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格付けの旅 デュアン・マイッダー死す 格付魔導帖

 山田風太郎……それは諸外国に間違った忍者観を広めた元凶の一人。彼の忍法帖シリーズは忍者=人外という誤った忍者の姿を世界に晒し、それでいてみんな忍んでいないのだから。何よりも忍にしては原理上不可能ともいえる痰を蜘蛛の糸みたいに操る術や呼吸一つで人口ブラックホールを起こしたり、物体間を潜り抜けたりしたりと様々。
 って何で死んだ奴の解説をしてッるんだああ--と久方振りに登場したアルッパーは絶叫!
「失敬な! かの山田風太郎だぞ! あの爺さんが居なければ昨今のライトノベルはなかったと言っても過言ではない」
「オイ、メタフィクションしてる場合か! 今の状況はどう成ってるか思い出せよ!」
「思い出せと言われても……あ」因みにナレーションは何時ものナレーションである。「俺の昔話がおよそ半年も続いたから俺がナレーションじゃない事に気付くまで時間が掛かったな」
 だからメタフィクションしてる場合かあ、二本足があああ--絶叫してばかりのアルッパーは己の影が薄い事を気にし始めた。
「随分呑気な奴らだあ」と元自衛隊出身者として時々ふざけた口調をする渋い声の男はバルバトス・ワカモト。「ここに来た目的はわかってる筈うだよお」
「その喋り方は何とか成らないのか?」と人参が嫌いそうな劈掛拳と八極拳の使い手であるラインハルト・ウラキ。「時々ふざけてるようにしか聞こえんぞ」
「まあまあ良いじゃないの」とアルッパー曰く河野さち子特有の巨乳病が書いてそうな胸に栄養が行き渡りそうな体型はセニア・グラニア・エルステッド。「これで好きなだけアルッパー君を拝められるんだし」
「エルステッドさんや」とアンパンマンのライバルに声が良く似たゴールデン化しそうな男はムーザ・カナハン。「ところで目の前に脇差を腰にぶら下げる男が居るのですが!」
「オイオイ、あれは知ってるぞ!」
 フ--その男の流派に敗北という二文字はない。
「何者だ、お前は?」
「俺の名は出海・キュービィ」
 何で苗字が片仮名なんだよ--とアルッパーは突っ込み役を全う。
「おいおい、『異能生存体』な上に最強キャラかよ……折角俺は強力なスポンサー目当てに戦国時代まで来たのに」
 異能生存体……それは1/250億の確率で出現する絶対に死ねない因果律を捻じ曲げる存在。その死ねなさは超宇宙の支配者が殺し忘れる或は殺し方がわからない或は人気が出過ぎた為或は殺すには愛着在り過ぎてと言った感じだ。例を挙げると支那贔屓でお馴染みの皆殺しの御大は有名なスペースオペラで同盟側の主人公すら呆気なく殺して見せるなどキャラを殺すのに躊躇しない傾向にある。そんな御大は予定通り諸星アタルと剣鉄也を殺そうかと思っていた。ところが話を続けて行く内にその事をすっかり忘れて結局は殺せなかったとの事。同盟側のエースパイロットと帝国側のボスキラーに定評がある猪武者が生き残ったのはそうゆう事なのだよ。他の例ではスペシャルで二千回で模擬戦なパイロットがそうだろう。本来なら六話で死ぬ予定だったのが一話で大層インパクトのあるやられ方をしたせいでスタッフのみならず、視聴者からもカルト的な人気を博す事に成った。それだけなら問題ない。問題なのは十五話で明らかにビームで中心を撃ち込まれたのにコクピットブロックがほぼ無傷の状態で生還したり、二十四話でセミヌードと相討ちして死んだと思われたはずなのに次の話のエピローグで何事もなく敬礼する彼の姿があるという生存振り。そのせいで不死身の何たらと言われ、その異名通り死んでもおかしくない状況下で悉く生還するという恐ろしい存在に変貌。このパイロットの名前がそうさせたのかそれとも彼のやられっぷりが創造主でさえ殺すに忍びないと感じたのか? 何れにせよ、生き残った以上はそう呼んで異論はない。このように異能生存体を殺す事はほぼ不可能。殺すには寿命で徐々に苦しめるしかないだろう。
「その前に時代が違うだろうが!」
「細かい突っ込みはいいぞ、アルッパー。取り敢えずお前でデモンストレーションしないとな」
「何をやるか知らないが、エンメイ流に敗北という二文字は……ない!」
 デュアンと出海は早速戦いを始める。
 だが、出海の繰り出す数々の技はエンメイ流を遺伝子レベルで身に付いた者しか使えない代物ばかり。どれも打撃技のみならず、関節技も投げ技も何れにせよ人を殺せるレベルで尚且つ格闘戦及び戦闘のプロ。魔術戦及び戦闘のプロだが、格闘戦の素人であるデュアンは防戦ばかりする。
「この程度か、デュアン。あんたは……本気じゃない」
「この間合いじゃあ本気が出せないだけだ」
「って何エロ漫画書いた恥ずかしい奴の台詞に良く似た事言ってんだよ!」
「アルッパー君は何でも知ってるんだね」
「あの野郎は現在、劉邦と項羽の別バージョンを書いてるじゃないか!」
「メタネタは……って余所見してるから俺が本気じゃないと言いたいか?」
「不利な筈のあんたには……余裕が見られる」
(これがあのロリコン趣味のおっさんが良く多用する『節』か。大体、人間を描く時に台詞の一つ一つに創造主の癖という物が見られる)
 節……それは『認めたくない者だな、若さゆえの過ちとは』というように創造主が癖で使用する数々の活かした台詞の事。例えば『そこに気付くとは、大したものだ』を良く多用する何ちゃってニンジャ世界の創造主や『なん…だと?』を多用するオサレ創造主等々。彼らの本職が漫画書きであるのか、漫画でしか許される表現により多くの読者に忘れる事のない印象を付ける事に成功。では別の例を挙げるなら先程出した頭が禿げた創造主の投影である情けない男の台詞だが、他には『荒んだ心に武器は危険なんです』や『そうでもあるがああ』という独特過ぎる台詞がその禿げ頭の良くわからない文法をユーザーに印象付ける結果に。ハゲ頭以外に印象に残る節とは彼の外国人が間違った日本観で呟き連載で現在も続くニンジャ世界で忍者同士は一回のアンブッシュ以外では『ドーモ●●さん、◇◇デス』と挨拶するのが常識で死ぬ時は必ず『サヨナラ』と『爆発四散』するのが様式美と成る。本来は同じ表現を何度も小説内で多用する事は読者を飽きさせる物だが、こちらの場合は呟き連載という事も相まって様式美と化し、ユーザーに忘れられない印象を刻み込む事に。まあ他にも事例はあるが、敢えて俺達を描いた創造主の癖とかもまた節の一つだろう。時々、思い付く台詞が浮かばない為に『ランニング状態で足を止める』みたいな表現を多用する無能だから上手い表現を全然思いつかずに頭良さそうな事を書いてインテリぶってやがるから鬱陶しいぜ。まあ創造主の悪口はこのくらいにしとこう。
「じゃあ行くぞ、エンメイ流真空裂斬!」
「そりゃあ機械野郎の使う武器術じゃないか!」
 突然、ロリコンでさえ身に覚えのない技を使った出海にデュアンは勝機を見出してカウンター魔法リフレクトブレイカーを使用--出海は十五メートル吹っ飛ばされる!
「ほほおう、やるではないか!」
「あれがデュアン・マイッダーの切り札ですか」
「だが、向こうも負けてはいないな」
「あ、死んだふりしてデュアンが少しでも余所見したら一目散に退散した!」
 野郎--出海はカウンターを受けながらも既に龍波を打ち込み、デュアンの頸動脈を抉っていた!
 溢れる血を流すデュアン。だが、奴は血液を操作する魔法も零詠唱で唱える事が可能。更には治癒魔法で抉られた頸動脈を修復させる。
「何処まで都合が良いんだよ、これが主人公かよ!」
「お前だってこれくらい当たり前に出来るだろうが!」
「にしてもあいつはどうして死んだふりして逃げたんだ?」
「今は亡き『富山敬』の演じたペテン師も含まれてるんだろう、出海が憧れたあれがな」
 富山敬……それは彼の日本と呼ばれた地で五本の指に入るのではないかと謳われる最高峰の声優の一人である。その演技力は恐ろしい物で最近ロボットではないのに参戦した宇宙戦艦のトリガー役を務め、UFOロボを操る宇門大介役も演じ、これは黒いネタだが騒動を起こしたあの伊達直人も演じ、最近亡くなったピノコと共に共演したももこ一家の祖父も演じ、果ては自身の半身であるミラクルヤンも演じて見せるなど幅広い役柄を違和感なくこなす天才声優。あのコメディアンは奴に憧れてアマチュアコンクールに出場して見事に念願の声優を果たしてはダグラムの創造者の一人に才能を見出されて異能生存体を演じる事に成ったんだ。それだけ演技力が他を寄せ付けないレベルにまで昇華されてるのだから。対抗出来るのはスパイクか或は……思い付かんな。
「それにしてもあんなのが戦国絵巻に居るのかよ! 益々カオスの様相を辿るじゃないか」
「理解した模様だね。早速だが、わあたしの指示に従って付いて来るように!」
 デュアンは逆らえない。何故なら生徒の命が掛かってる以上は。
(出海・キュービィは異能生存体の能力で再び襲い掛かるだろうな。問題はそっちじゃない。何とかしてスポンサー連中を叩き潰して思う存分力を振るいたい。どうにも横槍が恐くてまともに力が出せない。これは大変な問題だぞ。
 あ、あいつらは後で何とか成るだろうからそれまでは我慢だ、我慢)
 唯我独尊を地で行くデュアンが大人しい時は大抵碌でもない考えを張り巡らす時だろう。
 ワカモトらに案内される形でデュアンはとある村を訪れた。そこで待ち受けていたのは……『ニンジャ』!
「ドーモ、デュアン・マイッダーさん。シノビキラーデス」
 ニンジャ……それは間違った日本観を基にして外国人が開発した半神存在。忍びなのに全く忍んでない身体能力と奇怪な能力を身に付ける異形の存在。外国人にとって忍者とは恐ろしい存在だと映ってる証拠。
「待て待て、そいつはこの時代に不適切だろうがああ!」
「細かあああい突っ込みを有難う」
「俺は魔術師だぞ、まあ挨拶しとこう。デュアン・マイッダーだ」
「貴様はニンジャではないので見逃す」
「つーかマフラー長いぞ。少しは短くしとけよ」
「アドバイスを有難う。オタッシャデー!」
 何しに来たのかわからないレベルでシノビキラーは去った。
「文字数の無駄遣いですよ、皆さん」
 あら、そうでもなさそうね--エルステッドは十八ものニンジャ反応を確認。
 そう、伊賀の忍者が異邦者を仕留めるべく動き出したではないか!
「クソウ、シノビキラーが去ったのを頃合に出て来たな」
「お前らがこんな事さえしなかったら俺はあいつらを食っていたのに!」
「まあまあ、アルッパー君」
(この気配としかも風属性を思わせる感覚……間違いない、あいつが出て来たな!)
 デュアンは迫り来る気配が何なのかを察知。すると正面より一人の忍者が現れた--それは由井正雪のような髪型をした何かであった。
「ドーモデュアン・マイッダーさん、アルッパーさん。ファリドニンジャです」
「あ、デュアンだ」
「てめえ……何でも混ぜ込み過ぎだろう!」
 アルッパーはファリドニンジャの中に『天才』の存在と不死身のメカニズムと『ヨン様』まで加わっているぞ!」
 天才……それはマクシミリアン・ジーナスのマクシミリアン・ジーナスの為のマクシミリアン・ジーナスだけに備わったマクシミリアン・ジーナス専用の固有スキルである。マクシミリアン・ジーナスが何者かは後で調べれば良いとしてだ。天才たる者はガウォークの有用性を示したり、老いる事も存在せず、あらゆる戦場であっても常に五体満足で過ごして見せるなど中々に鬱陶しい物である。何、説明に成ってない? 天才というのは一々説明して良い物じゃないだろ? そうゆう物だ、天才という属性ってのは。
 ヨン様……それは彼の国の俳優ではなく、オサレ超宇宙ブレーチ大宇宙にある……あんまり詳しくないので後で読書でもしよう。兎に角、そいつは初登場からどう見てもヨン様にしか見えない風貌で尚且つ優しい言葉で誘惑していっては機が熟すとあっさり本性を露にして眼鏡を叩き壊す。更に酷いのはそのチート能力だろう。そのチート能力は一言で言えば催眠術で斬った感触は全て幻覚であって初見での攻略は容易ではない程のチートっぷりを発揮する。まあ月島さんのお蔭でもあるしな、それらも全て。
 コラ、勝手に決め付けるな--と突っ込んだのはアルッパーではなく、ファリドニンジャだった!
「どうやら変態を先祖に持つという意味では子孫は苦労人だろおうなあ」
「その声は忌々しい!」
「話は其処までにしよう。取り敢えずお前は何をする気だ?」
「デュアンさん。お命頂戴致す!」
 ファリドニンジャは愛刀を右手に襲い掛かった! 速度はデュアンが上ではあるが、徒手空拳に於いてデュアンは素人も同然。その為に防戦必死の模様。
「情けないですね。亀のように蹲って」
「何というキョウテン! これがデュアンさんのカラテジツか!」
「術だ。だが、俺が敢えて近接戦に挑むのは……お前にも」デュアンは経典の外に右手首を出す。「返し技が通じるか実験してるんだよ」
 刹那--ファリドニンジャは愛刀で手首を切断!
「二本足め、油断しやがって……いや!」アルッパーは異変にすかさず気付き、訂正。「返したな、意趣返しという奴で!」
 うぐう--ファリドニンジャの左手首が切断され、痛みを堪えるのに必死の様子!
「名称はリフレクトミラー。まあ鏡で見たかのように返すからあまり有効じゃない魔法ではあるが」
「やるな、しかし!」
 奇妙奇天烈--ファリドニンジャの無く成った部分が十五秒もしない内に生えてくるではないか!
「そうか、山田風太郎の小説に出て来るあいつも入ってたな、ファリドニンジャには!」
 どうする、デュアン? ソーディアンマスターで尚且つ、霊能警察で尚且つ、ヨン様で尚且つ、不死身の忍術使い……が相手では為す術はないのでは?
 だが、デュアンの表情に笑みが零れる。
(これは拙いな。『異能力バトル』は趣味じゃないからな)
 異能力バトル……それはインフレを起こしやすいバトル物が行き着く果ての一つとして示される属性戦闘の事。例えばスタンド同士のバトルもそうだ。純粋に力だけで制するのではなく、特殊な環境で攻める敵に対して如何に知能を駆使して戦うかが決め手と成る。他には……後日説明し直す。
 デュアンの焦りを示す苦笑いだった!
 絶体絶命の中にあるデュアン。その時、戦国時代には有り得ない近代兵器の代名詞でもあるガトリングガンがファリドニンジャに降り注ぐ。ファリドニンジャは持ち前の不死性と愛刀別嬪の業前で何とか退けると無言のまま退散。
「これは意外な形で援軍が現れたな」
「唐突にも程がありますね。これも『主人公補正』に依る所ですかな?」
 主人公補正……追加すると主人公は世界に愛される事もあって、突然何もない所から援軍やら落とし穴が出て来て窮地に一生を得る事が多々ある。
「グヌヌヌ、お前じゃねえか!」
「五月蠅いぞ、アルッパー。てめえは所詮『脇役』なんだよ」
 脇役……それは主人公補正の掛からない役柄の事を示す。たまに補正の掛かる脇役も存在するが、あくまでそれはメアリー・スーでしかない。脇役はどう足掻いても主役に勝てない。脇役が主役に勝てるのは主役にない散り際或は怒涛の食い下がりの身だろう。まあ脇役が居るから主役は光るのだが。
 何だい、喧嘩かいな--とガトリングガン所持の独眼竜は呟く。
「貴様は何奴う?」
「俺か、俺は無双重兵衛様だ。ちょうど無双地区で多くの足軽共を無双しにここまでやって来た」
「成程、『無双シリーズ』か」
 無双シリーズ……それはコウエイナテクモ超宇宙圏にある名の知れた偉人を一騎当千させる痛快物の事を指す。それは三国時代から始まり、戦国時代でも好評を得たのは良いが何を血迷ったのか今度はデュラクシールに依る無双まで始める始末。後は漫画の総売り上げ世界第一位を記録した海賊漫画の名を被ったあれでさえ無双を始める始末。このままいけば今度は世界大戦無双でも始めそうな雰囲気だよ。最もコウエイテクモ超宇宙圏を支配する連中が売れると見込んでいればの話だが。
「それは十八禁のあれと間違ってるんじゃないだろうなあ!」
「一緒にするな。何回偉人が『女体化』されなきゃいけないんだよ!」
 女体化……それは野郎共の自慰行為の為に女にされる者達の事である。例えば三国志の有名な偉人達が乳を付けられて女子高生にさせられる物やかの諸葛孔明が「はわわ、御主人様」と言わされるような幼女にさせられる事や或は斎藤一があっちと同じという理由で牙突のパクリをさせられたり、ミクにさせられたりする毒舌幼女化もそうだ。人間ならまだ良い。中には戦艦や戦車まで女体化されるケースも多くみられる。一体男共はそれらを何だと思ってるのか? 何処まで性欲に飢えれば気が済むのか!
「知らないわよ、そんなの」
「ま、まあ。君達も良かったら俺と一緒に無双しないか?」重兵衛は呆れた声を出しつつも、デュアンとアルッパー一行を無双地域へ案内する事を宣言する。「ストレス発散にも繋がるんだからな」
「どうします?」
「本来、我々は『ドワオ軍団』との戦いに備えてここへやって来た。なあらばこそ必要だよなあ、メアリー・スーのお二方よお」
 ワカモトらはデュアンとアルッパーに尋ねる。帰って来た答えは「当り前だろ!」の一言。
 こうして彼らは重兵衛に案内される形で無双地域へと向かう。勿論、『虚無』が迫る事も忘れずに……
(このペースだと『虚無る』な。まあ、何時もの事だし)


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雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 天同壱生は生きる(後篇)

 どうも増税延期は何とも有難いけど経済悪化の原因である財務省の連中は何としても自分達の贅沢を守る為に我が物顔で妨害を始めてるのでもうそろそろ終わりが近付いてるんじゃないか(まあ自分の思い込みだけど)と推測するdarkvernuです。
 始める前に『格付けの旅』が土曜日に更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリック。
 じゃあ始めますか。

 IC(イマジナリーセンチュリー)四十六年七月八十九日午後一時二分五十九秒。

 場所は西物部大陸プラトン地方マンドロス山標高成人体型七百。
 天気予報では一日中ずっと雨と予報。それは八割方確定したのか、午前四時からずっと雨が降り続く。息が長く続くという事は激しい雨が降らない証拠。
 そんな状態で雨に打たれる生命が一名。齢十九にして十一の月と十五日目に成る神武人族の少年。彼は泣いていた。その訳は彼の独り言を知れば判明する。
「リムーバも死んでしまった。もう僕には助言してくれる生命が一命も居なく成った」
 彼は自らを叱ってくれる生命を求めた。これまでユーミ・ライダル、リムーバ・キングレイ、そして天同読四がその役目を担って来た。だが、彼が四歳の時にユーミが、十四歳の時に読四が、そして三の日より前にリムーバが想念の海に旅立った。最早彼には親代わりと成る生命は一名も居なくなった。その為に彼は早朝の四時に目覚めてアレイフ達の眼を盗んで山を登った。それから彼は要所要所で休憩を取っては一兆年の神々に今後を相談しながら予報してゆき、ようやく標高成人体型七百まで登ったら雨に打たれながらリムーバの死を悲しんだ。最早彼は叱る生命として生きてゆかねば成らない。
 そんな彼の背後より死の影が涎を流して睨む。彼はその気配に気付いているものの、抵抗する意志がもうない。寧ろ食べられる事を望んでいるかのように腰を下ろして座禅を組んだ。
「いっそここで食べられるなら……秘境神武と呼ばれた場所より続いた一族の血も何の意味もない物と成ろう。天同壱生の最後がここならな」
 但し、天同壱生と呼ばれる生命は自らがここで死ぬべき存在ではない事も相談の結果でわかっていた。では何故抵抗する意志がない事に繋がるのか? 賭けていた--ここで背後より迫る死の影に依って食べられるのなら天同の血を連続する意味はない……がもしも生還出来るのなら意味を見出せると。
 そう、壱生は忘れていなかった--何時か国家神武を再建するという夢を!
 死の影は壱生を食らおうと真っ直ぐ跳ぶ--
「そこで何してますの!」
 死の影に依る企みは偶然通り掛かった齢十六にして三の月と八日目に成る武内人族の少女が望遠刀で頭部を射抜いて阻み止めた!
「……やっぱりそうだよね」
「何がやっぱりそうなのよ、貴方」
 少女は壱生に近付き、自分の方へ振り向かせる。すると少女は壱生の顔を見るなり、頬を赤らめた--雌の顔と化して目を逸らしてしまう。
「何だい、どうして急に目を逸らした?」
「いや、何て言うか……兎に角、ここは銀河連合が徘徊してるから登らないでと言いたいのよ!」
「目を逸らして言わないでくれるか、君」
「君じゃないわ。あたしはリメルスというんだよ」
「リメルス? じゃあ苗字は?」
「苗字? それはあたしが産まれた場所ではないよ」
「口から真実でない事だね」
「どうしてそう断言するの?」
「それは……ハ、は、ハックしょおおい!」緊張が解かれた壱生は今まで雨に打たれたせいで体温調整がままならない為にくしゃみをして黴菌族の半数をリメルスに移した! 「うううう、体が熱く成って来たよ」
「あああ、あたしにくしゃみをするなんて……惚れて得が無くなったわよ!」照れ顔から怒り顔に代わったリメルスという少女は壱生の胸座を掴む! 「こんなのに惚れたの、あたしって!」
「服を強く掴まないでよ。破れたらどうするんだよ!」
「知らないわよ、貴方の服なんか破れたって……あ、破れたら貴方の……その、えっと。ああああ、もう良いでしょう!」
 突き飛ばされて思わず崖から落としてしまったリメルス。壱生は「これも一兆年の神々が教えて下さった災いなのですねえええ!」と絶叫しながら右手を伸ばして落下--幸い、命に別状はない。

 午後四時七分五十八秒
 場所は標高成人体型二百四十六付近。
 壱生とリメルスは互いの衣服を布団代わりにして温めあった。気が付くと初めての交わりをする自分達に気付いた二名は体温を益々高める事に--恥じらいを隠す為に!
「あーあ、もう立派な雌生命に成ってしまったわ」
「御免、つい血が昂ってしまった」
「案外雄々しいのね。てっきりあたしが制すると思ったのに」
「僕を舐めないでくれるか。君が死なせた銀河連合のえっと……虎型は僕がその気に成れば素手でもなんとかやれるよ」
「本当に?」
「ああ、本当だ」
「じゃあどうして抵抗する素振りを見せなかったの?」
「賭けたんだよ、もしも僕がその程度だったら国家神武の再建だって果たせないとね」
 ふーん--リメルスは少々揶揄う子供のような表情で壱生を見つめる。
「子供扱いするにももう少し歳を取ってからにしてくれよ、リメルス」
「えっと壱生の歳は?」
「十九……後十六の日より後で二十歳に成るかな」
「へえ変わらないじゃないの」
「君の歳は?」
「あたしは十六」
「子供じゃないか。こんな事してしまったんだ。父や母が悲しむだろう」
「もう居ない。みんな銀河連合に食べられてしまった。だからあたしはずっと一名で生きて来たの」
「君もそうなのか、ハア」
「悲しんでるの?」
「うん。僕は--」
 そこに居ましただ--齢十七にして五の月と十一日目に成る神武八咫烏族の少年が他十一名と共に壱生を迎えに駆け付けた。「アレイフ、それにユラやリデルターも!」
「へえ、噂に違わないのね」
「心配してたんですよだ。早く帰りましょう」
「ああ、この美雌も連れてね」
「やだあ、恥ずかしいわ!」
 弐の時を掛けてマンドロス町に戻った壱生達。壱生は直ぐ様、リメルスとの婚約を発表するも体調不良で指揮を上げるまでに一の月も掛ける事に。そして式を挙げてる最中にリメルスが突然、つわりを訴えるという事態も発生して中々進行しなかったが、無事に成功。それから八の月より後に第一子である読五(よみご)を儲けて一族の系譜を継続する形と成った。
 この後、壱生はリメルスが死ぬまでに零斗(れいと)、生代(いくよ)、五香(ごか)、六菜(りくな)、高子(こうし)、弐雄(にゆう)、参寒(さんかん)、七生(ななお)、弐季(にき)と合計十名の子を儲けた。その内の七生は壱生と同じ仙者としてマンドロス町の希望の象徴として支え、弐雄は叶家の忍と婚約して棟一(むねいち)、門忍(かどに)、狭間(はざま)、弐高(にたか)、そして参花(さんか)の五名を儲けた。
 秘境神武より続く天同の血はこれからも継続してゆく……

 IC(イマジナリーセンチュリー)四十六年七月八十九日午後六時零分零秒。

 第承話 完

 第転話 に続く……


 さて、起承転結の内の承は終了。次からは転へと行きます。そっからは迷走編を中心とした各生命のお話が展開されます。たまに人族に戻って楽な方に転がるかも知れないが、そこはそこでお願いね。

 富田真由を襲った奴の面はどう考えてもあれですね。自称何たらとか紹介されてる時点でもうあれだよ。本当に思うんだけど、あの国の連中を保護するのは止めた方が良いよ。保護するだけ仇で返すんだからさあ。その証拠に日本が先の戦争で負けると勝ち組に乗ろうと各地で暴れまくったからな。そのせいでヤクザがそいつらを止める為に何とかしようと必死に成ったんだぞ。これじゃあ関東大震災の時に奴らが井戸に毒を投げたという情報を信じた自警団の連中の気持ちその物だよ。その悲劇を繰り返さない為にもいっそ奴らはユダヤ人と同じく奴らだけの聖地を作って日本の国境からさっさと立ち去って貰いたいね。その方が日本で悪さをする外国人犯罪件数も大幅に減らせるんだから。
 という訳で今日はここまで。だからって何でもかんでも奴らに当て嵌める事はいけないよ。ヘイトの余り、決め付けるのは思考停止と何ら変わらないのだからね。

雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 天同壱生は生きる(前篇)

 どうも幾らスパクロとはいえ、メロウまで参戦してる事には正直アイアンリーガー参戦させた全霊を考えるとそれほど大した事ないと思えてしまい、このままいくと人型ロボットがあるという理由でレダまで参戦させかねないスパクロの恐ろしさに身震いしてしまいそうな自分darkvernuであります(会社が倒産して続編作られなかったからそれはないと思う、多分)。
 ではスローペースながらに外伝を始めましょう。

 IC(イマジナリーセンチュリー)四十二年七月八十八日午前六時七分六秒。

 場所は西物部大陸プラトン地方新マンドロス村。
 匂いに敏感な者なら僅かに残った銀河連合の齎すモノを感じるかも知れない。それでもこの地は浄化が進んで生命が住むのに十分過ぎる清潔度まで蘇った。
「まだかなあ、ははうえ」
 そんな中でも齢三にして十一の月と十四日目に成る神武人族の子供は国家神武のあった方角を見つめ続ける。彼の名前は天同壱生。天同生子の忘れ形見にして国家神武では弐代目象徴に成る筈だった仙者。生子の弟である零とリムーバの姉であるリモートの遺児にして連続する天同の系譜を受け継ぐ生命。その証拠に彼の眉毛は父と同じく弱弱しい。だが、鼻や口は母と同じく凛としていた。そして、瞳の光は養母である生子のように希望を齎す程に輝きを見せる。その瞳で六時前に起床し、国家神武の方角が良く見える建物に上って今日も見つめる。
 そんな様子を見かねた生命が二名。齢二十四にして十の月と二十八日目に成るアリスト人族の女性と齢四十二にして六の月と十三日目に成るアリスト人族の老婆が壱生の正面に立つ。
「壱生様。いい加減為さい」
「またリムーバかい」
「これ、私を忘れんじゃないって」
「ははうえはずっとあそこでせいむをまっとうしてるんでしょ?」
「そうです。ですから壱生様は天同家の仙者として前に向かっていかないと宜しくないのです」
「どうしてははうえのところにいかせてくれないの?」
「そ、それは--」
 老婆ユーミ・ライダルは言葉に詰まる。
「……」
 壱生の叔母リムーバ・キングレイも同様だった。
「……わかってたよ。せいめいはいつかはかならずそうなるってのは。できればほんとうのことをぼくにはなしてくれてもよかったのに。なのにみんなしてぼくをせんじゃせんじゃとあおってははうえとあのばしょへめをむけるのをさけつづけたんだよ。そんなのかなしいことだよ。ぼくはうまかしかではないんだよ」
「そ、それは--」
「だから言ったじゃないか、二名共」そこに齢三十にして二十七日目に成る神武人族の中年で特徴のない生命が現れた。「姉上の死を何時までも逸らし続けるには一生は聡明過ぎると」
「やっぱりそうねんのうみにたびだったんだね、おじうえ」
「読四様……どうして本当の事を口にするのですか!」
「リムーバの言う通り。何という事を口にしますか! 幾ら壱生様が聡明でも言って良い御歳と良くない御歳があります事!」
 老齢に入っても尚迫力に衰えの無いユーミに怖気づくくらい特徴のない読四でも壱生を信じてこう主張。
「それは通常の生命に限った事だ、ユーミ。壱生は他の生命と異なる。だからこそ私は敢えて厳かに真実を告げた」
「それでも--」
「いいよ、にめいとも。おじうえはほんとうによくやったよ。つらかったんだろう、にげだしたくなるくらいに」
 ああ、そうだ--読四は瞳から液体を溢れ出す。
「ないてるの?」
「ああ、少しここの空気が宜しくないので眼に入ってしまったんだ」そう言って顔を逸らす読四。「零に続いて姉上まで私よりも先に行ってしまったんだ。もう行くんじゃないぞ、壱生!」
「だれがいくかな? ぼくはみんなよりながいきしていくんだから。なんたってぼくはこっかじんむのせんじゃなんだから」
「もう国家神武は--」
「こっかじんむはおわってないんだよ、ぼくがここでいきてるかぎりは」
「壱生様」
「まさか壱生様は果たそうとしますかな?」
「それは長い道のりだぞ、壱生。私が土に還っても幾ら仙者とてその日まで生きていられるほど短くはないのだぞ!」
「それならちちうえよりもおおくこどもをつくるんだから」
「壱生様……子供は雌が作る物です」
「まあ私はもう歳だから壱生様に相応しい雌を紹介する前に母上の元へ旅立つがのう。それまでは読四様とリムーバが果たすのじゃ」
「押し付けられましたね。こう見えてこんな所で説き伏せてる場合じゃないんだがね、私も」
「ええ、さっさとご飯を食べましょう」
 そうするよ--と壱生は元の子供心に戻って食われた国家神武の方向を背に向けた。
「いつかかならずぼくはははうえのこっかじんむをもとどおりにするからまっててね、ははうえ」
 それから十六の年が過ぎる……


 という事で壱生のお話の前篇をお送りしました。まあ明日もお送りするけど、外伝はこれと言って凄い話が展開される訳じゃないからね。自分が一兆年の夜を思い出すという目的の為に書いております。そこで辻褄が合わない場合も多々ありますが、それは仕方ありません。が、直した所でどうしようもない。既に規模が大きく成り過ぎた後なのだから今更引くに引けないしね。ま、それは単なる言い訳に過ぎないけど(笑)。

 まさかキラーキラーなんてダンガンロンパ外伝があったなんて(外は害という漢字に成ってるけど)。つーか読んだけど、主人公はジェノさんに負けず劣らずの殺人鬼じゃん。美学の為に殺したり、それなりにポリシー合ったりって。それにしてもダンガンロンパの世界は全く以ってサイコポップしてますなあ。果たしてそのサイコポップ振りはロンパ3未来編では人狼臭くも発揮されるんかな? まあ半分しか期待してないけどね(笑)。
 そんじゃあ今日はここまで。ニューダン3は本当に別世界枠なのか? 正直信じないけど。

雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 銀河連合の名称が定着するまで

 どうもレイナ・ストールの声優が突然死んだ事に未だショックを拭いきれないdarkvernuです。
 では恒例の『格付けの旅』が土曜日に更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリック。
 では遠すぎる過去を振り返る外伝をどうぞ。

 IC(イマジナリーセンチュリー)四十二年七月七十五日午後六時六分五秒。

 場所は仁徳島仁徳本町中央地区仁徳会館提案会議室。
 齢二十五にして四の月と六日目に成るアデス羊族の青年は昨日発表された名称について納得のいかない様子だった。そこで彼は同じく納得のいかない齢二十八にして七の月と五日目に成るエウク鴎族の青年や齢三十一にして十の月と二十一日目に成る応神蟋蟀族の中年を呼んで名称の再変更呼び掛けを訴える事に。
「銀河連合はー納得いかない。そう思うだろーう、カッモベさんにコジ朗木さん」
「そなに不満か、メエモル?」
「わざわざ仁徳島おおおにやって来たのにそないな事と一つに何いいいを騒ぐのか?」
 三名の名前を紹介しよう。一名目はメエモル・メヒスイト……物々交換の対価を研究する学者。彼の研究が子孫であるメエガンに依って貸借対象宇宙論に繋がり、それを信奉する一大組織を築き上げる事に成るのはまた後の話。
 二名目はカッモベ・カーモネー……隕石研究家。彼の子孫が後に隕石と銀河連合の因果関係を記す一大論文を発表する事に成り、全生命の足掛かりと成るのも後の話。
 そして三名目は一橋コジ朗木……各地を放浪する一橋家の一名で彼もまた、仁徳島で短い間過ごした後に消息を絶つのはまたの話。
 では彼らの議論の続きと行こう。
「何故あいつらの事を銀河連合と呼ばねばならなーい? 何故銀河連合という名称に成るか?」
「決定した事でっね。でも満足出来な事は納得する。銀河連合よりかは黒色集団とか内臓食性群とっかの方が格好良いはず」
「わからん事でもありませんね。私なんか銀河連合うううよりかは従来の悔い貪るモノおおおの方が良いからな」
「だろ? だから俺は納得いーいかないんだよ。そこで俺はあんた達にお願いーいする。銀河連合よりも良いーい名称を一週間以内に決めて欲しーいんだ。勿論、一週間後に同じーい場所で議論するがな」
「了解し」
「まだ二週間も空いてるしな。存分に名称ウウウを決めよう」
 それから二日後……同じ場所でメエモルらとは別に銀河連合という名称に納得しない集団が集まる。今回は四名。齢三十八にして四の月と六日目に成るメデス蠍族の老年と齢三十一にして一日目に成るテレス牛族の中年と齢二十九にして十一日目に成るラエルティオインコ族の熟女と齢二十六にして三の月と十五日目に成るアデス九官族の青年が集まる。
「何っだね、あの名称は! わしは納得いっかないぞ!」
「同じ意見でう、キシェール博士」
「ぎんがれんごうなんてどうゆううまかしかかね?」
「ダイダイテイチャクヲカンガエテマスカ? カンガエテルハズガアリマセン」
 四名の名は暦学者のキテレグ・キシェール、食通家のスワホンブ・ブルホル、訛り学者の日野イン子、手紙研究家の臨兵キュー次。
「コノハナノは望遠鏡で覗く事しか出来ない若造だう。そんなんだから筋が異なる銀河連合とか言う名称が出来るんだう。なとくいっかとう」
「同じ意見じゃ。だが、わしらはそれ以外を思い付っけたかな?」
「それはせいろんであります」
「ダガ、ボクナラギンガレンゴウジャナクテタベルセイメイデイキマスネ」
「そんなの更に認っめ。何っだ、食べる生命って。わしら生命とあいつらを一緒くたにすっな」
「それならいっそう、口の大きい物で……あ、従来の呼び方と変わらう」
「おもいつくめいしょうがでません」
「ドウシマショウ、ミナサン」
「そうだ、一週間後にまたこっこで出し合っお。一週間後は時間も空ってるじゃろう?」
「それは良いですう。それなら良い案も出ますうっだ」
「サンセイ」
「じゃあいっしゅうかんごにまたおちあいましょう」
 だが、合計七名は突然の変更なども重なって十二日目に落ち合う事に成った……
「キシェール博士はーい何故?」
「それはこっちの台詞であっだ、メヒスイト君」
「もしや銀河連合の件に満足出来ない様子でう?」
「そらちもですかい」
「なんだかおなじいけんのなのもとにこうしてななめいもあつまりましたね」
「ホントウデアリマスコト」
「後二日あああで出るんだから早く済ませてくれるか?」
 七名は運なく十二日後に成った事を悔いる事なく、銀河連合に代わる名称を出し合う事に。
「やはり銀河食通集団だなーい」
「長過っぎ」
「ろくもじはいいにくいです」
「ナンデスカ、ショクツウッテ?」
「食いしん坊と変わらないしう、それに食通とは僕を馬か鹿だと思ってるっどなあ!」
「それは通りまっせ。もっとこう……みなの印象に残るよっな名称を」
「早くしろ、まだ私の案んんんも出したいんだし」
 銀河食通集団は却り出された……
「そはこ正に銀燭贓物でどっさ?」
「アマテラス文字でどう描っくだ?」
「このように」カッモベは提案会議室にある緑色の物に白い粉末を固めた物で文字を描いて見せる。「銀燭贓物と描くだ」
「済みませんが無理でう」
「それじゃあひっきにこまるわ」
「ソモソモヨメナイワ」
「覚ええええ辛い」
「そうゆう事で受け入れっざるな」
「ううむ、四文字は良いーいけど名称を筆で記すと難しくて念を断つしーいかないなあ」
 銀燭贓物は受け入れざる物だった……
「つぎはあたしでたべるあつまりで」
 次--六名は息を合わせるように食べる集まりを退けた……
「ソレジャアドンヨクツキハテヌデ」
「ソレアタシトカワラナイワヨ」
「じゃあ次いいいにしよう」
 貪欲尽き果てぬも断念された……
「じゃあ怒号感鬼はどっかなう」
「それは流石に看過出来かっねるなあ」
「おにぞくにれいをしっするわ」
「ソウソウ、イクライカリガコミアゲヨウトモオニゾクヲヒキアイニダスノハカワイソウデス」
「そそもも銀河連合の名称を提案したコノハナノ君は鬼族だからそっれはなあ」
「そうゆう訳で受け入れがたいーい」
「早くしろ、時間んんんがない」
 怒号感鬼も代わりに成らなかった……
「それじゃあわしは暦壊だっな」
「何ですかーい?」
「短いーし、十分合ってるだろう? 奴らの行いが正にそっうだから」
「それよみにくいし、きしぇーるはかせにまたゆずられるのはがまんできないです」
「それも良くないな、やっぱ私の方うううが相応しい」
 暦壊は狭い分野だった……
「最後おおおは私だな。何といってもここは黒わっかあああはどうだ?」
「黒わっか?」
「それは一体ーい?」
「ほら、銀河連合うううの周りを泳ぐあれえええの事だよ。周りを泳ぐあの黒いのをわっか状に見立てて考案した私の傑作名称うううだ」
「ぎんがれんごうにはあんなのがまわってるんだ、なっとく」
「タシカニイワレテミレバマワッテルネ」
「ン、そだと銀河連合をそう呼べっないのでは?」
「言われーいてみればなあ。銀河連合はその全てを呼んでーいも黒わっかは別だからな」
「ところで皆の衆っよ。名称を諦めた模様だっな」
 気が付くと銀河連合を受け入れる七名だった。このように銀河連合という名称は初めの内は受け入れる者は少数。納得いかずに別の名称を求めて抗議する運動が各地で勃発。だが、運動を進めれば進める程に気が付けば七名のように銀河連合を素直に受け入れる生命は続出し、一の年も掛けずに銀河連合が定着する事に。

 尚ここまでがIC(イマジナリーセンチュリー)四十二年七月八十七日午後二時十一分五秒の出来事だった……


 と言う訳で第十四話の後でどんな事が起こったのかについて一部のお話を紹介した。外伝では本編では名称だけ語られる一族を登場させる事だって有ります。そう、断絶した一橋家をここで出したのは一橋家を調べたら何処にもそれに該当するキャラが居なかった事を受けてさ。まあ本編に関わるかは気分次第だけど(笑)。

 生きてゆくってのは本当に辛い。イワン・コーネフの死亡フラグである人生において必ず経験する葬式は我々人間が死んでいった人間の分まで生きてゆく事を何よりも自覚する為にある。だからこそ数々の有名人や無名人が死んでゆくのは自然の摂理と同時に生きてるという実感を沸かせる重要な儀式だと自分は思う。本当はそうゆう有名人は死んでほしくはないけど、世の中そこまで優しくないからその願いは叶わない事が多々あるんだよなあ。本当に生きるのは辛いぜ。
 それじゃあ今日はここまで。そろそろ青魔法の章02をあと四回までに終わらせに行くか。

久々にやるぜ

 どうも忙しそうな振りをするdarkvernuです。
 久しぶりの雑文を始める前に『格付けの旅』の青魔法の章02の四ページ目が終わり、五ページ目に入りましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリック。
 さあ始めましょうか、時事ネタに成るかは知らんけど。

 今は今はある所に都知事の人とネオブーメラン党の人と元号泣議員が居ました。みんなして何をするかのぞき込むと何やらブーメランを投げ合う大会のようでした。中には風雲拳という空手とブーメランを組み合わせた全く新しい格闘技を身に付けて五月蠅く叫んでおりました。あ、訂正訂正。他にはおはようスタジオの英会話担当だった人がカンニングしている眼鏡豚とSNAP!?のにやけたおやじマンの支援を受けてブーメラン大会に参加してました。
 早速そのブーメランぶりを見てみると酷い酷い。都知事の人は突然、神奈川の別荘に会議と称して家族旅行に行ったままブーメランを投げる気配がありません。
 ネオブーメラン党の人は障碍者を出せと言っておきながら与党駄目大人党が承認すると記憶喪失でもするかのように引き受けられないと駄々を捏ねて結局は障碍者を出せないという有様に。しかもそれを勝手に与党駄目大人党が妨害したと言って投げたブーメランを頭部に突き刺す騒ぎに発展する事に。
 元号泣議員はと言うと裁判の席でも泣き出したり、奇声を発したりとブーメランを投げる余裕がありません。
 えっと英会話担当の人はゲス野郎の所へ行ったまま行方が知れなく成りました。
 ところでブーメラン大会の結果だけど、何故かネオブーメラン党がちゃんと参加してるのに全部的よりも己の頭部に突き刺さったまま優勝者零。都知事の人は号泣議員の人と共に耳が聞こえないふりをする始末。英会話担当に至ってはにやけたおやじマンに頼るしか芸能界復帰が出来ないという醜態を晒す事に……
 ところでこの大会は何の大会だったの?
 
 ブーメラン大会でしたが、面倒臭く成って自分が読んでもつまらない内容に成った。申し訳ない。言いたい事はあいつら全員二度と日本の土に踏ませるな、と! 都知事やってるエラのおっさんは何エシディシの真似なんかしてんだよ! 耳をすませば、のポーズしてる場合か(怒)。飲み方は大分前の雑文で書き殴ったので敢えて記さない。それが死因に繋がるというお話はやったけどさあ(笑)。ネオブーメラン党ははっきり言って前のブーメラン党とどう違うのか教えて欲しい。参考人招致をしろと言っておきながら与党が受け入れると承認しないという訳の分からん事は前に自分で案を出しておきながら与党が賛成すると何故か反対するという光景との違いが見いだせないんだが……あいつらは凋落激しい吉本に就職して笑いを採る方に専念しろよ(怒)。後はあの英会話担当だろ。スパイク及びチーズの中の人は泣いてるぞ。つーかにやけたおやじまん(何故そう呼ぶのかは過去の記事を調べれば出るぞ、あの解散未遂騒動を揶揄した時事ネタでな)とカンニング豚野郎(一応今は亡き相方と区別する形で)とか多くの著名人があの女を擁護するようだけど、その神経がわからん。やっぱ頭がパーンに自殺に見せかけて消されるのが恐いのか……川田亜子や伊丹十三みたいに(恐)。
 と言う訳で時事ネタの解説はここで終わる。
 
 青魔法の章02の四ページ目を解説しよう。今回はルール縛りのお話をしたんだけど、どうやったってデュアンを苦しめる展開に成らない。本当にデュアンは自分の書いてきた主人公の中では最も描くのが難しいんだなあ、と改めて思ったぞ。禁呪魔法にせよ、ルールにせよ、デュアンの場合は自力で何とか出来てしまうから全く以って書いててスッキリしない。同じ人外でもガインやネイキッズは書いてて中々高揚感あるのにデュアンだけはどうしてなのか理不尽さだけが残る。それくらい描き辛いキャラだと改めて思ったぞ(苦)。
 因みに本編だけど、予選はもう終わった。後はデュアン自身の決着を付ける為にクラリッサの幼馴染と死闘をするという展開にした。それははっきり書くなら決勝トーナメントは自分の予定では03でやるつもりで居たけど、全五ページからなる02では五ページ目で戦闘のないお話をやっても筆が進まない気がしてそうゆう展開にしたのさ。一応、デュアンが魔導学園と言うよりも惑星ディーから追放される事に成るのは04から……うーん、何年後に成るやら(辛)。それまでFC2が保てるかな? 京都府警が五月蠅そうだから。
 とそうゆうのは最後の方で書けば良いから解説と関係ないな。序にマクスウェルと戦うのは04からに成る。03では決勝トーナメントを必ず終わらせる方向で進めるから問題はない。まあ最後の相手は書いてる内に決まったけどね。
 以上で青魔法の章02の四ページ目の解説を終える。
 
 さて、警察はどうにも二次元を敵視する方向にある。その訳を知るのは難しいが、そこはまあ一般人が良く知る偏見という物だ。アニメ・マンガ・ゲームはどうにも犯罪を呼び起こすと彼らは思ってる。がそれを紐解けば大昔に能は反乱の呼び水となるとほざく足利義持まで遡る。更に時代を遡れば高野長英の書物は犯罪の呼び水となるとして幕府は取り締まる……あの頃から全く進歩してないな、自分達は(苦)。そんな感じで彼らは時代毎に新しい分野を目の敵にする。そいつらを黙らす手は即ち、生活の分野まで浸透させて当たり前とすれば取り締まる気にも成らないだろう。と言う訳で温かい目でそれらを受け入れよう……但し、鼻血や国が燃え何とかの意味のない話とか、ゲンといった悪質極まるのは除く。
 と言う訳で今日はここまで。やっぱ最新式はやりにくいなあ。

格付けの旅 青年デュアンの試練 バゼルヌは問う

 我思う故に我あり……それは惑星ディーに於ける中世の数学者及び思想家ディカルトスの命言。一読するとソクラティスの己自身を知るべしというような名言と同じように思える。だが、実際は異なる。何が異なるかはこれから俺は知る事に成る。
 前置きはこれくらいで良いだろう。
 俺は決勝トーナメントの前日に予選三回戦の決勝でわざと負けて貰ったバゼルヌ・ディストリス・ビーイングとの私闘をここ第五校舎の屋上でする事にした。
「君はルールの中で生きるような人間じゃない事は知ってる。それはわかっていても当日の予選で行ったあの無礼極まる行為には許しがたい物が含まれる」
「まあな。あんたとルール有りの茶番で勝負を付けた所でクラリッサが納得すると思えなかったのでね」
「クラリッサの代弁をするべきは君じゃない。彼女の代弁者は他に居ない」
「じゃあ何故クラリッサの話をしたんだ?」
「君の実力を知りたい。そして問いたいのだよ、君の人間性を」
 人間性を……ねえ。俺に人間性を問われたらあの稀代なる魔法哲学者フリードレッヘ・ネーチィの『永遠回帰』を為す為の哲学が頭に浮かぶよ。確か希望も絶望も逃れられないのならその逃れられない運命を愛し、教授する事で人間は幸せに成れる。そんな感じか?
 永遠回帰……それはネーチィが求める『超人間』の条件の一つ。
 超人間……それはネーチィが求めて已まない人間の事。意味は人間を越えるという事ではない。こちらの場合は人間以上に人間を愛する事でそう呼ばれる存在に成る事を意味する。
「君は圧倒的な魔力を秘めながらもコレクター人間特有の何かを調べたがる性癖を身に付ける」
「何が言いたいんだ?」
「始める前に忠告する。君は人間を辞めるべきではない……でないと君は終末へと転がり落ちるぞ」
「では尋ねる。どうしてそう忠し告るのだ?」
「僕は神に仕える身でね。その上で神に対して不敬な態度を取らないようにと細心の注意を払って生きて来た。そんな思想形成の中で君を見て思ったのさ。君は神を恐れない……いや、忠告の後にこう問おう」バゼルヌは一旦、両瞳を閉じて……「問うのは三つ」深呼吸した後、瞳を開けて哲学的にデュアンに問うた。「一つは君が人間を辞めて何に成るか? 二つは神に反逆して無事で居る確証は何処にあるか? 三つは手の届かない領域にある悪意とも戦って生き残る自信は何処にあるか?」
 バゼルヌは何かを知ってるかのように……いや、奴は知らない。だが、奴は運命に従ったのか? 或はそう直感して俺に問うたのかわからない。最初の問いは奴の知己でも届く範囲だ、答えるしかないな。
「人間を辞めた俺が目指すのは神を超えた存在だ。何時までも神様がお山の大将で居る時代はもう終わりなんだよ」
「そうかい、でもそれは二つ目と若干被るようだが?」
「ああ、二つ目か」
 そちらの問いをどう答えるべきかを俺は考えてなかったな。ここは一つ、こんな答えを出そう。
「俺が神に敗れる事はもうない。神を越えた時にこそ俺はどのような超常現象も操る神共さえ俺を殺す事は不可能に成る。それで良いか?」
「君らしいな。だが、最後だけは答えるのは難しいぞ」
 最後か。『全生命体の敵』の雑魚であれだけだ。一体全体あいつらとは何かだろうな。こいつはそれを知らずにそうゆう問いを出したのが普通だろう。それでも答えなくて何が格付師だ。だから俺は答えてやったさ、こんな風に。
「何れ俺でも敵わない存在とぶつかった時はもう手遅れだ。これは強がりをする俺達でもどうしようもない……が、俺達がそいつに敗れたからってバゼルヌを含めた全生命の敗北には繋がらない。俺はそう確信して生き残る事を諦めるさ」
「あ」この解答には流石のバゼルヌも呆気を取られたな。「済まない、君が世界全体を思って発言するなんて意外だと思って思考が回らないみたいだ」
「もう良いだろう? そろそろ私闘を始めよう」
「ああ、僕は瞬殺されるような怠け者じゃない事をここで証明する」
「負け戦とわかっての発言か?」
「負ける? 僕は負ける可能性は……ないね!」
 互いの魔力が膨れる時……私闘は開始された!
 先手を取ったのは俺だ。出し惜しみをするつもりはあるが、手を抜くつもりは全くない。俺は最初からバゼルヌの苦手な陰属性の魔法の一つである雷系上級魔法エレクトリックヴァイスで畳み掛ける。
「--ウグウウウ、瞬殺の構えだな」中断が上手いな、バゼルヌ。「--はあはあ、それで良い」
「--何を狙うか知らないが、俺は手を抜くつもりはない……アブソリュート」
 それから氷、そして地……これら詠唱時間零で尚且つ俺の魔力で放たれた上級魔法をバゼルヌは耐えた--魔法抵抗力が尋常じゃないな。
「--はあはあ、どうした? 何故超級魔法を使わない?」
「気付いたな、バゼルヌ」
「そりゃあ気付くだろう。君の才能はクラリッサを大きく凌駕する。にも拘らず、君は超級魔法を使わないのは……死なせたくないのか?」
「--それは違うな……エクスプロージョン」
「--ウグウウウ」得意の属性系列でも先程の三連撃を受けた後では息も荒い。「--屋上が壊れそうだよ」
「--まだ耐えるか……タイダルウェイブ」
 それから水、風……これらもバゼルヌは耐えて見せた。だが、第五校舎はあちこちにひびを行き渡らせる。さて、陽属性も陰属性も使った。残りは結属性か……極限魔法はまだ覚えたてだからな。余り使うと成れば詠唱ミスで力が乗らんだろう。
「--さて、そろそろ準備は……完了した」風が……集まる。「--さあ、始めようか……『バトルクロス』が僕の本領だ」
 それから雨が、火がバゼルヌに集まって奴の衣服を焼き荒び裂けるかと思いきや何と魔法闘士の衣を形成するではないか。短時間ではあるが、あれは詠唱時間の問題を解決する『バトルクロス』だな。
 バトルクロス……それは別名戦闘形成魔法の事を指す。主に古代マギピアという競技で扱われるマギチオンで執り行われる命をかなぐり捨てた形態。この状態だとある属性系列の魔法を詠唱時間をほぼ零に近い状態で放つ事を可能にした物だ。だが……
「--説明してる場合か……エクスプロージョン」
 繰り出して来たな。先程の劣勢が嘘であるかのようにバゼルヌは反撃に出た。舐めるなよ、バゼルヌ。その場合は下級魔法の一群で--
「--君ならそうするだろう……エンシエントシュトローム!」超級魔法が俺の下級拡散魔法よりも早く出ただと! 「--僕は手加減を知らない……タイダルウェイブ!」
 破壊力は高く、第五校舎を粉塵にするか、バゼルヌ--幸い、後者には俺と奴しか居なかったのが良かったか?
 いや、良くない。バトルクロスは本来ならば零詠唱に近くするだけあって詠唱時間が零に成る訳じゃない。だが、バゼルヌのバトルクロスは俺の予想を遥かに上回る性能を発揮する。強いぞ、こいつは。やはり私闘に持ち込んで良かった--一見すると劣勢に思える状況下で俺は笑みを零す。
「--何故笑っていられるかな……ギガフレア!」超級魔法の次は必ず上級魔法で畳み掛けるバゼルヌ。「--ワンパターンだが、君を相手にするにはこれが一番だ……エクスプロージョン」
「確かにな。だが」俺は奴のワンパターンには裏があると思ってこいつを使ってみる事に。「--これでお前は俺に攻撃が届かない」
「これは。成程……ファイアーボール」試しに下級魔法で確かめるバゼルヌ。「一流の魔道士でも習得が難しいと噂される『アンチマジック』を掛けたな、見事だよ」
 アンチマジック……それは文字通り、魔法を無効化する魔法。但し、通常の魔法でのアンチマジックとはとある属性系列の身を無効化する或は一定のレベルの魔法を無効化するといったように魔法全体を無効化する領域ではない。俺が魔法全体を無効化する者こそ本来のアンチマジックでこれを習得するにはジェネラリストで尚且つ完成された状態まで修業を積んだ物にしか実現出来ない領域。後は……
「もう良いだろう。君がその魔法を繰り出すだろう、という予想は付いた。だから僕はこいつの応用で君に打ち勝つから」
 応用とはバトルクロスで形成魔法を唱えて炎王の剣を形成した所かな?
「イフリートブレードにはこんな応用もあるんだ」それだけじゃなく、操者の十倍長くしたイフリートブレードオーバーにして更には……「イフリートブレードの実体化だ!」応用から発展させたイフリートブレードエクストラだな。「いや、これは発展なのだな」
「どの道、俺を倒すには不十分だな」
「それは過小評価という物だよ、デュアン!」
 そのエクストラは見事にアンチマジックが通用せずに俺に横一文字の傷を与えた。痛いな……でもなあ、バゼルヌ。時間は十分稼いだ。後はお前にこれを受けて貰わないと駄目だよ!
「受けよ、僕の一太刀を!」
 バゼルヌは俺を仕留める気で中心部を狙って突きを放った--確かにそこを狙われるなら避けるのは難しいだろう。
 その一太刀は確かに俺を貫いた。貰えば絶命は避けられない串刺し。古今東西から続く人間が死に至る要因は腹部を鋭い何かで貫かれての死亡。理由は心臓に穴が開くのが原因。
 だが、俺の場合は違う--受けたと同時にそいつを魔法へと戻して溜まりに溜まったエネルギーを返すようにリフレクトブレイカーを放った!
 バゼルヌはそれを浴びて第七校舎まで吹っ飛ばされた--貫通こそしない物の、この後修繕に最短で三か月と掛かった事を記す。
 俺はバゼルヌの様子を確認すべく、近付いてみた。すると奴の闘志はまだ消えなかった--バトルクロスを解除され、更には副作用でほとんどの欠陥が損傷を受けても尚な!
「はあはあ、僕はまだ戦える」
「残念だが、ここまでだ」
「君を殺そうとした僕だぞ! こんな決着は本意か!」
「俺はクラリッサの事を勝手に代弁したまでだ」
 卑怯だ、ぞ--バゼルヌはそう言って俯せに倒れた!
 脈を調べてみたが……死んではいないな。決着がこんなに呆気ないと如何すれば良いかわからなくなるもんだ。
 バゼルヌまで倒すなんて--背後にマリックの気配を感じたので振り返ってみた俺。
 マリックにとってはバゼルヌはルール外で死合えば勝てない存在だった模様。それを俺が倒したのだから驚くのも無理はないな。「何か用か?」
「伝えに来たんだよ。俺はお前にな」
「何を?」
「棄権するのだ」
「意味を理解出来ないな」
「訳わからんのは承知だ。俺だって伝えたいのさ。だが、伝えると危険なんだ。お前はわからんだろうが、あれは何が何だか訳わからん。決勝トーナメントではあんなのが出場するなんて聞いてないからな。兎に角、棄権しろ。あれはお前に対しては容赦しない。もしも棄権しなかったら……死ぬぞ!」
 何を怯えてるのか俺にはわからなかった。マリックは明らかに知ってはならない何かと遭遇した様子だな。
「危険を勧めるという事はお前は棄権するんだな?」
「俺は棄権しない。その答えは直ぐわかる筈だ」
「ズルして優勝を取るなんて随分卑怯だと思わないか?」
「少なくとも死ぬよりかはよほどマシだ」
「それじゃあ答えは自ずと決まるさ……俺は自力で優勝する。てめえだろうがその危険存在だろうが!」
「バゼルヌから問われてないのか?」
「バゼルヌは知ってるみたいだな」
「いけ好かん男なのは十分だ。そんな男だからこそお前如きにも平等に身の程を弁える生き方を大事にする事がどれほど幸せを享受出来るか……説いても結局お前はわからんかったな」
 散々俺を迫害してきたマリックが何を気が狂ったように優しさを提供してるのか? ハン、俺からすれば下らない。俺は今のマリックがどうしてこんなに人が変わってしまったのかを知らない。いや、知りたくもない--散々、虐めてきたマリックに同情される事が気持ち悪過ぎて顔を背けたく成る程にな。
「ハハハ」
「笑ったな、デイズ人の分際で!」
「そこだけ選民思想丸出しで誤魔化すか、マリック」
「お前の為じゃないぞ。俺の為にお前を敢えて生かしてるんだ。それを十分気遣え!」
「いらん気遣いだ。どうして人が変わったんだ?」
「……お前の為じゃない。恋をしたんだよ。その恋が俺を……俺は絶対お前を認めない!」
 奴は俺の顔面に自らの汚い面を見せつける。何が悔しいのかが俺にはさっぱりわからないが。
「お前の帰りを待つ者の為にもお前は身の程を弁えないと後悔するぞ」
「何度でも言う。俺に同情するな、気持ち悪い!」
 もう知らん--顔を背けながらそう吐き捨てたマリックは足早に去った。
 マリックの後姿を暫くの間、見つめる俺。あいつも変わっちまったな。恋をしたというのはそこまで男を変える事なのだとしたら俺はそれが強さに繋がるのか、その逆なのかも知る必要に迫る。そこに神を超える何かを得られると思って。
 そんな俺はバゼルヌを医務室に運び終えるとこっそり魔道士以上の関係者にしか立ち寄ってはならない『裏図書館』に足を運んだ。
 裏図書館……それはマギのほぼ全てを記した禁断の図書館の事。書物は厳重に保管され、魔力の低い者には文字が見えないように施された書物で溢れる。但し、魔力の高い者がそれに触れる事を許されない。触れた者は世界の真実に気付き、闇に落ちると言われる。
 俺はその禁忌に触れ続けた。素晴らしいくらいだ。俺はマギの原点が『千技』にあると知った。そうか、術も技の内の一つであるとしたらその先にあるのは--
「そこに入ったか、デュアン・マイッダー」
「あんたは?」
「ガガーブ・アイスマン……その名を聞けば君は何者かを理解出来るじゃろう」
 まさか偉大なる魔道士とここで出会う事に成るとは……青年である俺は人間であるべきかそうであるべきかの瀬戸際に立たされる事と成った。
「君は恐れていた事を起こす。『千技』に触れるでない。あれは人外でも神外でも扱う事が不可能な悪意の武なのだから」
「悪意の武?」
「まあその話は君が無事、魔術大会で生き延びる事が出来たら話そう」
 生き延びたら……終わったらではない所にアイスマンの真意が見え隠れする。
 さて、今回の話はここまでだ。次回から人間である事を望まない選択をした俺に待ち受けるバゼルヌの警告が現実化する。それはマリック達の刺客以上に恐ろしい連中だ。俺はそんなのと戦い、そして……


 青魔法02 青年デュアンの試練 END

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雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 彼女が外界で思った事

 どうも喉の調子が悪いdarkvernuであります。
 では書く度に思う事だが、どんな気分であれ書かないと始まらない。なので早速始めるとしましょう。

 IC(イマジナリーセンチュリー)三十九年四月七十三日午後零時五十二分六秒。

 場所は秘境神武。
 これはベレッタが生子に助けられて直ぐ後のお話。故に短くもあり、故に長く成る予感のするお話。
 齢十八にして十日目に成る神武人族の少女である天同生子はベレッタの手当てを済ませ、二名の生命の亡骸を埋葬し終える。外へ出る為の備えとして最後に残しておいた神武包丁を一本、望遠刀を一つ、物部刃を二十も色葉の遺品である籠に入れて備える。
「生子様」と今更ながら齢十九にして三の月と一日目に成るプラトー人族の少年ベレッタ・バルケミンは親友色葉冬道の遺品について訊ねる。「あいつの遺品を使わせる自分が言うのも何だが、どうだい?」
「中々の代物だ。色葉の者達は体型に合わせて籠を作っておられるな。だからこそ私が使うと何かしら軽々と背負える気がする」
「まあ生子様は雌にしては随分大きい生命ですので」
 お前と言う男は理に屈して余り面白くないぞ--と生子はベレッタの捻くれを指摘。
「良くなかったな、理論に屈して!」
「論は含まれて--」
「ああ、もう良いだろうが!」
 フフ--生子は微笑む。
「今のは面白かったか?」
「いや、性格こそ異なれど私が良く知ってるあいつを思い出して少し笑ってしまったのよ」
「私の……ひょっとして零様の事か?」
「何だ、知ってるようだな」
「知ってるも何もあの方には何時も困り果てますよ。何とか成らないのですか?」
「全く読四は零の面倒を見切れんようだな」と生子は秘境神武の空を見つめる。「ここに眠る神々も父上を始めとした多くの天道成る者達も呆れて溜息を吐いておられるぞ」
「死んでいった者達はどう足掻いても言葉は発しませんよ、生子様」
「そこだけは零と異なるな、少しは理に屈するのは止めた方が己の為であるぞ」
 断る--ベレッタは照れ隠しに顔を逸らす。
「赤く成るな、真っ直ぐ見つめよ」
「異なるよ。これはその……あああ、そろそろ外へ出るぞ!」
「私に命令か、ベレッタ?」
「自分が年上だろ! 年下は年上の言う事を聞くもんだぞ」
「それは無理な話だ、ベレッタ。年功序列が当たり前なのは全生命が--」
「生子様が理に屈する役目を担わないで貰いたい!」
「おっと済まなかったな、ベレッタ。私とした事が君と同じ捻くれを口にしてしまった」
 全く--改めて生子の眩い美しさの余り、赤く成った表情を逸らすベレッタであった。

 午後一時二分六秒。
 秘境神武を出た二名。最初の印象は即ち、空気の違いであった。ベレッタは元々、プラトー族の生命であるが故に少々の鮮度の違いに反応する事は稀。問題なのは生子だった。外の世界の空気を吸って直ぐに咽た。それを心配してベレッタは彼女の両肩を掴む。
「フウ、大丈夫だ。これが外の世界なのだな」
「仙者にとっては外は余り清潔ではないようですね」
「これも食われしモノの仕業なのか?」
「関係ありません。昔から秘境神武以外の世界は余り神々から守護されない様子でして。内臓モノが大地や空気をとんでもない有様にしようともそうでなくともこんな様子ですね」
「内臓モノ?」
「食われしモノですよ、生子様」
「名称が決まらないのは余り好めない状況だな、ベレッタや」
 何時の日か決まりますよ--ベレッタの予言は曖昧だが、正しかった。
 と二名が空気の違いで驚くのを会話で癒される暇もなく、突如として恐怖は進路を妨害するかのように地面より這い出る。
 ベレッタはそれが出て来て直ぐに上下の歯を激しく打ち付けるのであった。そう、秘境神武で親友の色葉と生子と共に唯一残っていたニャルタヒコを食らったあのモノ達の仲間だった--その姿は本来四の年より後以降に出る筈の隠し腕を内包した全く新しい食われしモノだった。
「あ、あ、あれは、だ、だ、駄目だあ!」
「落ち着け、ベレッタ」生子は少々の恐怖に耐えうる強い精神力を内包していた。「恐怖が高まれば健康が良く成らない」
「無、無、無理です。理が無くなります、よよ、生子、さ、様!」
「無い理でも私にはそんな物は意味ない」
 淡々と足を運んで先程まで咽ていた彼女とはまるで別物のように表情を無にする。そして大地を蹴って新種の食われしモノに向かった! ぶつかり合う神武包丁と食われしモノの繰り出す無数の腕と隠し腕! 初めてであるにも拘らず、生子は何とその食われしモノの戦法に対応していた!
 やがて、神武包丁を後方に弾き飛ばされた--それがベレッタの正面に刺さって、益々ベレッタが情けない姿に成ったのは恐らく生子の妄想であろう。
 神武包丁を更なる隠し腕攻撃で弾き飛ばされながらも生子は眉一つ動かす事なく、望遠刀を構える。そして色葉の遺品である籠の中に入れた物部刃を取り出して本来有り得ない三本撃ちをやってのけてその食われしモノの両足と首を撃ち貫いた!
「ス、凄い!」
「さて」それから生子は望遠刀を仕舞って、籠を下ろす。「しっかり眠らせるから無理をするなよ」
 だが、食われしモノは首を貫いた事で発した黒き血を生子に飛ばした--それを難なく躱した生子は無駄な動きをする事なく右人差し指と中指の二指を固めて眉間を貫く!
 その食われしモノは後に指揮官型と呼称--それが生子にとっては全く相手に成らない程に二者との力の差は歴然としていた!
「あの食われしモノのせいで私はもうあれをそう呼べない」
「じゃあ、じゃあ、何と呼ぶのでしょうか?」
「おぞましきモノ……うーん、余り変わらないな」
「生子様、らしい、ね、ハハハ」
「只、気を付けておきたい。ベレッタよ、あれは私以外が果たして楽に死なせる事が出来ただろうか?」
「それは神々にしかわからない事でしょう」
 こうして戦闘を終えた生子は各々の処理を済ませるとアリスト町目指して旅を再開するのだった……
(後の指揮官型と対峙したのだな、私は……ああ、時が見えるよ。ああ、もう私は、私は--)
 これ以降、生子の魂から記憶は無くなる。やがて次の世界を目指してその魂は流れるのであった……


 と言う訳で天同生子の語られし過去のお話はここで終わる。次回から旧国家神武が食われた後のお話を綴ってゆきますね。まあ明日は何時もの雑文に戻って時事ネタでも何でも書くだけだよね。だから次の日曜に縺れるぜ。

 さあ、外遊野郎は野々村のポーズして最早にっちもさっちもいかなく成ったな。この後に号泣してくれたら中々の物だけど、あの野郎はそんな事するような程精神性は幼くないので可能性は低いだろうが(呆)。
 さて、今日はここまで。明日は何時もの雑文だぜ。

雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 彼女が血涙を流した日

 どうもアメリカ大統領選はいよいよカレー味なのかそれともカレーなのかという状況まで追い込まれてワクテカしてると思えばそうではない自分darkvernuであります。
 さて、『格付けの旅』が土曜日に更新されましたので読まれたい方はカテゴリ欄の<格付けの旅>又は<青魔法の章>をクリック。
 それじゃあ一兆年の夜外伝の始まりだ。

 IC(イマジナリーセンチュリー)三十七年一月百一日午前二時七分六秒。

 場所は秘境神武。
 神々を濡らす大雨の日に赤い血が流れる。その日、齢九にして十六日目に成る神武人族の少女は事切れた生命に駆け寄る。そして涙を流す。
 同じくその少女と同じ日に生まれた神武人族の少年も、それから齢四十二にして十一の月と二十二日目に成る神武人族の老年も、更には彼に付き従う多くの生命も駆け寄る。只一名、事切れた生命に守られるように突き飛ばされた齢六にして二十五日目に成る神武人族の少年は駆け寄る事が出来なかった。
 そこで少女は事切れた生命に涙を流した……いや、激しい出血を伴う涙と成って悲しむよりも怒りを胸に秘めた。
「実現なんて出来ない」この歳で一般生命並みかそれ以上の水準まで言葉を学習する少女は激しい感情を露にした。「そのモノ達に対話なんて……出来ない!」
「生子、怒りに任せて穢れを纏っては成らない」
「あねうえ、めからちがながれてます」
「これは涙なの」
「どうなみだですか? どうみてもちだよ」
「それよりも読四は零の所に行って」
「で、でもははうえを--」
「良いから行って!」
「……わかったよ」
 黙祷を捧げる中で生子と呼ばれる少女は口数を多くする。それに合わせるのは彼女の父である一命の老年だった。
「生子、決して食われしモノ達と同じような事をするな。それは穢れを纏い、お前に償えぬ物を背負わせる事に成る」
「それでも父上、零が死に掛けて尚且つ母上が死なれてしまったのはどう説明為さるのですか! 最後に母上が食われしモノを滝壺に送らなければここに居る私達は! ここに居る私達は!」
「また瞳から出血を伴う。子季を弔った後でも良いからちゃんと清めた水で洗い流すのだ。でないと細菌族が変に活発化して余計な病に罹るぞ、例え仙者でもな」
「いいえ、洗い流したりしません。私はみんなに対して穢れた心と化そうとします。これから私は母上や多くの生命の命を縮めさせた食われしモノ達に対して戦う事を決意する為に瞳から血を流しております。それを清めた水で洗った所で罪で発生した血まで洗い流せません、父上」
 生子--生子の父である四門はこう呟く。
 そして悟った--近い将来に自分の娘は食われしモノ達に対抗する術を学んで穢れを纏う運命である、と!
 四門の考えは正しかった。ここから一の年より後……十分な技術と身体能力、そして強い精神力を身に付けた生子は物部大陸のとある包丁作りの名手から学んだ包丁技術で独自の物斬り包丁を開発。それを振るって生子は襲い掛かる食われしモノを立った一刀の元に切り伏せる事と成る。生子自身もこの当時は自ら造った包丁がここまで切れ味の優れた物だと理解出来ない事だろう……
(確か、母上を、母上を弔った、後は……そう、瞳に付着した血を洗い流すのを忘れて余りにも激しい高熱に見舞われた、事が、あったな。ああ、それは誠に情け、ない話だ、ね。あ、そろそろ、次の、過去、に移るわ、ね……)


 という訳で先週の予告と全く異なる展開にしてしまった……申し訳ない。如何も自分はその時次第で展開を描く癖があって、全く以って安定しない。但し、結末だけは決まってる。その為の過程が無茶苦茶ではあるがな(笑)。

 基本的に漫画は四大週刊誌とジャンプSQと時々ヤンジャン或はヤンまがとゴラクのみ。他は面倒なので目を通さない。だってコンビニに立ち寄っても置いてない事が多いからな(エロ雑誌はコーナー分けされてるとはいえ、平気で置く癖に)。そしてネットでは裏サン以外は本当に目を通さない。これははっきり言って厳しい。コミッククリアにしてもとなヤンにしてもネット連載は余りにも開拓し切れてない部分が多いしな。後はどいつもこいつも遅筆で酷い奴なんか隔月連載なんてやらかすしな(一応擁護しとくとそれくらいアシを送らない各編集部が悪いという見方もあるが)。つまりだ、別に四大週刊誌で連載する漫画家達みたいにノンストップで週一をやる必要はない。かと言ってかの有名な作画の方みたいに頑張る必要もない。出来れば週間連載する奴は隔週連載が十分出来る奴を、月間連載なら確実に月間でも平気な奴を出せる体制にして欲しいね。でないとネットが紙媒体に勝つのははっきり言って無理かと。
 という訳で今日はここまで。ラノベ業界の有名な作者の早死にが多いのは編集部のせいだけではない。トリブラ作者とヴァンパイアハンターD作者の寿命の違いは恐らく体力だろう……全く世の中は華奢に厳しいぜ。

雑文特別編 一兆年の夜外伝 第承話 彼女の生まれた日

 どうも最新システムの扱いに成れず、旧システムで記事を書くdarkvernuです。
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 さて、はじめましょうかね。

 IC(イマジナリーセンチュリー)三十四年十月六十三日午前三時二十一分零秒。

 場所は秘境神武中央空間天同四門の間。
 齢三十四にして二の月と二日目に成る神武人族の中年は齢二十四にして十の月と三十日目に成る神武人族に成った妊婦を気遣う。
 新しい命が外に出る時、四門は誰よりも二つの命と同じくらいに子季を心配した。それもその筈、四門は母の顔を知らない。仮に覚えていてもそれは死に際の顔でしかない。それだけに今回、産む力に全てが注がれた後に想念の海に旅立つのではないかと心配した。
「大丈夫ですだ、四門様だ」慰めるのは齢三十四にして六の月と十二日目に成る神武八咫烏族の中年アルジャス・アルティニムムは宥める。「アルジェミィも私もそれからタケルノミキもニャルタヒロも今回ばかりは大丈夫だと確信してますだ」
「そうは言ってもわしは母を知らない。だからこそ子季が子を産んでそのまま想念の海に旅立たんとも限らない」
 それ端余計奈心配出あります--と齢三十九にして九の月と六日目に成る神武鬼族の老年は老いても尚屈強な肉体を見せつけながら言葉に表す。
「お前は良いんだよ、タケルノミキよ。お前はカゲヤマノ家全てが雌まで健康体で十二つ子を産みそうな勢いで土に還る想像が思い浮かばんのだから」
「いや、タケルノミキの言う事は正しいにゃ」と胸を張るのは齢二十四にして十の月と六日目に成る神武猫族の青年。「子季様はどんな方がご存知ですにゃ?」
 そ、そうよ--天同子季は強がってみせる。
 強がったせいで余計に陣痛が激しく成り、齢三十八にして五の月と六日目に成るアリスト人族のユーラ・ライダルは容赦を知らない口調で子季に注意した。
「ライダル家の雌は恐いな」
「それから四門様も」
「君のその気性は却って想念の海に還さないか心配だが」
 心配無用であります、もう直ぐ元気なお子さん達が出ます--とユーラは大きい腹を突き出して秘境神武のある雌以外が知らない情報を口にする。
「何、双子だったと!」
「御免、為さい。私、の、てい、あんだったの」
「だからじっとして為さい、もう直ぐ出ますから!」
 全員固唾を呑んでその双子が出る瞬間を見守る……それから一の分の後--部屋の外まで響き渡る産声が二つ、上がった!
「はあはあ、四門様……出し、ましたわ」
「おお!」四門は双子の誕生を大いに喜んだ! 「最初は雄の子が先に出て、次に雌の子が出て来たか!」
「とするとだ、雌の子の方が姉でだ、雄の子の方が弟言う事に成りますだ」
 父上だ、どうしてそう成るのですかだ--と尋ねるのは齢十五にして八の月と十五日目に成る神武八咫烏族にしてアルジャスの第四子アルジェミィは尋ねる。
「それはなだ、アルジェミィだ。一番上は子宮の上側に居てだ、一番下は子宮の下側に居るという説に則ってそうゆう風にしてるんだ」
「その拙に誤りはあるだ?」
 そこは神々の謎を解明してゆく私達次第だ--と暈すアルジャス。
「おおお、これは!」
「どうした、ユーラ?」
「この雌の子の息遣いは……それから生まれて間もなく何かを発するような感じは?」
「どれどれ、ユーラ?」子季は確認してみた。「あ、アマテラス文字を理解してるみたいに平仮名を口にしてるような気がするわ」
「何、気でも異なったか?」と四門は馬か鹿かと二名を思ったが、その雌の子の声を聞いて前言を退いた。「済まなかった、許せ」
「これ端仙者どころ科、今まで出端考えられない生命科模知れないぞ」
「素晴らしい子にゃ! これは秘境神武にゃ、いにゃ、天同家にょ、いにゃあ……全生命体の中で最高級の者ですニャ!」
「ちょっと待てだ、皆の者だ。雄の子にも触れてやるのだ」
「済まなかった……また余計に泣き出してしまった」
「ウフフ、微笑ましいのね。それで、どうしますの?」
「雄の子は君が決めたまえ」
「あら、命懸けで産んだ私に押し付けるなんて礼を失する雄ね」
「何、わしは天同家を継ぐ者として初めての雌仙者たるこの子を真剣に名付ける義務がある」
 また、読四(よみし)が泣きましたわ--と呆れた声で既に雄の子をそう名付けた子季であった。
「もう名付けたんか、早いのう。では……そうだなあ、この子は難しいぞ」
「まだですの、勝手に雌に押し付けた四門様!」
「そうだそうだ」と未だじゃじゃ馬根性が残る子季はユーラと相槌を合わせる。「命懸けの私にこんな面倒事を押し付けて何と腰砕けですか!」
「ええい、慎重にさせんか……全く」
 位置の時より後に成ってもまだ名前を決められない四門。そこで四門は従者である三名に尋ねる。
「私はアルジェミィと共に『仙子(せんこ)』にしました。何故なら仙者の中で初めてと成る雌でありますのでその方が良いかと思いまして」
「俺乃場合端全生命体乃長斗いう意味出『長世(ながよ)』似しました」
「あたしゃはにゃ、生命の泉という意味で『生泉(いずみ)』にしましにゃ」
 それを聞いて適当な四門は三つを合わせるようにこう名付けた……「決めた、彼女は『生子(せいこ)』だ!」と。
「という名前に成ったわ、気に入ってるようね……二名は」
 こうして天同生子は生誕!
(覚えてるわ、この日だけは。読四だけは産まれた時からずっと日陰者として扱われた事は零が生きていた時はずっと笑い話として語られたわ。あの時が一番良かったわ。あの時が……そうだわ、あの時についてよ!)
 生子の魂はあの頃の良い思い出の中へと向かった……


 と言う訳で天同生子誕生秘話をお送りしました。その頃から読四の扱いは酷いなあ。まあ元が確かブログで書いた事と矛盾するかも知れないが、月読命だからなあ。奴は名前だけ出て後はあんまり知られてないという神話界の日陰者として有名なんだよな。つーかアマテラスとスサノヲが目立ち過ぎたのがいけない。どんだけ大昔の日本人は月をそっとさせたいのかわからん。

 あの時の都知事選であの禿げ頭を当選させた都民は責任を取らねばならん。確かに田母さんも問題あるよ。それでもあの禿げみたいに危機管理からして神奈川に事務所と言う名の別荘に行ったり来たりとかしないから! 本当に都民は責任取るべきだ、二度もここに書くが! つーか猪の方が遥かにマシってどんな話だよ。あのだんまりだった猪が禿げを批判する程だから余程あの禿げは酷いとしか言いようがないぞ! あ、因みに宇都宮とか熊本のお殿様は論外だよ。一方は偏差値28とべったりだし、もう一方はサヨク病発症者だし……あ、宇都宮と同じか(笑)。
 と言う訳で今日はここまで。いっそ都知事を三つ子の赤字神にやらせても良いんじゃないか? 凄い事に成りそうだけど、あの禿げよりか遥かにマシな事しそうだし。
プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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