った。それは奴の責任であり、同情の余地もない。問題なのはそいつの妻の方。いや、妻を責めるのではない。妻にインタビューをしたウジテレビに問題がある。どうしてか? それは妻はガン闘病中の身。即ち、病状を悪化させて死なせてしまったらそれこそ重大な問題へと発展するからだよ。この話を知って自分はこの話を思い付いた。わかるだろう、犬を助けるどころか棒切れを拾って犬を突くわしと同じようにウジテレビはガン患者の人を不倫した政治屋の妻というだけで叩いた。正直気分の良い話ではない。こんな事を同じ人間がすると思ったら彼らの化けの皮を剥がして本当に人間の形をしてるかどうか確認したくもなるのが自分という物。兎に角、溺れる犬を棒切れで突くような奴は人間を偽装してるとしか言いようがない……自分はそう考えるしか出来ないな。
 とはいえ、自分が棒切れで突かない人間かと言われたらその自信がないのも事実。昔はアンチ巨人だからという理由でパワプロで巨人軍だけ無茶苦茶弱体化させるような真似もしてたりするんだよな。それもまた溺れた犬を叩く行為と全く同じだしな。後は森元さん叩きもそうだし、ムネオ叩きもそうだ。あらゆる叩きも意外に便乗してるからこれまた溺れた犬を棒切れで突く行為だと今でも思ってしまうんだよな。今でもやってないかと言われたらやってるんだよなあ、気が付かない所で。ううむ、気を付けないとなあ。
 因みにあの国のあの連中は必ずやってる。え、それはないって? いや、国を挙げて障碍者叩きを知らないと言わせないぞ。それを知ったのは自分があの連中の作り上げた嘘を知る切っ掛けと成った嫌韓流。確か嫌韓流2に載ってた筈だよ。後それで思い出したけど、自殺した小説家で在日である鷺沢萠もある著書であの国の道路標識について何気なく批判してたな。思えば彼女も祖国を愛せない事に苦しんでたんだなあ、と考察したらあの著書であんな事を記せたのも理解出来るかも知れない(あくまで自分の考察であって実際は知らん)。兎に角、あの国が障害者嫌いである理由は溺れた犬を棒切れで叩く事を表した有名な諺を知っていれば納得するからさ……つまり弱い奴を探したいんだよ、あいつらって。
 という訳で時事ネタの解説を終わらせますね。

 第六十五話の解説と行きましょうか。はっきり言ってハッピーエンド風に終わったけど、これの目指す所はバッドエンドだからこれでハッピーエンドじゃあ話に成らないよ。今回の話はキリスト教で有名な七つの大罪も絡んでるね。喧嘩番長の作者が一躍出世したある漫画もこれをモチーフにしてるからな……読んでないので内容までは知らないが。まあ遠すぎる過去でも七つの大罪は存在しないかって言われたらそうもいかない。第一話より生命は罪という言葉が出てる訳だから七つの大罪だって存在はする。だが、こちらの七つの大罪の場合は自分なりの解釈も含まれる。故に間違った誤解を流してしまう事をここに謝罪しておく。
 まあ話を戻すと七つの大罪をモチーフにした森を抜けるのは想像以上に過酷で次々と仲間は死んでゆく訳だよ。それで済めば良いんだけど、今度は銀河連合が雲に成って襲撃し更に半数ほど死んでいよいよ雲行きも怪しく成って来た訳さ。それから出て来た大樹型。これで四名ほど主要な仲間は死んだからいよいよ第六十六話に向けて盛り上がって参りました……と「お前だけ思っていろ」と言われますね。申し訳ありません、調子に乗って。
 さてさて、バッドエンドで終わるとは宣言してますが全滅エンドだけは避けてますね。全滅エンドだと今後にも支障をきたす訳だからね。だからこそ温いバッドエンドにする予定だよ……どうゆう温さなのかは敢えて明言しないけど。
 以上で第六十五話の解説を終わらせるぞ。

 さあ、予定表と行きましょうか。

 
 予定日四月二十四日~二十九日  第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇     作成日間
    五月一日~六日      第六十七話 ???? 前篇         作成日間
      八日~十三日     第六十八話 ???? 中篇         作成日間
      十五日~二十日    第六十九話 ???? 後篇         作成日間

 先ずは木曜までに第六十六話を終わらせる。その為には明日で五パート分やって明後日に四パート分やれば間に合う。まあ予定通りにいかないのも楽しみではあるけどね。
 さあ今日はここまで。取り敢えず不幸をネタにするようなウジテレビは潰れてくれれば良いんだよ。全く溺れた犬を棒で突いて楽しいか? そうゆう卑しい精神だからこそウジテレビは棒で突いた犬と同じように溺れて滝壺に落ちてゆくんだよ!

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(後)

 四月二十九日午後五時十九分零秒。
 場所は真乙奈子平野。さっきまで遠征部隊に見せていた赤い大地は一瞬にして緑と雑草に溢れる緑の大地へと様変わりを果たした。それは同時に銀河連合にとって最も戦いやすい場へと作り変えてゆく。
(号令を出したのは良いけど、都合が支配する時こそ俺が前に出てみんなに示しを付けなければ良くないんだよ!)
「烈闘様……来マス!」
 雑草は突然、遠征部隊の足を絡め始める。正に己の領域に入った者達に罠を掛ける為の準備は万端で尚且つ、雑草という粘り強い型程に頑丈で柔らかくそして鋭い物はない。大樹型は兵力のほぼ数倍もの雑草型で彼らを喰らい始める。
「この雑草型め……俺がその攻撃でやられる生命だと」烈闘は持ち前の怪力で両足に絡め取った雑草型を振り払う。「思ったかあああ!」
「流石でぶね、烈闘様!」と齢二十四にして一の月と二日目に成るプロティ豚族の青年ザブルド・クロネッタは四足歩行用雄略包丁を両前足に取り付けて器用に雑草型を切り裂く。「僕は父さんと母さんに孝行しぶ大陸藤原を我が足で自由に耕せる事をここに証明すぶ為に来たんだあああ!」
「僕だって同じでありましょう」齢二十五にして六の月と十四日目に成る藤原燕族の青年藤原カエ洞爺は背中に背負った渡りの短い物部刃を翼持刀に仕込み、雑草型の届かない距離より慎重に放つ。「空中種族は飛べる分、反動の事も気にしよう繊細さも持ちましょう」
「それはつまらない悩みだなあい」と揶揄いながらも自慢の角で力押しに雑草型を仕留めてゆくは齢二十一にして二の月と二十二日目に成る藤原犀族の青年藤原サイ電。「ウオオオオオオアイ!」
「全くこれだから力押しの生命は好かんでろう」齢二十二にして一日目に成る武内山羊族の青年エリフェルスは華麗に舞い、巧みに四足歩行用望遠刀に物部刃を仕込んで優雅に仕留めてゆく。「まあ、これだけの数を相手に良く頑張ってますとほめておきましょうえい」
「フン、トウラアアア!」シデノミチは金棒で叩き潰してゆく。「数牙多い牙問題端ない那」
「クマ道が折角命を懸けたんダア。わいだっテエ!」クマ造は四足歩行用雄略包丁の先端が欠けようとも尚斬り続ける。「刃毀れなんかわいの熊族特有の力で押し切ってヤアル!」
「また物部刃が……でも補給が間に合わないわ!」
「こんな時こそわいがやるんでええすよおおう!」
 このように六万程まで減らされながらも遠征部隊の士気は衰える気配はない。けれども士気だけで勝てる程戦いは甘くない。その証拠に彼らの攻撃力は徐々に下がる一方。それは相対的に防御力も持久力も下げるに至る。
「ウグアアアア、とうとう左ガ……ソレデモ!」マンマロートは左腕が使い物に成らなくなったが……それでもカンガルー拳法に依り全身傷だらけでありながらも肩前足だけで無数の雑草型を拳一撃で沈めてゆく。「烈闘様と並ブ程ノ実力者だぞ、俺ダッテ!」
「マンマロート……この野郎が!」
 烈闘は誰よりもマンマロートが自分の為に道を開いてる事に気付き、大樹型に向かうよりも先に彼の方に足を向ける。
「来ては成リマセン、烈闘様!」
「馬か鹿な事言ってられるか、マンマロート!」と烈闘は使えなくなった左腕の代わりをするように右腕を首に回して肩代わりする。「これでカンガルー拳法の本領発揮だろ、マンマロート!」
「ウグ……烈闘様は本当ニ馬カ鹿ですね」
 何、肩前足だけで戦おうとするお前に比べたら善がりじゃないだろ--と烈闘は微笑みを見せる。
 とこのように一読すると悲劇が起こる余地は無さそうに見えるこの戦場……ところが大樹型が雑草が頼り種を出した事で事態は一変する。
「何か出してこられますが、このような……ブフウウ!」カエ洞爺を襲った銀河連合の意もしない打ち方。「種、にこん、な、あ」
「カエ洞爺さんが致命傷ぶ……うががががああ!」助太刀しに来たザブルドは致命傷こそ受けない物の両後ろ足に十五カ所ほど刺し傷を受ける。「このまぶじゃ、ああああ!」
「危ナアイ、カエ洞爺にザブルドおおお!」致命傷のカエ洞爺と機動力を殆ど無くしたザブルドに向かって来るに十八もの種より繰り出される鋭い触手攻撃を庇うようにクマ造は立つ。「あグアアアアアアアアア、ウガアアアア!」
「クマ造君が……受けるかえい、そんな攻撃をうえ!」
 エリフェルスが回避した八つもの種はそのまま軌道を変えて致命傷で後がないカエ洞爺に向かって飛んで来た--それを庇ったのは何とクマ造……そうこれに依り彼は仁王と呼ばれる神々と同じような姿で果てた!
「うぐぶ、クマ造君が、クマ造君ぶ、クマ造君が出来たのに……たかが後ろ足が使えなぶなったくらいで動けなぶ成ってどうすぶんだあああ!」
 ザブルドは前足だけで走り出し、クマ道と同じように彼らに道を示すように銀河連合の的代わりと成って果ててゆく……それを受けてずっと横たわったままのカエ洞爺は最後の力を振り絞って羽ばたく!
「烈闘、様、は、あちら、に、いま、しょう、か」
 二名の死を以ってしても防御網の突破に苦労する彼らに道を示す為に全ての空中種族が目指す光へと到達し、そのまま大樹型に風穴を開けたまま消滅--水の惑星で初めて神秘的な飛行法に辿り着いた藤原カエ洞爺……命の真理と呼べる光を放ったまま!
「有難う、クマ造、ザブルド、そしてカエ洞爺……俺達は真っ直ぐ進んでゆくぞおお!」
 だが、カエ洞爺の光の領域が放つ道標でさえもまだ届かない。烈闘は己の存在だけでは銀河連合に依る都合は突破出来ないと考え始める。
「クソウ、三名が命を懸けたのにこれでは--」
「いや、ここは俺が彼ラデモ足リナイ分を補いますよ」
「何を--」
 少し黙ってて下さいよ、烈闘様--そう言ってマンマロートは左肩が千切れやすくなるほど握り潰す。
「これで前ニ進メル……じゃあ教エテヤリマスヨ、全生命体の希望ガドレダケノ輝キヲ見せるのかを!」
 マンマロートは他の種族に見せない新たな歩法を披露し、雑草の網を右前脚に依る正蹴突きで烈闘の身体が入る程の風穴を開けた!
「今デス、烈闘様!」
「ああ、一気に駆け抜けるぞおお!」
 烈闘は疾風の舞・弥を繰り出してその中に入った……だが、足を止めたマンマロートは全身を貫かれる!
「どうだ……ってマンマロオオオオトオオオ!」
「今デス、行ッテ--」
 いや、最後くらい端言わせておかない斗奈亜--とシデノミチは優希とギャレイ出を連れてマンマロートを貫いた雑草型の群れを一掃した!
「遅イジャ、ナイカ」
「済まない、マンマロート……ムム、ここまで乃ようだな」
「シデノミチさんまで死ぬかも--」
「いやああああい、ここはシデノミチに任せよおおう!」
 とギャレイ出はマンマロートを加えて烈闘の所まで跳んで行った!

(とここまでが落下中に俺が思い出した今までのあらすじさ。それから俺は……どうやら真下に顔を向けると生き残った奴らが俺を受け止めようと構えてるじゃないか。全くまだまだねーねの所までは遠いか)
 こうして最後の戦いより前の激闘は終わりを告げ、次からいよいよ最後の戦いと成る山脈型銀河連合が待ち構える鳳凰堂山へと生き残った四万七千もの遠征部隊は突き進む……それが真古式神武が終わりを迎える第一の要因だと知らずに!

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月三十日午前四時三分零秒。

 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇 完

 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇 に続く……

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(八)

 四月三十日午前三時七分四十一秒。
 場所は大樹型銀河連合中枢。
「はあはあ、ここまで付いて来てくれて有難う」
「左肩さえ無事ダッタラ……ハハハ、俺ハココマデノヨウデスネ。後ハ、後ハ……」
「もう良いわ。もう喋らないで、マンマロート」
「親友ヲ、宜シク、頼む、ぞ」
「おおおおうい、マンマロートおおおおう!」
「耳の奥、が、破裂、す、る、じゃ、な、い、ァ……」
(ここまで何があったのかを今は語るべきではない。今は奴の中枢に辿り着いたんだ。これが最後ならどれだけ良いのか……だが、ここは銀河連合の支配下さ。俺はマンマロートが命を懸けた突破口を台無しにしない為にも六影包丁を最後まで振るうだけだ!)
「烈君……外ではシデノミチさんが必死に足止めしてるわよ」
「あいつなら死ぬような想像は浮かばない。だからこそ背中を任せたんだよ」
「でもおおおう、マンマロートは左肩の傷を治さずううに--」
「わかってるさ!」と烈闘はギャレイ出を黙らせる。「わかってるからこそ俺は我慢してるだろウガアアアア!」
「烈君……十分わかるから無理しないで」
「全くお前という奴は……いや、無理はしない」左眼から少しだけ一粒の酸っぱい液体を流した烈闘は目を瞑る。「銀河連合が出てきたら報せてくれ……その時に悲しみを吐き出してやる!」
「知らせるわ。だから私とギャレイ出が案内してあげるわ」
「任せなさあああい、マンマロートの分までわいが烈闘様と優希様の付き者を務めて頂きまあアアス!」
 有難うね、ギャレイ出--と優希は感謝の言葉を述べた後、彼の鼻に口付けをする。
「ううううううほおおおおおううん!」
「あーあ、益々優希離れが出来なく成るぞ」
「それでまだ涙を溜め込むの?」
 気にするな……銀河連合を見たら思いっ切り吐き出すからさ--と両眼より少しずつ悲しみの液体を流す烈闘だった。
「ううううんんん?」
「如何した……え!」
「如何した、二名共? まさか奇妙な動きをする銀河連合が出て来たのか?」
「いえ、不思議な空間に入ったわ」
「不思議な空間?」
「申し訳ありませえええんんが、烈闘様あああう。溜めていいいいいたあ涙を吐き出してこれを見て下さあああいん」
 何だよ、悲しみが広がっていくじゃないかあああよ……ってこれは--溢れた涙を放出しながら見た烈闘はそれを見て驚きを隠せない!
(これは何だ……こんな都合の良い物が大樹型の中枢にあったのか。どうして銀河連合の体内にこんな惑星の欠陥と神経を示すと図が見られるんだよ!)
「私達は如何すれば良いの?」
「これえええいは……わいの背中に乗せれば運び出せええうる。でも運び出す間にわい達は--」
「いいや、ギャレイ出。運び出す準備に取り掛かるぞ!」
「え、大樹型の早期討伐こおおおうそが--」
「馬か鹿なのか、お前は。この地図を運んでゆく事で後世の生命達にどれだけの恩恵に与れるか……それは俺達が全生命体の希望として子孫達に誇りを持てるかどうかに懸るんだぞ!」
「それでも烈君。シデノミチさんが--」
「だからシデノミチを信じろ。シデノミチだけじゃない!」と溜め込んだ涙を放出しながら烈闘は熱く語る。「ソフェラもロージネスもエリフェルス達もそして死んでいったコウモラ、ワシ男、ハヤッ太、クマ道、クマ造、ザブルド、カエ洞爺、それからマンマロート達の死に意味を齎さないじゃないかああ!」
「……わかったわ。じゃあこれを引き剥がそうね」
「この蹄でどれだけ出来るかわからなあああういが……それでも真島の心を持つわいが全生命体の希望に成らなくてどうするんだああよ!」
 行くぞおおお--と号令を出すのはやはり言い出した烈闘!
「良し……でも重たいな」龍脈が記された地図に乗っかられた烈闘は余りの重さに上体を起こせない。「優希、手伝ってくれ」
「はいはい、と」
 ウオオオオ、重たあああい--無事、ギャレイ出の背中に乗せられた龍脈地図
(一応、なけなしではあるけど紐はしっかり結んで……長さが足りないな。後は優希が何とかすれば良いか)
「じゃあ先に戻ってくれ、優希」
「まさか一名だけで心臓部を?」
「それ以外に何がある……大丈夫だ、俺はここで死ぬような生命ではない!」
 れ、烈くううううん--走ってゆく烈闘に向かって右手を伸ばしながら叫ぶ優希だった!

 午前四時一分四十三秒。
(ここまで辿り着いたぞ。全く躍動するなあ。でもなあ、銀河連合……俺はここで死ぬような生命じゃない事を証明してやるさ!)
「覚悟おおお!」烈闘は無数の触手の網を生命離れした徒手空拳を以って吹っ飛ばしてゆく。「俺は仙者天同烈闘!」
(なるべく包丁を抜かずに俺の五体で全て打ち払ってみせるぞおおお!)
「テエエイ、トオオ、ハアアア……見えたぞ、そこだなあああ!」抜き放った包丁を躍動する心臓部目掛けて先端を前にして投擲する烈闘。「これが俺の力だああああ!」
 それから六影包丁は柄頭深くまで潜り込み、その勢いに耐え切れずに心臓部と思われる箇所は破裂--大樹型の全身にまで波及するかのように崩壊を始める空間!
(どうだ、これが俺達全生命体の希望が齎す絆の強さだよ……ふう、これで少しは役に立ったかな?)
 崩壊する大樹型を背景に烈闘の肉体は宙に浮き、落下を始める。いや、それだけではない。彼はここに至るまでの死闘を思い出してゆく……
『--おっとこれを記したら次の成功日記に入るぜ。えっといきなりこんな場面を
出されて困ってるって? じゃあここに至るまでの話とこの話の続きを纏めて紹介する
よ。そうだなあ、何処から話せば良いかな? いや、初めから語った方が盛り上がる
かなあ?
 いや、盛り上がるというのは俺が銀河連合と考えが同じで良い気分じゃないな。
あいつらは見世物じゃないんだし、空想話の登場者じゃないんだ。だから彼らの生きた証
を伝える為にもしっかりあるがままに示せねば成らないな。それからこの続きを記さない
とな。でないとあいつらが浮かばれない』

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(七)

 午後五時十一分四十三秒。
 場所は乙奈子平野。正確には清麻呂の森以降は赤い大地しかない為に何もないその場所を向かって凡そ三の時以上で辿り着く地点。
 六万程の兵力と成った遠征部隊。空からの奇襲は陸上種族が中心では余りに打撃が大きい。尚且つ、相手が捨て身である程その被害は絶大。
 だが、彼らの行進は止まらない。向こう側に着くまで彼らは足を止めない。風を流す羽を広げるのを止めない。
(足袋を履いてるのに肌の痛みが浸透して来るのは一体。確かに触れないように進んでるのにこれはどうゆう事だ!)
 そう思うのは烈闘だけではない。遠征部隊の者達全てがその症状に苦しめられる。何が原因なのか? ある一名がその答えを口にする。
「ソウカ、風ダ!」
 風--マンマロートに理由を尋ねる烈闘。
「はい、ここは僅カデスガ風ガ吹きます。どの方向に向こうともそれは僅カナガラ赤イ砂を浮かせ、隙間ヘト潜ります。その結果、衣服ヤ鎧デ防いでる筈なのに浸透する痛みが……辛い食べ物ヲ口ニシタミタイナ熱を感じるように成ります」
「僅かな風かあ。益々着込まないといけないな」
「いえ、着込めば却ッテ熱中症ヲ患います。特に赤の色は科学的な根拠は兎モ角トシテモ色覚的な根拠としましては熱ヲ吸収シヤスイト聞きます。しかも辛みを帯ビタ土トアレバ溜まった物ではありません」
「科学で説明出来ない事はないだろ? そうだろう、えっとソフェラはまだ無事だよな?」
「彼女は顔の皮膚を食い剥ガサレテトテモ戦エル状態じゃありません」
 ううむ、それじゃあ持論も聞けないな--と全生命体に持つ心の温かみから無理して頼む事をしない烈闘だった。
「如何致しましょう? これ以上ノ遠征ハモウ意味はありません。逆に余計な食糧ト時間ヲ浪費する事に繋がりますが」
「だよな。俺も考えた。もうねーねの願っていた物はもう果たしただろう。それじゃあここで--」
『--いや、俺の日記はまだ続きがある。後数頁我慢してくれ。実はこの後、
信じられない事に巻き込まれる。それは赤い土の正体を知る為に重要な意味を齎す摩訶
不思議な事に俺達が巻き込まれるのさ。何故そうゆう出来事が起こったのかを俺達は知る
由もない。
 それは次の通りさ』
 突然、赤い大地は生命を焼くに相応しい色で輝き出す。誰もがその焔のような大地に依って気体と化してゆくのかと思った!
(この色は……まさか安心したと思った矢先に巻き込まれるのか!)
 烈闘だってそう思わずにいられない。いや、烈闘だけじゃない。烈闘を心配する彼女はギャレイ出を急加速させてから烈闘の所まで飛び込んだ!
「ワワ……優希か!」
「烈君だけを先に逝かせはしない!」
「優希……しかし--」
『--次の瞬間、赤い大地は一変。緑の大地と化し、しかも銀河連合に依ってそれらが
まやかしの自然環境である事を気付かされる事に!』
「何だここは……いや、目の前にあるのは大樹型!」
「いえ、我々は清麻呂の森を出た頃カラ大樹型ノ胃袋の中に入っていたんですね」
「うううう」ソフェラは突如、烈闘の所まで跳び込んできた。「れれ、烈闘様様」
「無理をするな、ソフェラ。お前は暫く後方待機部隊に--」
「いいえいいえ、私は、無理いを無理いを押しいて申しい上げます上げます。銀河連合が銀河連合がここでまやかしいの大地を私達にい見せたのはきっとこここそが銀河連合にいとって最終防衛網であるからですです!」
「つまりここを我が物にすれば後は先祖十刃とばが目指した新天地だけに成る。いや、既に新天地は銀河連合の手に渡ってないと見た方が自然だろうな」
「どうしてそれを烈闘様ニ告ゲタ?」
「そうね。どうしてソフェラがそれを?」
「私の私の中にいある知識の欠片が一つにいまとまる感覚が浮かんだのよのよ。このこの感覚は何時感じいてもすっきりいするんだよだよ!」
「全く子供ね」
 俺達もそう変わりがないな--と夫婦揃って大人の自覚がないと烈闘は口にする。
「お喋リハココマデニシマショウ。どうゆう理由ナノカ、銀河連合が俺達ノ出方ヲ待ってくれましたが……これ以上ハ待チマセンヨ」
「だよな……じゃあ戦うぞ、お前らああ!」
 号令を出す烈闘……それは最後の戦いの前の激闘の始まり。

(これは俺が導いた到達点であるのか? それとも背中を見せなく成ったその時からこう成る運命であったのかも知れない)

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(六)

 午後四時四十七分十四秒。
 場所は大中臣地方乙奈子平野。そこは見える範囲全てが赤く染まる大地。まるで血で染まったかのような世界が広がる。
「烈闘様、これは何デショウ?」
「目に良くない土だな。一旦感触で確かめても一向に薄まる気配がない。一体この土は血の色で染まり過ぎてるだろうよ」
「あのあの、烈闘様」
「何だ、ソフェラ?」
「無暗無暗にい土を御触りいならないい方が良いいと思いいますます」
 お、そうだった--早速烈闘の右手は塩塗れに成る。
(言われてみるとこの土……後から碌でもない痛みが走り出すなあ。決して塩のせいじゃない。水分が抜けてゆくような感触じゃなく辛い物を食べた時に起こる痛みのそれに近いな。全く銀河連合はこんな所に……ンン?)
「ねえ、烈君?」
「優希も気付いたのか?」
 ええ、何だか背中越しにある森以外で銀河連合の気配が感じないような気がするよ--と感じた事を述べる優希。
「確かにその通りでえええすう」
「これはどうゆう意味か? マンマロートはどう考える?」
「それは見タマンマシカ信ジマセンヨ、烈闘様」
 だよな--とマンマロートらしい答えを聞いて少し安心する烈闘。
 一方で烈闘にはある何かが渦巻く。それは次のような考えが来る。
(一度何もかも我が物にしてしまったら俺は如何成るんだろう? 何もかも知ってしまい、思い通りに成ったら今度は俺達は何を求めるんだ? 今度は水の惑星の隅々まで目指すか? 深淵を目指すか? それとも空の全てを目指すか? それか星の外を目指すか?
 だとすると俺達はまたしても銀河連合のように際限なくなってしまう。俺達の中で渦巻くこの果てしない思いだけは止めたい。でないと俺達はその度に何かを捨ててしまうような……そんな生命に成ってしまうかも知れない。それじゃあ--)
「余り自分ヲ思イ詰めないで下さい、烈闘様」
 え、え、あ、ああ--マンマロートの言葉に依って我に返る烈闘。
「またマンマロートが烈闘を励ましてるわ」
「別に良いでしょうがあああい、優希様あああん」
「良くないよ。烈闘は私の物だからさ」
「いや、お互い我が物にしてると言えば良いじゃないか」
 まあ、落ち語りが上手いんだからあ--と何時の間にか優希も自然に和ませる話題を口にする。
(落ち語りねえ……本家本元はそれじゃないんだからさ。でもこれで助かる。少しは赤い土を触った時の浸透する痛みが癒えて助かるよ。有難うな、優希)
「口で言ってよ、烈闘」
「ああ……ところで」何をやるべきかを思い出した烈闘はマンマロートにこう尋ねる。「偵察隊からの報告は?」
「まだ帰ッテ来テマセンネ。まあ森を抜けて間もないのですから少シ感情ノ制御が利かないんでしょうね」
 余りにも遅い場合は別の部隊を行かせる--と万が一の考えにも抜かりはない烈闘。
「それで補給部隊と切り離されたけど、そこは如何するの?」
「この森を越えさせる訳にもゆかない。けれども海路の確保をする為にも先ずは足下を何とかしないとシャーク傭兵団だって如何にも成らんさ」
「海中種族との隔タリハ未ダニ解消されてませんからね。真古式神武モ新天神武モ」
 それが気に成るんだよな……よっし、じゃあ少し間食でもしようか--と烈闘は唐突にそんな指令を下した。
「烈闘の言う通りね。お腹が空くのは何よりも避けて通らないといけないもんね」
「ですが、烈闘様。補給救援部隊ヲ送レナイ現状で感触は余り戴けないと思いますが」
「それでも戦って死ぬ時にお腹を空かすのとお腹が満たされるのとどっちがより幸せだと思う?」
 その質問ハ流石ニ回りくどいですよ--と膨れ面を見せるマンマロート。
『--偵察隊は最も良くない想定から程遠い状態で戻って来た。それは喜ばしい限りさ。
でも報せは余り喜ばしくない。
 何故ならその報せは即ち、何処にも大樹型銀河連合も拠点型銀河連合も存在しない事を
報せる物。即ちもうこれ以上遠征する意味はないと耳に届けるような物だったな。それに
ついて俺はどう思ったら良いのかを迷う。あの森と同じように景色が揺らぐような気分に
陥る。折角俺も命を張るつもりでここまで来たのにどれだけで終わると知った時に
これから考えるのは何だ? 何かを失うような感覚に陥って当然の流れだろうに。
 さて、これで物語は終わりなのか? いや、まだまだ続く。いや、俺が続くと願ったが為に
大変な事が起こる予兆が今までの流れなのだからな』

 四月二十九日午前十時七分四十一秒。
 場所は乙奈子平野。報告の通り、この先には何もない。あるとすればそこには崖がある。その崖から向こう側には大陸があるかも知れない。だが、それがどんな大陸なのかを誰も知らない。
 一旦、休憩を取る遠征部隊。だが、肌で直接触れると痛みが走り出す土に触れる事が出来ない兵士達は何かを敷いて寝そべる以外にない。
(各仮設民家が傷んでる。何度も建てては折り畳んでゆく内に折り目が徐々に傷に変わりつつあるように……ンン?)
 仮設民家を建ててる時に空を見上げると何かが近付くのを確認した烈闘。それが何かを彼でなくとも気付いた生命は数知れず。彼らは直ぐ様、戦闘態勢の号令を出す!
「銀河連合め、雲にも成れるというのかああ!」
「まさかキッジェ・キシェールノ日記ニ記された事は本当だったのか!」
「どうゆう意味--」
「危ないデス、烈闘様アアア!」
 雲型は雨を降らすように上空より蜘蛛型を降下させる。その降下は正に急加速し、仮に地面に押し潰される事に成ろうとも並の生命ならそれだけで十分な破壊力に成る。
「何としても回避しろおおお……その身に少しでも受けたら全身がバラバラに成るぞおお!」
 雨は複数浴びようともそれ程の問題にも成らない。だが、雨粒より少しでも質量が高まれば別。何故なら雨粒の落下する高さは軽く成人体型凡そ二百七十以上もある。依って空気抵抗も含めて最速の落下速度で地上に激突。故に蜘蛛の質量でもそんな高さより落下するなら先に記した通り並の生命は頭に少しでも触れただけで即死は免れない。雨水とは訳が違うのだから。
 突然の銀河連合に依る降下特攻戦法に依り、遠征部隊は半分近くまで減らす事と成った……

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(五)

 四月二十八日午前十一時十四分四十一秒。
 場所は清麻呂の森第六の霧通称強欲の霧。そこでは冷静な感情は維持されず、常に暴れ続ける生命が後を絶たない。故に余計な行動を繰り返し、戦えば戦う程意欲を失う。
 烈闘と彼の付き者マンマロートもこの霧が発生する高濃度の酸素には一苦労。一旦深呼吸しようと何度も考えると別の何か考えが浮かび、やはり熱しやすくなる。二名はこの症状の過熱を抑えようと何度も水を浴びたり、より密集して濃度を減らすように試す。だが、酸素の供給量が膨大な場所では何の効果も得られない。
 結果としては死者の数は少なくする物のそれは最後の霧通称高慢の霧と呼ばれる場所にて二名の優秀な軍者の犠牲を生み出す事に繋がる。
『--最後の霧は最も長く、そして回り道一つ許されない最大の難所と呼ばれる。そこは
強欲の霧を越えて直ぐ傍にあり、中間地点一つもない情なき霧。尚且つ移動する為、碌
でもない。俺にとってこの難所は二度とここに立ち寄りたくないと思わせるに十分な程の
霧でもあり、出来れば清麻呂の森以外の通り道を考えさせられた霧でもある。どんな霧
なのかをこれから紹介しよう。
 それはな--』

 午後二時十一分四十三秒。
 場所は第七の霧通称高慢の霧
(高慢の意味は幻惑で正しいのか? どうして俺達は見えない銀河連合と戦うんだ!)
「来るな来ルナ、指揮官型!」
「どれ牙銀河連合出どれ牙幻なのだ?」
 これハア、何ダア--とベア造は複数の獅子型及び熊猫型に包囲され、しかも真贋の区別付く事なく雄略包丁を振る舞うしかない。
「フムフム、全生命体にい持つどうしいようもないい自信を表しいた霧の正体は果たしいて何であるかを……ウグ、まだまだ」とソフェラは左後ろ足を土竜型に深く噛まれても百の獣の頂点を自称する獅子族の誇りに掛けて素早く襟首噛み返してやる。「アグアぐうウウウウ、ダブルううだああああ!」
「ソフェラの所に本物の百獣型が一体向ってるわね!」
「足を止めて……今でエエス!」
 はいよおお--と優希は望遠刀を放ち、首に命中させる!
 ところが首に一撃受けてもソフェラに向かう足に停止という二文字がない。その百獣型はまるで使命であるかのように振り向いたばかりのソフェラの首に向けて巨大な口を開いた--
「若い者にやらせはしないとおおお!」と齢三十二にして七の月と二日目に成る藤原隼族の中年藤原ハヤッ太はソフェラを庇うように突進する。「間に合えええええでろおおう!」
 鶏量の大きな差ではそれほど突き飛ばされない獅子型。それでもよろけさせるに十分な突進力……即ち、それはハヤッ太の死を決定付ける物。ソフェラの頭部が食べられる筈が彼を庇うようにハヤッ太は丸呑みにされた!
「アアアアアア、アアアアアアアア!」ソフェラは自らの理性に歯止めがかからないとわかりつつも尚も頭脳労働者の意地を以ってハヤッ太の期待に応えるように傷口が広がるように首を噛み砕いた。「良くも良くもオオオオ!」
 ハヤッ太の命を懸けた突進に依って若き命は助かった。だが、それでもソフェラにとってはどうしようもなく悲しかった!
「御免、御免なさい」
「優希様。謝る必要はありいませんありいません」
「それでも--」
「良いいも良いいも良くないいもありいませんません。ハヤッ太さんは優先すべき事柄を行いい、そしいて私達にい道を開いいてくれましいたましいた。そこそこにい対しいてその謝罪は礼を失すると思いいませんません?」
「ソフェラの言う通りでありまああす、優希様ああん。ハヤッ太は隼の突進力ではそれほど下がってくれないとわかってもソフェラを守ったんだあああよう。だからこそここは謝罪の必要はありまああせん」
「わかっても無理だよ」
 優希--と刃を収め、既に素手で銀河連合に対応する烈闘はどうしようもない事柄で悩む優希を心配する。
「他所見せずに自分ノ事モ考えて下さい、烈闘様」
「わかってるさ。わかってても……わかってても!」次から次へと真贋の区別が付かずに奇襲で死んでゆく兵士達を見て烈闘の中で揺らぎが起こる。「涙で景色が揺らいでるんだよ!」
「全くそんな物で仙者が務まる物ですカア、烈闘様!」
「言ったな、ベア道。お前だって……ってオイ--」
 エエィ--とベア道は一撃で仕留める筈が刃毀れの激しさで真っ二つに折れた雄略包丁を見て唖然とする声を出す!
 唖然とする時、隙を見つけたと判断した相手の犬型は右前脚に仕込んであった鋭棒のような物を足の平より剥き出してベア道の喉元目掛けて仕掛ける!
「ベア道はヤラセナイゾオオオ!」間一髪の所で左肩で庇ったマンマロート。「ウググ、大丈夫カ?」
「マンマロートめ、どうして--」
「反対側の足にも仕込みがあああ!」と烈闘自ら飛んでゆき、右垂直蹴りで犬型の後ろ首を打ち込む。「フウウ、助かったな」
「ああ、全くこれくらいで……エエア」ところがベア造の腹部に予定調和の如く別の犬型に依る仕込み鋭棒のような何かが突き刺さる。「俺が、これヲオ!」
「ベア道イイイイ!」と従兄弟のベア造が駆け付けて、背後に居た犬型の首を刎ねた。「ワイが来たゾオ、喜ベエヨ!」
「ウググ、これは致命傷ダナア。来るのガア……いや、いいヤア」と左前脚で腹部の出血を抑えながら死期が近い事を悟るベア道。「どうやら俺も命を掛ける時が来たナア!」
(命を……お前も全生命体の希望に成る気だな。その傷の具合を直下してそんな……でも俺にはこいつが助かる方法が思い付く程の閃きがない。クソウ、クソオオオウ!)
 と考えるのは烈闘だけではない。左肩に傷を負ったマンマロートも従兄弟のベア造も一部始終を目撃する他の兵士達も同じである。その様子を見て勝ち誇る顔を見せるベア道。その理由は次の通り。
「勝ったナア。ここで俺がたくさんの銀河連合を倒せば誰も俺の功績を低く見る事は出来ないあああナアあ!」と叫んで彼は徒足空脚の身で真っ直ぐ銀河連合の巣へと向かう。「ウオオオオオオ、熊族こそ全種族最強である事をここに示すゾオウ!」
 ベア造は命を懸けて道を切り開いてゆく様子を見て烈闘は右手をお日様に向け、それからベア道を越えるように下す!
「別の論は言わせん。何も考えずに真っ直ぐ走れ!」それを別の言葉に変えながらも同様のように号令する烈闘。「振り返らず只、あいつと同じように突き進めえええ!」
 それでも納得がいかないと思ったら烈闘は自ら見本を示すように十数体に食われながらも最後まで抵抗するベア道の頭上を越えて突き進んで見せた!
「烈闘様が示シタンダ。だからお前達もベア道の様に振り返ラズニ進ンデ行けええええ!」
「わいだっテエ、わいだっテエ!」
 烈闘に奮起した者達に依って全軍振り返らずにベア道の頭上を越えてゆく……それを見て安心しきったように「やれば、で、き、る、ぁ、ぁ、ぃ、ァァ……」という最後の言葉を言い放ってベア道は命の灯火を消してゆく……

(ハヤッ太、そしてベア道に依って俺達はようやく清麻呂の森を越える事が出来た。ようやくもう後少しという所までやって来た。やって来たんだよ……なのにその先に待つのは--)

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(四)

 午後七時零分一秒。
 場所は第四の霧通称憤怒の霧。ここでは感情の制御が利かなくなるほど、酸素含有量が薄まる。
 即ち、眠気も発生する上に体を動かすと普段よりも多く体力を消費する。更には感情的に成りやすいなどここは精神面を狂わせるのに十分な霧。
「早まるナアヨ。俺が居ればこのくらいの銀河連合が相手でもこうしてこうしてこうしてやるゾオウ!」
 幸い、齢二十二にして一の月と五日目に成るゴルギ熊族の青年真鍋ベア道の奮闘もあって意外にもこの霧に於ける死者の数は少なめに収まる。
「ベア道が頑張ってる」
「だが、あいつは少シ精神面デ頑張り過ぎだろう。ここは何名かの兵士を寄越シテ守リモ考えて貰っておかないといけませんね」
「んん、あれはベア道の従弟のベア造か」
 マンマロートが送ったのは齢二十三にして十八日目に成るゴルギ熊族の真鍋ベア造。彼は少ししか年の離れないベア道を競い合い手だと思ってる困った雄。背後に隙の多いベア道の窮地を救うように左前脚に持つ四本足専用の雄略包丁を振るい、駆け付けた。
「余計なお世話ダア、ベア造!」
「ヘエイ、わいが駆け付けないと出血多量でひょっとしたら死んでたかもナア」
 包帯巻けば出血は止まるワア--とベア道は強がりを口にする。
(この霧は今までの霧と比べて突破するまでの距離が長い。おまけに足下をしっかり見ないと草花や根っこに足や翼を絡めてしまうしな。ここは俺達人族やマンマロートみたいなカンガルー族、それにシデノミチのような鬼族は普段から立って歩くから足下が見えないんだよな。全く大変な事だなあ)
 と距離に関する安心出来ない思いがありながらも意外にも少ない被害で突破した遠征部隊。

 午後十時零分四秒。
 場所は第五の霧と第四の霧の狭間。偵察隊に依ると既に月が高く上り、真夜中その物だと報告する。
 故に彼らはそこで仮設民家を建て始める。夜の戦いは却ってこちらの精神と体力を削ぎ落す為。
 烈闘は出来る限り見張りに任せつつも休まず周囲を見渡してゆく。すると優希が近付く。
「寝てろよ、優希。夜まで長い」
「いいえ、十四万も動員しておきながら第四の霧突破までに五千近くが命を落としましたよ。むざむざと寝るなんて誰が出来る物ですか!」
「それでもお腹の子に夜更かしは好まれないな」
「心配ないわ、烈君。この子はかなり強いわ」
 どうしてそう思う--と根拠が無さそうな自信を口にする優希に尋ねる烈闘。
「きっとこの子も仙者なのよ」
「当り前だろう。真古式神武建国のきっかけを作った斬弥きるみ七弓なゆみの子供達はみんな仙者として長生きする宿命に乗るんだ。なのにどうして君はこの子をそう呼ぶ?」
「何でだろうか? この子は何だか特別な運命を秘めてる気がするんだと私は思うの」
 特別な--烈闘はそれを聞いて何かを感じ取るように右手で優希のお腹を摩った。
「あら、蹴ったわ」
「本当だ……こいつは素晴らしい雄の子だぞ」
「雌の子じゃないのは悔しいわね」
「俺は悔しくないさ」
「全く烈君ったら」
 それは予言と成る。この子は銀河連合に依る執拗なる襲撃に遭っても右手でお腹を摩った時のように迷いなく蹴り込む仙者として成長してゆく。
(残りは後、嫉妬強欲高慢かあ。第五の霧は間違いなく嫉妬だろうな。でももう通用しないぞ、銀河連合!)
 烈闘……いや、烈闘達は肝心な事を忘れていた。まだここは銀河連合の支配下である事を!

 四月二十八日午前零時一分十一秒。
 場所は天同烈闘と優希が眠る仮設民家。
(何だ、この苦しみは!)
 烈闘だけじゃなく、優希も悶え出す。何が起こったのかを二名はわからない。わかるとしたら突然、ここにマンマロートとギャレイ出が駆け付けて来た!
「オオイ、目覚めて下サアアアアイ!」
「霧がこちらを包み込んでいまあああす!」
 だが、二名は悶え苦しむだけで目を覚まそうとしない!
「如何すんだああい、叩くのは罪深いでええええいす!」
 そんな事を考えてる場合ジャナイダロオオウ--とマンマロートは付き者としての思いと親友としての思いを乗せて右前脚で烈闘の左頬を強く殴った!
「ウグわあああああ……ハアハア」余りの痛みに跳び起きる烈闘は頭がまだ回らない様子。「あれ、あ……マンマロートか?」
「霧が……動キマシタ」
「霧が……そんな馬か鹿の話だろ!」
「いえ、動キマシタ。現に烈闘様と優希様は良くない夢ニ魘サレテルノガソノ証拠です」
「ウウウウ、あああああ烈くううううんん--」
「起きて下さああい、優希様ああん!」
「いや、寝かせておけ。それよりも銀河連合の……音が聞こえるぞ!」
「ギャレイ出ハ優希様ノ護衛をしっかりしろよ!」
 言われなくともしっかりやああるよ--と感情的な返事をしつつも既に優希を背中に乗せるギャレイ出。
「では包丁を持ったなあ、マンマロート!」
 それは烈闘様ガ言ワレル言葉であります--と本者に六影包丁を渡したマンマロート。
(考えが浅かった。銀河連合という存在は凍りだろうと水だろうと成れる事を)

(その戦いは嫉妬の霧が放つ深い眠りと精神に痛手を負わせる夢に依り、銀河連合への襲来に気付く間もなく食われて行った兵士達は多い。しかも憤怒の霧を少ない被害で越えたというのにその疲れも相待った形だ。まさか朝早くの目覚めに成るまでにここまで一万付近も帰らぬ生命と成るとはな。いや、まだこれは半分でしか過ぎない。嫉妬だけじゃない。強欲、そして高慢では更なる死者を出す事に。そこには彼らの姿もある)
『--七つの罪の名を持つ霧は大陸藤原により神秘性を産み落とす。それぞれ、俺達生命
が持つどうしようもない感情を具現化する。自然とは誠に生命溢れる姿をするよな。何時も
俺達の指針として神様は大変不思議な世界を作り上げてくれる。
 だからこそ俺はそれらが銀河連合に依って食事の一つとして良い方に使われてない事に
怒りを覚えるんだよ。神々にさえ敬意を払わないからこそ銀河連合は平気で俺達の命を
喰らう事が出来る。平気で七つの罪を行使出来る。平気で言葉すら覚えようとしないん
だよ。銀河連合は何も理解しないんだよ。
 それでも俺達が銀河連合を理解するにはどうしようもなく難しい道を進むしかない。
いい加減諦めるのも一つの手だが、それは血を流した先者達に申し訳が立たないって
言うだろう』

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(三)

 午後二時零分一秒。
 第一の霧怠け者の霧という別称で呼ばれる範囲では嗅ぐと安楽な状態に成るとされ、その状態では生命は油を断つ。その隙を突いて銀河連合は奇襲を掛け、戦闘開始から三十四の分が経つ。その間に死者及び行方不明者の数は計三百二十名にまで膨れる。それでも烈闘が自ら前線に立って奮戦する事で士気を高め、四十一の分より後に第二の霧に突入する。
「なあ、マンマロート」
「七つの罪の説明ですか。全く勉強してませんね。良いですか、七つの罪は次の通りですね」
 マンマロートに依ると水の惑星に於ける罪は次の通り。先ずは第一の霧の由来にも成った怠惰。これは休息を越えた休息をする事で発生する状態。その罪を償う為にはやはり働くしかない。
 次が第二の霧の由来にも成る貪食。これは日に摂る食事の量を過剰にした事により発生する際限ない食事に依る状態。この罪を償うには少しずつ量を減らさないといけない。だが、接触などしよう物ならより多くの食事をするか或は過剰な食事制限へと至り、逆に罪深い状態に陥る。
 そして、色恋憤怒嫉妬強欲高慢と成る。

 午後三時五十八分四十三秒。
 場所は第二の霧通称貪食の霧。そこでは文字通り食欲が過剰に分泌され、欲張る軍者が後を絶たない。
 彼らは指揮官の命令を聞かずに突っ走り、銀河連合に食われてゆく。部下だけなら問題はない。問題は各部隊指揮官まで良くを操縦出来ずに余計な命令を下して要らぬ被害を出しているという点だろう。
「ええい、俺まで欲張ってしまうではないか。何とか成らんのかあ!」
「いけませんネ。俺達ノ命令ヲ聞いちゃくれねえなあ」
 お前まで食欲が満たされてないな--マンマロートを見て、この霧が放つ物は強大であると理解しながら呟く烈闘。
「兎に角、ここは一旦下がって--」
「いや、下がったら却って第一ノ霧ノ匂いを嗅がされて自体が余計に混乱すっぞ。ここは強気ニ出ネエト意味ねえだろうがあ!」
「どうしてだよ、マンマロート?」
「如何してもこうしてもてめえが背中ヲ見セナイトカ言ってるからだろうが、アア?」
 わかった、十分わかった--と烈闘は後で己の為に貪食に様変わりしたマンマロートに感謝の意を述べる。
「そこで喧嘩してる場合じゃないと言わざる負えないそうだろうな」と烈闘とマンマロートを発見したのは齢三十九にして六の月と十二日目に成る藤原鷲族の藤原ワシ男は二名の間に入った。「こんな時こそ二名は仲良くし、お互いを励まし合い励まし合わせる事にこそ意味が--」
 いかん……俺とした事ガ烈闘様ニ対して碌でもない口を利いてしまった--と我に返ったマンマロートは深く落ち込む。
「いや、お前のお蔭で俺はこの霧を抜ける方法が見つかったぞ」
「で、デモ俺ハ--」
「ごちゃごちゃ言う前に先ずは背中を見ずに勢いだけで行くぞおおお!」
 烈闘は初心に帰る。最初の心掛けはやはり真っ直ぐ迷わず突き進む事。徐々に頭脳の使い方を学ぶとそれが抜けてゆき、気が付けば理屈で行動してる事に気付く。それは確かに重要ではあるが、重要故に本来の己とは何処で始まったのかを抜け落ちてしまう。そこで烈闘は敢えて策も戦い方も覚えない戦法に戻って第二の霧を突破する事を決意する。
「皆の者、勢いのままに突破せよおおお!」
 但し、鼓舞する生命が先頭に立つ事で彼らの道標と成らねば単純な戦法は降下を発揮しない。気が付けば烈闘は自然と誰よりも先に立っていた!
(次が第三の霧か。それは何と呼ぶのか?)

 午後五時十一分六秒。
 場所は第三の霧通称色恋の霧。その香りはまるで進軍する軍者達の足を止める暖かな香り。
 いや異なる。その香りを吸った生命は明らかにその霧より外に出ると表情が豹変して苦しみ出す。これは一体何が起こってるのか?
(範囲は狭いが、これを大量に吸い過ぎると先へ進むのが安心出来ないと思ってしまう。先にマンマロート達を行かせて良かった。あいつらが外から俺達に知らせるお陰でこの霧の突破口も見えて来る……だが、吸わずに突破するには凡そ成人体型二十八を息継ぎせずに進むなんて出来ないな。特に最後の登りは心臓破りも良い所だぞ。その結果、少量でも吸ってしまい次の霧で待ち伏せしていた銀河連合の奇襲に為す術がないからな)
 烈闘は後方より怖がって進めない兵士達を進ませてゆく。その過程で優希とギャレイ出を発見。
「はあはあ、烈君」
「烈君じゃねえだろ。どうしてここまで駆け付けたんだよ!」
「だって私は烈君が心配だったのよ」
「お前という奴は……わかったよ。大陸藤原を我が物にする姿を最後まで見届けろよ、絶対にな!」
 ええ、勿論--第三の霧が放つ香りを大量に吸いながらも愛する夫や子供達の為に耐え抜く優希。
「素晴らしいよおおおう。大好きでええええうすよおお!」
「お前は黙ってろ……と言ってもこの森の中じゃあどうしようもないよなあ」
 と言いつつも烈闘の心の中で何か安心出来ない物が膨らみ出す。
(誰か居ないような気がする。これは何か碌でもない事が起こるぞ。只でさえここまでに凡そ千の兵士が運命を共にしてしまったんだぞ。なのに……いや、何も考えるな。俺は単純なのが取り柄だろう。躯央見たいに賢くないんだから只考えずに体を動かすべきだよ。只考えずに……俺の頭上を--)
 烈闘は振り返る……そこにはサーバル型銀河連合が真っ直ぐ優希の頭部を喰らわんと烈闘の頭上を越えてゆくではないか!
「間に合わ--」
 生かせませんと言ったら行かせま……せえええええあああああわ--ワシ男は上半身右半分をサーバル型に食われながらも優希とギャレイ出を死守!
「ハアハア今がその時だ、と、思い--」
「わかってるわ、ワシ男さん!」
 優希は望遠刀を構えて素早く物部刃を装填すると距離を取りながら僅か二の秒より後に放ち、サーバル型の心臓を貫いた!
「やった……じゃないけど」
「ワシ男オオオオ!」烈闘は駆け付ける。「……深過ぎるぞ!」
「どうですか、と思いまし、てね。ハハ、これが全生命体、の、希望、であったら、うれ、嬉しい、と--」
「だからわし訛りで喋るからすこしはああああん!」と号泣し、何とかサーバル型の死体から離して止血を試みるギャレイ出だったが。「死ぬなああや。幾ら年でもおおおう、死んじゃあああ良くなああい!」
「死なないで、ワシ男さん。死んだら--」
 全て、の、た、め、に、ぃ--と満足げな笑顔を見せながらこうしてワシ男は最後の言葉を告げた
 この世からあの世に旅立つ……この出血量と彼の満足げな笑顔を証明するにはそれ以外の言葉が見つからない。

(これはまだ俺の知ってる三名の内の一名にしか過ぎない。何故ならワシ男だけではないんだよ。ここを突破する為に死んでいった俺達の知る凄腕達ってのは)
『--ワシ男は大陸藤原で生き、軍者の頃からずっと大陸藤原が全生命体の所に戻って
来る事を願い、そして大陸藤原に於ける罪の場所で三十九の短き生涯に幕を閉じた。最後
まで大陸藤原の為に生きた雄の人生を銀河連合に笑う権利はない。彼の人生に報いる為
にも俺は大陸藤原を我が物にしようと心に誓ったんだがな。だがな』

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(二)

 二十六日午前三時三分十八秒。
 復旧作業を済ませた遠征部隊は進軍を再開。更には峡谷の全ての地質の調査も完了。それを踏まえて烈闘は次のような考えを浮かべる。
(調査の結果はこの先、崩落する危険性は薄い。その情報を信じよう。もしもこの情報が真でないならばそれは銀河連合が都合を使用した事に成る。そうなればこちらは予備戦力を出し惜しみせずに進軍するしかなくなる。出し惜しみしていれば達成出来る物も達成出来なく成る。それだけは避けなければいけないなあ)
 烈闘は考える。銀河連合は絶対にこの大陸を手放す事はしない。中間地点に迫れば自ずと都合を使って阻止しに掛かる事を。そこで己自身が前に出て少しでも都合の効果を止めないと大陸藤原を我が物には出来ない。
 その考えを理解してるのか、マンマロートは声を掛ける。
「烈闘様。くれぐれも自ラヲ大事ニシテ下さい」
「だが、俺が前に出ないと奴らは都合の力で奇跡を起こしてくるからな」
「奇跡……それで思い出しましたが、船ノ話ヲ御存知ですか?」
 いきなり何を話し出す--と烈闘は何故マンマロートがその話をするのかを尋ねる。
 実はマンマロートは思い出した。藤原大陸に足を踏み入れて少し時間が経った時に船の歴史について教わろうとしていた事に。ところが先に歪みが訪れた為に話す瞬間を失い、以来ずっとそれを取っておいた。話す瞬間が来たら改めて説明する為に。
「そう言えばそんな事を聞きに行ってたな。良く覚えてるよな……でもどうして今更それを説明するんだ?」
「奇跡について思イ出シマシタ。船に関する話では常に奇跡トイウ物ガ付き物であります。ある話では船を動かす鯨族の青年が突然襲イ掛カル海豚型銀河連合の群れ。それに依って後一歩デ死ニソウニ成った時に海底地震が彼らを巻き込みました。それは鯨族の青年と彼ガ操縦スル船に乗る生命達を死なせる勢いだったにも拘らず、船が壊れても乗組員ト青年含メテ全員生還を果たしたとの事。どうしてそのような奇跡ガ起コッタノカ? 実は者力式の船ニハ竜骨デ操縦する鯨族の青年を保護する役目を持っていた。偶然にもそれが海底地震に依って発生シタ嵐ノ中で青年を含めて乗組員全てを守る盾と成り、カルネアデス族の板ノ役割モ担った」
「いや、カルネアデス族の板は緊急避難の諺だぞ。そこで使う用法じゃないからな」
 ウグ、俺トシタ事ガ--とマンマロートは烈闘に異なりを指摘されて少し膨れっ面を見せる。
「話の続キヲシマスネ。それに対して今の水力式の船は速度の上昇や船ノ軽量化ヲ促す物の嵐に成った時の安全面では余り頼りがなく、奇跡ダッテ頼リニ成りません。現に新天神武のテオディダクトス大陸ニ於ケル調査隊が銀河連合の襲撃を受けた際には彼らの殆ドガ海デ散ったと聞きます。それだけに今後の船製作ニハ課題ガ付き物ですよ」
「でも水車以外の優れた船なんてある?」
「噂では風力で動かす船ガ開発サレタト聞きますけど……地域差ガ激シイデショウネ、仮に稼働シテモ」
「そんなに風の力は信頼されないのか?」
「風力は安定した地域デナイト発揮サレマセンノデ」
 船を始めとした動力機関はまだまだ課題が山積みである。そんな事を話し合いながら烈闘率いる遠征部隊は僅か十六の時を掛けて無事に峡谷を抜け、未だ未開とされる大中臣地方へと入ってゆく。

(そこは俺が最後に到達した激戦の地方。これから伝えるであろう事は即ち、予備戦力を主力に切り替えてまで押し切らないと突破出来ない数々の困難。そして銀河連合と化した清麻呂の森。そこでどれだけの生命が森に食われたのかは定かじゃない。それだけじゃない。ここであいつが命を賭して俺達を進ませなければ……俺はここで命を落としていたであろう。あいつとはこれから語ってゆく)
『--誰かがここを大中臣地方と名付けたのかは定かじゃない。真正神武の頃に無名の
学者が名付けたのかも知れない。だが、清麻呂の森は同行した無名の学者が名付けた。
如何ゆう基準で名付けるのかは昔も今も謎だ。気が付けば俺達生命は理由もなくそう
名付ける事が多い。
 おっとその話を先にしとこう。脱線するのはどの生命でも良くある筈だ。特に文章作り
も他の生命とお喋りが苦手な生命にはよくある話さ。俺なんかその典型例じゃないか。常
に格好付けた言葉を記したく成ってな。
 それじゃあ先にこの話題から片付けるとある土地や大陸を名付ける時に何故か片仮名
で何か偉そうな名前を付けるのを御存知だろ。どうしてなのかを尋ねられると俺
じゃなくても躯央だって明確な答えが出ない。気が付いたらそうゆう名称を付けてると
いうのが大半の学者及び研究者の総意らしい。ではどうしてここ大陸藤原や蘇我大陸、
それから新天神武領である物部大陸は片仮名じゃないのか? その疑問に誰も
答えられない。答える事が出来たら俺達の名前の謎の解明にも役立つそうだがな。もう
この話題はここまでにしよう。
 話題を戻して清麻呂の森は偵察隊でさえも迂闊に近づくのが難しい森だそうだ。しかも
ここを通らないと陸上種族は危険な崖を綱渡りするくらいに遠回りしてしまうからな。
しかも銀河連合の都合がいつ来るかもわからないというのに遠回りなどすれば余計に
軍者を死なせてしまうからな。なので俺達は真っ直ぐここを通過しないといけない。まだ
見ぬ森の謎を解明する為に』

 二十七日午後一時四分十八秒。
 場所は大中臣地方清麻呂の森第一の霧。後の日記に依ると全部で七つの霧で守られる森。偵察隊さえ遭難してしまうそうなためにまともな調査も果たせずに突入。その霧はまるで七つの罪を表すかのようだと生き残ったある軍者は語る。そして第一の霧は怠け者の霧と呼ばれ、その霧は視覚だけではなく嗅覚で生命に安楽を齎してゆく。だが、その安楽は時として油を断つ事を招いてゆく。そう、銀河連合に依る奇襲を避けられずに多くの軍者達は食われてゆく。
(この匂いは危険だ。まるでまーまに包まれるかのように。優希を連れて来なくて良かったよ。きっと俺はお腹の子も含めて彼女を死なせていただろう)
 と烈闘は思っているが、実は既に優希は戦闘に参加していた……齢三十にして六の月と二十五日目に成るエウク馬族の中年真島ギャレイ出と一緒に。そう、とある人族兵士と馬族兵士と入れ替わるようにしてやって来たのである。
「何だかいい気分に成ってきまアアス!」
「良くないわ、ギャレイ出。これは隙を作る為の匂いよ。だから頑張って抑え込みなさい!」

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月二十四日午前九時一分三秒。

 場所は真古式神武大陸藤原藤原道長地方中臣峡谷。
 そこで齢二十にして十四日目に成る神武人族の青年天同烈闘は昨日の洞窟調査で死んでしまったコウモラ・リックマンに対する黙祷を捧げた後に進軍の再開を告げる。つまり、烈闘は洞窟で見たあの光景を兵士達に伝えなかった。いや、以下の理由で伝える事を躊躇った。
(神々への思いを打ち砕かれるのはどうしても出来ない。俺は何も知らなくて良い事は知らなくて良いと思ってる。昨日俺達十名があの神々は何の為にそこにあり、そこで何の機能もせずに果てたのかを考えればあれをそのまま真に受けて余計な解釈をされるよりかは伝えずに静かに眠らせる方が余程良いに決まってる)
 進軍中烈闘は己にそう言い聞かせる。そう言い聞かせないとあの光景から目を背ける事が出来ない。己の頭脳でもどうする事も出来なかったあの光景。いや、己よりも遥かに知能が優れる筈の齢十八にして二の月と二日目に成るキュプロ獅子族のソフェラ・レオルマンでさえもそれを上手く解釈が出来ないと主張する程である。
(一歩でも解釈を違えると子孫達に勘が違えた情報を与える事に成ってしまう。そんなのは先祖と呼ばれるであろう俺達のするべき事ではない。俺達先祖に成ってゆく生命が果たすべきなのはそこで子孫に誇れるような生き様を見せるしかないんだな。例えそれが惨めであろうとも)
 そう考えた後に右隣で行進する齢二十七にして九の月と二十二日目に成るルギアスカンガルー族の青年に残り三通の手紙について教える。
「そうデスカ。三通目の手紙は二つノ国ヲ併せ持つ事に依る問題点についてですか」
「ああ、そうだ。あいつに依るとその問題は真正神武の文化財や風習を復元する度に起こったんだ。それも古式神武では余り感心しない事をどうして取り入れようとするのか。それに依って首都タイガーフェスティと六影府の間で意見の対立が巻き起こって大変だとさ……だから遠征が終わったら直ぐ戻るよう躯央くおうは訴えてるんだよ」
「そうデスカ。けれども烈闘様、もう言ッタ後ジャナイデスカ。その発言を今直ぐ撤回して急遽六影府マデ戻ルトイウノハ如何でしょう?」
 それは出来ん相談だ--と烈闘は一度決めた方針を曲げたりしない様子。
「一度決めたら曲ゲナイト決メテシマイマシタネ……メラリマ様ト同じく。では話を手紙に戻しまして四通目ノ方ハ読まれましたか?」
「それは次の通りだよ」
 四通目及び五通目の手紙については次の通り。四通目はいわゆる遠征部隊に出した軍事費は膨大であり、仮に大陸藤原を銀河連合の手から解放してもその土地は暫く浄化作業を行わなければならず、更には維持費だけでも年間に掛かる費用は尋常ではない。故に数十の年で取り返せる物ではないという躯央からの釘が入る。更に問題なのは大陸藤原が何処まで広がるかについての資産が不透明であり、余計に躯央は一度帰還するよう求めて来るのも無理はなかった。
 最後の手紙は簡潔に表される。それは後継ぎの為にも齢十九にして九の月と二十二日目に成る神武人族の少女にして烈闘の妻である優希を六影府に帰還させるようお願いしてるとの事。それについては何度も優希に勧めるも彼女も又、一度宣言した事を絶対に覆さない為に諦めるしかないとの事。
「困リマシタネ。そこまで財政ガ逼迫されていたなんて」
「躯央だって苦しんでるんだ。それでも俺はねーねと同じく全生命体の希望として命を懸けるんだ。なのでここは……おや?」
 烈闘は何かの気配を感じ取る。と同時に左手を上げて足を止め、戦闘態勢に入るよう無言で伝える!
「烈闘様、この峡谷に於イテハ上ノ方ばかり気を摂られますが……その考えこそが銀河連合の付け入る隙ダト俺ハ思います」
 全軍……地面を狙ええええ--マンマロートの言葉に従い、烈闘は上からの気配は囮だと気付きながら本当の狙いだけを叫んだ!
 その叫びもあって十一万の戦力の大多数は其方に目が届き、何とか銀河連合に依る大胆な奇襲を防ぐ事が出来た。だが、この奇襲に依って地盤は大きく崩れ、空中種族でない生命は殆ど崩落に巻き込まれておよそ一割もの生命は命を落とし、二割もの生命が重軽傷及び行方不明と成った。
「峡谷の戦いヲ侮ッテしまいましたね。これだけの生命ガ命ヲ落としてしまうなんて!」
「奴ら端初め科羅対策於採られる事さえ計算似」と悔しそうな言葉を口にするは齢三十二にして四の月と十六日目に成る六影鬼族の中年ヤマビコノシデノミチ。「空乃囮出わしら乃目先於上似向けて地面科羅襲い掛かる事出数於減らす戦法科斗思ったぞ。実端峡谷斗いう環境於利用して予め地盤於弱くした状態出地面似攻撃して。それからわしら乃足場於崩して力乃ある陸上種族於減らす手段だ斗端のう、悔しいぞ!」
「二段仕込みとは中々宜しくない考エヲ思イ付くなあ」
「これで暫くは進軍出来なくなった。ここまでを偵察隊に調べておいたのに……地質調査を怠ったせいでこのような事を招いてしまった」
 と烈闘を始めとする軍者達は悔しさと悲しみで一杯だった。
(行方不明者の捜索は補給戦力に任せ、予備戦力の六割をこちらに回して数を補うとしよう。それから峡谷より先の調査も済ませておこうか。そうしないと今回みたいな惨事を招く。銀河連合は大陸藤原を我が物にしてどれだけの年月を経てるかわからない。進めば進むほど俺達の想像もつかない事態は巻き起こる。調査を幾らした所でどうしようもないと理解しても調査が意味ないと考えたくもない。努力を砕くような考えは先祖達の流した血を意味ない物に変えてしまう。だからこそ俺は基本だけは最後までやらなければ大陸藤原を我が物にするという悲願を達成出来ないんだよ!)
『--とこのように徐々に俺の中で躯央が手紙に記した諫め言葉に耳を傾けたくなる事態
が起こりつつある。恐らく奴らは都合を使い始めたんだろう。あれだけ偵察隊の、いや
情報の重要性を知る俺達がこのような手際の不十分さを招くなんてな。銀河連合にとって
俺達を如何にして苦しませるかを理解した存在は居ない。そうするしか俺達が屈して
大人しく食糧に成る事を願ってる存在は居ない。
 だが俺達は銀河連合の好き勝手な存在に成る事を断る。了承すらしない。それは先祖達
への顔向けをせずにただ生きてないような心で生き抜けと主張するような物だ。それで
よく全生命体の希望と誇れる? それは望みを絶やす心の表れだろう。俺達はその先に
希望があると信じて真っ直ぐ進んでいけるのだよ。先祖達もこれから生まれてくる希望
溢れる子孫達だって前に向かって進むのさ。
 だからこそ俺はたった一名だけに成ろうとも後ろに下がる事をしない。済まないが、
躯央よ。俺はじーじぃとねーねの約束を果たす為に大陸藤原を我が物にするまでは振り
返る事はしない。そもそもこの日記が水の惑星中に送り届けられる頃には既に大陸藤原
を我が物にしてるのさ。そうだろう』

一兆年の夜 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇(序)

 さて、また僕がこの時代を訪れたね。真古式神武の崩壊へと至る話の起こりの部分は今の所終わりを迎えようとしている。僕はその一部始終を目撃する。何故終わりを迎えるのかについては前の話で紹介しただろう。歪みだよ。お日様の大きさ程でしかもその中に四十二もの歪みを観測した事により僕の計算では後四年と二の年より後(ここでは単純計算して凡そ予十二の年より後)に真古式神武各地に銀河連合の彗星部隊が降りて来る。彼らに依る攻撃は今の水の惑星の軍事技術では対処出来ない。出来ない以上は喰われる事は避けられない。それだけでなく、満月規模の歪みも発生した。これはいわば銀河連合彗星部隊が真古式神武を喰らう為の予備演習の彗星部隊さ。奴らを送り込み、一部始終を確認してから四年と二の年より後に本隊で一斉に喰らいに行くのさ。全く僕が助ける事が出来たらどれだけ良いのか。でも僕が関わればあいつが歴史に介入し、折角僕や僕の父さんや母さん達の軌跡の土台を作った水の惑星に暮らす偉大なる先祖達が消えてしまう。だからこそ僕は何も出来ずに只、あいつに依る浸食を止める事しか出来ない。
 さて、僕がここに来ておきながらも何も出来ない理由を説明した。僕はどうしようもない。僕のせいで先祖達の生き様に割って入ったり、更には僕が何もやらないせいで先祖達をむざむざと命を落とすような真似をしてる現状を。僕は歴史の正確性を維持する為にこの時代に来てはあいつによる浸食を止めるしか何もしないからな。僕は何もやれない。
 今こうして先祖の一名である烈闘が後戻りせずに突き進んでる事さえ告げても問題筈なのに僕が持つ力は僕の介入は良くないと告げている。いや、予測なんて物じゃない。実際に僕はやってるんだ。そして僕はそこで狂いが生じて僕自身が産まれないという誤りの差を埋める為に僕がここに来た理由も証明する為に僕の介入を無かった事にしてどうにか誤りの差を埋めるんだよ。つまり僕は介入しても介入がなかった事に成るんだ。だから僕はこうゆう場合は何も出来ないんだよ。予測じゃなく実践してるからこそ僕は断言出来るんだよ。故に烈闘を助ける事は出来ない。出来るのは烈闘自身しか居ない。
 でも今はまだ後戻りするのは可能だろう。可能だけどそれを烈闘が選択出来ないんだ。彼は既に選択した後だったんだ。彼を止められるのはこの時点で優希しかいない。でも優希はお腹の子供を抱えてしまった以上はどうしようもなく止められない。止めないと彼は命を燃やし尽くしてしまう。後戻りしないと彼だけじゃなく、真古式神武の未来を短き花のようにしてしまう。
 それが烈闘の進むべき道であり、僕へと繋がる道だとしたら僕はもう……止められない。それに烈闘はまだまだ残した物がある。それこそは後百十年以上先に訪れる新天神武の未来を埋め尽くすあの大部隊に依る襲来から何とか生き永らえさせるあの島に渡らせる種を産みつつあるという事も。優希の行動は其処に繋がる訳だろうな。
 他にも語りたい事はあるけど、僕から断言出来る事柄はそれだけだよ。今回は烈闘が、いや水の惑星に暮らす生命が思い知るであろう水の惑星の全体図が明かされる事。僕は今度も語るだけに終わるだろう。ただ見てるだけしか出来ない存在が僕だ。僕は僕の時代と昔の時代を行き来しながらあいつの浸食を止めるしか出来ない。僕の時代では最後の攻防の続きを始め、過去の時代に誘われる時は歴史を糺して事実の書き換えを止める事で僕はみんなを助けるんだよ!
 それを実行しつつも僕は先祖の一名である烈闘の進んだ道の先を見届けるしかない……それも永遠に近い程にまで見続けながらもね。

雑文特別編 お金様 書くだけ書く試作品   (9/5)

 どうもではではこれを書いたらやっと一兆年の夜の作業に入りたいと思います。

 翌日の朝九時零分零秒……Dはセミナー会場の確保に成功したと俺に伝えてくれた。
「それは有難いな」
「ところで日当五千円……どうせこの一週間はお金はないだろう?」
「その金を手にしないな。俺はお金様に反逆する戦士なのだぞ!」
「財政面を心配してるのか? 大丈夫さ、こう見えて私は百万程の浮いたお金は目先の給料支払いに使うからこれを受け取っても問題はないわ」
「それでも駄目だ。俺が手にしたらお金様に屈してしまう!」
「頑なに言ってられないだろう、じゃあ」Dはちょうど出勤したC´に目を付ける。「彼には渡しておかないとな」
「オオオ、そのお金は欲しい!」
「欲しいか?」
「ああ、昨日の夜にお袋から仕送りを停止されたんだ」
「それでもその汚い金を受け取ってはいけませんぞ、C´さん!」
「良いや、受け取るね!」
 おのれ、お金に群がる寄生虫め。だが、ここで俺はある事を口にする。それは今も続く話題の話をぶつけてな。
「馬鹿な事を言うな。俺はパチンコに注ぎ込むような屑じゃない」
「だが、そのお金はゲームソフト購入や衣服の購入に充てるべきじゃない。今日明日の食生活等に充てる物だ」
「え、ゲームソフトやプラモを買っちゃ駄目なのか?」
「当り前だろ。それじゃあパチンコ屋競馬に次ぐ込む奴らと差して変わらないだろうが!」
「あ、やっぱりそうですよね!」
「感心しませんねえ。パチンコなんて物は賭博場に子供を売り付ける屑親の気持ちですな。全く何を考えてパチンコなんて金食い虫に作品を売るんでしょうねえ。彼らはそこまでお金が欲しいのですか? 名声が欲しいのですか?」
「JさんにSS(エスチェット)さんも来てましたか。いきなり大半の漫画かおよびアニメーターを全否定するような発言は止めて下さいよ、SSさん」
「いや、実際そうでしょうが。パチンコ打つような奴に限ってお金への執着が異常な程あるとはよく聞くしね。まあそれがお金の為に何もかもかなぐり捨てる人間の特徴にも繋がる訳ですな」
「今は良いでしょう。それよりも会場は決まりました。なので後はここにLさんが来たら大々的にセミナーの概要についてDさんから説明に入りますよ」
「そりゃあいいや」
「あ、お早う御座います」
 俺達はすっかり忘れていた事が一つ。挨拶しないといけない点についてだろう。
「あ、お早う。そう言えばみんなにそれを言うの忘れていたな」
「今更だね。それとも君は在日疑惑があって更には学生時代より問題のあるとあるお笑い芸人みたいに挨拶しないと--」
「止めてくれ。SSさんの話は毒が強過ぎて各方面から攻撃されてしまうから!」
「それってし--」
「君も若いのだから今後の支障に成るような発言は控えるように!」
「一体何があったんだろう?」
 と出勤して早々に困惑するL。彼を無視するように一行はセミナーの話に入る。Dに依るとセミナーとは日本人に根付くお金に屈する精神を打ち払う効果があるとの事。但し、日本人は昔から保守的な傾向が強い。直ぐには感化されるような精神構造ではない。それでも続けていく内に醸成されて行き、やがては一大ムーブメントへと発展する傾向にあるとDは語る。
 但し、その論に反対意見を述べる者が一人……やはりSSだった。
「君はその日本人特有のバスに乗り遅れない姿勢のせいで先の大戦における敗北が決定した事をお忘れかな?」
「何の話なの?」
「申し訳ありませんが、SSさん。大東亜戦争の話をするんじゃないわ。今はセミナーの話をしてるのよ」
「申し訳ありませんねえ。私は前の会社の事を引き摺っていましてついつい何でも反論したく成りましてね」
「寧ろ凄いのはそれだけ博識で尚且つ色んなジャンルに詳しい事だろうな。尊敬するぜ、爺さん!」
「でも口煩いからあんまり好きじゃないな」
「まあまあSSさんの話はそこまでにして今はどうゆう展開にしてゆくかの話をDが説明してるじゃないか。そこに集中してくれないか?」
「良くわかってるじゃないの。なのにもったいないわね、その年で社員の座を捨てるなんてね」
「あんたも一言多いぞ」
 とツッコミを返した俺。そんな俺を無視するようにDは話を続ける。
 えっとDの話では同時期に同会場にてチームタスクフォースもセミナーを行うそうだ。そこで俺達は彼らと議論をぶつけあうそうだ。ぶつけるって……この面々でBさん達とお金へのスタンスについてぶつかり合うってのは流石に厳しいだろう。俺はそう思った。他の奴らの場合は次の通りだよ。
「出来ればEを糾弾し、Cにやって来た事を後悔させないとな!」
「これは中々の接戦に成りそうですね!」
「私みたいな人に何か意見を述べられるのだろうか?」
「フムフム、このSSに刃向かう愚か者の素顔とやらを少しだけ拝んでみたいなあ」
「きっと私の前に彼女が出て来ると思うわね」
「彼女? Dにも倒すべき人間が居るのか?」
「Fよ。彼女こそチームタスクフォースの黒幕よ」
「それはきっとライバルなんだろうね、Dの所の」
「いえ、私の元上司って表現した方が正解ね」
「上司だって!」
「何を驚いてるの? 正式には彼女は東大を首席で卒業する成績でしかも就職して僅か一年足らずで部長職に就く程のコネと脅し材料とそして頭脳明晰を持つのよ。流石の私でも彼女の余りにも優れ過ぎた実力の前に何時だって後塵を拝すわ」
「後塵を拝す?」
「君もここで勉強するべき諺だよ。つまり実力があるのにそれよりも実力のある人間の背中を追うしか出来ない者の事を指すという物さ……例えば私みたいにね」
「爺さんが言っても全然納得いかないんだけど」
「そんなに凄い人なんですか、このお爺さんは?」
「知らないのですか、Lさん。SSさんは何でも--」
 と俺はLさんとJさんにSSさんがかつて居た大企業の名前を伝える。
「ええええ、あそこの会長さんだったの!」
「そんな凄い会社の会長だったお爺さんがどうして惨めな姿をしてるの!」
「前にも語った筈だがね。私に別名を与えた物が居てね。彼に全財産と会長職、そして優秀な部下を与えて私は一切合財を捨ててホームレスとして再始動したんだよ」
「それが信じられないわ。貴方みたいな人がホームレス生活を送らざる負えないなんて今でも私は思うのよ」
「どんなに富や名誉を築こうとも結局人間は胡坐を掻くんだよ。特にお金はハイスコアと同じで増えれば増える程、欲を掻いてしまうのでね」
「つまり、あんたもお金へのレジスタンス活動に必要な人間だと理解した。それだけ巨大な物も簡単に手放す勇気は中々持てる物じゃないな」
「そうゆう君はおかねの事を恨んでる節があるように見せて本当は誰よりもお金を求めているねえ」
 ウグ……と心の中でダメージを受ける俺。口で否定する程に俺はSSから受けた正論をまともに返せない自分が情けない。俺がお金に執着してるだって……それはそれは心を抉って来るなあ。
「気にするな。負け犬の遠吠えだと聞き流せば良いんだ!」
「そう言われても俺にはまともに返す言葉が見つからない」
「また話が脱線してるわね。その調子でチームタスクフォースとの議論に打ち勝てるの?」
「心配ありません。私が一生懸命みんなを引っ張ります!」
「その前に君は学校に行きたまえ!」
「嫌です。虐めっ子達が私を寄ってたかって攻めていきますので--」
「君はそれでも人間かね? 虐めっ子の言葉なんか負け犬の遠吠えだよ。それに人間は誰しも悪口や妬みを嫌でも聞いてしまう。そうゆう時こそ己がやるべきは悪口や妬みに負けない精神力という物さ。最も精神論は精神力の強い人間しか身につかない物なので君の場合はそうだねえ」
「話が長いですよ、SSさん。ここは敢えて耳栓をしなさい。悪口や妬みを聞いたらそれ以上に算数をして称賛の声を聞いたら存分に耳に入れておく……それで良いのよ!」
「でも嫌でも聞いてしまうのよ」
「それじゃあカウンセリングに成らない。こうゆう場合は効率よく先生にチクれば良いんだよ!」
「それだと逆効果でしょ!」
「何処が? 先生でも駄目だったら虐めっ子でも想定出来ない程に大事にすれば良いんだよ……あ、でも自殺するなよ。生きるからこそ楽しみは見つかるんだからさ」
「中々良い話じゃないか……ウウウ、どうして死んだんだよおおおC!」
「ウウウ、如何して離婚してしまったんだあああ!」
「あのう、ハンカチ使います?」
「有難う、Jさん。君は良い子だよ」
「後で使わせて貰います」
 はあ、虐め問題はそう簡単じゃないな。俺も一度や二度だけじゃないんだな。まあ虐めをする奴ってのは何時も虐められる奴に問題あるとか言い訳して正当化するんだよ……はっきり言おう。そんな言い訳で虐めを肯定するのは気分悪いんだよ。そいつらもまたお金で人を道具のように扱う連中と同じく人間の屑としか言いようがない。俺はそうゆう理由で虐めを正当化するのは駄目だ。後は『あいつも虐めたんだから俺が虐めても問題ないだろ』も『俺が家が悲惨なんだよ。何であいつは幸せなんだよ』とか『俺は昔酷い目に遭ったんだ。あいつらに酷い目に遭わせても問題ないだろう』も論外。
 一つ目はそんな日を見て相手を攻撃するのは卑怯の極みであり、てめえはその程度でしかないという証拠だよ。二つ目は自分の不幸を相手に押し付けるな。不幸なラフ功なりに相手に優しくしろ。それも出来ないなら相手に当たる前に誰かに助けを求めろ……死ぬ気でな。最後は最も恥ずべき行為であり、過去にやりたかった復讐を現代に持ち込むという胸糞が悪く成るような物。しかも何の罪もない人間にそれを当たり散らすなんてこれほど腸の煮えくり返る事はない。やるんなら過去の内にそいつに復讐しろ。どうして現代にしかも無知なるものに当たり散らすんだよ……とな。
「それにしてもAさんが虐めに対してそこまで熱い人だったなんて!」
「まあ擁護出来ない点も言っとくけど虐めた側に立ったこともあるんだよ。だからそこまで強くは言えないけどね」
「いやそれで十分だよ。全くどこぞの人間怪人風情はそうゆう部分があるからこそ--」
「そこは言わないでくれるか。しつこいんだからさあ」
「何気にする必要はない。私は人に好かれるのが趣味じゃないのでね。言いたい事はその場で言うのが私のポリシーでね」
「そこさえなければSSさんは完璧ね」
「そう言えば前居た会社の課長もそんな感じだな……最もSSさんみたいな部下にも優しい人には程遠いけどね」
「虐め問題はその辺にしてセミナーは何時開催するんだ?」
「明後日よ」
 それは行き会ったりばったりと批判されても仕方ないな。実際には俺達マネーバスターズの活動は明後日のセミナーで始まる。ここまではまだ活動すらしてないとはな……こんな物で果たして誰かが読んでくれるのだろうか? ひょっとしたら一部も売れないのかも知れない。ああ、これだからコミュニケーションが碌に出来ない作者の作品は起承転結も序破急のイロハも出来ないんだよ。

 こうしてお金様との戦いを綴った俺達の物語の前半戦は終わりを迎え、半年後に中盤戦を綴ったお話は始まるのさ……

 お金様 前篇……完!


 という事でお金様の試作品前篇はこれにて終了。商業版こと市丸代版は誤字脱字とわかりにくいと思う部分を自分なりに修正し、更には自分でも気付かない部分をプロに修正してお送りしますぞ。まあ本当に出るかどうかは別だね。一応はSSの喧嘩上等な台詞はある程度こちらで修正を入れときますので安心するように。
 それじゃあここまで……夕飯食べ終わる頃に第六十五話の執筆に入るぜ。

雑文特別編 お金様 書くだけ書く試作品   (8/5)

 どうも基本的に日曜は更新してはいけないという鉄のルールだけは守る(一回破ったけどさあ)darkvernuです。
 これをある程度済ませてから第六十五話の執筆を始めたいと思ってるぜ。

 午後一時五十八分……俺達はDに相談しに来た現役女子高生Jと謎のホームレスSS(エスチェット)を連れてアーカム本部へと戻った。まだ寝足りないせいか、Dは機嫌が悪い。だが、SSを見た途端に畏まって丁寧な挨拶と業務内容の説明を始めたな。
「いえいえ、まさかあの某企業をたった一代で巨大企業に伸し上げた元会長様がお出ますなんて!」
「いや、今は只のホームレスとして貧しさと戦ってる訳だよ」
「その経緯がわからないんだけど--」
「Aさん、無礼な事は慎みたまえ!」
「そ、そんなに凄い爺さんなのか? オタク知識だけが豊富じゃないのか?」
「それがSS様の企業の特徴な訳ですよ。現役時代に数多くの凄腕を育て上げるだけではなく、サービス残業及び労基法のほぼ全てを守り、更には社員へのアフターケアの完備と独立した際には最大限の応援をするなどこの方ほど部下を大切にする経営者は他に居ないと謳われる程の素晴らしい経営者なのですよ!」
「御謙遜しないで貰いたいな。時には過剰な保護のせいで一人の人間の可能性を潰した事だってあるんだよ。それに私はもう一企業の会長だった私ではない。只の私として一か月前に再スタートをしたばかりなのだよ、わかるかね?」
「俺はそれが聞きたいんだよ。どうしてホームレスに成ろうと決めたんだ? 折角積み上げた富と名誉をかなぐり捨てるなんて一体何があったのか!」
「ある日突然私の別名が決まった。それを受けて敗北宣言し、彼に会長職を譲り渡したのだよ」
「いや、わからないよ。どんな別名を付けられたんだ?」
「それは守秘義務だよ、君」
「わかったわ。小林尊だね!」
「貧しさの余り逮捕されるという間抜け前科者と一緒にされるのは失礼極まりないよ!」
「ううう、現時点では最も凄いと言われるフードファイターなのに!」
「あ、そう言えばJさんと相談する話だったわね。そろそろ始めましょうか」
「はい」
 そう言えばJは不登校で悩んでいるって話を聞いたな。ここは二人だけの女子会を開くので野郎三人は外に出よう。
「また外で何かやるのか、A?」
「ここに三人合わせて残り百二十六枚あります」
「成程、一人大体四十五枚を配れば良いのですかね?」
「そ、そう成りますね。では再び活動しましょう」

 午後二時四分……再び応募用紙配りを始める。先ずは押し寄せる通行人を--
「君、不特定多数に配っても意味がないでしょうが」
「で、でも俺達の活動は--」
「言い訳をするんじゃない。やるのでしたら先ずは死んだような眼をした人間にターゲットを絞る」
 SSは元経営者らしく未来の薄い人間に狙いを絞った。
「私を見てなさい。これがビラ配りの極意よ。ええ、君は就活に励んでるのかな?」
「あ、そうですが」
「良ければこれに目を通してみてくれないか?」
「それ俺達のやって来た事と同じじゃねえのか?」
「いや、その後もありそうですね。SSさんは何か秘伝でもありそうだな」
「ここで働くとお得な情報を君に与えよう。それは何と一週間だけ日当五千円が貰えるよ」
 お金で吊ったぞ。あのジジイめ、目先のお金で吊らせに掛かったぞ。それはマネーバスターズの意向に反するんじゃないのか。そう思いつつも眺める俺達。
「で、でもそれって新手の詐欺にある事じゃないの?」
「ここ重要ね。たったの一週間で五千円。でも君は一日に五千円も浪費するのかな?」
「あ、言われてみればそれは--」
「でしょ。だったら一週間計三万五千円は誠にお得なお金に成るよ。どうだい、今なら五名様限定」とSSは敢えて資金面に於ける限界を示す事で詐欺ではない事を見せ付ける。「今、これに乗らないと今日と目先の明日は乗り切れないよ……さあさあ!」
「は、入らせて頂きます!」
「宜しい。ではこの応募用紙を半分持ってね」
「え、え?」
「まさかねずみ講手段でやるんじゃないだろうな?」
「いや、ねずみ講は制限を掛けないからこそ詐欺が成立するのだよ。だが、君達の場合はまだ財政面では百万円以内ならい週間でも問題ないだろう?」
「俺達の明日もあるんですよ、SSさん」
「それにDの許可なくそれ極めて良いのか?」
「いえ、このくらいの無許可は問題ありません。一日以内に押し切れば何とか話は付けられる話ですよ」
「あ、あのう」
 SSがスカウトした一般人は二十二枚分渡され、困惑してる様子。俺は彼を尋ねる。
「お名前と現在の状態を教えてくれないか?」
「えっと履歴書を書いて宜しいのですか?」
「いや、必要ない。普通に名前と現在どうなってるかを伝えれば良いだけだから」
「わ、わかりました」とこの男は余所余所しい様子で自己紹介を始める。「ぼ、僕はLです。えっとLです」
「Lかあ。推理する時に何時もお菓子食べてるような印象だけど」
「いえ、僕はお菓子アレルギーで何時もビスケットですら食べられないのです」
「じゃあ煎餅は?」
「いえ、洋菓子だけじゃなく和菓子も無理です。だから何時も苦労してるんです」
「とさ、C´さん」
「残念だよな。名前からしてお菓子食べそうなのに」
「全くですね。まあ実写映画版でありましたら命を捨ててキラを出し抜きましたがね」
「いや、そっちの話じゃないから」
 うわあ、C´とSSはどちらもマニアックな話をして一苦労するよなあ。そんなのじゃないな。俺達は後四人……でも応募用紙は十枚以上あるんだけどな。まあいっか。期間限定の話の為にもここは深呼吸して--
「おおおい、君達イイ!」
「如何したんだ、急に!」
「ほう、考えましたね」
「一発逆転を考えてる皆さん……どうだい、このマネーバスターズに参加してみないかーい!」更に深呼吸して初回特典を伝える俺。「今なら限定四名様に何と加入して一週間だけ日当五千円貰えるよ!」
「それは参加してみないとな」
「はいはい、新手の詐欺ワロス」
「ゴーストバスターズ何か流行らないっての」
「それよりも契約の方が先じゃ」
「それで彼氏が出来たら嬉しいけどね」
「というかあの浮浪者みたいな人はまさか!」
 という風に一週間限定で日当五千円に飛びついたのはたったの八人。内、就職してる奴らを省くと……零人だった。

 午後五時一分六秒……Jは既に帰宅し、秘密基地に残るのはDのみ。そこで俺達は新たに加わったLとSSが勝手に決めた限定五名様にのみ与えられる最初の一週間だけ日当五千円与えるという方針も伝えた。すると意外な事に彼女は了承してくれた。
「え、反対しないの?」
「そうじゃないわ。マネーバスターズというのはお金を溝に捨てる事さえ躊躇いなく果たす事を目指した対お金様のレジスタンス組織なのよ。君だってその為に会社を辞めて参加したんでしょ?」
「まあそうだけど」
「じゃあ決まりだね。君もお金をどう思うかしら?」
「えっと僕は四十一歳です」
「ええ、俺達よりも年上だって!」
「髭剃りは毎日やってますし、顔洗いだって欠かしませんので」
「へえ、凄いわね。だから見た目よりも若く見えたのね」
「そんな事よりもLさん。あんたはお金様に対してどう思うか聞きたい!」
「実は妻と離婚したのは……お金のせいなんです!」
「離婚……結婚してたんだ」
「ええ、僕は許せないんだよ。妻の心を縛るお金の存在を。でもお金がないと明日明後日が全く見えないのです。離婚してから五年間も僕はお金を求めてアルバイトをしてました。でも数々のアルバイトは広告詐欺の塊で保証があると記しておきながらいざ電話を掛けてみると全く違う事を言ったりして酷い有様ですよ。更にはサービス残業の常態化や時にはスケジュールの勝手な変更などもあって僕は疲れて疲れて……それでも良いアルバイトを探し続け、貴方方と出会うまでそこでバイトとして働きました。でもそこだって人手不足と更には人の都合を無視して残業や無茶苦茶な仕事の押し付けも。幾ら信頼されてる証拠といっても押し付けがましい恩は時として人間を棒切れまで擦り減らしますよ」
「それは酷いわね。まあ詳しい話は履歴書か何かを持ってきたら改めて尋ねるわ」
「え、やっぱりここに入るには履歴書は必要なのですね?」
「いえ、ここは結成されて間もないから入隊の条件はいい加減……よねえ?」
「俺に振られても……まあそうだな。だから初回限定だったら履歴書なしでも入って大丈夫さ」
「まさか貴方がこの会社の社長ですか?」
「社長じゃないし、そもそもここは会社じゃなくて秘密結社だぞ」
「の割には秘密にすら成ってない気がするが」
「気にするな。兎に角、宜しくな」
「ええ……ところでどんな事をするんですか?」
「そういえばビラ配りだけで全然方針決めてないな」
「お金様をやっつけるというのがスローガンよ」
「そのお金様をやっつけるのは良いんですけど、どうやって経営を成り立たせてるのかが気に成りますね」
「うーん、どうゆう商売をするかを未だに決まってないな。銀行業務は勝手にやると日本銀行から睨まれるしなあ」
「経営だったら私に任せてみないか?」
「えっとSSさの爺さんは確かあの企業を一代であれだけ巨大にした実績を持ってましたよね。じゃあ皆を別名で--」
「君は馬鹿にしてるのかね? そんな事をやっても銀行はここを投資するなんて有り得ないね」
 だよな。そもそも別名はあくまで会社の方針であって経営手段じゃないよな。うーん、お金様を打倒するのは良いが、いざ活動すると成れば絶対に資金面でぶつかるからな。さあ、どうするか……そうだ!
「--へえ、最初はセミナー活動を実施する事で徐々にお金に対するスタンスを変革させていき、銀行への融資を齎す訳……ね」
「どうだい。これなら効果があるだろうよ」
「一応経験者として口を挟みますね。セミナーというのは成功した企業だからこそ他企業は引き受けるのでして先行きが未定の企業のセミナーなんて他企業は恐くて引き受けたりしませんよ」
「え、そうだったのか!」
「ううむ、SSさんが言うと凄く説得されるなあ」
「でも先行き不透明な我々がセミナーを開けないと言われるとそれは否定させて頂きますよ……ねえ、D君?」
「は、はい。SS様の御要望なら何だって引き受けますわよ!」
 流石の女王様気質のDもSSの前では鶴に屈する雑魚鳥の如く従わざる負えないようだな。確かに彼女の少しの我儘だったらスーパーデーの何処かにセミナー会場を設ける事だって可能かもしれないな。
 でもそれやっても良いのかな? 俺はこの時、お金様の思い通りに進んでる気もした。何せ先程のSSに依る日当五千円手法もいわばお金があるからこそ可能な事だからな。これで本当にお金に頼らない生活をしてると断言出来るのだろうか……いや、目的を実現する為には敢えて忌み嫌う行いも利用するとは誰かが先に言ってたよな。それしか道はないのか……


 という訳でお金様をお届けしました。後一回だ。後一回はやれるぞ。という訳で第六十五話は後一回分のお金様の試作品を出した後に執筆を始めますので末永く待っていて下さいね。
 それじゃあ今回はここまで。

南の方は馬鹿にしてほったらかしても殆ど問題ないが、北の場合は核がある以上は洒落に成らない。

 どうも昨日やる筈だった塩山御大へのご冥福をここでしたいと思います。数々のアニメーターの教本に成り、全国一億二千万人(誇大表示なので鵜呑みにしないように)の最低野郎を魅了してきた御大が嫁さんと一緒に炎の中に旅立ってしまったのは残念でなりません。幾ら何でもそんな死に方は悲し過ぎる気がすると今でも思うdarkvernuであります。
 さて、無理矢理な時事ネタを始める前に『格付けの旅』の青魔法の章03を急遽三ページ一気に終わらせ、四ページ目に入らせて貰いました。読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリックして下さい。
 それじゃあ始めますか、時事ネタを。

 昔々ある所に平和拳法を使う日本君と主体拳法を使う北風君とテコンドーを使う南風君が居ました。
 日本君は何時も北風君にセーラムーン、プリキュア、ラブライブ、東方シリーズ等々の萌えグッズを盗まれてるのに取り返そうとせずに平和拳法に依る対話ばかりしてました。北風君は主体思想の名の下に日本君の家に侵入しては様々な物を盗んでいきます。しかも盗んだ理由を「日本君はかつて俺達に酷い事をして来たんだ。盗まれて当然だろう、ウェハハハハ」と言い更には平和拳法が力を行使するのを禁じてるのを良い事に攻撃技更には核兵器に匹敵する奥義まで身に着けて近隣住民達から非難を浴びてます。更には非難されたら支那拳法と呼ばれる拳法家の支那君に助けを求めて支那君も又、北風君と食事会に行く事を忘れません。しかも食事会ばかり行く為に道場はボロや同然の扱いで既にゴキブリや百足の住処と化していきます。しかも最近はわざわざマレーシア君の自宅まで行って来て元門下生で実の兄を主体拳法でお仕置きする程に暴走してます。
 日本君は北風君だけでなく南風君にもいじめられます。彼は平和拳法の門下生の一人である朝日君に依る様々な捏造に依って南風君に謝罪を強要されたり、挙句には共催による親善試合で一方的にルールを決められたり、無駄飯を提供されたり、挙句には門下生の誰もが欲しがらない南流のフィギュアがまるで大ヒットしてるかのように紹介されたりと無茶苦茶されます。最近は慰安婦問題の不可逆的解決を契機に徐々に日本君も反撃を開始し、南風君にも毅然とした態度を取るように成りました。
 一方の南風君は門下生でもないのに只飯くらいのファンに秘伝の情報を送ったとして窮地に立たされ、更には不可逆的な解決が為された慰安婦問題をまた持ち出すよう門下生達から押し退けられ、更には家計簿をどうするかすらも無視して感情的に運営されて行きます。そこへ舞い込むのはアメリカ君が北風君を通して支那君に圧力を掛けて来た事。一気に南風君は対岸の火事で居られない状況と成りました。
 それは日本君にとっても同じであります。そろそろ日本君は平和拳法を捨ててあるべき武術に変える時が来ました。このままでは日本君の道場に北風君の主体拳法奥義が炸裂し、消滅の危機に立たされます。さあどう成る事やら……


 これでもわかりやすく現在の情勢を簡単に表したショートストーリー。読めば何となく理解出来る憲法九条の馬鹿馬鹿しさと奴らがやって来た事が如何に腹の立つ案件であると感じ取れますぜ。後は南の方はほったらかしても左程脅威でも何でもないが、北が絡むとどうしようもない問題に成るという事を何となくわかるように説明したつもりだ。それでもわからないとしたらここで解説するしかないな。
 要は日本ってのは他国と戦争しませんと主張するようなGHQの押し付けた憲法草案によって半端な独立国として今まで特定アジアに蹂躙されてきた経緯があるんだよ。しかも蹂躙を抗議するだけで何一つ強硬な制裁を行う事が出来ない。それもこれも全てあの押し付け憲法に依る物なのだよ。だからこそサイボーグは戦後レジーム脱却の為に国民投票法案の制定で先制攻撃が可能な国造りの整備をし、更には政権奪取後は特に特定の国々に情報流出を防ぐ為の秘密保護法の制定、そして盾ズに人気の安保法改正をする事で徐々に戦える国に戻そうとしていってるんだよ。しかも森鴎外問題に苦しめられながらも共謀罪の制定をする事で原田左之助(仮)達がスパイ活動或はテロ活動出来ない国作りにして行き、今に至る訳だよ。まだ共謀罪は審議中だったかな? 兎に角、GHQに依る押し付け憲法では何時戦争に成るかわからないあの半島に於ける火花をどう防ぐと言える? しかも攻撃するのに一々、上の命令を待つような体制じゃあどうやって自分達日本国民が守れるというんだ? しかも仮に飛び火せずに北を何とか出来たとしても工作活動の為に潜入した奴らがテロ活動しないという保証は何処にある? それで自分達が死んだらどう責任取る? 取れないだろ。今のままじゃあ「キュージョーがー」と叫びながら反日活動をする奴等だってテロに巻き込まれて死ぬんだぞ。それでも仕方ないと主張するのは構わない。でも死にたくないと思ってた奴らが死んだらどうする? それを考えろって自分は主張する。つーか自分は死にたくないと思ってるからな。しかもテロ活動で万が一にも身内や知り合いが巻き込まれたら何処に怒りの矛先を向ければ良いんだよ。そう考えたらどれだけあの憲法による弊害があるか身を以って知らないといけないぞ!
 と長々と感情的に成ってしまったな。そうゆう事だ。序にタイトルを回収すると南は関わらないに越した事ないくらい疫病神でほったらかしにした方が得と言える国だが、北はそうはいかん。北の場合は精度の云々は兎も角としてもアトミックバズーカがあるからな。あれが万が一にも列島に直撃したら一瞬だよ。何しろ広島や長崎に落とされた代物とは比べ物に成らない破壊力だからな。仮に生き延びたとしてもゲンみたいにツルピカで済めば良いけど、吉田所長のように大きく命を削る物だったら打つ手はもうないしな。出来れば核を撃ち込まれる前に占領して円満に解決する事を願うばかりだ……そうは上手く行く可能性は低いけどな。
 以上で時事ネタの解説を終えるぜ。

 さて第六十四話の解説と行こうか。今回の中篇は必ずバッドエンドで終わるようにここに宣言しておきますな。但し、バッドエンドといっても意味のある代物にしないといけないが、世の中そうはいかない。それでもバッドエンドに至るまでに水の惑星に関する話とかまだ見ぬ種族を登場させたりとか色々やりたい訳だよ。そうゆう意味じゃあ今回の主人公である天同烈闘は中々良い主人公だと自分は思うな。何しろ彼は只の筋肉馬鹿ではなくある程度は頭の訓練もしていて様々なネタを出す素地を形成してる訳だ……と毎度毎度自分は小難しい言葉を使ってより説明を困難にする自覚があろうともそれを直そうとしないからな。という訳でここで説明を止めるよ。第六十六話を終えてからまとめて解説するわ。
 以上で第六十四話の解説を終わらせる。

 さあ青魔法の章03の二ページ目と三ページ目を解説するぞ。二ページ目では如何に厳格なルールと理不尽な審判の下での戦いが辛いかを思い知らせたお話。後はグローバリィがどれほど危険人物なのかを短い内に纏めたと言っても過言じゃない。
 三ページ目の場合はラキとロマンツェを中心としたお話に成っていてしかも速攻で死んだツムマジに依って明かされる敵対集団の悍ましい野望の一端が明かされたと言って良いでしょう。まあそれでもデュアンなら何とかしてしまう感は拭えない。それくらいにデュアンの扱いに困る自分が居る。
 と速攻で解説を終わりにしておきます。

 さて、何時もの予定表をどうぞ。


 
 予定日四月十七日~二十二日   第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇 作成日間
      二十四日~二十九日  第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇     作成日間
    五月一日~六日      第六十七話 ???? 前篇         作成日間
      八日~十三日     第六十八話 ???? 中篇         作成日間

 第六十五話では水の惑星の全体図がわかります。まあ文章でしか表せないのは自分の画力の無さと言えるでしょう。本当に画力を鍛えたいな。弟子入りするか或は誰かのを模写して自分なりに癖をつけてオリジナルにするしかないのかなあ? ま、コメントがない以上は自分なりに見つけていくしかないよな。
 という哀れな事を書き殴って今回はここまでにしよう。大使を戻した理由はわかるよ。わkるよ。わかるけどさあ……うーん、戻すべきじゃないって今でも思うんだよなあ。

格付けの旅 青年デュアンの死闘 怒りのデュアン

 感情論……それは計算にも成らない押し付けがましい理論の事。根拠もなければ保障出来る物でもない。なのに世の中に於いて感情論が広く受け要られて来たのはどうしてなのか? 俺がそれを知ってる気がする。
 俺と対戦するのはナロウ・スペースと呼ばれる謎の男。奴が繰り出す魔法は『ワイズマン』と呼ばれる謎の男曰く天使術との事。その術には謎が多い。しかもナロウ曰く立派な魔法だと主張して憚らない。だが、審判団はナロウの失格を勧める。あれは魔法ではない。依ってナロウを魔法使いとして正式に認めれば魔導学園を根本から覆される……と。それが俺が戦うナロウの評価さ。
 ところがそんなナロウ失格の流れを鶴の一声は掻き消してしまう。その張本人こそガガープ・アイスマンその人。奴は失格にするのではなく、敢えて魔法使いの獣達の檻に放り込んでそれで優勝でもすれば魔導学園を廃校にするという条件付きで出場を許可した。どうゆう意味かは直ぐに察する。アイスマンは認めたんだよ、ナロウの術が魔法だと……だからこそそれを否定するのなら実力で否定しろとあの老人は主張する訳だ。
 そろそろ試合が始まるな。そんなナロウのルール違反を止める役をよもや俺みたいなタブーの塊が担うとはな。仕方ないか、そうゆうのは。
「覚悟してるようだな、デュアン」
「何が、ダインズ?」
「ナロウの目を見ろ……あれは事故と見せ掛けてお前を殺そうと企む目だ。覚悟しとけよ、今回は制限なしで行く」
「ルールの制限なし……つまり超級魔法も使って良いと?」
「固有魔法もだ。何せアイスマン様は望んでおられる……お前が本気を出してあの男を仕留めてくれる事をな」
 上等だ--と俺は言ってみる。
 戦いは始まった。ナロウが見せるのは良くわからない数式を展開し、それを背中に集める……背中に?
「おっと試合開始の合図はまだだよな?」
「ルール制限なしと言ったが、試合開始まで手を出さないように。試合台の上でこそ『試合』は成り立つ事を理解しろ」
 試合……別に説明不要だが、俺の考えからするとどんなに実戦に近いルールを設けようともそこが試合台の上だと判明すれば試合が成立する。例え審判が機能不全に陥ろうとも試合台の上だと証明すれば試合で片付けられる。まあ、こんな物で良いな。
「という訳でそろそろ始めてくれ、ダインズ」
「では両者開始線まで下がれ」
 俺達は開始線の上まで足を運んでゆく。
「オイ、ナロウ……術を使うんじゃないぞ。俺が審判である以上は試合開始まで目を光らせる」
「ったく厳しい餓鬼だな」
 開始線に立ってから俺は思う。試合開始まで……つまり開始したらどんな反則行為もお咎めなし? 俺にはそう聞こえるようだが……そこまで相手に神輿を担ぎたいか、アイスマンのジジイは。だったら勝ってやるぞ!
 そして、ダインズの右腕が天高く掲げられる。俺は準備を始める。最初はどんな魔法を使うかを頭の中で浮かべながらな……術合戦で駆け引きをするのはこれが初めてじゃあないしな。昨日の内にロマンツェことクライツェ・ロロリアーナとの戦いで駆け引きを覚えた。あの時はリフレクトブレイカーによるカウンターを狙ったが……奴のバトルクロスを考察してゆく内にその戦法は危険だと判断。逆に下級拡散魔法に依る一点集中に決め、それが功を奏してバトルクロスに一カ所穴を開けるだけで勝負を制した。たった一カ所……心臓を守る部位だけ開けさせて俺だけは左腕を持って行かれる形でな。つまり今の俺は左腕がまともに動かない。クライツェが繰り出した形成魔法は相手の攻撃が大きければ大きい程効力を発揮するからな。まさかあそこまで身に付けていたなんて予想外だな。まあ下級魔法に依る拡散一点集中という応用法をあいつは予想しなかったのが敗因ではあるがな。おっと一秒間に長々と考えてると奴の腕は試合台の方に下ろされた--試合開始の合図さ。
「--はああああ受けるが良い!」
「それはお前がな」俺は右手に炎系拡散魔法ファイアーボールワイドレンジシュートを放つ。「ルールの制限がない以上は加減は利かないぜ」
「--ギョああああああ……何つって」煙幕の中心部に黄金色の光が。「--出でよ、エンジェルフェザー!」
 奴は繰り出してゆく--幸い、天使術というのは『捕捉』がないのか、少し右に躱すだけでそのまま通り越したぞ!
 捕捉……それはマギに通ずる物なら必ずある必中の極意。まあ魔法では相手の位置を目或はそれ以外の五感で確認したら基本的な詠唱を済ませるだけでマナの一部は必ず相手に当たるよう追尾してくれる。魔法が躱す事が不可能な理由はそこにある。良くてキャンセラーするか或は打ち消すかのどちらかしか対処法はない。
 『天使術』ってのは少しだけわかった。だったら奴を……いや、俺が作った煙幕が却って奴の捕捉を難くしてるそうだな。全くこうゆう所でズルをするのは良くないぞ、ナロウ。
 ここだ、デュアン--な、背後に……野郎、暗器で俺の心臓を貫く気だったか!
「バアカ、俺がそんなトロイ動きで不意を喰らう訳--」
「--それは……エンジェルフェザーの定石よ!」
 ウグウウウ--至近距離より無数の光系の天使の羽を浴びた為に、内臓の数ヶ所に出血が生じ……吐血!
「如何した、デュアン・マイッダー。これで神を圧倒する気か? ワイズマンの言葉も全く以って過剰評価ではないか」
「--だな……ギガフレア!」
 な--これ以上面倒なので早々に決着を付けに掛かる俺。
 とは言っても流石は全生命体の敵なのか、ギガフレアを受けて原形を留めてやがるとはな。もっと観客を無視して魔力を乗せておくべきだったかな?
「--俺は殺せんぞ。デュアン・マイッダー。その程度で俺は--」
「--ごちゃごちゃ五月蠅い、エクスプロージョン!」奴の口を永遠に塞がせる為に上級魔法を二連射する俺。「--それからタイダルウェイブ……火と水のコラボレーションだ」
「--掛かったドアホウめ……エンジェルソーサー・トゥインロウド!」
 うぐああああ--と俺は叫ぶ……野郎め、火と水を合わせる天使術でカウンターを仕掛けやがったな!
「--あ、序に……エンジェルソーサー・タイフーン!」
 何、今度は風土地を合わせた天使術も繰り出すだとおお。何て攻撃だ……思わず、こいつを使ってしまったなあ--
「右手……まさかお前は!」
「--俺が得意とする固有魔法……リフレクトブレイカアアア!」そのままナロウを向こう側の観客席に叩き付けた。「これが俺だ……ハアハア」
「しょ、勝負有りイイイイ!」
 間一髪で奴に勝った……だが、膝を付けたく成る程までマナを消耗したな。どうやら俺は全生命体の敵とやらをまだまだ過小評価してるらしいぞ。あいつも又、底辺に位置するかも知れない。底辺でこれだけだとしたら頂点に居るのはどれ程の奴らばかりだ? 想像以上にレベルが違い過ぎる!

 準決勝進出者は俺以外ではモリスンにマリック、そしてミスター・グローバリィか。少し俺はマリックを励ましに行く。するとあいつは事もあろうに怒鳴り散らすから洒落に成らない。
「俺は大丈夫だ。決勝戦でお前を倒すまで偉大なる才能と持って生まれた物を存分に発揮してあのミスターグローバリィを倒してやる。大丈夫だ、デュアン。俺が負ける未来なんて何処にもない」
「なら良いけど、それで」次に不用意な質問をぶつける俺。「どんな方法を使うんだ?」
「どんな方法って勿論ルールに従ってグローバリィを倒すんだよ」
「ンで何処まで買収が進んでる?」
 貴様……何て質問を--マリックの顔に青筋が立つ事から見てやはり審判団の買収を以てグローバリィに勝つ気だとわかった。
「質問に答えろ、マリック」
「い、言っておくけどグローバリィを過小評価してる訳じゃない。だが、ルールの穴を突いたり、更には魔導大会でこれ以上悲惨な事が起こらないよう俺は審判団に再三上告して公平かつ公正なる試合環境へと仕上げに掛かってる所だ。何、上手く行けば決勝でお前か或はモリスンと当たる際には最高に盛り上がる決勝戦へと演出が出来るぞ!」
「俺がモリスンに敗れるなんて有り得ないな」
「それは油断してる証拠だな……なら決勝進出はモリスンだ。何故ならあいつは俺とタメを張れる魔術師……いや、魔道士一歩手前に居る男な訳さ」
「偉い評価してるようだな。お前みたいな他人を見下す男がそこまで褒めるという事は……下手するとお前は奴より遥かに足下に及ばないと認めてるんじゃないか?」
「ば、馬鹿にするなよ。モリスンは確かに強いが……俺ほどじゃない。覚えておけよ。モリスンがやられる可能性はないが、やられた場合は俺が戦力でお前を叩き潰す……良いな!」
 とマリックは去ってゆく。成程成程。だとすると油断は出来ないな。そんな風に考えながら俺は準決勝が始まる十分前まで会場を適当に散歩する。すると会場の裏口より何かを目撃。直ぐ様走って駆け付けると……
「ハアハア、デュ、アン?」
 クライツェが右脇腹に俺の拳分の風穴を開けられている事。それから彼女の顔色の青さと息遣い、そして足下に流れ出た出血量からして今更白魔法で治癒しようとも……手遅れだと!
「ロマンツェ? 若しくはクライツェ・ロロリアーナと呼べば良いか?」
「どっちでも」クライツェは両膝を付け始める。「良い、わ」
「手を貸そうか、クライツェ?」
「その、前に、私の、ルーツ、を、伝え、るわ」
 クライツェは無理して一分以内に概要を言い遺す。それから……果てた!
「……そうゆう事か。それが本当なら魔導学園は……今までの前提は……そしてミスター・グローバリィの正体は……俺達の世界がそう成ったのも……『第三次魔導戦争』の真実も……全て魔導学園の秘部に隠れる」俺の中でバラバラに置かれたピースはゆっくりとゆっくりと繋がってゆく。「『大統一理論』の為すがままに!」
 大統一理論……それは万人誰もが求める万能理論の事。これが証明されるとあらゆる専門分野は瞬く間に終わりを迎え、一つの理論の身を学問として研究する事が可能と成る夢のまた夢のような理論。
 だが、その理論は未だ完成に至らず。だが、それに比べればディーを覆う絶望的な真実は解明するに容易かった。俺が求めていた真実はこうして繋がってゆく。この茶番も孤児院もクラリッサの豹変も魔導大会も全ては……いや、その全てを明らかにする為にも俺は後二戦を勝利しないといけない。俺がデュアン・マイッダーである為にも!

 準決勝は唐突に始まった。俺の相手はモリスン・ベンデッド。野心家且つマリックに引けを取らない才能の持ち主。陽魔法のスペシャリストにして俺の見立てでは既に超級魔法の一歩手前まで来てるかも知れない。だが、この試合でのルールは上級魔法より上の魔法の使用を禁じられる。
「良いか、デュアンにモリスン。お前達は膨大なマナを保有するが故に決して使用しては成らない決まりがある。それを私自ら説明するから……絶対頭に入れておけよ。私は一回しか言わん男だ!」
 そう断言するのは準決勝及び決勝戦で主審を務める『ゴア・ストリーミング=ショウ』。
 ゴア・ストリーミング=ショウ……それは審判の歴史に於いて公正明大な審査を行うとしてあらゆる意味で信頼に於ける審判。魔法の才能こそそれ程ではないのは自他共に明白。しかし、圧力に決して屈しない判定基準は時には彼に過酷な運命を強いる事もあれば時には絶対的な信頼を勝ち得るに十分な価値として評価される。事実、準決勝及び結晶という大事な場面で彼が登用された事を考えてもどれだけ彼が信頼足り得るかを如実に表すか!
「オイ、デュアン。茶番は終わったか?」
「ああ、さっさと始めろ」
「全く生意気な奴だ……私程ではないが」
 ゴアは説明し始める。それのルールは全部で十種類。
 ルールその一……超級魔法の使用を禁じる。使用すれば反則負け。
 ルールその二……打撃戦を無効とする。それに併せて形成魔法の使用も禁じる。もしも使用すれば上記と同じように判定。
 ルールその三……零詠唱の使用を禁じる。こちらもルール一の罰則と同じ。
 ルールその四……フライングはなし。罰則はルール一と同じ。
 ルールその五……動きながら詠唱する事は認められる。但し、場外での詠唱は禁じる。勿論、詠唱中たまたま場外に吹っ飛ばされた場合も厳しく罰せられる。
 ルールその六……飛び跳ねて詠唱する事は禁じられる。ルール一と同じく行えば罰が下る。
 ルールその七……攻撃を受けたまま詠唱する事は認められる。但し、場内に限る。場外ならば違反として処罰される。
 ルールその八……魔法防御は認められるが、カウンターは禁じる。破ればルール一と同じ罰則が下る。
 ルールその九……詠唱するのは一つまで。勿論、溜める事は禁じる。罰則はルール一と同じ。
 ルールその十……相手がルールを破ったからと言って自分まで破った場合は試合はノーコンテストと成り、即座に再試合が行われる。だが、三回以上両者がルールを破った場合は先に三回ルールを破った者を正式に反則負けとする。
「成程、考えましたね」
「何か意見があるか? 後二分で開始の合図を行う」
「ええ、反則を想定したルール作りですね」
「何を当たり前の事を尋ねるんだ、モリスン?」
「いえ、気に成るでしょう。ゴアさんともあろう御方がわざわざ反則しようとする魔法使いの肩を持つなんて」
「もう直ぐ一分経過する……その答えを言おう。反則された側の反則があるとも限らないが?」
「成程、駆け引きって事で納得します」
「デュアンは……後五十五秒しかないが」
「ルールが少な過ぎる。穴を突くぜ!」
「要するに質問がないのだな……それで良いんだな?」
 ったく頭の固い野郎だ--俺はそう悪態を吐いたが、ゴアは無視する。
「時間切れだ……二人共開始線に立て!」
 俺達は開始線に立つと直ぐ様、ゴアは天井に挙げていた右手を試合台に向けて振り下ろした--試合開始の合図だ!
 先ず動き出すのはモリスン。動きながら詠唱するのが認められるこの試合。動き回るのを得意とするモリスンは必ずこちらに反則を促しに掛かる。あのルールは一聞すると反則する方が不利なように聞こえる。わざわざ反則の出し合いなんぞ先出しじゃんけんした方が遥かに不利だ。
 だが、俺はそうは思わない。
「--喰らえ……エクストリームストーム!」早速上級魔法で俺を攻撃したか……傷口に響くなあ。「その涼しい顔はやはり……マリックの言う通り並じゃないのがわかる」
「--それじゃあ俺の番だ……エクスプロージョン!」敢えて上級魔法を放って奴の魔法防御力を調査する。「フウウウ……硬い」 
 これがモリスンに抱く印象。炎系上級魔法を浴びても衣服の傷みと顔中の火傷の後から換算してモリスンは陽属性は完全に対処済みだと判明。幾ら陽属性で攻撃してもモリスンを倒すのにあと百発以上上級魔法を撃ち込まないと倒せない、と。
「--こちらの番だね……アクアドラフト!」水系中級魔法に依る緩急を入れたな。「これでもダメージは届かないか?」
「--そうゆう事だ……アイスフィールド!」陽属性には陰属性……と言う訳で俺は氷系中級魔法を放つ。「どうだい、魔術回路の組み込み一つで不利に成る……おや?」
「--忘れたか……フリーズドライ!」意趣返しか、モリスン。「私は総合部門を目指してる事を……属性体系の欠点くらい承知さ」
「--咄嗟に陰属性に切り替えたな……ライトニング!」俺は駆け引きを始める。「--防戦一方にさせる……ロックボール!」
「--全くデュアンは--」
「--俺の詠唱速度を甘く見るな、サンダーアックス!」次の魔法を放ち続けて詠唱中断を狙う俺。「--続いて……ファイアーダガー!」
「--ウグ……既に読んでいるぞ、ファイアーストーム!」読み合いでモリスンは一癖も二癖もあるな。「中々だな、四連続で下級魔法を連射するとはな」
「--其方こそ……さて、溜められんのだよな。だから--」
「--詠唱は中断させて貰う……デルタレイ!」既に結属性対応は完了してるのか。「--それと……グラビティウォール!」
「ウグ……いかん、中断しちまった」いや、敢えて中断させてやったぜ……右手を試合台に乗せて。「--仕方ない……グラビティガン」
「--地味だ……故に読みは全てに於いて重要」
「--上級魔法を仕掛けたな……アクアドラフト!」チイ、これも既に切り替えた後なのか。「--だが……ロックボール!」
「--ウグウ……間に合ったぞ、タイダルウェイブ!」
 その一撃は正に強力且つ相性の差で肉体に響くなあ。俺はついつい、場外手前まで下がらざる負えなかった。
「--ふう」余裕のモリスンは俺との間合いを詰め出す。「--次で終わらせたいが……別に動かないだけが魔法使いの仕事じゃないだろう?」
「--ああ、そうだな」敢えて詠唱をする俺。「--俺だって詠唱する、しかも背には場外の海を背負って」
「--背水の陣か……いや、誘き寄せてるのか?」気付かれたな、突然前進する足を止めたな。「--何の仕掛けか知らんが、ルールの穴を突くのは止めろ……エクスプロージョン!」
 炎系上級魔法は炸裂し、俺は激しく焼かれる……が仕込みは完了した--出でよ、アースゲイザー!
 突然、モリスンは重系上級魔法を受ける。その一撃にモリスンどころかゴアも俺が反則を犯してるのではないかと疑いの目で掛かる。だが、ゴアはその証拠を捕える事が出来ない。何せ俺は既に魔法を放った後何だから……なあ。
「ウググ……反則の芽を見つける事、叶わ、無い!」
 モリスンは俯せに倒れて……試合終了。
「不本意ながらも反則を見抜けない私の敗北だ、クソ!」
「これで残るは決勝戦のみ、かあ。何時までもルールで実力を縛られるのは我慢出来ないな」
 そう愚痴を呟いて俺は試合台から降りてゆく……

 そして俺を待つのはマリック。擦れ違い様に四言いや、五言ほど会話したかな?
「待ってろよ、デュアン。モリスン達の仇を討ちに俺は戻って来るぞ。戻って来るぞおおお!」
「気を付けろよ、マリック。ロマンツェが死んだ。グローバリィに依って殺された」
「それはどうゆう意味だ、デュアン?」
 そうゆう意味だ--奴の右肩に右手をやる俺。
「触るな、気持ち悪い。誰がてめえとスキンシップしてやる物かよ!」
「だろうな。じゃあご健闘を祈るぜ」
 待ってろよ、デュアン……俺がお手本を見せ付けてやる--何て捨て台詞を吐いてマリックは試合台へと向かってゆく。

 さて、結果だけ語ると試合が始まって僅か一分の内に決着。マリックは胸に風穴を開けて仰向けに倒れた。その様子をラキと一緒に観戦する俺。
「酷いわ。胸に風穴なんて……始めからマリックを殺す気だったのね」
「やっぱりそうか……クライツェの言った事は本当だったんだな」
 え、どうゆう事--ラキは尋ねる。
 だからこそ俺は話した。この大会の真の意図と魔導学園は何をやろうとしてるのか。そして--
「いえ、ここじゃ危険だわ。場所を変えましょ!」
 そうだな--ラキの要望に応えて俺はデュアンロールを開発してる場所まで移動する。

 決勝戦は後一時間後に始まる……その前に俺はデュアンロールの最終的な仕上げに取り掛かる。そうしてる間にラキには様々な話をした。残りはグルービィ・マクスウェルの正体、ガガープ・アイスマンの悍ましき野望、孤児院を潰した本当の狙い、それからミスター・グローバリィは何の為にクライツェを殺害し、マリックを殺そうとしたのか。そしてクラリッサがどうして死ななくちゃいけなかったのか?
「そんな……魔導学園が第三次魔導大戦を引き起こしたの?」
「『陰謀論』で片付けられそうな話だが、これは陰謀ではない。全ては魔導学園の真の支配者である--がディーを我が物にせんと仕掛けた悍ましき悪意の為せる業。この星をマギの実験場にしたんだよ!」
 陰謀論……それは頭の悪い人間が最後に頼る証拠にも成らない理論。これこれとそれそれは全てコメントランの仕業だとかユミル人の仕業とかそうゆう類は聞いた事がある筈だ。聞かないとしてもそれに似た話は聞くだろう。つまりそうゆう事だ。頭の悪い奴らは証拠やらを提示する事が出来ずに直ぐ陰謀論に飛びつく。特にイデオロギーやら宗教に嵌る奴ら程、自らの限界を示して陰謀論に呑まれてゆく。要はそうゆう事だ。だがな、どんなに陰謀が巡らそうとも世を動かすのは陰謀ではない。結局は民主主義の理論に従って大多数の無能者が結局、世の中を動かすんだよ。なので陰謀論で片付けるのははっきり言って世の中を信じられない事を自分で証明してるような物だ……止めておけよ。
「だからデュアンは昔から変な蘊蓄ばっかり口にする。それに長いのよ、話が」
「だな。でもお前だけにはこれを話した。その意味する事は一つ……魔導学園を任せたぞ、ラキ・ベルフェル!」
「デュ、デュアン。まさか本気で--を潰すの?」
「それはグローバリィを倒した後だよ。グローバリィを倒せなければ--を倒すだなんて難しい。なのでそろそろ……行くか」
「あ、待ってよ!」
「何だよ。俺はもう止まらんぞ--」
「そうじゃなくて、それここに置いて行きなさい!」
 あ--ついつい、俺は『デュアンロール』を纏う所だった。

 ラキとマリックに申し入れた後はいよいよ決勝戦の舞台に上がる。審判を務めるのはゴア。さっき説明した通り。そして対戦相手はミスター・グローバリィ。
「やあ、死ぬ覚悟は出来たかな?」
「何故クライツェを殺すんだ?」
「彼女は我々の同志に相応しくない。だからこそマクスウェル様は命じた」
「クラリッサもそしてクライツェもあいつの本当の娘達なんだぞ!」
「何、それは初耳だぞ!」
「いや、その話は知らなくて結構ですよ」
「待て、グローバリィ……私を殺すのは結果としてお前達の利に適わない事だぞ。それで良いのか?」
「冗談ですよ。それに」とうとう包帯を全て開けて……やはり。「ここはミズター・グローバリィではなく父の名である『グルービィ・マクスウェルJr』としてここに魔導学園を今日を以って終わりを告げさせますよ!」
 会場は驚きと困惑……様々な声で騒ぎ始める。それもその筈だろうな。目の前にクライツェ、およびクラリッサの異母兄である『グルービィ・マクスウェルJr』が姿を現したんだから。主審を務めるゴアだって驚きを隠せる筈がない。
「ではルールを説明する……が、お前達は本気を出したいんだろう。だからここは観客及び私を殺せば反則負けとする。それから試合台より外に出る事も反則負けに記す。但し、相手に吹っ飛ばされて外に出された場合は戦闘続行出来るまで制限時間五分以内に試合台に戻ってくれば反則負けにしないとする。他には……そうだな。場外に飛ばされた後は相手が試合台に戻るまで攻撃を禁じる。攻撃したら反則負けだ……良いな?」
「中々良いルールじゃねえか、有難うよ……ゴア」
「お前に褒められても嬉しくないぞ、デュアン」
「さあ、楽しもうじゃないか。デュアン・マイッダー」
「俺は楽しまん。母違いとはいえ、実の妹を手に掛けたお前だけはあいつの無念を背負って……必ず殺す!」
 俺は怒りの為すがままに戦い……マクスウェルJrを仕留めた!


 NEXT PAGE 反逆のデュアン

格付けの旅 青年デュアンの死闘 ラキとロマンツェ

 忌むべき数字……それは地域によって異なるが、大体は四、九、十三、四十二、そして六百六十六を指す。迷信と宣う人間は要るそうだが、迷信というのはその数字の時に不幸にあったからこそ迷い言葉は発信されるのであって何でもかんでも迷信で片付けるのはそれもまた逆説的には迷信である。おっと何を語ってるのかわからなくなった時点でこの説明は終わりにして本編に入ろう。
 要するに青い話は今回で十三ページ目に突入したので次の話に移る為に敢えて今日中に終わらせ、十四ページ目に入ろうかと意気込む訳だよ。では最初は騎士道魔法と呼ばれしマリックの手下の一人であるフェオールとの戦いと行きましょうか。
「--私のターン……風系中級魔法テンペストで挑みます」
「--ええ、と俺は水系下級魔法アクアソードをお見舞いさせてやる」
 今回も審判に申告しないと魔法を唱える事は反則負けに繋がる。おまけに威力も平均的な数値でやるよう告げられたもんだから俺みたいに幾らでも攻撃力を高められる魔法使いは辛くて辛くて困るもんだ。現在、試合時間は一時間を越える。フェオールが中々しぶとくて嫌に成ってしまうなあ。まだまだ五回戦なのにこれはなあ。
「--はあはあ、私のターン。それは炎系中級魔法ファイアーストームで決着をつけて、見せます!」
「--息が荒いじゃないか。こっちもファイアーストームだ・・…何、ちゃんと魔力は調整してやるから覚悟しておけよ」
 そして炎と炎の波はぶつかり、相殺。互いに被弾しなかった事を受けて限界に達したフェオールは前のめりするように倒れ……勝負あり!
「ハアハア、中々強かったが俺が相手じゃなかったらもっとイケてたかもな」
「これはまたルールを縛らないと成らないな」
 とダインズはそう呟き、俺にルールの厳格化が起こると教えてくれた。

 さて、会場を後にしてラキは如何成ったか。おお、苦戦してるようだな。相手はジュンダーを意識不明の重体に追いやった隠れ禁呪魔法の使い手であるツムマジ・オサガワ。どうやらラキにも同様の禁呪魔法を放って苦しめてるなあ。
「--ハハハハ、しぶとい『シス』よ」
「--ハアハア、卑怯者に屈しないわ……ウイングブレード!」
 ウイングブレードかあ。ラキはそれでも近接戦闘に持ち込みたいようだな。因みにラキの試合などは俺の試合みたいに厳格ではない。形成魔法を唱える事は禁じられてはいない。
「行けえ……フィアフルフレアアアア!」
「うわあああああ、ハアハア……まだ」試合台の外に出そうになるも、ウイングブレードで突き刺しながら何とか持ち堪えるラキ。「まだ私は負けないよ」
「--いい加減諦めなよ……ファイアーボール!」
 ツムマジめ、手加減しに来たな。後は試合台から出せば勝ちだから派手な中級魔法を唱えずに簡潔で素早く勝利を飾りたい様子。中々苛立たせてくれるじゃないか。そうやって--
「あの野郎、そうやってジュンダーを苦しめたんだな……絶対殺してやるからな!」気が付けば俺の右隣の席に座るマリック。「ウワアア……またお前が隣に!」
「ああ、気持ち悪い!」俺は席を離れようかとも思った……それは次の通り。「『ツンデレ』とかお呼びじゃねえんだよ!」
 ツンデレ……それは表向きは冷たい態度を取る奴の事。俺の場合、この性質を好きじゃない為に現実では接しないよう心掛ける。
「誰がお前なんか好きに成る物か。それよりもラキが危ない!」マリックは特にラキに対しては尋常じゃない執着を見せる。「何とか出来ないのか、デュアン!」
「大丈夫だって、マリック。ラキを信じろ。ラキならあの程度の小物相手に負けない。いや、ラキの強さを信じるからこそ俺は」そこで俺は一旦、目を瞑る……そして深呼吸をした後目を開いてこう宣言する。「立ち上がって直ぐにラキは勝利を収める!」
「そんな馬鹿な事が--」
「ほら、見ろマリック!」
 俺の言った通り、ラキは立ち上がるなり投擲を試みる。まあツムマジの野郎は余裕ぶって下級魔法で迎撃したせいで相殺させる事もせずにそれを胸に一突き受けるって寸法だ。
「あが……人殺し、い?」
「ハアハア、人、殺しちゃった?」
「勝負あり!」
 殺伐とした雰囲気の中で胸に一突きの形成魔法を受けたツムマギは担架で運ばれてゆく。ツムマギが見えなくなってから直ぐに大歓声が沸き起こる。勿論、そこには隣に座るマリックも含まれる。
「よっしゃああああ、流石だよなあああ!」肩を掴むな、気持ち悪い。「やっぱラキならやってくれると信じてたぜ!」
 嘘吐け……と今更言わないが。只まあ、ラキは勝利と共に俯せに倒れたな。そのまま担架で運ばれて行った。心配に成った俺達二人は会場を後にする。

 診断の結果……ツムマギは死んだ。死因はラキの一撃……ではなく禁呪魔法の対価として敗れると一切の治療の甲斐もなく魂を抜かれるというサクリファイスの一種に依る物だった。成程、これがツムマギの禁呪魔法だったのか。
 奴は試合前から勝利しないと死んでしまうと怯えていたんだな。勝利する度にそして相手が奴の魔法を浴びる度に筆舌語り尽くせない苦しみを味わうのはそうゆうからくりだったのか。さて、奴が死んで彼らは解放されるかと言われれば次の通り。
「御免、デュアン。次の試合に出れないわ」
「つまり俺の不戦勝なのか?」
「ええ、幸いツムマギの禁呪魔法を浴びた人達はドクター達の懸命な治療のお蔭で命を繋ぎ止められたわ。でも一ヶ月は安静にしないといけないっていうドクターストップが掛かったわ」
 何だって--そこで俺は気付いた。
 何に気付いたのか? それはツムマギを始めとした禁呪魔法の集団の目的は魔導学園を潰す事が目標であるのを。奴等は壮大な復習計画の名の下に全生命体の敵をも利用して魔導学園を我が物にしようと企んでるな。だとしたらゴリアテ達が奴らに協力するのも納得がいくし、ツムマギの禁呪魔法が相手を苦しめる物だとしたらそれこそ奴は命を賭してほとんどの目的を果たした事にも成るなあ。ハハハ、これは笑えない冗談だな。
「とか考えて笑っているのね、デュアン」
「悪いなあ。正直虫唾の走るシナリオを妄想してついつい物に当たりたく成って来たんだよ。まさかここまで俺を楽しませてくれる話があるとはあなあ」
「悪い事は考えないで、デュアン。貴方はそうやって私から離れていく気がするんだよ」
「悪い事は考えない。その代わり、暇な時間は少しだけアレを仕上げに入る」
「アレって何?」
「最近は魔力の節約も考え出して来たんだよ。だからさあ、そろそろ俺もアレの製作に入らないといけないなあ、と思ってね」
「だからアレって何?」
「それは完成してからのお楽しみって奴だ」
 コラ、待ち……ウググ--意地悪をしながら俺はラキの声を背中に受けながら病室を後にした。

 七回戦……要するに相手は多分あいつだろうな--
「運良く不戦勝したデュアン……会場外で何を作ってる?」
「それは秘密だ。それよりも勝ったのか?」
「余裕だ。あの程度の相手に私が負ける未来は見えない。けれども気を付けなくてはいけないのがお前を含めて五人居る」
「五人かあ。俺とマリックとモリスンと後はグローバリィ……ンで残り一人は?」
「ナウマンはそいつに敗れ、ギャンダラーはその前に敗れた……名前を『ナロウ・スペース』と呼んだか?」
「閃光のハイウェイのような名前だな」
「気を付けろ、デュアン。あの男も危険過ぎる」
 そんな捨て台詞を言って--
「それよりもさっさと次の会場に向かうぞ」
「そうか。もう七回戦開始かあ。じゃあ案内してくれ」
 良いだろう--と一瞬だけ微笑みを見せたロマンツェは俺を七回戦第一試合のある会場まで案内してくれた。

 さて、七回戦ではどんなルールを敷いて来るのか? これが終われば次の日が来るまであれの製作に励めるからな。
「今回の試合も俺が務める。だから少しは警戒を解きたまえ、双方共」
 審判を務めるのは五回戦第一試合で公明正大な審査で名を馳せるダインズか。
「それでどんなルールなのでしょう?」
「少々厳しいかも知れないが、今回に限ってはスローターもこんな機会を与えて下さった」
「良いから早く提示しろ、ダインズ」
「呼び捨てするな、デュアン……と言っても聞かないのがお前の性分だろうな」
 それでダインズの提示したルールは次の通り。
 ルールその一:形成魔法の使用を認める。
 ルールその二:連携をしない。
 ルールその三:中級魔法まで。上級魔法以上の使用を禁じる。
 ルールその四:魔法の威力を高めない事。
 ルールその五:殴り合いを禁じる。
 ルールその六:魔法を使う時は足を止める事。
 ルールその七:禁呪魔法の使用は禁止。例え試合前より呪縛に掛けられた場合でも自己申告する事。
 ルールその八:反則負けにさせるような行為を禁じる。その場合は反則がちに成った物が反則負けに成る事を覚えておくように。
 ルールその九:一から八まで違反すると反則負けに成る事。重々気を付けるように。
「成程ね。今回は申告の必要は要らないみたいね」
「じゃあさっさと開始線に着くとしよう」
 それからダインズの右手が空から試合台に向けられた時、試合開始。最初に詠唱するのは俺。いや、零詠唱禁止はルールに示されてない以上は幾らでも中級魔法を唱えられる。
「--だと思った……サラマンドラブレードフィールド!」
 水系中級魔法メイルシュトロームに対して炎獣の檻で防ぐとはな。しかも予め詠唱する事で俺の初撃を止めたか……いや、初撃を止めたんじゃない。俺は奴の放つフィールドの範囲を侮り、一撃を貰った!
「--今のはルール違反?」
「いや、エネルギー計測器を確認した所は威力の上昇を確認されず……寄って合法と見做す!」
「--有難うね、それはそれで……イフリートブレードオーバー!」
 奴の繰り出す炎王の刃を膨大な魔力で防御するしかなかった俺。それはまたしても後手に回る一撃であり、直ぐに切り替えられないとわかるとこれ程厳しい物はないな。
「--幾ら零詠唱だからって指を咥えて……ウンディーネブレードシュトローム!」喋る機会さえ与えずにロマンツェは攻撃を仕掛けて来るなあ。「--フウウウ……させる機会も与えん!」
「それはそれは……余計なお世話だよ!」形成魔法は唱えなくとも出来るがな、応用含めてな。「これがイフリートブレードオーバーの正しい使い方だよ!」
「ウグウウウ……直撃を免れたが」左膝を試合台に付けたな、ロマンツェ。「--頸動脈を狙うのは少々ルールを破りに掛かってるのでは?」
「ファイアーボール……殺しはルール違反に成らん、そうだろ?」
「ああ、そのようだな……にしても計測値は正常だとは」
「アイスソード……序盤は確かにお前の有利で事が運んだ。だが、形勢逆転さ。降参しろ」
「そのようだな。私の負けを……ウグ!」あ、アイスソードが当たって少し苦しそうだな。「この場『では』認めよう、デュアン・マイッダー」
「勝負あり!」
 フウ、試合は俺の勝利で終わった。だが、この俺が延長戦に縺れ込まれるとは思わなかったな。
「じゃあこの場所で決着を付けよう、デュアン・マイッダー」
「ああ、そうしようか……今度は全力で臨んで来い!」
「後悔しても遅いな、デュアン」
 ロマンツェは会場を後にした。えっと時間にして五時に迫ろうとしているな。その間はマリックの阿呆とモリスン、それから例の成ろうの試合でも見ておくか。
 それら全てを見た感想はこんな感じだ。ナロウは危険だな。奴は明らかにルール違反を犯してる。だが、誰もそれを確認出来ない。俺だけがそれを確認出来た……奴は魔法以外の術を使ってる。マギでもない。呪術の一種でも法術でもない。あれは一体何なんだ? 魔法とは違って複雑な何かを感じ取れる。だが、該当する物が思い付かない。あれは何だ?
「やあ、デュアン」背後に聞いた事のある声が耳に入る。「どうだい、俺の同志の力は?」
「えっと誰だ、お前は?」
「振り向くなよ。『ワイズマン』と呼ばれし俺がお前の前に表したのはナロウの放つ術を知らせる為だよ。彼が使うのは『数科学世界』で一般的な『天使術』という物だよ」
「『天使術』、それに『数科学』?」
「何れは知る事に成るだろう、デュアン。お前がもしもグローバリィを倒す事態に成ったらなあ」
 それを言ったままワイズマンは立ち去ったか……何なんだよ、どいつもこいつも!

 真夜中と定義付けられるは午後十一時過ぎ……まさかここで俺達が待ち合わせるなんてなあ。それはクラリッサが死んだ場所。俺がクラリッサを始末した場所。ほら、破壊された月が良く見える場所なのさ。その真下に立つはロマンツェと呼ばれしクラリッサの双子の姉クライツェ・ベルフェル。
「正体を現したわ、デュアン!」フードを脱ぎ去り、既にバトルクロスの準備を完了した後。「妹クラリッサはディーに体を乗っ取られ、どの道死ぬ運命にあったのよ」
「それで敵討ちか?」
「ああ、それを仕掛けたのがあのグルービィ・マクスウェルならば私はあの男を殺さなくては妹の無念は晴らせない!」
「その役目は俺に譲れ!」
「私に勝つ事が出来たらなああ!」
「勝つさ。俺はデュアン・マイッダー……神さえ恐れ戦く魔術師様さあああ!」
 俺達が構え始める時、事態に気付いたラキが走って来る。そして互いに大地を蹴って今ぶつかり合った!
「キャアアアア、何て魔力なのよおおお!」吹っ飛ばされながらもラキは俺達の戦いを見届ける。「これは……これだけの魔力なのに勝負は一瞬なの!」
 その勝負から翌日の早朝六時……準々決勝第一試合が開始される!


 NEXT PAGE 怒りのデュアン

雑文特別編 お金様 書くだけ書く試作品   (7/5)

 どうも今回も無駄話をしよう。

 昨日は久々にBさんと再会。しかも俺達の活動を妨害するお金様直属の組織チームタスクフォースの一員として現れるなんて予想外だよ。あの方は絶対やめる筈がないと信じていただけに衝撃は計り知れない。
 んで午前九時に出社……何だか会社みたいだが、まだ会社ではない。秘密組織としてマネーバスターズは活動する。今日はDが居るそうだな。一昨日から機能に掛けて何をしてたのかを尋ねてみる。
「ああ、昨日の夜十一時まで多忙だったわ。シャワー浴びる事が出来たのは深夜二時。就寝したのが深夜四時なのよ」
「ええ、という事は実質五時間未満しか寝てないのか!」
「正確には三時間ね。だからC´さんが来るまでお話し相手に成ってあげるわ。それで……これは何?」
「人を集める為にC´と協力して作った応募用紙。何か不満点でもあるか?」
「いえ、出来が良いからどうしてこんな物を作れたのかが不思議だったのよ……ワード、エクセル、そしてパワーポイント上手いの?」
「俺は言うほど上手じゃない」
「じゃあ彼ね。これの出来が良いから暫くは麻薬を吸うみたいに脳が起きていられるわね」
「薬物接種はしないで欲しいけど」
「例えとして言ってるだけよ」
「今日こそこれを配って--」
「じゃあ目標百枚、宜しくね」
 本当に睡眠不足なのか、この女!
「流石に目標高過ぎない?」
「合計二十枚を目標の時点でハードルが甘いのよ。ビジネスマンってのは百枚くらい朝飯前なのよ。そこを理解してないようなら……あ、ちょっと遅過ぎるわね」
 恐らく電話を掛けるのはC´か。しかも寝不足とは思えない怒鳴り声が俺の耳に届く。そして、罵声で締め括った!
「フウ、男ってどうしていい加減なの?」
「俺に聞かれても答えられる訳がない」
「だよね。男は理屈では語れない生物かも知れないわね」
 そこで欠伸をして自分の椅子に座ったまま眠り始めたD。さて、俺はここで待ってるようだが……何だか待つ時間をどうやって過ごそうかな? 頭の中でしりとりしようかな? じゃあしりとり、リス……いや字数を制限しよう。えっとしりとりと同じ四文字でしりとりをしよう。えっとリカルド、ドナルド、ドロップ、プロミス、スクイズ、ズァーク、クワトロ、ロアビイ、イソップ、プライド、ドーナツ、ツクヨミ、ミサイル、ルドルフ、フロイス、スライド、ドラッグ、グロリア、アリシア、アカマツ、ツヨキス、スイクン……有無、ここで終わった。タイムは十七分経過。駄目だな、こんな事では時間稼ぎにも成らない。
 そんな時、執務机の上に置いてある九つの内、右の四つが一斉に鳴り出す。
「はい……そんな事で私に掛けるな!」一番手前を攻略すると直ぐに二番手前を拾い上げ、非通知だとわかったら直ぐに切って素早く次のスマホに滑り込ませる。「はい……そんな契約はするな、断れ!」ンで最後は四つ目を左手で操作。「はい……後五分掛かるって? 三分で来い!」
 最後の電話はC´から掛かってきた模様。まさかDの早業をこの目で見る事に成ろうとはな。あいつはそうして複数の電話を捌いていったんだな。そりゃあ頼られるわな。ンで電話を終えると蛙目のアイマスクを掛けて眠り始めた。
 後五分ないし三分かあ。それまでは--
「あのう、ここで良いでしょうか?」と秘密基地にやって来る学生服着た少女が一人。「あ、あそこに眠っているのはD先生ですよね?」
「え、君誰? 今日は学校あるんじゃないの?」
「実は私、不登校でしてね。D先生のカウンセリングを受けにここまで来ました」
「お名前は?」
「はい、私はJと言います。今はH高校の二年生です」
「H高校? それはそれは実に努力してますね」
「いえ、H高校といっても結局不良は集まります。特に同学年の女子はみんな陰湿な嫌がらせをしてきましてとても耐えられません。居心地が悪いわ。このままでは心が壊れてしまいそうなので私は中学時代にピアノを教えてくれたD先生の所まで来ました。あのう、D先生は寝ているのでしょうか?」
「ああ、深夜四時に就寝したから今は--」
「ハアハア、三分で、着いた、ぞ、お」
「キャア、だ、だ、誰ですの!」
「オオ、君は……おっと、今は疲れてるんだ、ハアハア」
「良し、来たな。それじゃあこれ合計二百枚配りに行くぞ!」
「何だって!」そりゃ驚くよな、十倍に膨れ上がってると知ったらな。「何昨日より倍の数にしてんだよ!」
「文句なら熟睡してるあの女に言えよ」
「あのう、大変そうですね。良かったら私にもお手伝いさせて下さい」
「駄目だ駄目だ。不登校者はこれを手伝うんじゃない。それなら学校に行きなさい」
「嫌よ。だって女子のみんなは寄ってたかってお金をせびりに来るんだもの!」
 それを聞いた途端、俺達は一斉にJの所に寄って行ったのは説明するまでもない。それから互いに三十枚ずつ渡したのかな?
「こんなに!」
「同志よ、今日から君はマネーバスターズだ!」
「共に星の屑を成就しようじゃないか!」
「星の屑?」
「気にするな。C´さんは少々オタク知識に偏ってる三十代中年だからな」
「悪かったな、A!」
「えっと左手側で少し息の荒い男の人がC´さんで右手側の少し格好良い人がAさんですね」
「ああ、宜しくな」
「はい、宜しくお願いします!」
 こうしてマネーバスターズに四人目が入った。彼女の名はJ……高校二年生。現在はいじめが原因で不登校を続けている模様。カウンセリングの為に従業員に聞きながらしかも紙を元にここまで来たんだから行動力は札付き。やはり若さは大事だね。

 さて、午後零時五分四十三秒……一枚も本気で受け取ってくれない。仮に受け取っても良く見たら塵箱に捨てるか或は路上に捨てるという環境汚染野郎も存在する。更には場所を変えて配ると丸めて塵箱に捨てられる光景も目撃。良い気分に成らずに俺達は昨日言った牛丼屋に入ってゆく。席順は俺が右手側に空き席を残した状態で左にC´、Jが座る。
「フウ、お金がない」昨日と合わせてそこを尽きた俺の財布。「三人分も払おうとするのが間違いだったな……特に君!」
「ええええ、私は普段このくらい食べますよ」と何故か特盛牛丼味噌汁セットと特盛豚丼単品を頼むJ。「それよりもどうして牛丼並盛一品だけなんですか、二人共!」
「凄いなあ。これは現代の八乙女鴎ちゃんだ」
「違います。現代のもえあずですよ!」
「何それ?」
「俺も知りませんよ」
「ええ、テレビ見ないんですか?」
「テレビなんか見たら思想が赤く成る!」
「俺も同じ理由だよ。というかテレビ見ないと却って電気料金安く済むしな」
「えええ、そんなに。テレビ見たらもえあずちゃんの可愛さに惚れるかもしれませんよ」
「駄目だ駄目だ。俺は(※)を嫁にして毎日楽しんでる」
「おいおい、あの(※)だぞ。一度やってしまったらもう楽しみを終わらせるんじゃないのか?」
「えっと何の話をしてましたの?」
「いやいやアニメキャラや漫画キャラをお嫁さん代わりにしてるから問題ないってあのおじさんは言ってるよ」
「へえ、何だか寂しい人ですね」
 それを言われると大きく傷つくのがC´。俺も寂しい人間ではあるが、流石に著作権のある作品でしかも一般的に公開されてる奴等には欲情はしない。いや、してしまうと作品を傷付ける気がして欲情したくもないんだな。まあ……いや、止めておこうか。
「ふむふむ」と俺達の配った応募用紙を右手にホームレスと思わしき白髪の男が食券を買い出す。「今日は豚丼にしよう」
 その男は俺の右手に座る。その男は注文が来る間に俺に応募用紙について尋ねる。
「何かね、このマネーバスターズとやらは?」
「それはアーカム本部にて詳しくお聞きしますので今は私達が昼食を食べ終えて一息つき出した頃までお待ちを」
「ほうほう、ヘンリー・ガーナムとか言うノーベルの悪い部分が受け継がれたような阿呆に乗っ取られるようなヘタレ組織の名前を出されては流石に秘密基地名としては少々弱いのでは?」
「ええ、このお爺ちゃんは何か言ったの?」
「どうしてこのネタを御存知ですか?」
「何、かつてはわしも大きな会社を興しておったんでな。大丈夫だ、後継者に譲って今は只のホームレスSS(エスチェット)として活動しておるよ」
「ひょっとしてエフシリーズも知ってるのか。じゃあエフ鉄血孤児達は御存知だよな?」
「ああ、知ってるよ。まあ何、的違いな批判があるとすれば主人公達はダインスレイヴは避けられなかったとか言ってるが、君達は星の外から内に繰り出す攻撃を本気で回避出来ると思ってるのかな? 落下速度も更には青い空で覆われた条件下ではどうやっても回避など不可能だよ……ましてや予測を可能とするニュータイプやXラウンダー、そしてイノベイターでない限りはね」
「いや、エフの話はそのくらいにして良いか。本題はそっちじゃないからさ」
「じゃあじゃあ、お爺さんは知ってますよね。もえあずの事は」
「ええ、途中で吐くような腰抜けじゃあ駄目ですな」
 SS(エスチェット)は容赦なかった--その一言を受けてJは撃沈する!
「その容赦なき御言葉……それじゃあ爺さんもマネーバスターズに協力してくれるんですね」
「君はさっき言っただろうに。件の話は後でするんじゃないのかな?」
 俺は思った……このジジイ、中々手強いと!
 昼食を食べ終えて色々無駄話をした俺達はSS(エスチェット)を連れて秘密基地に戻ってゆく……


 ※ アダルトネタは完全シャットアウト

 という訳でスターシステムの如く彼を出してしまった……いけないな、そこは。感性で描くとどうしても使い慣れたキャラを出してしまうんだよなあ。一応、作品のルール上はアルファベットで記されてますが、SSは間違いなく別作品キャラです。彼は今回で二度目の友情出演と成ります。
 という訳で今回はここまで。さあ、来週の土曜に出すHP版に向けて準備でもするかあ。

雑文特別編 お金様 書くだけ書く試作品   (6/5)

 どうも第六十四話を昨日の内に終わらせたのでこの曜日中に出来る限りお金様を書き殴りましょうか。
 それじゃあどうぞ。

 お金の本質は人間の本質に他成らない。誰かがそう言ってたような言ってなかったような。最新鋭たる物は突き詰めれば古典。これも誰かが言ってたようなそうでないような。
 さてさて、舞台はここ大手スーパーデーの甲階にある秘密基地。マネーバスターズの本拠地。そこにはCの兄C´と謎の社長D。そしてこの物語の主人公を務めるお金様に反旗を翻すAが居座る。俺達三人は早速会議を始める。
「ズバリ、寄付を募る」
「早速活動全否定をしてるじゃないか」
「違う。お金様に対抗する為にはお金様に対抗するだけのお金が必要。そこで俺達は活動費を稼ぐために寄付を募る訳だよ」
「でも最近は24詐欺が明らかと成ってるからそれ募った所で誰も一円も二円も入れてくれないわ」
「それでも大手コンビニ数社が募った寄付ではしっかり募金箱に入ってるのを俺は見た」
「まだ騙されてるな、救えないわ」
「やらない善よりやる偽善って言葉は却って人間をお金の為に生きるよう仕向けるのよ」
「え、どうして?」とC´はわからない。「お金を溝に捨てる寄付じゃないの?」
「何でも溝に捨てると捉えるのは誤解よ。寄付ってのは基本は投資なのよ。投資だからこそ与えたお金は返って来ると信じられるのよ」
「寄付と投資は一緒じゃないだろ?」
「いや、広義的には一緒だ」と俺はDに代わって説明する。「寄付と投資が一緒な理由は即ち、自分に返って来るからだよ……ほら、情けは人の為に非ずじゃないか」
「確か情けは人の為に良くないって意味だろ?」
「違う。本当の意味は人だけじゃなく自分にも良い事が返って来ると言うんだよ」
「え、そうだったの?」
「ニートは頭が悪いって皆に誤解されるわよ」
「五月蠅いな、美人だからって何でも許せると思うなよ!」
「ウフフ、少なくとも不細工に産まれない方がより得するって物よ」
 それは全国一億二千万人(大袈裟)の不細工を敵に回す発言だな。確かに美人の方が就活で便利な上に惨めな境遇に成らずに済むとは聞く。美人の方が不細工よりも心の面では穏やかで居られるってのは聞く。但し、それが適用されない奴らも居るんだからあんまりそうゆう事を口にする物じゃないな。
 とこのように話は進まない。活動資金集めの話をしてると何時の間にか言葉の定義の話に移り、更には善悪美醜の話に移り、今では美人薄命の話に入る。つまり議論は一向に進まない。
 それどころか時間を無駄に浪費する。目的有れどそこに繋がる過程を見出せない。結果として誰も彼もが混沌にのめり込み、何れは髪の毛一本残さず蟻地獄に美味しく戴かれる。
「という訳で世の中は不細工こそこの世を生きる」
「それこそやる偽善が世に蔓延り、益々お金様の支配下に入ってゆく」
「やっと戻った。本題に戻る為に三十三分も時間を無駄にしてないか?」
「そもそも何の話をしてたんだ?」
「私達は寄付の話をしてたのよ。活動する為には……あ、ちょっと電話ね」
 Dは複数の会社も経営する。殆ど副社長達に任せっきりでも重要な案件があると恐らくは次の通り。
「--ええ、わかったわ。私が出ないと話が拗れるんでしょ。わかったわよ、出て来るから待って為さい。後一時間十三分までに来ない場合は勝手に話を進めて……その時は独自の判断で良いわ。それで損失が出たら--」
 そんな事を口にしながら帽子を被り、サングラスを掛けながら秘密基地を後にしたD。
「オイ、どうするんだよお!」
「あの通りスポンサーであるDは重要案件に成ると会議をほっぽり出すからな。それに俺達は活動する上で重要な事を思い出した」
「それは一体?」
数が足りない……事」
「数が足りない?」
「俺達はどうして重大な事に気付かないのか。数が足りないと濃厚な議論に結び付かないではないか!」
「数が足りないのがどうしていけない?」
「あのなあ。たった一人で会社が動くと思ってるのか?」
「……金持ちの息子なら十億出せば会社興せるじゃん」
「それは誤解だ。会社といっても部屋はどうする? 建物はどうする? 一から部屋を作れると思ったら大間違いだぞ。それと同じように俺達はずっと一人でやって来れたと勘違いしてる為に重要な個所である人数集めを怠ってる。大体俺達だけで議論が成立する訳ないだろ。仮に成立したと仮定しても結局はありとあらゆる活動をこなす為には一日では何にも解決しない。もしかしたら一年かかるかも知れないぞ、この活動が始まるまでに。だとすればその頃には俺達はアルバイトを始めてしまい、結局お金様に屈する事に成るじゃないかあ!」
「言われてみればそれはあり得るなあ。何だか悔しいじゃないか。折角お金様を打倒する筈がアルバイトをしてお金に屈した事に成ると知れば……こんなに悔しい事が何処にあるかああ!」
「わかったらこんな所で時間を潰してる場合じゃない。活動員集めに乗り出すぞ。目標は一日に二人!」
「二人? 五十人とかじゃあ駄目なのか?」
「あのねえ、C´さん。最初から無理な目標を立てる事がどれだけ無謀かをわからないのか。ブーメラン党政権が何の根拠もなしに自慢の目標を立てるのと同じくらいだぞ!」
「え、そんな無謀な目標をあいつらは立ててたのか?」
「忘れてるだろうけど、俺は今でも覚えている。が、それは話の本筋を大きく逸らす為の詭弁だ。兎に角、目標は今ここに居る俺達の人数分。それが一定の成果を挙げてから徐々に目標を増やす……別にねずみ講みたいな事をするんじゃないんだぞ。あれは末端に成れば成程、損をする仕組みだからな」
「ねずみ講かあ。昔はそんな詐欺もあったなあ」
「じゃあ行きますよ、C´さん!」
「何も持たずに?」
「……言われてみればそうだな」
 俺達は午後七時まで応募用紙について議論し、そのまま帰宅していった……

 次の日の午前十時七分……Dは仕事の都合で欠席。どうやら彼女は時間が取れそうもないな。その為、俺達は昨日の続きを始める。応募用紙をどうするかについてだ。ちょうどC´はワードもエクセルもパワーポイントも得意である模様。どれ程得意かは割愛する。昨日議論したお蔭で今日は僅か一時間二十八分掛けて応募用紙が決まった。
 それから秘密基地にあるプリンターに印刷。印刷は一人十枚で良いだろう。十枚配って誰一人捨てなければひとまずの目標は達せられる。がこれについてC´は次のような疑問を口にする。
「どうして捨てられずに持って帰る事が目標達成に繋がる?」
「家で捨てる事、後は見えない場所で捨てる事を除けば彼らが俺達の目の前で応募用紙を捨てない場合は読んでくれる可能性は見えてくる。後は……声掛けられるかな?」
「俺も自信がないな。こう見えてフリーターとして面接に臨んだ時は受付の人に声を掛ける事も勇気が要る作業だったもんな」
「大学や高校で就活しない奴ほど悲惨な境遇はないな。俺はその分、恵まれていたもんな」
 と無駄話はここまでにしようか。さあ、午後零時零分零秒に成ったら活動……その前に昼食を摂ろうか。
「実はお金が三円しかない」
「それは悲惨だよな。俺は財布に後三千六百十三円残ってる。取り敢えず牛丼屋に行こうか」
 印刷した計二十枚を持参して早速牛丼屋で単品を注文。量は勿論節約も兼ねて並。大盛や特盛頼んでも良いけど、余裕がない。それと金食い虫が右手側に座る為、更に余裕がない。
「やっぱ肉不味いよなあ」
「心の中で思って下さいよ、C´さん」
「お、お前はやっぱりA!」
「貴様はこの前の人殺しだな」
 左手側が空いていたのか……何とBさんとY社の社員だったEが座って来た。
「てめえはE!」
「ああ、文句あっか……ああ?」
「止めろ、大人げない」
「その腕章」BさんとEが左二の腕に掲げる腕章には次のような事が記されてある。「TEAMTASKFORCE?」
「何だよ、エフセンチネルなんてお呼びじゃねえんだよ!」
「お前は何を言うか。所詮Cと同じように会社の足を引っ張る事しか能にないな」
「何だと、てめえ--」
「待て、落ち着いて下さい……挑発は相手の思う壺ですぞ!」
「まさかお前と出会うなんてな」
「不思議な話だな。どうしてBさんがこんな時間帯にデー近くの牛丼屋に居合わせるなんておかしいですよ」
「それの何がおかしいんだ、A?」
「だってX社H工場はM工業団地にあるんですよ。でもここはM´……どう考えてもお昼休みにしかも急いで着替えても休憩から遅れるほどの距離にあるんですよ。まさか……ギロチンに掛けられたんですか?」
「社長をぶん殴って転職させられたんだ。だから今はこの通りさ」
「まさかY社の手先に成り下がったな!」
「いや、Y社も有り得ない。何故ならY社はH市駅にあるノッポビルの最上階だぞ。それはDから聞かされた事の一つだからな」
「じゃ、じゃあこいつも辞めさせられたんだな……ザマア!」
「五月蠅いぞ、この人殺しめ!」
「ああ、てめえ--」
「だから挑発に乗らないで欲しいよ」
「はあ、どっちも立場違えど仲間運にはほとほと恵まれれないみたいだな」
「Bさんに聞きたい事があります。TEAMTASKFORCEって何なんですか!」
「それは読み通りチームタスクフォースさ。それはお金様による日本人の意識の統一化を促すお金様のお金様に依るお金様の為の組織……日本の未来はこれで救われる!」
「やっぱりBさんは何もわかってないな。お金様が居るから日本人はお金の為にしか生きられない人間に成ったんだ!」
「それは詭弁だ。お金のありがたみを理解しないからお前はそんな子供染みた事を考えるんだよ!」
「言わせておけばあ!」
「そっちこそお!」
 どうやら俺達も大人げない様子。牛丼食べ終わると喧嘩別れするように退散。結局、応募用紙を配る気力を使い果たした為にアーカム本部に帰還。今日も無駄に時間を浪費してしまった……


 という訳でお金様をやりました。こいつは商業用にその後、自分なりに修正を加えるからな。まあこれを受け取ってくれるかが問題だな。受け取りに成功したら後は十分も稼げるかどうかだろうな……値段は向こうが決めるしな。
 という訳で今回はここまで。今週でお詫びは最後だしな。

一兆年の夜 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇(七)

 午前八時四十六分四十八秒。
 十名はその洞窟を素早く調べた。すると明らかに成ったのは本棚は神々ではなかった。紛れもなく何かを記した物だった。その証拠はそれを調べた彼らの口から語られる。
「烈闘様、全ての紙ハ劣化シタヨウナ跡が見られます」
「つまりこれらは神様ではないという訳か」
「何といいう何といいう損失なのよ。本棚全ての紙書類は全部読みい物にい成らないいのおのお!」
「諦めるんだあい、ソフェラあい。これは墨で書こうとすれば瞬く間に破れてしまう程に劣化が進んでるんだあい」
「折角藤原大陸な謎ご解明されるた死んでいったコウモラ兄さんほ燥いでいたなね」
「紙の資料なんか如何でも良いワアイ。それよりも飯ダア飯い!」
「飯の話をするのとしないのとじゃあどちらかと言えば--」
「待って下されよう、ワシ男さん。何時も言っておりまするように喋らないで下さらないでしょうか!」
「むむえい」何かを感じるハヤッ太。「本棚は全部で十六でしかも十段式でしたねえい」
「どうゆう意味でぶ?」
「いやでろう、出入り口近くに立って右翼側から見て七つ目の本棚が少し浮いてるような気がするでえ」
「それは気に成るな。じゃあクマ道とソフェラで隙間から指を伸ばして持ち上げてくれないか?」
「ええええ、頭脳労働が私の--」
 それでもお前はこの中で一か二番目に力持ちだろう--と烈闘は強引に押し退ける。
「ちぇちぇ、これも百獣族にい最も近いい獅子族の定めねえねえ」
「確かに僕も力はありますがあい、こと指の大きさがあり過ぎる上に力の方向性も違いますからねえい」
 俺は力仕事が得意ダアゾ--と力関係は発散に繋がる為にクマ道は乗り気である。
 二名に依る持ち上げに依って発生するのはその本棚だけ勝手に後ろに下がってゆく。そして出て来るのは下に繋がる階段。十名は驚きを隠せない様子。
(やはり記憶の世界とやらに密接なる繋がりがありそうだ。この階段を降りた先に何があるのかを俺達は知りたいな。最も良い成果は得られそうにないとは思うけど)
 十名は前方及び後方を警戒しながら降りてゆく。それは三の分より後に完了し、そこで広がる光景はまるで遥か先の舞台に来るような反応を十名共見せる。
(どれもこれも神々なのか。あのよくわからない色付き石板押しもあの半円で細長い大きな物もそれからよくわからない文字で記された何かの印もそれから『星?』のようなのが全部で四十数個もあるこの旗も何か? 俺にはどれもこれもわからない。そしてこの頑丈さと何の意味も齎さない数々の品々からしてこれこそ本当の神々なのかも知れんなあ)
「見ろヨオ、アマテラス文字にヨオル注意書き……ここは『ワシントン配備の第三木亥シェルター』だそうダア」
「いや、普通ニ『核シェルター』ト呼んで良いんだぞ」
「核って何だ、わかるか?」
「いいえいいえ、私でも何の意味なのかさっぱりいわからないいよわからないいよ」
「そうか。じゃあここは全く……ンン?」半円で細長く大きな物の奥に何かを発見する烈闘。「あれは何だろう?」
 烈闘に釣られるように九名共そこへ急いで向かった。烈闘が見つけたのは扉。その扉を抜けた先には上へと登る階段があり、その先にあるのは……異様な何か。そこは上向きに設計され、開けてみると執務室のような場所に繋がる。それから烈闘達は執務室にある要者用と思われる椅子の背中越しの窓より外を見つめると信じられない光景が目に飛び込む。
(真っ白に成る瞬間がずっと映し出される。この窓は神々なのか、意味は成さない。でも窓に映る真っ白は何故か信憑性に溢れる程さ。何かが光った? 俺の感じた物はそれだ。いや、この窓は俺達生命に真実性を齎す。まるで命が吹き込まれてるかのようにこの場所は時が止まってる。いや、初めからここは作られたまま何も動かない。いや、動かす予定だったがそれが中断されて今と成っては……謎の解明をする筈が結局は謎を深める話に成ったな)
 烈闘にとって未完の舞台は己とどう関係するのか? それはまだ気付けていない……

『--この後二の時も其処を調査したんだけど、何も見つからない。どうやら神様は肝心
記憶の世界を俺達に教えたくないようだ。にしてもあの真っ白な光はこの後執務室
らしき部屋を呑み込むのかな? だとするならその為に執務室のような物が作られた
としか表現しようがない。記憶の世界の生命達はもったいない事をするよなあ。折角
作ったのにそれをこうゆう形の為だけに使い、そして用がなくなったら捨てていくなんて
銀河連合じゃないか。俺達にはその使い捨ては果たして精神を宿しているのかどうか。
 それは俺達も物が言える訳じゃない。俺達は特に命を使って全生命体の希望を体現
しようとするんだからな。記憶の世界の生命達は一体どんな思いでこの舞台を作り
出したのかはあいつに考察させれば良いな。躯央ならそれなりに、あ、そうだ。
 そう思えば残り三通の手紙についても読まないとな。という訳で残り三通の手紙は次の
日記に記す。この日記はここまでだ。果たしてこの体験と俺の体験は密接に繋がるのか?
或は無意味な部分なのか?
                              次の成功日記に続く』

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月二十三日午前九時十五分零秒。

 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇 完

 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇 に続く……

一兆年の夜 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇(六)

 四月二十三日午前六時七分四十一秒。
 場所は中臣峡谷標高成人体型凡そ五十二。そこは空中種族以外が通るには命懸けの道が並ぶ。
 先頭を進むのは齢三十三にして八の月と九日目に成るクレイトス蝙蝠族の中年コウモラ・リックマン。そして最も後方に居るのが彼の弟で齢二十九にして四の月と二日目に成る青年コウモレ・リックマン。彼らは共に偵察隊に所属して遠征部隊の為に情報収集に当たる。二名に挟まるように足を踏み入れながら進むのは前から順に烈闘、マンマロート、ベア道、齢二十四にして二十七日目に成るプロティ豚族の青年ザブルド・クロネット、齢二十一にして二の月と十六日目に成る藤原犀族の青年藤原サイ電、ワシ男、齢二十五にして六の月と八日目に成る藤原燕族の青年藤原カエ洞爺とうや、齢三十二にして六の月と二十八日目に成る藤原隼族の藤原ハヤッ太、そして紅一点のソフェラの九名。彼らはお喋りしながら足を滑らせる恐怖と格闘中。
「蝙蝠訛りは躯央に聞けばどれ程学術的に勉強に成るかなあ?」
「眠いんですや、烈闘様。話し掛けないぢ下さい」
「そう言えば夜行性ノ種族デシタネ。誠ニ申シ訳ありません」
「ナア、マンマロートさんヨオ」
「何ダイ、ベア道?」
「何時まで二本足で立たなくちゃいけナアイ?」
「狭イノダヨ、それに四本足で進む為には幾ラ何デモ幅を取ってしまいかねない」
「良くわからんガア、何となくわかりそうダア」どうやらベア道は頭脳労働が得意ではない模様。「それよりもさっさと派手に暴れ回りたいナア」
「良い訳ないでぶ、ベア道。お前は食べぶ、遊んで、寝ぶことしか考えてないぶ」
「ブーブー五月蠅アィ、ザブルドさんヨオ!」
「本当のことを口にしぶ良くないか!」
 待って下さあい、二名とも落ち着いて下さあい--と犀族の割には温和なサイ電は二名の喧嘩を止めるので精一杯の様子。
「そうそう、ここで落ちたら私達三名の力で拾い上げるのはとてもではありませんが難しかろうてでありますよ」
「僕以上に回りくどい訛りでしたら少しは黙っててくれましょうか」
「最近の若者達はどうしてこうも落ち着かなころう」
「まあまあまあ良いいじゃありいませんか、ハヤッ太様。それも若いい者の特権だと賢者は仰りいますのでので」
「そちらの訛りも随分複雑でろう」
 あらあら、ハヤッ太様こそこそ--と甘美の公式を発見したレオーネの子孫だけあって良く舌が回るソフェラ。
「そろそろか、コウモラ?」
 そうですに、そろそろ……一旦止まって下さい--と声を高くして九名の足を止めたコウモラ。
「空中種族は風の受け流しが容易じゃないならどれ程避ければ良いのかやら」
「確かにそうでろう」
「うわわ、フウウウウ危ない所でありましょう」
「三名共静かねしてくれますこお?」
 と十一名共寸での所で墜落を免れる。それからコウモラを先頭にゆっくり入ってゆく。
(中は暗いなあ。後は銀河連合に襲われずに無事で済めば御の字よな)
 それは烈闘だけでなく、頭脳労働が出来る者達なら誰でも考える銀河連合に依る奇襲。特に暗闇は光ならざる世界を好む奴らの領域……油を断ち切れない!
「烈闘様、全員無事入ルノニ成功しましたが……コウモレから連絡ガアリマシタ」
「何となく察しが付くが、詳細を」
「は、実は入る途中で銀河連合らしき何カガ洞窟出入リ口の直ぐ真下ニ降りてゆくのを目撃しましてね」
「だと思ったな。という事は進んでゆく内にその出入り口も見つかるだろうな」
「予め武器ヲ持参シテ正解でしたね」
「それはベア道の意見だ。あいつは俺と同じく戦いしか知らんが、勘は優れてるからな」
 俺はちっとも好キニ成レソウニありませんが--とマンマロートは本音を告げる。
「じゃあそろそろ準備してゆくか」
「ええ、行キマショウ」
 打ち合わせを終えたマンマロートは洞窟へと向かう前に打ち合わせた事をここに述べる。それに対してベア道は雄叫びを上げる。
「そリャア、楽しいナア!」
「静カニシロ、ベア道」
「五月蠅アイ、マンマロートさんヨオ。俺は派手なのが大好きなんダア!」
「そうでぶ。銀河連合をたくさん倒して故郷の父さん母さんに孝行すぶんだ!」
「と言われましても結局は調査の為です物ねえい」
「閃いいて閃いいて来るわ。きっとここにい新たな数の法則が見つかるわよわよ!」
「何でえ、戦いじゃなくて調査の為だってえ。まあいっけえ」
「だから緊急時にワシ男さんや僕、それにハヤッ太さんを招集したんでしょうね」
「私はどんな理由であろうともなかろうとも招集されてうれしいのか悲しいのかとしたら嬉しいに--」
「いやあい、ワシ男さんは少し黙ってくれませんかあい」
「兄さん、さらさら眠くなってきますに」
「ぢま油断つのや、コウモレ。銀河連合ほこうゆう時ね限って--」
 それがコウモラの最後の言葉に成った。落下するのは上半身の無いコウモラの肉。コウモレは悲鳴を上げ、マンマロートは周囲を見渡す……すると彼は天井に張り付いて剥き出した眼光を光らせる何かを発見。直ぐ様それを次のように言い当てる!
「銀河連合ダナ、蝙蝠型ノ!」
 正解なのか、それら二十八体は一斉に襲い掛かる。だが、その内の一体の頭部は口の所まで凹む……いや、烈闘の左拳は蝙蝠型の柔らかい頭部を変形させるほど重かった!
「今がその機会だ、お前ら!」
「ううううう、うあああああああああ!」コウモレは持参する翼持刀に物部刃を仕込むと何度も蝙蝠型のある方角に向けて撃ち続ける。「兄さんな仇兄さんな仇兄さんな仇イイイイ!」
「烈闘様に出来て俺が出来ない道理はないゾオオ!」
「暗闇より僕達を襲ってえええい!」
「仲間を死なせた罪を知ぶ、銀河連合!」
「外ニ出るなよ、意ガ届カナイ一撃が来る!」
「暗闇は大変でろう!」
「私は故郷があるべき生命の土地にするべく諦める諦めないと選択すれば答えは--」
「だからワシ男さんは静かにして下されよう!」
「百獣族にい百獣型にい最も近いいと噂される獅子族の戦闘力を甘く見ないいでね、銀河連合さん銀河連合さん?」
 コウモラの死という悲しい事態が訪れるも十名は懸命に戦い、そして生き残った。
(御免、コウモラ。俺がもっと周りを注意する事が出来たらお前を死なせずに済んだのに)
 烈闘はまだまだ己が未熟である事を痛感する。
『--コウモラの遺体から流れ出る血を追ってみる俺達。するとそこに本棚のような神々
を発見する。それらがどんな役割を担ってるのかについては次で……あ、ここで頁が
無く成るな。という訳で一冊目は次で終わりにしよう。その本棚には何が書かれてある
のか? 或は他の神々同様に装置としてここに眠るのか? 果たして答えは一体何なの
だろう。それは読んでのお楽しみ』
プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR