FC2ブログ

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(八)

 二名の青年と二名の少年は銀河連合の群れに突入してゆく--命を燃やす
ように!
「俺は天同棟一! 天同棟一とはこうゆうものだアア!」
 棟一は左足で突き出た岩を蹴った--発射台代わりに使って飛ぶ!
 そして彼は右拳を銀河連合鬼型の眉間に向かって放った!
 鬼型に命中--勢いよく背中から倒れた!
「グ!」
 棟一は当てた衝撃で皮が捲れた右拳の痛みに思わず悲鳴が零れた!
「だ、大ー丈夫でーすか棟一様ー!」
 アラ太が心配で棟一の方へ駆けつけようとしたその時だった!
「お、俺の事はいい! そ、それより--」
「え?」
 アラ太は自分の背後にいる銀河連合烏型を影で気付くも、それに対処する時間
はなかった!
 烏型はそのままアラ太を食らおうと成人体型十の上空より斜めに急降下!
「させるか!」
 シュギ朗は成人体型三の上空でアラ太を守るべく、烏型を左横から体当たりで
突き飛ばす!
「うわ! 右翼に! 感覚が! おかしくて! 何が利点なしだ!
 俺は今度こそ! 弱鳥の称号を! 返上してやる!」
 右翼の感覚を死なせてもなおシュギ朗は心の古傷を払拭すべく、左翼だけで空に
いる銀河連合と戦った!
「こ、このままーじゃシューギ朗さんーは!
 まさかあーなたが放ー浪者になーった本当の目ー的は--」
 シュギ朗は右眼が飛んでいき、左足は螺旋状に曲がり、嘴は台形を描くように
欠けていきながらも戦った!
「あああ! これが俺の! 楽園ダアア!」
「アっア、シュギ朗のあんちゃあっあん!」
 シュギ朗は正面にいる銀河連合鷹雀型に向かってゆくが、背後から蛇鷺型に
首筋を丸い穴が出来るほど食われ、絶命--遺体は落下してゆき、真下で待機中
の鬼蜘蛛複合型に八つ裂きされた!
 藤原シュギ朗死すとも勇敢な魂は心に刻まれる!

 シュギ朗が絶命して一の時が経った……。
 三名は未だに群れの中で戦い続ける!
「何! 隙間がない!」
 気がつくと三名の周りを囲む銀河連合は逃げ道を塞ぐように並んでいた--その
数は数百。
「シュギ朗さんがー死んだー今、僕ー達の逃ーげ道は存在しーないのーか?」
「こ、こんな死に方は良っくない! おいらはこんな事の為に棟一様に付いていった
のでっはないのに!」
「き、距離が。銀河連合はこのまま押し潰すように食うのか?」
 三名の体は傷だらけ。数百どころか数十の銀河連合すらも相手に出来ない状態
だ!
「な、何かいーい方法ーはないのー?」
「そ、そんなの自分で考っえて! 何で他者に頼っる……のよ?
 お、もいついったゾオおお!」
 ウキ麻呂は閃きのあまり、耳鳴りに等しい叫び声を上げた--二名は思わず
両手或いは両前足の中指で耳穴を塞いだ!
「声がー大きいーよ! 鼓膜がー傷ついたーらどうするかー!」
「アラ太のあんちゃんはどっうでも良いけど、大声出して申しわっけありません
棟一様!」
「謝罪は後にしてくれ! それでウキ麻呂殿は何を閃いた?」
「実は足下から逃げれっばいいと閃きまっした!」
 二名は思わず両目の焦点が合わない感覚になった!
「な、何ー腰砕けーたことを--」
「その腰砕けとっいう言葉。おいらは敢っえて腰を砕くことでこっの状況を打ち破りっ
ます!
 その方法こっそ空も陸も銀河連合に握られてるのっなら敢えて地べたにへばり
ついてっでも突破する! それしっか群れの外に出られないと思いまっすが!」
 迫り来る銀河連合の前で可能な限り考え抜いた棟一はついに--
「わかった! もしかしたら奴等の足下の隙間から脱出できるかも知れない!
 いやその方法でいこう!」
 提案を受け入れて貰えた事に本来大喜びするウキ麻呂のはずだったが--
「もう悲しみはおいらの命で断ち切っらないと!」
「ま、まさーかウキ麻呂ー君! や--」
「早く行って下っさい! あいつらは……ってもう来った!」
 ついに銀河連合は三名を食らおうと一斉に口を出し合う--間一髪のところで
地面にへばりついて回避!
「行くぞアラ太殿、ウキ麻呂殿!」
「「オウ!」」
 三名は転ばしてでも匍匐前進した--アラ太は犬族故、早く前進してゆくが--
(それにーしても鬼ーヶ島の大ー地は痛い! 硬い岩ーで出来てるのーか痛ーい!
 僕ーが気絶するくーらい堅ーいよ!)
 三名は地面にこすれるたびにより傷を増やしてゆく--皮は肉が剥き出すよう
に捲れ、血は化粧をするように模様を描いてゆく!
「傷ついってもおいら達は命を燃やさなっいと死んだシュギ朗のあんちゃんが……
あ!
 このままじゃ--」
 棟一の眼前に蛇型が身体を伸ばす!
「こ、こんな時に--」
「間に合わーない!」
「棟一様はやらっせない!」
 ウキ麻呂は自らの尻尾をアラ太の尻尾に巻いて、力の作用を応用してアラ太を
後ろに押し飛ばすと同時にそのまま低空で飛んだ!
「ウキ麻呂おーおおおー!」
「御免なっさああい!」
 そして棟一を庇うように日々型に背中を見せた--彼の背中は大き削れた!
「が、ああ!」
「ウキ麻呂殿おお!」
「ウキ麻ー呂くううーん!」
 二名は絶叫した--その声を聞いたウキ麻呂は最後の力を振り絞って蛇型に
抱っこした!
「一緒に死のっう? お、イァは……め、ぃ、え、を」
 ここにまた一つ、命の炎は消えた--蛇型を絶命させながら!
「シュギ朗殿、そしてウキ麻呂殿……」
「二ー名の為にーも僕はー命を懸ーけないと!」
 残された二名はウキ麻呂の言いつけ通り地面にへばりついてでも群れの中を
駆け抜けた!
 蘇我ウキ麻呂の亡骸はいずれ原形を留めなくとも、智慧は受け継がれる!

 ウキ麻呂が死んでから三の時が経った……。
 二名は鬼ヶ島の北にある絶壁の前に立つ!
「周りは海だらけ。飛んだら死ぬ! だけど飛ばなければいずれは--」
「わか、ってまーす棟一様。
 だー、だーから、こう、しーて僕達はー飛ぶか、どーうか、を--」
「喋るのはよせ! 後右足はもう無いのだろ?
 隠しても俺にはわかる!」
 棟一の言うとおり、アラ太の後右足はもう無い--溢れ出るばかりの血が流れて
いた!
 誰が見ても--
(僕の命はあーと僅かだーよ。群れのー中に入ーる前、言ーった通りーになったー
かも?)
 アラ太は残りの命をどう使うか、悩んでいた。
「俺の衣服を破いてでも止血すれば少しは--」
「よく、ないで、すーよ。あーなたは、こ、うきーな、者だ、よー」
「まだ言うか! いい加減にこの自分が天同棟一で--」
「ガア! あなたーは天同ー棟一です!
 グウウンウウ! 僕はずーっと天ー同棟一だーと思ってーます!
 だ、か、ガアア!」
 アラ太は無理して話した余波で口から舌の体積くらいの血を吐いた!
「そ、それでもじ、自分は--」
「あ、あなた、は自信ーを、も、ーてく、ださい!
 でないと……どうや、らき、たよ、うーです」
 そう言ったノヲ最後にアラ太は残りの足で棟一の所まで駆け寄る!
 そして彼の身体に体当たりをした!
「グウウ! ま、さか俺を!」
「ガアア! 行ってくだーさあアアいー天同棟一様アーア!」
 棟一の姿はみるみるうちに小さくなり、そして海の中へと飲み込まれた!
「グウウ! ハアハーア……」
 アラ太は振り返ると人生の総決算をしに銀河連合鬼蜘蛛混合型に向かって行く!
(父さーん、母さんー、そしーてフル太!
 僕は答えをー見つけまーした! こんなー形で実ー現するのは悲しーいことです。
もっとー穏やかーな日ー々の内に見ーつけられーたのならどーれだけ良ーかった
か!
 でも後悔はーしませーん! 最後に素ー晴らしいー御方でーある棟一様と出ー会えたーのですかーら! そーの方が万が一にーも生きー延びられるーのなら
きーっと死んでーいったシュギ朗ーさんやウーキ麻呂君に誉めらーれます!
 死ぬ寸前ーでこんーな腰ー砕けたことをー思うなんーて僕は神ー様に申しわーけ
が付き--)
 アラ太の思考はそこで永遠に止まる!
 物部アラ太は最後まで天同棟一でない少年を本者だと信じた!
 その正直すぎる信用は精神となり、全生命体の希望へと繋げてゆく!




 ICイマジナリーセンチュリー六十年八月十九日午前零時一分二秒。

 第十八話 鬼ヶ島を行く 完

 第十九話 遅かれ早かれ に続く……

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(七)

 未明。
 場所は鬼ヶ島中央地区武烈聖堂。
「んー? こー、ここーは?」
 物部アラ太はうつ伏せの状態で目覚めた時、彼はこの場所がどこなのかわから
ない。
「気がついたか?」
「イダダー、そーの声はー?」
 声のする方に振り返るとそこには天同棟一と藤原シュギ朗、それに蘇我ウキ麻呂
が並んでいた!
「やっと起きったか! 仕方なっいよね。アラ太のあんちゃんが一番怪我が大っきい
もん!」
「ここは! 鬼ヶ島の! 中央にある社! 俺達は皆! そこに避難している!」
「ここーは社のー中なんーだ。
 それでーも状況がわーからなーいよ! 一体ーどうなーってるーの?」
 アラ太は棟一に説明を求めたが--
「状況を説明する前にアラ太殿やシュギ朗殿、それにウキ麻呂殿にはどうしても
話さなければならない事がある!」
「話さなければ! ならないこと?」
 棟一は深呼吸の動作を力強くした!
 そして全てを語り始める!
「天同棟一が鬼ヶ島を行く理由。
 それは大マンドロス町の民をこの島に避難する為だ!」
「え? ど、どうゆうこっと?」
「その事前準備の為に俺は南鬼ヶ島村の村長に直接話し合わなければならな
かった。天同棟一の目的と遺志を伝え、鬼ヶ島への渡航を認める為にも!」
「そうか! だから棟一様は! 俺達としばらく! 別行動を! とられた!
村長の許可を! 得る為に!」
「ああ。俺は当初、時間が掛かるものだと踏んだ。何しろ俺みたいな穢れた雄に
村長が許可を取られるはずはないと思ったのでな。
 だが、その予想を覆すかの如く、村長は俺達の渡航をお認めになられた!
 どうやら棟一の意志を汲み取ってくれたよ、あの方は!」
 棟一の顔は半泣き状態になった!
「な、泣ーかれるのーなら今ーすぐにでも--」
「いやいい! 最後まで話さないと天同棟一が生きた証を示せない!
 そもそも何故大マンドロス町の民をこの島に避難させるのか?
 実は大マンドロス町は銀河連合に食われようとしている!」
 シュギ朗とウキ麻呂は内容を理解は出来たが、アラ太だけは本質を掴めない!
「な、何ー故でしょーうか?
 どーうしてあれだーけ穏やーかだったー町が食われーるなんてー僕にはさっぱり
わかーりまーせんが」
「わからないのも無理はない。アラ太殿は外がどうゆう状況か気付かないからな」
「外ー?」
 アラ太は駆け足で聖堂の正門を少し開けた。
 すると--
「な、なー、な!」
 そこには数百にも上る銀河連合が社より成人体型後くらい離れた囲んでいた!
 それを見たアラ太は思わず門を強く閉めた!
「こ、こー、これは僕ーには何ーなのかさーっぱり--」
「わからなくて当然だ!
 実はここへ避難する途中、俺は鬼ヶ島中を見回った!
 そしたらこの島の住民は一名残らずあいつらの腹の中だと知った!」
 アラ太はその事実を知り、体中が凍える感覚に襲われた--恐怖が身体中を
冷ますように命令した証! やがて身体は小刻みに揺れ出す!
「あ、あ、まー、あ、あー! こーこはもうー銀河連合のー住処ーに成ーられた、
たーの、のえー、すーか!」
「お前は恐怖するか! 俺は異なる!
 俺は怒りを! 怒りたい気持ちで! 一杯だ!」
「お、お、おいらはあんちゃん達とは異なっる! 鬼ヶ島の者はおいらの家族だった
のっに! 南鬼ヶ島同様に家族だったっのに! なのに! なのに!」
 ウキ麻呂は悲しみに耐えきれず、涙を溢し続けた--床一面が水浸しになる勢い
で!
「三者三様だな。俺の場合はどの感情にだって成れるが、今はそんな物を押し
死なせないと! でないと俺は天同棟一じゃない!」
(棟一様は、はー、辛ーそうですーね! き、恐怖も怒ーりも、かー、悲しみーも
出来ーない自ー分を責めーておーられる! こ、こ、こー、この場合はーどう
すーればいいー?)
 アラ太は全身を揺らしながらも状況を打破する方法を探っていた!
(ぼー、僕はー、僕は! なー、何一つー答えをー見つけるこーとが出ー来ないまー
ま……まま?
 僕ーの目ー的はー何だ? 何ーで放浪ー者に憧れたー?
 神様にー与ーえられた日ー々の生ー活に意味ーを見ー出す為ー?
 何でーこんなー時? そーうか! そうだったーんだ!)
 アラ太はようやく自らの答えを見つけた!
「どうした、アラ太殿?」
 アラ太の心にはもう恐怖心は無い--代わりに恐怖も怒りも悲しみも全てを
超えた本能に辿り着く!
「棟一様ー! こーこからー出ましょーう!」
「「「な!」」」
 三名は驚愕する!
「アラ太のあんちゃん! ここは囲まれてるんっだよ!
 出るなんて死ぬっのとおな--」
「僕がー銀河連ー合を引ーきつける! そのー間にみんーなは鬼ーヶ島からー
脱ー出するーんだ!」
「まさか! やめろ! そんなことは!」
「僕はこんな時にーようーやく自ー分の答えをー見つけたーんだ!
 だからお願いーだ! 僕にやらーせてーくれ!
 この通りだあアーア!」
 アラ太は三名の前で土下座した!
 その姿を見た棟一はとうとう--
「わかった! アラ太殿の遺志……確かに受け取った!
 どのみち待っていてもいずれ食われる! だったら正面突破する以外に他は
ない!」
「正面突破か! 実は俺! あいつらを何体か! 死なせたくて! 辛かった!
だから俺も! 死と向き合う!」
「悲しんっでいる暇はなっいんだね。おいら達は鬼族の皆の為にも命を懸っけない
と! 懸っけないと折角貰った命の意味を示っせない!」
「どうやら決まりだな。俺がゆっくりと門を開く!
 そして半開きでもいいから中へ突入するぞ!
 準備はいいか?」
「「「了解!」」」
 棟一は門を勢いよく開いた! そして、四名は銀河連合の群れに突撃する!
(僕は何としてーも棟一様ーを生ーかさないとー!
 棟一様はー全生命体ーの希ー望だ!
 希望ーを生かすーことーは同時ーに僕が探ーし求めた答ーえと何一つー異なる
部ー分はなーい!)
 アラ太は棟一に成りすました少年を救うべく命を懸ける!

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(六)

 午後十二時一分一秒。
 五名がそれぞれ異なる時間で昼食を終えた頃、ようやく鬼ヶ島債に西岸部に辿り
着く。
「ここんがあ鬼族だけが住むんとう言われえまんす鬼ヶ島。滞在期間にんつういて
はそこんで尻餅しいてんおられんまあす鬼の方にん聞いてえみんますね」
 船頭は小舟から下りると、蝸牛かたつむり族が前に進む速度よりも遅く走った!
「待ーつ方はー辛いとー思いま--」
「アラ太のあんちゃんは余計っなことを言うっべきじゃなっいぜ!」
「ああ言ーえばこーう言う!」
「口を! 閉じろ二名とも!」
「ようやく辿り着いたぞ、あの爺さん」
「あ、んの--」
 船頭が鬼と思わしき後ろ姿の者に話しかけた瞬間--彼の身体は四散した!
「「「「な!」」」」
 四名はあまりの光景を捉える--今にも目玉が飛び出そうになった!
「お爺さんーが、死ーんだ?」
「お、おい! あ、あれを! 見ろ!」
 四散させた者の身体には八つくらい長包丁と融合した手が飛び出す!
「ま、まっさか!」
「こ、こ、これはし、し、知ってるぞ!」
 振り返るとそこには鬼と蜘蛛、そして長包丁が組み合わさった銀河連合!
(あ、あ、あーり、え、なー、な、ないー! もー、物とー生命がー!
 こ、こーう、交尾ー、な、な、なてー!)
「い、今すぐここから出るんだ!
 今の俺達は武器を持ってない!」
 棟一は三名に号令すると後ろ宙返りしながら小舟に乗った!
「そ、そう! だな! 俺は飛べるから! 良いけど!
 お前らはさっさと! の、乗れ!」
「筏の使い方はわかっら--」
「そーんなのは気ー合いでー慣らそーう!」
 三名は棟一に続けるように飛び乗った!
 そして--
「俺とウキ麻呂殿で筏を使わずに漕ぐ!
 アラ太殿とシュギ朗殿は筏で小舟に寄りつく銀河連合を払いのけて欲しい!」
「え? で、でっもどうやって漕っぐの!」
「手をこうして前から後ろに払うように漕ぐのだ!
 勢いは筏ほどでないにしろ波に乗ればすぐに何とかなるはずだ!」
「わ、わかった!」
 棟一とウキ麻呂は左右に分かれて言われた通りの動作で漕ぐ--棟一は右側
から右手で、ウキ麻呂は左側から左で一連の動作を繰り返す!
「こ、こっちに! く、く! 来る!」
「ぼ、僕達ーは筏ーで銀河連ー合を払わーないとー!」
 アラ太は尻部分を咥えながら半回転で攻撃--だが、躱された!
「躱された!
 だが、もう船は波に乗った!」
 始めは緩く、そして物が落下するように小舟は後ろ側に流れてゆく!
「まさか! 海の神々は! 俺達を助ける! のか!」
「どのみっちおいら達は助かっるんだ!」
「これっ。うわー! 波ーが! 揺れるー!」
「しっかり掴まれ! 鬼ヶ島は聞いた話では月に一度は津波に遭う地!
 今日というのはその日かも知れない!」
 波に揺らされながらも小舟は鬼ヶ島を離れてゆく--誰もがそう思っていた!
 しかし--
「あ? れ? だんだーん鬼ヶ島にー戻って……ってーうわあーあ!」
 小舟は運に恵まれなかったのか、津波に乗って鬼ヶ島へと向かう!
「神々はおいら達っに更なっる試練を与えるのっか!」
「俺は! 飛べる! だが、この風は! 俺を逃がしは! しないぞ!」
「うわーあああー! こー、このまーまではーああ!」
「銀河連合もろとも津波は--」
 津波は岸部に侵入--勢いで小舟は宙を舞う!
(ぼ、僕はー! 僕ーは宙をー、舞ーう! し、死ーぬの?
 答えをー出さーないまーま? どーうなる? どうすれ--)
 アラ太は思考中に島で五番目に大きい岩に激突--そのまま眠りに誘われた!

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(五)

 八月十六日午後五時零分二秒。
 場所は東物部大陸東物部地方麁鹿火あらかい海岸辺。
 物部アラ太、天同棟一、藤原シュギ朗、蘇我ウキ麻呂は全長成人体型三以上ある
応神木製の小舟に乗った。
「最大五名は乗れるようになってるな」
「当たり前だっろ? 応神製の木は頑丈だっぞ!」
「とーいうかーどうしーてウキ麻呂ー君が僕達ーと一緒にいるーわけ!」
「どうせ! 感化されて! 俺達と! 一緒に行きたく! なったとかだろ!」
「さすっがシュギ朗のあんちゃん!
 アラ太のあんちゃんはもう少し柔軟になっらないと--」
「どのー口がそれをー言う!」
 アラ太はウキ麻呂がお供になる事を認めないようだが--
「別に良いだろ! ウキ麻呂は自分の意志でこの天同棟一と共に行くのだから!」
「おやおんやあ。どうやんやらここはウキ麻呂殿に軍配があがっとんようやだね」
 齢三十九にして一の月と十日目になる鬼ヶ島亀族の船頭はやんわりと采配を
下した。
(うぐーぐ! 僕はーウキ麻呂がー好きじゃなーいのに!
 仕方ないーか。棟一様ーがそう仰るのーならー!)
 アラ太は心の中で降参した。
 そうこうするうちに船頭は筏の尻部を口で咥えてゆっくりと漕いで行く。

 八月十七日午前四時一分八秒。
 場所は麁鹿火海。岸辺との距離は成人体型百くらい。
 アラ太は日がまだ顔を出さぬうちに目を覚ました。
(気にーなるよー。棟一様はー何の目的があーって鬼族ーだけの島ーに行くのー
かな?)
 そう考えている内に船の正面を見ると船頭が寝ていた--それに気付いたアラ太
は慌てて筏を咥えた!
(なー、な、何で僕達がー寝ていーる間に眠るのー!
 事故がー起きたーらどうーするつもりか!)
 筏を操る動作を行う--使い方を習い熟さないのか思うように動かせない!
(うーぐう! こ、こんーなにも重いなーんて!
 とーいうーか変な方ー向に筏がーあああ--)
 思わず筏を離してしまった!
「あぶねええ!」
 海に身体が浸かる寸前で誰かの右手は筏の尻を掴んだ!
「むー、棟一様!」
「慣れない事をするな、アラ太殿!」
 棟一は素早く筏を中に乗せた!
「お、起きーてたんでーすね」
「起きていたというよりは寝つけられないんだ」
 棟一の視線は日が出る方向にあった。
(ぼー、僕と同ーじ?
 いーえ、棟一様の事ーですから何ーか異なーる理ー由かも知ーれない!)
「俺は俺自身に慣れている。そうはいい。
 だが、他者自身には慣れない!」
 アラ太の考えている事を察知したのか、棟一は語り始めた。
「昔々あるところに物真似に優れた一族最後の雄がいました。そいつもまた一族
同様、他者の口真似をするのが大きい程好きだな!
 だが、そいつはとある高貴な者と出会う事で代々受け継がれてきた物真似に
初めて逃げる事を考え始めたな!」
 棟一の顔は無数の皺が現れ始めた--自らの穢れを吐き出すので精一杯の様子
だ!
「出会った当初は物真似師自身は高貴な者を快く思わなかったな。
 何ていうか、何かを悟るような口調と良い、『穢れを一身に受け止める!』だの
偉そうな事ばかりを言ってる所と良い、何気に顔立ちの端正な所もそうだな!
 まあそんな満たされない事は三の日が経つにつれて友情に変わったもんだよ!
 だけど遅すぎる友情だった!」
 棟一はそれをいうと顔をやや下に向けた--涙を流さないように。或いは涙を見せ
ない為に!
「そ、それーでどうなーりましたーか?」
「高貴な者は死んだよ! 銀河連合に食われて……」
「そ、そんなー! そんーな話はー悲しすーぎますね!」
「こんなのはかつて鬼ヶ島へと逃れていった大山ニャ朗の話とどう大差がある?
 それにその後、物真似師は高貴な者の遺志を伝えるべく鬼ヶ島へ向かってるんだ
よな。
 って、あ!」
 棟一は今までの苦悶の表情を吹き飛ばすかのように顔中冷えた水分が浮き
出る--正直すぎる言葉を言った事で自分がどうゆう言葉で責め立てられるかを
覚悟する汗だ!
「出会ーうと良いでーすね! そーの物真ー似師といーう御方に!」
 アラ太はそれでも気付かない!
「ま、まあそうだな。そ、そいつは鬼ヶ島で……もうこの話は中断だ!
 続きは鬼ヶ島に上陸したらゆっくり話をするぞ! その時はシュギ朗殿や
ウキ麻呂殿と一緒にな!」
「出来れーばウキー麻呂君ーの席ーを外すのーはどう--」
「いくら好かない相手でも勝手に外したら神様に申し訳つくか?」
「うーっ!」
 アラ太は棟一の正論に反対の論理を思いつかなかった!
(ただー何となくー棟一様の目的ーがわーかった気がすーる!
 もしかーしたらそーの高貴ーな者とー同じようーに何か重大ーなことーを提案しー
に来たのかーも?)
 鋭いのかそうでないのかよくわからないが、アラ太は未だに棟一の正体に気付か
ない!

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(四)

 八月十四日午後五時二分十一秒。
 場所は南鬼ヶ島村西門。
 天同棟一ら三名と村民である蘇我ウキ麻呂は到着した。
「やーっと着いたーよ! 村ーまで長ーい道のーりだったー」
 アラ太は体中にある水色の体毛がすっかり土色で染まっていた。
「風呂あるか! 俺は風呂に! 入りたい!」
 シュギ朗は薄黒く染まった体毛を元の灰色に戻したいのかお湯に浸かりたい
様子。
「何だっよ! 直情な鳥かっと思ったが意外と頭は冴えってるな!
 風呂なら村に入って南地区にある地区で最も大きい建物に入るっといいぜ!」
 ウキ麻呂は小躍りしながら風呂のある建物がどこにあるかを教えた。
「俺は風呂に入らないぞ」
 棟一は訳があるのか、ウキ麻呂以外の村民に会うと何かを聞き出した後--
「ウキ麻呂殿! アラ太殿とシュギ朗殿を風呂まで案内してくれ!
 俺は用事を済ませたらすぐに入る」
「な、何ーか御用がおー有りなのでーすか?」
「こら! 棟一様はおいらっと話してんだっよ!
 放浪者は大人っしくおいらの後に続っけ!」
「そんなに! 偉いのか! ウキ麻呂は!」
 アラ太とシュギ朗の二名はしばらくの間、棟一と別行動をとった!
 棟一の後ろ姿を見たアラ太は考え事をする。
(棟一様ーが鬼ヶー島へ行く理ー由……そーこにあるかーな?
 天ー同の者達ーは代々避けられーない運命を背負い込ーむって聞くよ!
 今はもうー居なーい仙者生子様ーや壱生様もそうだーったよね!
 あの方々が六十以ー上長生ーきだったのは世界ー中の穢れを自ら背ー負い込む
為ーだったよーうな。
 あっ! 生子様はーそこまでー長ー生きじゃなかーったよーうな)

 午後七時五十七分一秒。
 場所は南鬼ヶ島村南地区タケルノキミ温泉。
 アラ太とシュギ朗、それにウキ麻呂は露天風呂に入って、棟一を待っていた。
「カゲヤマノタケルノキミという鬼族の者はかつては神武鬼族であっり、天同読四を
はじめっとした数多の者達の護衛を務っめた剛胆なる鬼だよ!」
「聞いたこと! ある! あの鬼は! 四十を過ぎると! 体力の衰えを! 理由に
引退し! 鬼ヶ島へと旅立つ! その途中! この地で村を守る為に! 銀河連合
と相打ちに! 何とも! 悲しきお話だ!」
 シュギ朗はタケルノキミの話で両眼から滝のような涙を流した!
「そ、そこまーで泣かなくてーも!
 そ、そんーなタケールノキミさんーの命は大地ーに還ーっても魂ーはこうしーて
温泉となって僕ー達を癒してるでーはないーか!」
「ウヘ! アラ太のあんちゃんにしては珍しっく当を射たこといっうな!
 普段っは気が弱っそうなのに!」
「何だとウキ麻呂ー君! その減ーらない口をー僕の前ー足で閉じてやーろうか!」
「やれるもんならやってみって!」
「こら! 喧嘩するな! 逆上せたらどうする!」
 アラ太はウキ麻呂に飛びかかり、ウキ麻呂は躱しながらアラ太をからかい、それを
迷惑がるシュギ朗の構図--その様子を一名の人族が黙って見ていた。
「はあ、三名は何やってるのかな?」
(はーっ! こー、この声はー!)
 小さな呟きに気付いたアラ太は発信源の方に振り返るとそこには天同棟一と
呼ばれる少年が今にも湯に浸かろうとしていた。
「む、棟一様ーが来られーた!」
「何! もう用事が! 済まされた!」
「あんちゃん達は後ろに続っけ! 先頭はおいらっだ!」
 三名はじゃれ合いながらも棟一の所に駆けつけた!
「待たせたな、アラ太殿にシュギ朗殿、それにウキ麻呂殿!」
「いいってー、いーいって!
 ササ、どーうぞゆっくーりと湯に浸かーって下さいー!」
「何か景気話でっもしますか、棟一様!」
「こら! 調子良いこと! 言える口か!」
 その後十の分の間、四名は互いの腰砕けな会話をした--それがやがて強固な
信頼関係を作る事となる。
(シュギ朗さんはー楽園ーを求めーて放浪をしてたーんだね! 僕に近ーいと
思ったーけどそうじゃーないんーだ。
 ウキ麻ー呂君の方は名ーを轟かーせる為ー。僕とーしては共ー感しなーいよ。
 結ー局、棟一様が何ーの為に鬼ーヶ島に行ーくのかわからなーかったね。
どんーな使命を帯ーびてるのだーろう?)
 その使命は棟一に成りすます所に理由がある事をアラ太は気付かない。

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(三)

 八月十三日午前八時二分八秒。
 場所はタレス山脈標高成人体型十付近。
 三名は空腹で倒れ込んでいた。
(物をー飲まーず食わずーで二日目になーった。まさかシュギー朗さんがー食べー
物を持っていないーなんて!)
「このままじゃ! 自分達全員! 餓死決定だあ!」
「騒がないで、くれるかあ、シュギ朗殿。も、もうこ、言葉も」
「お、おきーあが、るこーとも、まーま、ならないー、よう」
 三名は匍匐前進するように南鬼ヶ島村を目指して進むが、空腹の為に成人体型一進むのもままならない。
(このまま僕ー達は一昨日ー逃げるー事が出来ーた銀河連ー合に食べーられる
かー、そーれともこのまま餓ー死するのかーな?)
 そんな状況になっている三名の目の前に齢十八にして九の月と十日目になる
成人体型一以上ある猿族の少年が自身の身長の三分の二ほどあるタレス竹製の
籠を背負って現われた。
「おやおっや、おじさん達は何っを地べたで遊んでっいますか?」
「これが! 遊んで! いるのか! うう! 腹あが!」
「もしかしって空腹? それなっらおいらが持ってるタレス芋を差し上げるけっど?」
 その言葉を聞いた三名はまるで空腹が本当でないように飛び上がった--猿族
の少年が抱えた籠めがけて駆けつけた!
「だ、誰だか知らないが金はいつか払う! だ、だから籠にあると言われるタレス芋
を俺達三名にくれ!」
「べ、別に断ってーも良いよー! どこのー骨とも知らーない僕ー達に芋を与ーえ
たら君の生活ー基盤を揺ーるがすかーも知れなーいし!」
 アラ太は余計な事を言ったせいで--
「そうっか! じゃああげっない!」
「アラ太! 余計だ! お前のせいで! あの子供から芋を! 食べる機会が! 
無くなったぞ!」
「無くなったも何も食欲一つで元気になっるならこのまっま空腹にさせってもいいかっ
も?」
 少年は少々意地が良くない性格だ。
「このまま餓死させたらどうなるか分かってるのか、少年!」
「何かっな、緑髪の君!」
 棟一は両眼を大きく開いて少年の小指よりも小さい眼を見つめた!
 そして--
「ここにいる雄がもし天同の者なら君はどうする?」
 その言葉を聞いた少年は黄色い体毛を逆立てながら整列した!
「ま、まさっかあなた様はかっの有名な--」
「そうだ。俺の名前は天同棟一だ! 神武族の長、人族の天同家の天同弐雄の
第一子であるぞ!」
 少年は棟一の言葉を聞いて思わず涙を流した!
「ああ、感動的だっあ! まさっかこの蘇我猿族の蘇我ウキ麻呂は天同の者に
会っえて有り難き幸っせです!」
 そう言ったウキ麻呂と呼ばれる少年は今までの態度が本当でないみたいに棟一
の前で土下座をした!
(礼を尽くーすのはわーかった! だかーらさっさーと僕達にー芋を!)

 ウキ麻呂が土下座してから二の時が経つ。
 三名はようやくタレス芋を口にした!
「う、まい! うまい! うましい!」
「冷たいが、美味い! 食べ物を口にすると生きてるって実感が湧くなあ!」
「棟一様ー! ちゃんと噛んーで食べないとーお腹ーの虫さんは困ーりますよ!」
「どうっだ! おいらの畑で採れったタレス芋の味は! 涙が溢れんだっろ!」
「どや顔は! 何だか腹立たしい! と思わないか!」
「僕はー頭に来ーたよ! 食べーるまでにどうーして二のー時くらい過ぎなきゃー
いけないーか!」
 アラ太はウキ麻呂に飛びついたが、ウキ麻呂はアラ太の背中に乗っかり逆にして
やられた!
「くうーう! 僕がこんーな子供にやらーれるなんーて!」
「子供とか言うっな! こう見えて通過儀礼を果たしたんだっぞ!」
「と言う事は君の年は俺より上なのか?」
「え? 棟一様はまっだ十五歳じゃっないの?」
「いやあいつの年齢から考えて今は十七歳だが、ってあ!」
 またもや余計な事を口にした棟一は今度こそ覚悟を決めるが--
「おいらより若いんっだ! それで立派ならおいらっはますまっす棟一様を尊敬
するっよ!」
「自分達より若い! お前の口か!」
「それーよりも早く僕の上かーら降りてよー!」
 三名は全く気付かない。
(何だーか棟一様の周りーが賑ーやかになってーいくなあー。これがー僕の探し
求ーめた意味なーのかな? いやこれじゃーないようーな。
 まっ、いっかー)
 アラ太はそれでも棟一と呼ばれる少年が誰なのかを知らない。

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く(二)

 八月十一日午後五時七分二十九秒。
 場所は廃タレス山脈標高成人体型四百付近展望。
 アラ太と棟一は晩飯を食べていた。
「なるほーど、鬼ヶー島を目指すーのでーすね」
 アラ太は残り二個になったおにぎりの一個を勢いよく口の中に入れて何十回も
噛みしめる。
「そこまで大切にしなくていいだろ?
 おにぎりが無くなったくらいですぐには死なないし」
 一方の棟一はおにぎりを口の中に入れるとにっじゅかいに待たない回数噛んだ
後、梅干しの種だけを予め広げた右手の平に吐き出してそのまま胃の中に
流した!
「良ーくないですーよ、棟一様ー! ちゃんとー噛まないとー健ー康を維持でーき
ません!」
「仕方ないだろ? これは代々続くボルティ……いや天同家出身である雄の癖なん
だし!」
「え? そーうなのですーか? そーれは初ー耳でーすよ!」
 とっさの言い訳をした棟一に対してアラ太は疑問に思いつつも納得した模様。
(ボルティ? 何ーだろうー? まあーどうーせ棟一様はー腰砕けーたお言葉がー
好きなんだとー僕は推測すーるよ!)
 アラ太が他者を深く観察しない性格で良かった--と棟一は長い息を吐いた!
「だー、大丈夫ですーか、棟一様!」
「今のはおにぎりを丸呑みしたせいで咽に詰まった後遺症。君の言うとおりちゃんと
噛んで飲み込むべきだったよ!」
「だかーら言ったじゃーないでーすか! 噛まなーいと健ー康に良くないーって!」
「御免よ、アラ太殿」
 棟一はアラ太の正面に向けて深々と頭を下げた--アラ太以上に上手く土下座
するように。
(棟一さんはー僕以ー上に土下ー座が上手ーい! やっぱーり天同の雄ーは
そうやってー他者ーを圧倒したのーかな?)
 アラ太が棟一の土下座に思考を張り巡らしてる時、北西西より成人体型二以上
ある鷲型が棟一めがけて突っ込んでくる!
「ぎ、銀河連合! 狙いは俺なのか!」
「ギギーギ、銀河ー連合! コー、ここは逃ーげましょーう、棟一様!」
 二名は鬼ヶ島の方角へと逃げてゆく!
 しかし--
「あ、あ、あれーは何ていうー型なのかー!」
 成人体型五くらいある百足状に幾十も繋がった蜘蛛の形をした銀河連合が下方
より二名を迎撃する!
「のわ! 足を引っかけた!」
 棟一は枝に右足を引っかけて山道を転げ落ちた!
(こ、これーは危険だー! 棟一様がー万が一にもー死なれてしまーったら僕はー
神ー々に申しわけが付ーかなくなーる!
 急いで助ーけないと!)
 アラ太は上下に挟み撃ちをしようとする銀河連合に目も繰れずに棟一救出に足を
踏み出す--だが、降りる速度では転がる速度に間に合わない!
(気が気でーならなーい! 目の前にー夢中で足ー元が!
 このままじゃ棟一様が--)
「な、何を! 何やっとるか! 銀河連合が! お前らを追ってるぞ!」
 山を越えようと南西生の方角より通りすがった齢二十三にして四の月と五日目
になる雉族の放浪者はアラ太の特徴である水色の体毛を自慢の土色がかった嘴で
掴むとそのまま棟一の方に飛んでゆく!
「グブブ! グウグウブブ!」
「アーイテテ! 重いのはーわかるけーど、僕ーの方はー痛いーよ!」
「グウ! グンググウ!」
「そーんなこと言っーてる場合ってー言ったのー? イーデデ!」
 初対面にも関わらず、雉族の青年は苦言しながらも転がってゆく棟一を追い
かけた--二体の銀河連合の影が見えなくなるまで!

 午後十一時一分六秒。
 場所は廃タレス山脈標高成人体型二百九十付近。東に行くと南鬼ヶ島村が
見える位置。
 全身擦り傷で住んだ棟一の前には鳥系にしては器用に土下座をする雉族の青年
がいた!
「も、申しわけ! 御座いません! 藤原雉族の雄たる! この藤原シュギ朗! 
一生の覚悟無き! であります!」
「そ、そこまーで頭を下げなーくていいのですーよ、シュギ朗さーん!」
「この方はどなた! だとお思いですか!
 天同家の! 弐雄様の! 第一子ですぞ! 腰砕けた態度は! 出来るはず! 
無かろう!」
 シュギ朗は真面目な性格なのか、大袈裟に振る舞ってでも自らの礼の無さを
悔いたが--
「そこまでにしとけよ! 確かに俺に対して礼を砕けた態度を悔いるのは良い!
 でもやり過ぎはもっと神様に申しわけが付くかな?
 親友の棟一なら『つかない』って言うぜ! ってあ!」
 棟一は自分が余計な事を言った事に額中汗だらけになるが--
「成ー程! そうやって棟一様ーは自らをー鍛錬なーさってらしたーのですね!
 さすがーは天同の雄ーで御座いまーす!」
「そうか! 親友ってのは! 自らのことも! 言うのか!
 悔しい! 自分を親友に! 出来ない自分が悔しい!
 ありがとう御座います! 今のは自分の中で! 一生命言と! 成りましょう!」
 どうやら二名は言葉に感動する以外の反応はしない様子だ!
「そ、そうだな。自分自身を親友とする事を由とするのだ!
 ふあああ。今日はもう遅い!
 二名とも、そろそろ寝床を探すぞ!」
「「はい!」」
 銀河連合の驚異から逃れた物部アラ太と天同棟一は新たに藤原シュギ朗を放浪
のお供にした!
(鬼ーヶ島。僕と棟一様、それーにシュギ朗さんーでその地に向かーう理由。
 僕の場合はー毎日変わーらぬ生ー活の意味をー知る為にー棟一様ーと共にー
行く!)
 アラ太は未だに棟一と名乗る少年が何者なのかを知らない。

一兆年の夜 第十八話 鬼ヶ島を行く

 ICイマジナリーセンチュリー六十年八月十日午前九時一分五秒。

 場所は東物部大陸東物部地方尾輿村北門。
 齢二十にして三の月と一日になる物部犬族の青年は旅立とうとしていた。
「伝統からーの脱却なーんて言わーなきゃ僕ーは」
 彼は悩んでいた--このまま足を踏み出すかどうかを。
(でも家をー継ぐのーは弟ーのフール太がいーるしな。僕はこーのままー放浪ーした
い気ー分だし。
 でも勝ー手なこーとを言ってー家族に迷ー惑をかけーたからー公開してーるん
だなー。今更だーけど)
「今更悩むー暇があるなーら足をー踏み出すのーが一番ーだ!」
 青年は前左足を踏み出した--自然と全ての足は北の方角に真っ直ぐ進む!
 成人体型はコンマ七に満たない青年は自分の身体の三分の一はある風呂敷を首
に巻いて背負い込んだまま旅立つ!
 自分が産まれた意味を探しに旅立つ!
(僕はさーさいなー理由ーで放浪ー者になるーよ! 毎日ー神様ーの為に生ーきる
意ー味を知る為ー。何でー日ー々同じことーを繰り返ーすのかをー僕なりーに知る
為ーだよ。本当にーささいだーけど)

 午後一時七分三秒。
 場所は廃荒山河川付近。
 青年は風呂敷を降ろして、中からタレス竹で出来た皮包みを出してそこから三角形
の形で固められ、中央に物部梅干しが埋まったおにぎりを二個出した。どうやら青年
は大食いのようだ。
「やっぱーこれーだよーな! おにぎーりを見ーるとつーいついー二個食ーべたくなー
るんだよーな」
 そう言って一個まるまる口の中に放り込んだ--ただし二十の分をかけて噛み
ながら五の分をかけて食道へと流した。
「幸せだー。この味をー感じるーたびにー僕は生ーきてるーんだなーあと思えるーよ。
それじゃーあーもう一つーを食べ--」
 青年は虫が鳴る音を聞いた--発信源に振り向くとそこには齢十七にして一日目
になる人族の少年がうつ伏せのまま倒れていた。
「た、た、たー、大変ーだアアー!
 だ、だー、だ、大ー丈夫でーすかあああ!」
 青年は少年がいる北東成人体型十くらい離れた場所に駆けつけた!
「うう、『だ、だー、だ、大丈夫でーす』よ。どう? 似てた?」
「腰砕けーたことしーないでー下さい! そーの虫のー音は確実にー二日以ー上は
食べてーない証ー拠ですよー!」
 青年は食べようとしていた二個目のおにぎりを口移しで少年に食べさせた!
「うあぐ! 何だか知らないけど、生き返ってきたかな?」
 おにぎりを食べた少年は丁寧に梅干しを口から右手の平へと吐いた!
「珍しいーですねー。物部梅干しの種を吐く生命なんて」
「え? これって飲み込んでいい種? 元来梅干し系は種は食べられないんじゃな
かったっけ?」
 少年は起き上がり、胡座をかきながら青年に問いた。
「あなた様のー知識でーは梅ー干しの種は食ーべないってー事?」
「俺の知識と言うよりも代々続くボ……いや天同の知識ではそうかな?」
『天同』という言葉に一瞬だけ驚いた青年は飛び上がるように土下座をした!
「て、て、てんんーどう! でー、で、ではあーなた様は偉大なる神ー武族のー長
ですーか!」
「ま、まあそうだよ、な。お、俺の名前は今、というよりもえっと、その」
「もー、も、申しわけあーりませんでーした!
 ぼ、ぼ、僕の方かーら名を名ー乗ってよろーしいでしょーうか、て、て、天同様!」
 青年の一風変わった行動に成人体型一とコンマ二に満たない緑髪の少年は親指
くらいの大きさを持つ両眼の眼球を青年から逸らしながらこう言う。
「いやさすがにこちらから名乗ろう!
 俺の名前は棟一むねいち。名字は天同だ。こう見えて神武族の長、人族の天同弐雄にゆう
の第一子だ!
 よろしくな、犬族の御方よ!」
 天同棟一と呼ばれた少年は右手を差し伸べた!
「こちーらこそよーろ、いえこーの場合は自己ー紹介からー行きまーす!
 僕はーアラ太。名ー字は物部ー。ここかーら南にあーる尾輿村ーから来まーした
物部犬ー族でありまーす!
 むー、棟一様ー! ど、ど、どうかよろーしくおー願いしまーす!」
 アラ太と呼ばれた青年は前右足を差し伸べて互いに差し伸べた部分で堅い握手
をした!
(アア、憧れのー天同ー家に出ー会えてー僕は幸ーせで一杯ーだ!
 お父さんー、お母さーん、そしーてフル太よ! 放浪した意ー味がありまーした
よー!)
 アラ太はこの時、彼が本物の天同棟一ではない事に気付かない。

本当は一つでまとめたかったが長すぎたので分けた(後編)

 改めて自己紹介しますdarkvernuです。それでは後編の作業に入りますぜ。
 自分は原子力発電所については将来廃止する方向でも良いと思います。条件としましては代替エネルギーが原発以上に膨大なエネルギーを秘めた物がある場合ですけど。つまり現実には原発は容認すると言う事ですよ。
 こうゆう事言えば必ず鬼の首を求める馬鹿はいますが、そもそも原発を原爆と同列な問題に扱う事自体、自分にとってはいつまでも過去に囚われた者のやる事、或いは過去を食らう者とたいして変わりません。
 といいますか原発は放射能や放射線を放つから危険とか言う馬鹿は自分が毎日放射線無しでは生きられない身体である自覚がありません! そもそも放射線を放つのは何も原発だけじゃありません。太陽だって地球だって、銀河系のあらゆる存在だって放射線を毎日しつこいくらい放ちます! それを毎日のように浴び続けてますよ! ですが被爆して病院に担ぎ込まれたのですか? そうじゃないでしょ!
 それ故に自分は今回の東日本大震災によって起こった原発事故はいままで覆われていた原子力アレルギーと向き合う絶好の機会を八百万の神々が与えてくれた良い経験だと思います。それにより自分達も放射線を放つ生物だという事を学ぶのですから。
 とまあ反対派への怒りをぶつけました。次は賛成派に対して怒りをぶつけたいと思います。
 とにかく原発無しでは生きられないとか、代替エネルギーはないとかいうのはいい加減やめるべきだ! そもそも日本という国は原発無しでも生きられるように出来ています。原発がないのなら地熱発電や潮力発電を利用すればいいではないか! それを認めないなら新たに原子力以上のエネルギーを求めればいいじゃないか! 自分はそう思います。原発の代替エネルギーは現在も開発中です。それに眼をむけるのも賛成派の役目じゃないでしょうか? なのにまるで原発しかエネルギーがないようにそんな原発にすがる。挙句の果てには反対派を全て極左だとか売国奴だとか罵る! 生憎だが自分から言わせるとレッテル貼りの時点で全て極左や売国奴、それにレイシストと同列です。何故ならその言葉を吐く時点で祖国を貶める行為そのものであり、そんな自分に気付かない。自らを悪と認識しない最悪としか言いようがありません。
 そんな奴等が勝手に保守を名乗るのだからタチが悪い。さっさと保守という看板を捨てて俗世に還ればいいと自分は思います。
 話が脱線しました。とにかく自分は原子力発電については現状維持で十分だと思います。新しいエネルギーが出来ればそれが原子力以上ならそれに飛びつくだけです。自分は架空のエネルギーであるゲッター線や光子力エネルギー、それに熱核融合炉やGNドライヴだって求めます。
 何故なら夢が現実になれてフィクションとノンフィクションとの境界を破壊する絶好の……これ以上はもう語りません。
 ちなみに今回のショートストーリーで意見した方々は自分の好き嫌いが如実に表われていると思います。なので嫌いな著名人の皆様はまあご愁傷様と言う事で。
 では答えを言いますよ。意見した中で一番狂ってるのはDさんです。つーか放射能でアルテマを放てる人間を出してもいいなんて考える時点で頭がおかしいとしか言いようがないな。以上でショートストーリーの解説を終えます。

 では第十七話の解説に入りまっせ!
 今回は猫が主人公で相棒が鼠というトム&ジェリーのパクリをしてて、更には百足人間のパクリさえやらかして挙句の果てには最終兵器を投入した自分が情けない。パクリはどうしても通らなければいけない道ではありますが、最終兵器だけはやってはいけなかった。
 読者の皆様方には申し訳ない事をしました。これからはそんな稚拙すぎる事をやらないように以後注意します。
 話を戻します。今回のお話は主人公である猫が過去のトラウマと平行しながら少年である鼠との信頼を深める事でそれを克服する物語と成っております。猫は時折つまらない話で鼠に呆れさせながらも互いの信頼を深める内容は当初の予定ではありません。当初は「放浪猫の所に鼠がやってきて」の後に続く物語の結末はハッピーエンドで終わらせる事以外在りませんでしたが、書き始めるとまさかこんな内容になるとは夢にも思いませんでした。
 つくづく物語というのは書き始めると自然と生き生きとさせる物だと実感します。まあさすがにハッピーエンドにする為に最終兵器を投入するという事をしなければもう少し面白くできたんじゃねえかと今では思えてしまうよな。まあ自分の小説を読んで面白いと思えるならコメント欄に少しは書き込みがあっても良いけど無いということは所詮その程度だって事だろうね(苦)。
 まあ泣き言はそこまでにして、今回は銀河連合の生殖について判明した事が一つあります。それが自らの肺に卵を集めて、乱交する事で新たな銀河連合を誕生させる事。正直言って息苦しいやり方だ! 何でそんな生殖方法を思いついたんだろうか? それは気にしない方向にして、とにかくこの生殖方法は体長が五メートル以上の銀河連合に限られます。それ以下だと呼吸困難になります。なので銀河連合は大きければ大きいほど子宮を必要としなくなります。もはやゴキブリを超えたな、こいつらは(恐)!
 と言うわけで今回の解説はこの辺で終わります。

 目次をクリックすればそこで過去話をいつでも見れます。その中で「~の章」について少しだけ解説をします。各章はそれぞれの話の方向を示してます。
 例えば第一話から第九話は戦いまでの章。主に戦いはいいのか、それとも対話するのか、と言った現代日本ではよくテーマにされる事が各話の内容に繋がります。
 そして第十七話まで話を終えましたが、今自分が書いてる所は迷走の章。言っちゃえば自分自身も話の内容も迷走する為にあります。なので「迷走してるぞ」って言う批判は批判になりません。何故ならそうゆう章ですから。
 以上で章について解説を終えます。
 それじゃあ今後の予定を載せますね。

 五月
 二十七日~六月一日  第十八話 鬼ヶ島を行く           作成日間
 六月
 三日~八日        第十九話 遅かれ早かれ          作成日間
 十日~十五日       第二十話 二つの星 接触篇       作成日間
 十七日~二十二日    第二十一話 二つの星 進撃篇      作成日間

 ちなみに迷走の章は第十九話を以て終了します。二十話から覚醒の章になりますので宜しく!
 今日はこの辺で。次は一つにまとめられるように頑張るぜ!

本当は一つでまとめたかったが長すぎたので分けた(前編)

 どうもデウス・エクス・マキナを使った事で自らの引き出しの少なさを改めて思い知らされたdarkvernuです。
 そんな自分はこりもせずに賛否両論で有名なあの議論についてのショートストーリーを書きました。登場人物は実在の者達を元にしてますがこのブログは実名を出来る限り控えてます。そこはチキン野郎である自分だからだと理解して下さい!
 それではどうぞ!

 原子力エネルギー問題……それは賛成派も反対派も共に叩かれるという問題。
そこには一体どんな狂気があるのか?
 早速だが各部門で有名な賛成派お呼び反対派の意見を聞いてみた。

 戦争論で有名なAKBヨシノリさんの意見。
「原発なんてもんを作って日本列島が放射能塗れになったらどうするか!
 これからは太陽光発電の時代じゃ! わしはAKBと共に東電と原発擁護派の奴ら
と戦う!
 ついでにパチンコだからってKラクは日本企業だから批判は的外れだ!」
 続いては温暖化懐疑論で有名なパチンコ愛好家クニヒコさんの意見。
「放射能塗れになった地域は半減期を迎えても隔離しないと駄目なんですよ!
 あそこで採れた野菜や果物が各市場に流れて皆が放射能でやられたらどうする
のですか!
 ついでにパチンコはやるべきなんですよ! 出ないと私がテレビに出られません
から!」
 続いて俳優で先の衆議院選挙に立候補した原田左乃助さんの意見。
「原発なんてやめちまえ! 日本全国を広島や長崎の被爆者のようにしたいのか!
 俺も被害者だぞ! 頭の禿た部分はきっと放射能のせいだ!」
 続いて滋賀県知事かだふぃさんの意見。
「国民は何もわかっていない! 原発は原爆と同じだと何故気付かないの?
 さっさと廃止すればいいのに! その為に私はヨシフ・オザーリンさんと手を
組んで党を結成したのに!
 なのに議席が八つも満たないなんて……!
 いじめ? 何それ? 美味しいの?」
 続いて在日割引で有名なバンクオブSの孫光龍さんの意見。
「北海道電力め! 折角俺の端金で計画したメガソーラーを却下するなんて!
 もういいよ! ますます禿げてでも会社を大きくしちゃる!」
 続いて元総理大臣お遍路さんはエキストラと一緒に意見します。
「原発を反対します! 何故ならあの事故で一番悪い事をしたのは--」
「「お前だああ!」」
 続いて三島由紀夫の弟分で有名なニーチェ愛好家ニシオさんの意見。
「原発は続けてゆくべき--という観念に囚われるな! あれを持つ事がまるで
正しいというような風潮は避けるべき何ですよ! でないと日本が日本でなくなる!
 それから最近の若者は本を読め! でないと私が生活できねえだろ!」
 続いて旧華族で有名な戦う皇族さんの意見。
「原子力……正直言って日本の土地柄に相応しくありません。私達の祖先は自然
溢れる日本の為に命を注いで参りました。それなのに自然から乖離したエネルギー
に頼って生きてゆくのは日本の為にも、私達祖先にも申しわけがつきますか?
 だからといって『領土を手放してもいい!』なんて言うあいつら左翼と一緒にしない
で下さい!」
 続いて反対派が多数を占める有能集団2ちゃんねるの反対派共の意見。
「T電死ね!」
「それ以前に原発無しでも出来る発電システムを公表しろ!」
「つーかいつになったら除染すんだよ!」
「別に太陽光とか風力に賛成とか言ってね-し」
「反対派は左翼とか誰が決めた?」
「これ以上被爆者増やすな!」
「あのなあ、原発と核融合炉を同列に並べるな、馬鹿!」
「反対する奴は核と言う言葉一つで反対すんだな」
「原発と言っても何でもかんでもトリウムでやるもんだけじゃねえだろ!」
「汚染したと言っても広島や長崎に比べたら低いだろ!」
 他にもあるが膨大なので省く。
 続いてはダイアナ暗殺の真実をいち早く四コマにしたメット秀樹さんの意見。
「ざけんじゃねえぞデマゴギスト共! あれで被爆なら俺達は毎日被爆してっだろう
が! 朝ご飯に被爆! 昼飯で被爆! 挙句には晩ご飯で被爆!
 実際はどうだ! すんげえ健康じゃねえか!」
 続いては元航空幕僚長タモリさんの意見。
「放射能のせいにするな! 放射能は時として健康にいいものだぞ。それに放射能
のせいなら今頃宇宙飛行士を目指す人は存在しないぞ。
 それもこれも全てコミンテルンと繋がった反原発論者が悪い!」
 続いては元経産省の官僚ナカノTKCさんの意見。
「はぁ?
 脱原発? 馬鹿も休み休み言え! 脱原発で舵を切ったらどうなるか分かって
言ってるの? バカジャネーノ? 資源戦争を招くという事を知らんのか?
 世界が脱原発に舵を切ったのなら我々日本は原発で勝負するのが基本戦略
だろ!
 それからTPP交渉は意地でも止めてみせるぞ! 手遅れになっても俺は知らん
ぞ!」
 続いて新世紀ビッグブラザー神社の祭り神三つ子の赤字さんの意見。
「原発を止めろだと! どうやって止めるというのかね?
 確かに危険ですよ! 危険だから止めると、今度はどこに処分する?
 全くあいつらの二重基準には困りものだよ!
 ついでに日本経済は死なない! 何度でも甦る!」
 続いては独立総合研究所のボスからの意見。
「最終的には原発を廃止する方向で構いません。ですが、現状はどうですか?
 原発を止めたら我々はどうやって生活しますか! 電気はどうやって代替します
か! 石炭? 太陽光? 風力? そんな物は役に立たない事は明らかでしょ!
 私はメタンハイドレードを代替エネルギーにする事には賛成ですが、それを実現
するにしても採れる場所はどうゆう状況か分かりますか! C国、K国、それにR国
が我々日本に脅しをかけてるじゃないですか! それに現時点では実用化は遠い
のですよ!
 フェアな見方で考えなさい!
 それから私は陰謀論が大嫌いなので陰謀で片付けるのはやめなさい!」
 続いてちゃんねるチェリーのフィクサーからの意見。
「反原発を推進する奴らはC国とK国のスパイだ! 代替エネルギーなんて考えるの
ではない! それこそ某国への道だと理解するのだ!
 放射能は良いぞ! 浴びれば浴びるほど私を漲らせてくれる!
 ついでにT教会とは無縁だ! わかったな!」
 続いては電波利権を批判したネット界のアイドル信夫ちゃんの意見。
「今回の原発事故で安全神話と共に危険神話も崩壊したな。そもそも原発を作って
いかなければ夏はどうやって乗り切る? 知りたいね。
 後は財政破綻するから国債発行はやめなさい!」
 続いては生粋のバーク論者はちようさんの意見。
「原発反対派を見ればわかる事だが、あいつらの系統には中江兆民、それと
植木枝盛ら極左連中の影が映るぞ! これで奴等三流ないし六流連中の正体が
見えたな!
 あとはAこそ理想の国だ! 従わない奴等は全て左翼!」
 続いてはジャパンアズナンバーワンことロビンソン・クルーソーヒシタさんの意見。
「原発は推進するべきなんですよ。しかも今度は政府ではなく我々民間で運営
すれば安全性は守られますよ。だいたい政府なんて無くなれば俺はもっと稼げるの
に!」
 続いてはT電力の一部意見。
「いちいち俺達を叩くな!」
「俺達が電気を与えなきゃお前らはどうやって夏を凌ぐ!」
「俺達の給料が掛かってるのだぞ!」
「電気を上げたのはそもそもお前らが原発を叩くのが悪い!」
「電気料金自由化でうまくいくか馬鹿野郎!」
「T電潰れて生活苦しくなったらお前らに責任転嫁してやっからな!」
 続いては原子力進化論のただものさんの意見。
「原子力で放射線基準値をどんどん高めれば人はいつか地球だって克服できる
ぞ!」
 続いては世紀末到来反対派のおかもとさんの意見。
「原子力反対! もしも核で争って、世界中がモヒカンだらけになったらどうする
か!」
 最後に枚方市在住のDさんの意見。
「ぶっちゃけた話としましては原発についてはどうでもいいよ。まあもしも反対派が
言うように被爆者だらけになったらそれは地球が放射能を欲しがってるという証拠
だろ?
 それに全世界が放射能だらけになってみるのも結構面白いかも知れないな。中
には究極魔法アルテマを使う人間が出たりしてな!
 そんな未来は自分の目で見る事は叶わないと思うが」

 以上で原発における有名人達の意見を拾い集めた。一部架空の奴等が二名
混じっていたが気にしないでおこう!


 先に謝っておきます。意見をした中にはこんな事言ってないぞなんて言う台詞もあります。
 その時は真に申しわけありません! 以後はより発言を似せるように心がけます!
 この中で一番狂気な発言をした人物がいます。その答えは後編へ続く!

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(八)

 ニャ朗とチュウ兵衛は周りに注意しながら奥の方へと進んでゆく!
(鯨型に飲み込まれた時もそうだにゃ! 我様は猫族の中で大柄な体型。なにょに
中は成人体型百以上ないと胃や腸も大きさが比例しない!
 一体どうにゃってる!)
 その疑問を持つのはニャ朗だけではなかった!
「ニャ朗さん! 百足人型の大きさはどれくらいでちょうか?」
「ん? そうだにゃ。だいたい成人体型四は超えてるかにゃ?」
「胴体の長さだけでそれくらいしかないのにどうちて?」
「多分これは我様の推測にゃが、銀河連合が大きくなったのではにゃい!
 むしろ我様達が小さくなったと考えるべきかにゃ?」
「僕達が小さく! 信じがたいでちゅ。でも経験者であるニャ朗さんが言うとむしろ
説得力が増す気がしまちゅ!」
「嬉しくない経験にゃが……ってうわ!」
 二名は第五部分の口内で舌にすくい上げられた--あちこちをぶつけたが幸い
にして歯の部分は免れた!
「いでで! ま、また舌に触れないようにちないと!」
「は、走るにゃチュウ兵衛殿!」
 はい--というかけ声と共にチュウ兵衛は食道へと飛び込んだ!
(思い出さにゃいと! 我様は身体の構造は異なるが、鯨型の中で百足人族らしき
モノを見つけた!
 そう、あれは--)
 ニャ朗はチュウ兵衛の後に続くように食道へと飛び込む--過去の自分に別れを
告げる為に!

 場所は第五部分下気道。
 運に恵まれないのか、二名は呼吸器へと続く道を降りてしまった!
「ゆ、ゆれ、かぜがが!」
「し、かりする、にゃ!
 ってうわあああ!」
 二名は繊毛に捕まる事でかろうじて飛ばされずに済んだ!
(!
 ココに記憶があるにゃ! もしかしたらこの先に何かがあるかにょ!)
 風が止むとすかさずニャ朗は気管の奥へと降りてゆく!
「え! どうしてそこに?
 ま、待って下ちゃい!」
 ニャ朗の行動の可解のなさに戸惑いながらも十兵衛は奥へと進んでゆく!

 場所は第五部分右肺。
「こ、これは!」
「な、何なんでちゅか! 銀河連合はどこまで穢れ多き存在なのでちゅか!」
 二名が見たモノ--それは空気穴の部分に無数の銀河連合がそれぞれの穴に
いる銀河連合と交尾をしては互いの食い合い、交尾をしては互いに混じり合い、
交尾をしては互いに等分されるという、いとも容易く行われる言葉にならない生殖
行為だった!
(そこで我様は十以上あにゅ人型が互いに乱れ交尾したかと思うと口と尻が
くっつき合って別の生命体に変化したかと思うと更に今度は別の人型の口が先ほど
交尾した人型の尻とくっつき合って……という一連の生殖行為の繰り返しで現在の
百足人型が誕生したにゃ! うう--)
 ニャ朗だけでなく、チュウ兵衛もあまりの耐え難い光景に内容物を吐いた!
「き、気持ちよくないでチュ! い、急いで出まちょう!」
「アア、もうこんにゃ光景は三度目なんて御免だにゃ!」
 二名は外へと吐き出される空気に吹き飛ばされるように右肺から脱出--勢いを
利用して今度は気管からも脱出した!

 場所は第十三部分大腸。もうすぐ直腸へと辿り着く頃。
 二名の疲労は限界に達していた--どれくらい経ったのかは定かではない。
 ニャ朗は鯨型から脱出するまでの話を終えたばかりだ。もう話す事はなくなって
いた!
「も、もう限界でちゅ。一体どれだけの肛門を出れば外へ出られるのでちゅか?」
「わからにゃい。我様ももう考える気力が浮かばにゃい」
 それでも歩を止めない--出口があると信じて!
「この肛門を出れば--」
 そう思った瞬間--突然辺り全体が激しく揺れた!
「な、なん、なあああ、な!」
「ど、どうにゃる、る、うわああ!」
 二名は激しい揺れに身動き一つとれずに第五部分の口内で受けた事を再び
味わう!
「いだ! デチュウ! はうわ! うご! ヒイイ!」
(周りに裂け目が! ま、まさか外で何かがあったにゃ!
 何か……ってウワあああ!)
 二名の視界は裂け目から出た光で溢れてゆく!
 まるで希望の光が二名を祝福するかのように……

 午前五時四十五分一秒。
 場所は廃タレス山成人体型五十付近展望。
 朝日が二名を照らす--内一名は眼をゆっくりと開けた。
(誰だにゃ?)
 人族の青年である事はわかるが、それがどんな者なのかは定かではない。
「僕は往かねばならない。それが僕の宿命。
 僕の名前は……いずれ銀河連合……を倒す者。
 彼等の命を死なせる行為を僕の世代で終わらせないと!」
(誰? あれ? いにゃい)
 それは夢幻のような出来事であった……

 それから十四の分くらい後。
 二名はいままでの消耗が本当でないように元気よく立ち上がった!
「僕達は生きてるんだね! こんなに嬉しい事はないでチュ!」
 チュウ兵衛は何度も飛び跳ねながら喜びを身体に示した!
(生きてる! そうだ!
 我様は過去の我様に別れを告げにゅ事が出来たんにゃ!
 都合が良いとかと誰かが言うだにょう!
 当たり前だにゃ! 都合が良くて何が良くないにゃ!
 我様はペルニュアの誓いを守ったにゃ! それで良いじゃにゃいか!)
 それが自分勝手でも--ニャ朗は思わず口に出した!
 それほどまでに生き残る事の出来た自分を嬉しく思う!
「と、ところでニャ朗さんはこれからどこへ放浪しまちゅの?」
 チュウ兵衛の問いにニャ朗はいつも通り顔髭を長く伸ばしたまま笑顔で答えた!
「これから鬼ヶ島へ向かうにゃ!」
「鬼ヶ島! そこは鬼族しか入れない地じゃないでちゅか!」
「観光しに行くだけにゃ! 我様が永住する場所は三名を死なせた時点でもう
にゃい。そう思ってたがにゃ」
「ど、どうゆう意味でちゅか?」
 ニャ朗は十兵衛の顔を大きく開けた両眼でじっくり見ながらこう言う!
「放浪できにゅこの星こそが我様の永住の地だにゃ!」
 その答えはチュウ兵衛との不動の信頼を与えるに十分だった!
「水の惑星こそニャ朗さんの永住の地。
 ならば僕の永住の地はニャ朗さんと共に放浪する事にあるかも知れまチェん!
 ど、どうか僕をお供にして下ちゃい! お願いしまちゅ!」
 チュウ兵衛のお願いに対してニャ朗がどのような答えを出したのかは遠すぎる
過去は教えてくれない……
 ただ教える事と言えば--
(『……永住の地を守り保つ精神から教わったにゃ』かにゃ?
 ようやくペルニュアが言いたい事がわかった気がすにゅ!
 恐怖も怒りも悲しみもそれを乗り越えにゅ為には何かを守り保つ以外に方法は
にゃいかも知れない!
 伝統という逃れられない命運びがある限る我様はこれからも永住の地を守り
保とう!
 それが我様の迷い道にゃ!)
 迷走の世はこれからも続く……


 ICイマジナリーセンチュリー五十七年八月七日午前六時三十分零秒。

 第十七話 猫と鼠 完

 第十八話 鬼ヶ島を行く に続く……

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(七)

 成人体型四のコンマ七ある銀河連合百足人型を見て、二名はそれぞれの反応を
示す!
 田中チュウ兵衛は上前歯を口の中に入れて歯ぎしりをする--恐怖心を緩和
しようと必死であった!
 一方の大山ニャ朗は--
(我様はペルニュアの死をこの眼で見て以降、恐怖心の先にあにゅ怒りを以て二体
と対峙したにゃ! 結果は蜘蛛蟻型が放った糸に絡まにぇて身動きがとれにゃく
なった! 今度こそ死ぬと当時は思ったにゃ! そのと--)
 ニャ朗が考える暇も与えずに百足人型はニャ朗めがけて胴体を伸ばす!
「ウワ! か、体中の痛みがあったら食われていたにゃ!」
「と、とにかくあんなモノ相手に僕らでは勝てまちぇん!」
「そ、そうにゃ! 今は逃げに徹するにょみ!」
 二名は山を下るように逃げてゆく--それを見た百足人型は地面に潜って先回り
を仕掛けてゆく!

 ニャ朗は山を下りながらチュウ兵衛に糸で絡まれた所まで話した!
「ハアアハア! そ、それでどうなりまちたか!」
「この小石は気を付けないとにゃ!
 その後何故か銀河連合は甲を食べずに湖とにゃったラエルティオを渡る為に小舟
を用意したにゃ!」
「うわ! 葉っぱに乗っかり滑りそうになったでチュ!
 相変わらず僕達の技術を吸収するなんてよっぽど頭が良いのでちゅね!
 でもそんな小舟の使い道は良くないことに使ってまちゅよ、絶対!」
「アイタ! 根っこに引っかけて顎をぶつけてしまったにゃ! しかもその勢いで
滑って擦り傷が出来たにゃ!
 そんな事はどうでにょいい! 甲を乗せた小舟は湖の中央まで移動させたにゃ。
『何をするか!』と甲は心臓をばくばくしたにゃ! すると--」
 話の続きを防ぐように二名の前に百足人型が顔を出した!
「な、何でこんなに早く回り込めるのでちゅか!」
「剥き出した内臓を見た所、銀河連合は土をく--」
 説明する暇も与えずに百足人型は二名を丸呑みした!

 未明。
 場所は百足人型第三部分胃。
「ここ、は? 我様達はどうにゃった?」
「気、がつきまちたか?
 百足人型の体内に僕達はいまチュ!」
 ニャ朗は立ち上がると辺りを眺めた!
(そうにゃ! 我様は突如湖から現われた鯨型に小舟ごと丸呑みされて胃の中
にぃ。
 胃? そうか、ここは)
「ど、どうちまちた?」
「チュウ兵衛殿! この場所がわかったにゃ!
 ここは銀河連合の胃の中にゃ!」
「胃! ここが!」
「そ、そうだ! この中は何でも溶かす液体があにゅから気を付けて進むにょだ!」
 ニャ朗が言ってる側から液体が二名の頭上に降ってきた--二名は何とか躱す
ものの、それは先ほどまで飲み込んだ土を一瞬で橙色の異なる液体に変えた!
「こ、これって溶けてるの?」
「そうだにゃ! だから先ほど言ったように気を付けて進もうにゃ! 恐らく一番奥の
腸まで進めば百足人型の肛門に到達するはずにゃ!」
 そう言ってニャ朗は十兵衛と共に光ある場所を目指して奥へと進んでゆく!

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(六)

「チュウ兵衛殿、大丈夫かにゃ!」
 ニャ朗はチュウ兵衛の肩を前右足で軽く三回叩く。するとチュウ兵衛の両眼は
開き始めた。
「ん、あ、え、と?」
 チュウ兵衛は目の前にいるニャ朗には気付くかどうゆう状況下は頭の整理がつか
ない。
「我様だよ! 大山ニャ朗と申すにゃ!」
「わ、わかってまちゅよ。えっと?
 今の状況が……」
 チュウ兵衛は勢いよく立ち上がると両手を大きく広げて深呼吸をした。ようやく
今の状況を理解した!
「死んだのでちゅね。銀河連合の雀なのか虎なのかよくわからない方は」
「ああ! これで我様は初めて誰かを守る事が出来たにゃ!
 ありがとうチュウ兵衛殿!」
 激痛で動かす事もままならないニャ朗は精一杯頭を下げた!
「そ、そんなに感謝しなくても! そ、それに僕のお陰で銀河連合が倒ちぇたわけ
では--」
「イダダ。わかってるよ! だからこそ、イダダ! こうして体を動かしたじゃない
かにゃ!」
 ニャ朗はあまりの激痛により、うつ伏せに倒れこんだ。
「む、無理なさらないで下ちゃい! 僕よりもニャ朗さんのほうが痛みは大きいの
でちゅから!」
「イダダ。と、ところでなぜ銀河連合は我様を狙った?
 チュウ兵衛殿と二つだけの場面でもあれはチュウ兵衛殿よりも我様のほうに
向かっていったかにゃどうしてにゃ?」
 その疑問はニャ朗だけが感じるモノではない--チュウ兵衛もまた同様である。
「銀河連合が猫族の方が美味ちいとか、猫族の方が狙いやすいという理由とは
思えまちぇん! 銀河連合は生きるために食べるのではなく、無意味に食べること
がしょっちゅうって噂は聞きまちゅ!
 ニャ朗さんは何か心当たりありまちゅか?」
 その質問にニャ朗は答えられない。
「無いにゃ! そもそもどうして我様が銀河連合に個別の意味で命を狙われにゅ?
 た、確かに放浪者ににゃったのは過去から逃げるためだけどにゃ!」
 その言葉に感ずいたチュウ兵衛は--
「放浪者になりまちた理由?
 そ、それよりもここでニャ朗さんの二十七発目のつまらない話を聞きたいでちゅ!」
 ニャ朗はいきなり話を変えて来るチュウ兵衛にどのような反応をすればいいのか
わからくなる。
(何故ここでつまらにゃい話を? そ、そもそも話はたくさんあるけど今はそれどころ
じゃないにゃ!)
「べ、別に無理して思い出さなくてもいいでちゅ! 何か思い出したくないことでも
いいからそれを楽しいお話にしてくだちゃい! お、お願いしまちゅ!」
(思い出したくにゃい事?
 そ、そうか! チュウ兵衛殿は銀河連合が我様を狙う理由は我様にとって辛い
過去があると考えるにゃ!
 ま、まあどこまで脚で色付けできにゅかわからにゃいけど、やってみにゅか!)
 ニャ朗は痛みがだいぶ緩和されたのか、ゆっくりと立ち上がった。
「いいだにゃ! これから二十七発目のつまらない話をしようじゃないかにゃ!
 ただし、我様は語り部であにゅキュプロ栗鼠族のリザヴェルタ・メデリエーコフの
ように色付けは十分じゃない事を注意してもらうにゃ!」
「よ、よろちくお願いしまちゅ!」
 ニャ朗は両眼に力を入れて静かに話し始めた!

 午後零時一分二秒。
 ニャ朗はチュウ兵衛に二十の年より前、四名があらゆる理由を抱えて
ラエルティオ町のあった地へと向かい、小舟で近くの砂浜に乗り上げた後、二の時
をかけてようやく辿り着いた所まで話した!
「ね、念願のラエルティオに辿り着きまちたね!」
「少年甲ら四名が見たラエルティオは噂通り水没してしまってるにゃ!
 当然にゃ! 何せ当時の年よりも十六も前にゃ。完全に湖と化してるにゃ!」
「そ、それでそこに辿り着いた少年甲、乙、丙と少女丁は何をしたのでちゅか!」
 ニャ朗は数の秒ほど溜める。そしてようやく口を出した!
「辿り着いて間もなく、指導者的存在であにゅ丙は……骨となった!
「はい?」
「三名はきゅ、いや丙の死を受け止める事が叶わにゃい!
 ちょうど十兵衛殿の頭が働かにゃいのと同じように。と言うよりもそもそもどうして
辿り着いて直ぐ食われたにょか! 三名はわからにゃいのだ!」
 ニャ朗の顔はみるみる歪んでゆく--これ以上話せば話すほど自らの絶たれた
望みに支配される様相に耐えられないかのように!
「それから三名はすぐさまその場から離れようとしたにゃ! 銀河連合が直ぐ近く
までいにゅと感じて!
 だが恐怖心が身体の自由を縛り付けてゆく--頭で動けと送っても心の臟がそれ
を受け入れにゃいように!
 それならばと少年乙は口で叫んでても自らの身体を動かそうとしたにゃ! 普段
は我が儘な乙もここぞとばかりに頼もしくなったにゃ! それは功を奏して三名は
動けるまでに回復した!」
「い、急いで逃げないといけないでちゅね!」
「そうにゃ。その前に少年甲と少女丁は少年乙に礼を申し上げにょうとしたが……。
 遅すぎたにゃ! 目の前にいるにょは乙ではなく銀河連合の蜘蛛? いや蟻型
なにょか?」
「はっきりわからないでちゅの?」
「と、とにかくさっき我様達が戦った銀河連合の雀と虎の混血種とはまた別の種類
であにゅ事は確かにゃ! あ、あれは乙を食べていたにゃ! 骨ごと見るに堪え
ないくらいにぃ!
 さすがに我、いや二名は折角恐怖心を緩和してまで動けた身体をまた恐怖心で
縛り付けてしまったにゃ! 更には背後に鶏か熊かわからにゃい種類の銀河連合
がどれを食らおうか指を咥えてたにゃ!」
「あわわ! ど、どうやって逃げ切ったのでちゅか! こ、こんな状況じゃ逃げ切れ
ないでちゅよ!」
「それかにゃ! それは少女丁が最後の力を振り絞ったかわからにゃいけど、
わ……いや少年甲にこんな言葉を遺したにゃ!
『恐怖も怒りも私にぃは無理。でもあなたにゃらその先にあにゅ本能に辿り着ける
はずにゃ! それは悲しみといにゅ耐え難いモノと向き合う事にょ!
 私は、私は父からその方法を--』と続く言葉が何にゃのかはっきりせずにペ、
少女丁は鶏熊型に食べられたにゃ! それが二十七発目のつまらない話にゃ!」
 チュウ兵衛は納得いかない様子だった--上前歯を揺らすように!
「納得いかにゃくて当然にゃ! この話の落ちは未だに決めてにゃい!
 何しろ死んだペルニュアが何を言いたかったにょかが、わからないと落ちを付ける
余裕がにゃい!」
「だからって落ちを付けないと良くないでちゅ! お話は楽しむためにあるので
ちゅ! なの--」
 森中に轟音が響き渡る--巨大な何かが地中深くを潜り進む!
「あ、あちこちの木と、た、竹ががが!
 ど、どうなってるにゃ?」
「ま、まさか!
 こ、今度は僕ごとニャ朗さんの口を閉じようとチャせてるの!」
「く、来にゅ!」
 痛みがほとんど消えたニャ朗とさっきまで気絶していたのが本当じゃないような
チュウ兵衛は飛び跳ねながらもそのまま大地に立った!
 そして何かが二名の眼前より成人体型約十離れた地面を突き出すように
現われた!
「あ、あ、あれは何なのでちゅ…・・・ってニャ朗さん?」
 ニャ朗の顔面は水色に染まっていた!
(あ、あ、あれは二十の年より前に見たにゃ! た、正しくは我様が狙われる理由!
 蜘蛛蟻型や鶏熊型ではない何か! そ、そうにゃ!
 あれは百足人型! それも何重もの人型が連なった銀河連合にょ中では最も
おぞましい姿! むしろあれがいにゅ事自体が耐え難い!)

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(五)

「チュウ兵衛殿! 今、イデデ!」
 ニャ朗は立ち上がろうとするも思い出したかのように体中に走る痛みでうまく
いかない!
「だ、だいじょう、うわ!」
 チュウ兵衛は喋ってしまった為、頭を真下に落下--幸い筍のお陰で致命傷に
至らなかった!
「イデデ! あ、ありがとうございまちゅ! 筍のお陰で……ってお礼を言ってる間に
ニャ朗さんが!」
 十兵衛は立ち上がるとニャ朗めがけて走ってゆく!
 一方、ニャ朗はやっとの事で立ち上がるも満足に動ける状態には程遠い。
「イダダ! 銀河連合が我様に向かって--」
 そう言う暇も与えずに銀河連合の放った血飛沫で両眼を塞ぎ込まれた!
「ワアアア! 眼ガアア! 眼がにゃアア!」
 ニャ朗が悲鳴を上げる間に銀河連合は口を大きく開けて食らおうとした!
「間に、あえええ!」
 十兵衛は髪の毛の寸前で銀河連合に飛び込む--左襟首を強く噛み、次第に
血が流れ出す。
「ウググガガガウガググ……」
 精一杯の力で襟首にある頸動脈を噛み千切ろうとする!
 銀河連合は阻止しようと、翼を閉じて大地を強く踏むと勢いよくニャ朗の周りを
走る!
(う、動け! 我様の身体を動かしにぇくれ!
 このままじゃチュウ兵衛殿が! チュウ兵衛殿ガアア!
 こ、こんにゃに身体の自由が利かないにゃんて!)
 激痛が癒えないのか、ニャ朗の肉体は震えが止まらない!
 一方のチュウ兵衛はとうとう--
「あぐあががあが、アア……」
 咀嚼筋そしゃくきんが弛み、後方へ振り飛ばされた!
「アアチュウウ!」
 チュウ兵衛は真ん中より三番目に小さな木の根っこに激突して意識を奥へと
沈める!
「チュウ兵衛殿!」
 とうとう銀河連合は念願のニャ朗を食らおうとしたその時、左首筋から大量の血液
が飛び出す--正に絶命の印だ!
「ま、まさか我様が噛みついた所とチュウ兵衛殿が噛みついた所と併せにゃら、身体
に流れる血のおよそ三分の一が出たにょか?」
 どれくらいの量の血が出れば銀河連合が死ぬのかは放浪歴二十もあるニャ朗で
さえわからない。ただわかる事は--
(我様は守ったにょだな。守るべき若い命を!
 いやこれは我様とこの少年の勇気あにゅ行動が命を守れた!
 これならベルニュア、ハヤ人、それに九眉だって浮かばれるにゃ)
 ニャ朗はふらつきながらも気絶したチュウ兵衛の方へと歩いて行く。

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(四)

(イダッ! 体中痛いにゃ! この、アイダ! 勢いを、はぎダア!
 枝と石ころが、グギウ! イダイ!)
 あちこちをぶつけながらニャ朗は転がってゆく! 体格が大きいのが幸いした
のか、辛うじで骨一つ折らずに済む。
 そして--
「あれにぶつかっにゃら意識ガアア!」
 タレス山の真ん中より五番目に大きな木にニャ朗は背中をぶつけた--奇跡的
にも重荷を逃がすようにぶつかった事もあり、その木の右隣に寄り添うように
倒れた!
(痛みが消えにゃい! このままじゃ本当に死ぬかもしれにゃい。
 それもいいかにゃ。このまま銀河連合……いや仲間の死から逃れる為に放浪
すにゅ人生に幕を閉じられるにゃ)
 彼は体中の痛みに苦しみながらも両眼から後悔の涙を流す。
(我様はラエルティオで仲間を見捨てたにゃ! 恐怖心から仲間を!
 あれはもう二十の年より前ににゃる。ちょうど我様が大山チュウ兵衛殿と同い年に
なるかにゃ?
 同い年の幼馴染三名と共にラエルティオで勇気試しをしたもにょよ!
 我様を含めた雄が三名、雌が一名。皆猫族の少年少女よ! その内の一名は
良家の令嬢だったにゃ。
 四名の目的は立派な大人ににゃる為の儀式のつもりだった!
 成者としての証! 大人へと成長すにゅ為に通過儀礼! 当時の我様達四名は
そう考えていた! 若き日の盛りでもあった! 親や伝統への反発でもあった!
 それぞれの思いを巡らしにゃがらも我様達四名は応神諸島最南端の小島より
応神木で出来た全長成人体型二とコンマ七以上あったかにゃ?)
 ニャ朗は痛みの事よりも思い出の事で一杯になる--それに比例するかのように
涙の勢いは増してゆく!
(そんなくらいあにゅ小舟でラエルティオ近くの砂浜に乗り上げにゅとすかさず
我様達はラエルティオのある南西目指して走り出したにゃ! お日様は向こう側へ
とすっかり隠れて、皆がどこに印があるかわからにゃいくらい夜だったかにゃ?
 あの時はちょうど虫さんも食べ物欲しさにぃ怒り心頭だったにゃ!
 そうして走って一の時、二の時が経っても肝心のラエルティオで町があった場所
には着かなかったにょ! 空腹で気力がいつ切れにゅか分からず、走ったせいで
体力的に厳しい状況。
 特に我様とハヤ人は諦めの雰囲気だったかにゃ? 我様は自分で思っている
ほど根気が続く方じゃないからわかにゅが、ハヤ人は我が儘な性格だかにゃ直ぐ
放り投げようと必死だにゃ! そんな我様とハヤ人をいつも九眉が叱りつけてた
かにゃ? みんなの指揮官的存在だったからにゃ。そして、いつも良家の令嬢で
あるベルニュアに慰められたにょ!
 そんな事を繰り返しながら我様達はとうとう廃ラエルティオ町を見つけにゅ事が
出来た! 時間は確かもうすぐお日様が顔を出そうと必死の頃かにゃ?
 あの時は眠気も虫さんもすっかり静かになったにゃ! 喜びの絶頂期と呼んで
いいかにゃ? 喜びの絶頂期、い、い、い)
 ニャ朗は両眼を瞑った--幸せを食らう過去の記憶を呼び覚まさないように自ら
の思考を楽な方に向けようとするもそれは叶わない!
(そ、そう! それは--)
「ま、まだ銀河連合はニャ朗さんを食おうとしまちゅか!」
 その思考を閉じる出来事が訪れるとは--思わず両の眼を限界まで開いた!
 するとそこには翼を広げて滑空する銀河連合の前左足の太腿に噛みつきながら
しがみつくチュウ兵衛の姿があった!

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(三)

 銀河連合雀虎型は両の翼を広げてニャ朗の方へと走ってゆく!
(まずいにゃ! あああわわ、銀河連合は我様を狙いに絞ってるる、る、る、にゃ!
 ど、ど、どうす--)
「ニャ朗さん! あぶあい!」
 ニャ朗はチュウ兵衛の叫び声に気付き、右前足爪による攻撃を筍が芽から出る
範囲ギリギリで躱す--無理な体勢もあってニャ朗は仰向けに転倒!
「イダ! 筍が刺さったようにゃ気が--」
「そ、そこに筍があっるなんて気付きませんでちた!」
 銀河連合は好機と見たのか、もう一度大地を蹴って仰向けになったニャ朗に
突撃!
(体勢を整える時間がにゃい!)
「させまちゅかああ!」
 チュウ兵衛はニャ朗を守る為、銀河連合に突撃--左前足に捕まるとそのまま
腱のある部分に噛みついた!
(ひ、怯んでいにゅが、このままじゃチュウ兵衛殿が食われてしにゃう!
 ラエルティオのようにゃ事はもう御免ダアア!)
 体勢を取り戻したニャ朗はチュウ兵衛を助けるべく、銀河連合に向かって飛ぶ!
「『今行くぞ』とベルニュアに誓うにゃ!」
 ニャ朗は銀河連合の右前足に捕まると膝を通って流れる血管ごと強く噛みつく!
「ち、血が噴き出ちた、ウワ!」
 喋ろうと口から離したせいでチュウ兵衛は前方に振り落とされた!
「チュウ兵衛、ガイギ!」
 チュウ兵衛とは反対方向にニャ朗は振り落とされた! そのまま坂を下るように
転がってゆく!
「ニャ朗さん!」
 チュウ兵衛は体勢を戻してすぐにニャ朗を追おうとするが、血管を噛み千切られ、
血が滝のように吹き出す前右足を引き摺りながらも食事をしようとする銀河連合が
立ち塞がる!
「あなたから逃げないとニャ朗さんは助けられないのでちゅね!」
 チュウ兵衛には銀河連合への怒りはない。けれども今は亡き両親の想いが彼を
突き動かす!
「『訪問者には神様のように大事に扱いなさい!』と言う言葉を胸に僕はあなたの
向こう側を行きまちゅ!」

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠(二)

 八月四日午前十時五分一秒。
 場所は小屋の直ぐ近く--ちょうどニャ朗が初めに入った竹製の扉が見える。
 ニャ朗はチュウ兵衛が振る舞った筍料理を完食したばかりだ。あまりの美味しさに
顔髭が少し伸びていた。
「御馳走様でしにゃ! 我様は普段早食いにゃのに、この筍料理は自然と前足を
進めるのを躊躇わせるにゃ!」
 それを聞いて上前歯を光らせた十兵衛はこう言う。
「そりゃあ筍料理を長年作り続けた田中家伝統の味付けの賜物でちゅ!
 一族は代々、『訪問者には神様のように大事に扱いなさい!』という言葉を守って
きたのでちゅ!」
「それで我様を受け入れにゃのにゃ!
 チュウ兵衛殿の両親もさぞ立派な方でしょうにゃ!」
 ニャ朗はそれを言って思わず「ア!」と叫ぶが時既に遅い--チュウ兵衛は涙目
になり、慟哭のあまり前歯が萎んでいった。
「ウウ! 竹採取の時に父上が慮らない事故がなければ!
 ウウウ! 母上が父上の死を悲ちんで身体を崩ちゃなければ!
 僕は、僕は! うううわああああ!」
 そして大声で泣き叫ぶ! それを見てニャ朗は「またやってしまった!」と思い、
その場から離れようと考えるが--
(良くにゃい! 我様がここで離れてまた奴らが現われて手遅れににゃったらどう
責任をとればいいにゃ!
 ラエルティオの時だってそうにゃ! 我様が逃げたかにゃベルニュアもハヤ人も、
九眉も死んだ! 我様のせいだ! 我様が逃げ方を心得にゃいばかりに大勢を死
に追いやにゅ!
 だけどどうすにぇば!)
 ニャ朗は考えがまとまらない以上、しばらくチュウ兵衛が泣いている様子を
眺めた!
(ここは踏み込にゅべきか、それとも!)
 あまりに何もしない為、チュウ兵衛はニャ朗に話しかける!
「何眺めてるのでちゅか! 生命がせっかく泣いてるのに慰め一つ無いのでちゅ
か!」
「い、いやそうではにゃく、つまらにゃい事で悩んでいた!
 た、ただそれだけ!」
 昨日の晩と同じくチュウ兵衛は涙目でありながらつまらない事は何か興味津々に
なった!
「な、何かつまらない事でちゅか! 聞かせてくだチャい!」
「また聞くのかにゃ! 眠りに就くまで態度が良くにゃかったのにぃ!」
「それとこれとは別でちゅ! 慰めのつもりでもいいから聞かせてくだチャい!
 チュまらない話百連発の内から二十五発目をどうぞ!」
 あまりの迫力に早くから根負けしたニャ朗はとうとう二十五発目のつまらない話を
始める!
「それは十二の年より前の事にゃ!
 セネカ町近くの森で我様は野宿をしにぇいた時、注意不足で近くにあった焚き火で
木を燃やしてしまったにゃ!」
 それを聞いたチュウ兵衛は思わず涙を流すのをやめた!
「そ、それは大変な事になったでちゅ! そ、それで火はどうなりまちたか?」
 いつも通り顔髭を伸ばしながら笑顔で答えた!
「その日の天気が大雨だった事もあにぃ、付いてからすぐに鎮火しにゃよ!
 あの時は心臓の鼓動が高まったにゃ!」
 いつも通りつまらない落ちなのか十兵衛は涙目を通り越して冷めた眼差しに
なった!
「ハア、ニャ朗さんはいつになったら面白い話が出来るのでちゅか?」
「つ、次こそ面白いにゃ! それは八の年より前の出来事にゃ!
 神武諸島行きの船に乗っていた我様はとある猫に恋をしてしもうたにゃ!」
「こ、今度は恋話でいくのでちゅか!」
 チュウ兵衛は恋話に興味を持っていた--彼には鬼ヶ島に暮らす鼠族の少女に
恋をしている故。それに気付くはずもないニャ朗は落ちを考えずに話を進める!
「どうやって彼女にぶつかればよいのか悩んだにゃ!
 直接迫にゅか? それとも知者に紹介して貰って迫にゅかを!
 悩んだ末我様は直接迫にゅ事にした!」
「そ、それで結果はどうなりまちたか!」
 いつも通りの笑顔で答えた--ただしその後は顔髭の力が抜けて落ち込む!
「実は大マンドロス町に婚約者がおり、旅行から帰ったら式を挙げる予定にゃ。」
 さすがに恋話の落ちがそんな物だと十兵衛は太陽に背を向けるように涙目に
なった!
「その落ちは良くないでちゅよ! それじゃあ結婚出来ない雄の同情話じゃない
でちゅか!」
「一応つまらない話にゃ! さっさと次の--」
 二十七発目のつまらない話をしようとした時、小屋全体が破裂した--破裂音に
驚いた二名の視線は小屋の方へ向けた!
「な、な、にゃんだてええ!」
「ぼ、僕の小屋ガアア!」
 破裂した小屋に一体の銀河連合が立っていた--竹を破壊する音を出し、ニャ朗
の方へ視線を向けるかのように!
(わ、我様を見てい、いるにゃ! こ、こ、この銀河連合は、ハ!)
「アワワワワ! ぼ、僕が一の月かけて作った竹の小屋がががが、ア、ア、ア、ぎ、
ぎ、ギー-」
 銀河連合は二名がいる方角へ大地を強く叩きつけた--朝ご飯を食べる為に!

一兆年の夜 第十七話 猫と鼠

 ICイマジナリーセンチュリー五十七年八月三日午後八時二分十七秒。

 場所は東物部大陸ピタゴラス地方廃タレス山成人体型二百付近。平均成人体型
十四もの竹に囲まれた竹製の小屋。
 そこへ齢三十五にして一の月と五日目になるラエルティオ猫族の中年がやって
きた。成人体型は猫族にしては大きく、約一もある。だが体毛の方は苦労性なのか
白以外の色が見られない。
 そんな苦労性だろう中年は前左足で三回竹の扉を叩く。
「何でちゅか?」
「我様の名前は大山ニャ朗と申にゅ! 今は亡きラエルティオ族の猫でありにゃす
にょ!
 どうか今晩だけ泊めてもらえにゃいでしょうにゃ?」
 齢十五にして十五日目になる今は亡き小タレス村出身である鼠族の少年は少々
戸惑う。何故なら小屋は狭い。人族の者が泊まるには窮屈な所に鼠族の少年と
猫族にしては大きすぎる中年を泊めたら夜を無事過ごせるかわからない。そんな
悩みから生じた戸惑いだ!
 だが少年は代々継いできたとある魂からそんな戸惑いを吹っ切る!
「いいでちゅ! 狭いでしょうがどうかお入り下さいまちぇ」
「恩に着るにょ!」
 少年の懐の大きさに感動したニャ朗は左足で扉を開けて狭い小屋の中に入る。
「も、申しわけありまチェん! とてもあなた様を入れる為に小屋でなくちぇ--」
 少年は灰色の体毛を震わしながらも小屋の狭さを釈明するが--
「いいって事にょ! そもそも我様が大きすぎるのがいけないにょ!」
「ゆ、許すのでちゅか?」
「むしろ申しわけがにゃいのは放浪者風情で勝手に他所様の小屋に泊まろうと
すにゅ我様の方にゃろ?」
「いえいえ、と、とんでもございまちぇん! 僕の方こそ--」
「そんなことはもう良いにゃろ!
 それよりもあなたの名前を聞きにゃい! 名前がわからにゅと我様としましても
恩の返しようがにゃいぞ!」
「そ、そうでちた! えっと……僕の名前はチュウ兵衛。名字は田中でちゅ。
 出身はタレス村でちたが、もう無くなってしまいまちた」
 チュウ兵衛はタレス村という言葉を出して少々両眼を下の方に向ける。
「そうにゃ。まあ訳を聞くわけにもいかにゃい。今晩はただ泊まるだけの話にゃ。
 我様は明朝にここから出にゅ。それまでの付き合い故、今は楽しい事にゃけを話し
合えば良いだけにょ」
 ニャ朗は相手の事情にできる限り踏み込まないように努める。それには彼なりの
理由がある。そして、彼もまた自分の事情に踏み入らせないように努めようと必死
だ! それに気付いたのか、チュウ兵衛は--
「あなた様の想いはわかりまちた。あなた様は確か放浪者と申しまちたよね?
 つまりあなた様は何か重いモノを背負って旅をなさってまちゅ。その重いモノはどう
であっても僕は貴方様に出来る限り踏み込まないようにしまちゅ!」
 チュウ兵衛はニャ朗をまっすぐ見つめながらそう言った!
(とはいえ結局は踏み込むだろうにゃ。我様はいつだって他者の心の隙間に入り
込んで痛い目を受けにゅ!
 あの時にゃって! あの時にゃって!
 いかんいかん! そうゆう心持ちは良くにゃい!
 死んだペルニュアの言った事を守らにゃいと!)
「どうしたのでちゅか?」
 下の方から覗き込むようにチュウ兵衛はニャ朗を心配した。
「申し訳ないにゃ! つまらない事で考え込んだりしにぇ!」
「つまらない事? それなら僕は大歓迎でチュ!
 ねえねえ、どんなつまらない事でちゅか!」
 チュウ兵衛は両眼を光らせながらニャ朗に迫った!
 あまりの迫力にニャ朗は--
「え、えっと、じ、実にゃ、その、ほら昔を思い出したんだ!」
「どんな昔でちゅか!」
「あれはちょうど十の年より前の事にゃ!
 セネカ町を訪れた我様は思わず飛遊生代いくよ様の御子装束を汚してしまっにゃ!」
「そ、そ、それは大変でチュ!
 生代様と言えば現在も存命中の壱生様の第三子にちて新セネカ人族である飛遊
家康様に嫁いだ美女!
 よ、よほどお叱りを受けたんじゃないでちゅか!」
 心配そうな質問とは裏腹にニャ朗は顔髭を長く伸ばすように笑顔で答える!
「それが不思議な事に我様の勘違いで済んだにゃ!
 実は生代様はすでに大マンドロス町に帰郷中で御子装束を着ていらした御方は
物真似一族であるボルティーニ家のエリシア様だったにょよ!
 どうだ、面白い話にゃろ!」
「はあ、確かにつまらない事でちゅね」
 落ちがあまりにも期待から離れていたのか、チュウ兵衛は両肩の力を一気に下げ
た。
「他にもつまらない事で悩んでいたにゃ! 聞くにゃ?」
「いいでちゅ! どうせ落ちが宜しくないのでチョ?」
「どうせ眠るまで時間はあるのにゃろ? 聞いているとだんだん眠くなれると思うが
やめとくにゃ?」
「うーん……決めた! 我慢出来るギリギリまで聞いてみるでチュ!」
「それでいいにょ! では我様のつまらない話百連発を聞くがにぃ!
 それは八の年より前の出来事にゃ。大プロティ町を訪れた我様は南地区三番地で
お土産を買おうと思った時の事にゃ。ちょうどマンドロン硬貨が無かったにょ!
 我様は大プロティ町名物のプロティイム茶を飲もうと冬に訪れたというにょに!」
「そ、それは大変でちゅ!
 あの甘い香りがすると噂されるお茶が飲めないと折角来た意味がありまちぇん!
 そ、それでどうなりまちたか?」
 またしても顔髭を長く伸ばすように笑顔で答えた--迫力を持たせるように!
「体毛、それに顔髭全てと交換で飲む事が出来たにゃ!
 いやはや、あの時は後先の事よりも一杯のプロティイム茶の味に感動したにゃ!」
 嬉しそうなニャ朗に対してチュウ兵衛は大きな溜息をついた!
「どこまで真実でちゅか?
 その後そこまで伸びきるまでどう顔を上げきったままでいたのでちゅか?
 まさかそのまま暮らしたとか言う話は良くないでちゅよ!」
「そのまま旅に出たにゃ! あまりに赤面するのでにぇ!」
「それじゃあ神様に申しわけがつきまちぇんよ!」
「まだ二発目を放ったばかりにゃ! 三発目もいくにゃ!」
 それから三の時より後までニャ朗はつまらない話--実は自慢話--を眠気に
負けるまで語った!
 そして二名は幸せそうな顔で眠りに就いた……。
 なおチュウ兵衛は眠るまでに二十四もの話を聞かされた!

四大文明も孔子もキリストも全てK国発祥だったんだ(笑)

 どうもリアリティに溢れない事で有名なのかわからないdarkvernuです。
 今回は某O市市長の発言にちなんだショートストーリーをどうぞ。

 俺のペンネームは車輪二世。嫌K流の作者の名前からとった物だ。
 俺は別にK国を嫌っちゃいない。むしろ哀れだと思う。2045年になっても妄言を
吐いていると、もはや合われすぎて語りたくなる性分だ。
「オイ話聞いてんのか? だーかーらー俺達K国人は優秀な民族だって話なん
だよ!」
「はいはい、優秀だね。誇りだけは」
 俺と話してるのはペンネームヨン様。もちろん在日K国人さ。妄言を吐く部分といい、人様に迷惑をかけたがる所といいこいつは間違いなくK国人。
「んだとお! さっきからいい気になりやがって!
 捏造や強姦ばっかの人種の癖して!」
「それ五回目だぞ。少しは冷やせ!」
「す、すまない。俺はすぐ調子に乗るのがウィークポイントだよ」
 それでも俺はこいつを親友だと思う。何故ならこいつはK国人の中で最もまとも
だからな。
「くそ! こんな怒りっぽい病やすぐにいい気になる性格を直さないと俺はお前に
まで見捨てられるな」
「見捨てるかよ。俺はどんなに込みクズのように扱われてもお前だけは見捨てない」
「あ、ありがとう。でも俺は、いや俺ら民族は性根が小さ過ぎるからいつそんなことを
忘れるか分からんぞ!」
「あのなあ……」
 面倒な所はあいつらの遺伝子というべきか!
「それよりも我等K国人の優秀さを示す指標があるんだ!
 それは一万二千年と続くK国の歴史が証明するようにナスカの地上絵も
イースター島にあるモアイ像も万里の長城も全ては我らK国が輸入してきた物
なんだ!
 ヒンズー教の三神も元はK国のベラフン、シルヴ、ヴシユが元だったのよ!
 それをK国の新聞でやってたぞ!」
「はあ……」
 ただし、歴史の捏造だけは勘弁してくれ! こっちが哀れに思えてくるからさ!


 2045年という未来における日本人とK国人の会話を自分なりに予想したショートストーリーです。まあ2045年もあいつらの国はあるかも知れないけど、こんな会話をするとは思えません。と言うか指摘すると直ぐ包丁を持ち出す人種と自分達日本人が仲良く会話なんて出来ません。これは自分なりの希望的観測を含めた内容にしてます。
 話を戻します。自分は前に書いた記事でも紹介しましたがK国は南北含めて吐き気のする国だと言ってます。というのもショートストーリー内にもあるように平気で嘘を吐くのです。ビッグブラザーみたいに歴史の改竄は好き放題します。その結果がもうね、話にしたくないですが、それでも話をしますよ。
 この国の歴史の改竄例を挙げるなら孔子を勝手にK国人にしたり、漢字を勝手にK字にしたり、剣道や柔道を勝手にK国発祥にしたり、歴史が九千年続くと勝手に言ってたり、挙句の果てには日本の投手で故稲尾和久をK国人にしたりと恥なんてありゃしません(怒)! そりゃ渡る世間の子役も堪忍袋の緒が切れるよ! とまあここまでにしよう。
 今回はK国特集でしたが、何故そうしたかと言いますと元大阪府知事のタレント弁護士さんが考えもせずにおかしな発言をしたので嫌がらせのつもりでやりました。自分は正直言って共感できる部分も含めてあの目立ちたがり屋はテレビに出てた時代から大嫌いです! といいますか、去年まで三年続いた日本の暗黒時代を作った元凶に間違いなくこの馬鹿野郎もいます! こいつが支持しなければ自分達日本人が三年間振り回されたり、口蹄疫で苦しんだり、sgk38が動画サイトに衝突の映像を流すという英断をしたり、東日本大震災における日本人粛清も無かったと思います。とにかく自分は某ちゃんねるチェリーと障子突き破る性癖老人もゴーマン漫画家もそして、このエセ弁護士もアカ野郎とフリードマン信者と頭がパーン学会と世界市民と九条馬鹿と紅の傭兵と信夫ちゃんとこしあんミズと知ったかぶりとコメンテイター(笑)など全てを含めて因果地平の彼方に消えて貰いたいと心から願ってます(狂)!
 済みません、狂ってしまいまして! 二度と自分の大嫌いなレッテルと共にこのような馬鹿な振る舞いを慎むように今後は注意します。
 疲れましたが、今回のショートストーリーはこの辺で。

 第十六話の解説をします。遅れて申しわけありません。
 今回のお話は主人公である栗鼠族のご令嬢が羊族の老いぼれの物語を聞き、やがては後を継いで物語を語り継ぐという流れで御座います。その為、今回は銀河連合は登場しません。迷走期にはピッタリのお話になりました。
 真面目に物語を書けよという意見があるかも知れませんが、基本的に自分は物語を作る時、やる気がない時はとことんまでやる気のないお話を作り、逆にやる気がある時はあらゆる意味で一切の手を抜きません。
 今回のお話はそういった部分を反映してます。所々パートが終わろうとする時に語りを一旦中断して何気ない会話を挿入する事で息抜きをします。そして息を抜いた後は続きを語る。そうして物語を進行させていきます。
 つまり何を言いたいか? それは第十六話は自分の物書きとしてのやり方が話の中ににじみ出ていると言う事です。自分としましてはこれを参考に物語を作る人が現われる事も願うし、自分を嫌う人や下手くそと思う人がこれを見て反面教師にする事も願います。
 何故ならそれこそ先人達が築いてきた物作りの基本だと自分は思います。まあ多分筋違いだと願いたいが(苦)。
 以上で第十六話の解説を速攻で終わらせます。

 第十七話以降は普通に銀河連合との戦いが待ってます。各話共に迷走期を代表できる内容に仕上げたいと思います。
 では最後に今後の予定を載せるよ!

 五月
 二十日~二十五日   第十七話 猫と鼠            作成日間
 二十七日~六月一日  第十八話 鬼ヶ島を行く        作成日間
 六月
 三日~七日      第十九話 遅かれ早かれ         作成日間
 十日~十四日     第二十話 二つの星 接触篇      作成日間

 第二十話から天同生子の章以来の中編物になります。全三話で構成されますが、各話それぞれが建国篇、激動篇並みに大変になる予定であります。まあ書いてみないとわかりませんが(笑)。
 じゃあこの辺で! 皆さんは自分のように暗黒面に囚われた人間にならないように!

一兆年の夜 第十六話 語り継がれる物語(六)

 あたしは熱いお茶を全て飲み干した!
「あつううんい! では続きはあたし自ら語りますん!
 メイ地は全ての望みに自信を持てないでいた! あらゆる角度から銀河連合が
迫っているん状況下であっても!
 もうオラには生きるん理由が見つからない……いえそうんじゃなくて!
 もうオラには生きいーる理由が見つからないーい--そんな感じで。
 そして銀河連合の皆様は寸での所でメイ地を食らおうんとしたその時だった!
『メイ地さんをやらせるかッス!』
 河川の外まで逃げているんと思われたビー音が大声で叫ぶ--驚いた各方面の
銀河連合は一斉にビー音の方角に視線を向けた!
『!
 生きてたんだ、ビー音君!』
 メイ地はビー音の叫びによって一瞬だが我に返る事が出来た!
『悲しみに負けないで下さいッテ! 悲しみの先にあ--』
 それがビー音の遺言となるん--栗より少し大きいだけのビー音の身体を燕型
は丸呑みした!
『ビイイイ音えええ!』
 メイ地は叫んだ--それは恐怖でも怒りでも悲しみでもないもう一つの感情を
表現する為に発せられるん叫びね!
 そんな叫びを聞いた銀河連合は急いでメイ地を食らおうんとした!
『そう簡単に食われルーと思うなよ!』
 メイ地は前左足で強引に自分の腹の綿毛を引っこ抜くんとそれを周りの銀河連合
に向けて投げつけたわ--銀河連合を死なせるんには至らないけど、予想外の
行動に彼等も動揺したのね。それに気付いたメイ地は必死に泳いで逃げたわ!
『これは本能だ! オラは今、悲しみいーを超えて本能の赴くままにいー逃げる!
 出なければメイ耶ちゃんもビー音君、それに町の生命達に申しいーわけがつか
ないいー!』
 そう簡単に逃げられるんほど銀河連合は甘いモノ達ではない--水中に潜む
銀河連合はメイ地の後ろ右足に噛みついたわ!
『イデエ! もう綿毛を持っていけ!』
 それでもメイ地は本能の赴くんがままに綿毛が数十本抜けても逃げたわ!
『生きいーるんだ! 生きいーるんだ! 生きなければ良くないいーんだアア!』
 やがて彼の本能に応えるん形で氾濫した河川は彼を助けるんかのように--
『ワアアアアア!』
 南から北へと圧し流してゆくん!
 彼の意識はやがて黒くん染まっていくん……
 ラエルティオ町の生き残りであるん青樹メイ地が目覚めたのは、だいたい三の日
より後かな? お日様は顔を出そうとしているん頃。場所は海にある今にも水没し
そうな小島。
『お、オラは生き延びいーたのか?』
 それは奇跡と呼べるんモノなのか? それとも都合良くん河川の神様が導いた
モノなのか? メイ地にはわからない。ただわかるん事があったわ!
『オラはここで死ぬべきいー生命ではないいーといいーう真実!
 ラエルティオ町で生きいーたみんなの為にもオラは生きいーないと良くないいー!
 そうだロー、メイ耶ちゃん!』
 それ以降彼はラエルティオ町で唯一の生き残りとして本能の赴くんがままに生き
抜いた! 身体はやせ細り、頭の綿毛が徐々に薄れても生き抜いた!
 そして現在も彼はラエルティオ町が食われてゆくん物語を名も無き生命に語り
継いでゆくん……」
 これで終わったわ! さあ樹林さん! 感想を聞かせて!
「なんて都合の良いーい物の語りいーだ! こんな物を楽しいーめルルーう者が
本当にいるのかさえ引っかかるぞいーい!」
 あれ? 力作だと思ったのに!
「だいたい訛リリーいがなっとらんぞいーい! 羊族を何だだーあと思うか!」
「済みません! こんな物の語りで!」
「うう……何という都合の良すぎルルーう、うう!」
 あれ? でも樹林さんが泣いてるん気が?
「ありがああーとう、お嬢ちゃん!
 君はもうワシの後を継ぐにいー相応しいーいいー語リー部だ!
 熟すには程遠いーいが、ワシにこんな物の語りいーを聴かせるとは思わなかった
ぞいーい!
 これならあの世にいーいるメイ音ちゃんも満足しいーて折ろう!」
「メイ音? まさかそれは物語に登場するん織田メイ耶さんのこと?」
「そうじゃ! ワシは物の語りいーとしいーて彼女の名前を変えて架空の登場者と
しーいたのじゃ。他の者も同様に実際の名前は異なルルーんぞいーい!」
「もしかして青樹メイ地さんは樹林さんじゃないかしら?」
「それダダーあけは外れじゃ! ワシは彼のようにいー本能で生きーいる術はな
いーいぞ!」
「……そうですんよね! そうんしときます!
 素晴らしいお話を聞かせてくれてありがとうんございますん!」
「こちらこそお嬢ちゃんに感謝しタターいくて一杯じゃ!
 ありがとう、これでワシは胸ヲヲー張って皆の所に行けルルーんぞ!」
 それから一の年より先かも知れないけど、樹林メイ土さんは齢四十六の生涯を
閉じたかも知れない。
 彼が本当に青樹メイ地さんなのかはもうわからない。
 ただ言えるんことは彼が後に語り部となってあたしのような物聞き達にお話を
聞かせていったと言うんことはたった一つの真実なのよ!
 だからあたしはその真実を受け止めて、あたしなりの真実を語り継がせてゆくん
わ!
 この命が尽きるんその日まで!


 ICイマジナリーセンチュリー五十四年八月四十一日午後三時十分五秒。

 第十六話 語り継がれる物語 完

 第十七話 猫と鼠 に続く……

一兆年の夜 第十六話 語り継がれる物語(五)

 樹林さんは宣言通りお茶を一口飲んだ後、続きを語り始めた。
「メイ耶とメイ地は水に飲まれながらも必死に泳ぐ事で溺れずに済んだのう。
 だが、二名の綿毛はもう物々交換に出されないいーくらいーい萎んでしいーもう
た。ちょうど今のワシみたいにのう。
 話を戻すぞいーい。二名は泳ぎながらも互いに離れず生き延びたんじゃが、周りを
見渡すと--
『ああ! がば! あれは北地区の豚族イベリ子ちゃん!
 それに反対側にいーは西地区の蚊族チュウッチュさん!
 それから熊族ベデ郷さんに牛族ギュウカック君にそれかそれから--』
 メイ地とメイ耶は周りいーに浮かぶ数々の死体が誰なのかがわかりーいながらも
彼等全員の名前を言いいー続けるとは。中には半分骨の状態で発見された死体
まであるから恐ろしいーい話じゃ。
『こんな事全て銀河連合がやアアーったといイイーうの!
 ガビバボ! 私達は生きいーないと! 行きなーいいーと!』
 二名は互いーいをくっつけながらもラエルティオ町にニニーい暮らす者達の分まで
生きいーようとしいーた!
『こ、こうし、がぼ! メイ耶ちゃんとくっつくウウーと何だかもう日常に戻れない気が
するルーうよ!』
『ばば! また日常にイイーい戻るわよ! 出ないとメイ地を仇名で呼べないいー
わ!』
 メイ耶は顔が少しふやけながラーあもリンゴ色に染まっていーいたかの? それ
は今となってはワシの思いいー込みかもしレーんがの。
『こ、このままオラのことを名前で呼んでくれたらもっと嬉しいーいのにいー!』
 メイ地の思い込ミミーいなのか彼女に認められてとても幸せに感じいーておった
のう。とても幸せに--
『ガッボ! ウワ! 溺れたら良くないいー!
 場違いだけどここで告白するルルーよ! お、オラは--』
 メイ地は泳ぎーいながらも真っ直ぐメイ耶の方に顔を向けおオーるよ!
『オラは君のことがこの世で一イイー番好きだアア!』
 今思えば本者にとって最も赤面するルーん場面--のはずがのう。
『あれ? がっぼ!
 あれ? ど、どうしいーたの? 口から血を出し--え?』
 そのままメイ耶は仄暗いイイーい水の底に落ちていいーったのじゃ。二度と生き
いーたまま浮き上がる事が叶わぬように。
『ああ! バボウ!
 あわわわ……』
 メイ地はラエルティオ町で只一名の生存者となってしいーもうた。彼の心に沸き
いー出るモノは恐怖ではないいー。ましてや怒りいーという耐え難いモノでもない。
 それはのう、悲しみじゃ。
『あああああ、お、オラら、オラ、おおオラら……』
 悲しみもまた周りいーを見る目を遮るモノよ。四方、上空、更には氾濫しいーた
水に潜むあらゆる銀河連合が迫っても気付く事は叶わないいーのじゃ。
『も、もうオラにおはいわ……』
 メイ地の言いいーたかった事は何だろうかの? 多分--オラにいーはもう生き
ルルーる理由が見つからないよ--と推測しーいようか?
 いずれにせよ全周囲に迫る銀河連合は最後の生き残りリリーすら逃さないイイー
ようにメイ地を食らってゆくだろう……」
 え? これで終り? ま、まだ続きがあっても良いでしょ!
「これでラエルティオ町の悲劇は終わるかの?
 後味の良くない終りいー方じゃがこれがワシが語った真実じゃ!」
「こ、これで納得いくんの? こんなの悲しすぎるん!
 メイ地さんが助かっても良かったのに!」
 こんな話は認めない! 救いがあるん話を信じてたのに!
「救いーいを求める事がお嬢ちゃんの言う真実かのう?」
「ええ! あたしはそれを信じて樹林さんが話すん物の語りを聴きました!
 なのに! なのに!」
 あたしの両眼には涙が溢れていた! これはあたしにはわかるん!
 これは望みが離れてゆくん時に流れる涙だって!
 あたしは希望を信じてたのに! 信じてたのに!
「あたしは、あたしはそれを代々語り続けるんのですんか?
 樹林さんが語るん真実を! 希望がどこにもない物の語りを代々伝え続けるんの
ですんか? 教えて下さい、樹林さん!」
 樹林さんは二杯目のお茶を全て飲み終えた。だから何なの?
 それが何を意味するんの?
「わしが語るモノは真実だ。それはお嬢ちゃんが一番よくわかアアーっとる!
 だが必ずしいーも透き通る真実とは限らないーいぞ!」
 ? どうゆう意味?
「真実は一つんじゃないの?」
「出来れば一つじゃ! それがワシの真実!
 だがお嬢ちゃんはお嬢ちゃんだけの真実を見つければいイイーいのじゃ!
 ワシなんかの真実よりイイーも真実味があルルーやもしれんぞ!
 ワシはお嬢ちゃんにーい語る物はお嬢ちゃんに種としいーて植え付けたのじゃ!
 それをどのように咲かせるかはこれから先ワシの後を継いーいだお嬢ちゃんが
決めればいーいい事じゃろう!」
 決める。あたしが!
「でもあたしには樹林さんのように上手くん話を伝えられないよ!」
「そっくりそのままで良いーいとは言っとらんだろう!
 ワシの話に納得がゆかないのならお嬢ちゃんの手で真実を紡げ!
 話の筋が見えるルルーのならお嬢ちゃんだって出来るはずじゃろうて!」
 話の本筋? そっくりそのままでない? 出来るんかな?
 そもそもどうして樹林さんが話の本筋なんか言ったのだろうん?
 メイ地さんが死なずんに済む話なんかあたしには……え?
 そう言えば樹林さんの名前って確か樹林メイ土だったよね? それに何だか話の
中に頭に関する事や綿毛の事ばかり出た気が?
 もしかして語りに登場する青樹メイ地さんってまさか!
「どうしたかの? 無理ならそレレーんで良いーいのじゃぞ!」
「いえ! あたしなら出来るんわ! この物の語りはもしかしたら秘密があるんと
思うん! やってみますん! あたしの手で続きを!」
「その眼じゃ! ならばお話の続きとやらを今度はワシが聴く番じゃアアーのう!」

一兆年の夜 第十六話 語り継がれる物語(四)

 樹林さんは二杯目のお茶を飲むん為に自分の茶碗にお茶を注いでゆくん。
注いだ後に続きを語り始めた。
「メイ地は氾濫がどのようにいー行われたのかはわからないーい。
 穴を掘って穴を埋めルー作業なのか? 石橋を叩いいーて流れを急激にする
のか?
 いずれにしろこれだけははっきリリーとわかったのう!
『ど、どうしいーたの! な、何をみ--』
『メイ耶ちゃん! う、う、後ろにギギギギ、が、れれ、ゴウ!』
 メイ耶は言われレーるがままに後ろを見た--そして恐怖心を呼び覚ましてしもう
たわいいーのう!
『あ、有り得ええ、え、なな!』
 あれは確か熊? いやいや土竜だったような? 何かしっくリーん来ないのう?
 そうだ! 思い出しいーたのう! あれは熊と土竜の両方の形をしいーた穢れ
深き姿であった!
『銀河連合! まさかビー音君が言ってエエーたのはこのことなのかアーア!
 氾濫を引き引きオココ--』
『メイ地! 怒りいーで身を守るのよ!』
 メイ耶の言葉は分かってはいるものの、メイ地は何一つ怒りいーの理由を見出せ
なかったかの!
『ま、また銀河連合! こ、こ、今度はメイ地の後ろに来るルーなんて!』
『ウワ! 鳩と熊のどっちの身体なんンーだ? なんだアー!』
 銀河連合は見境無しいーじゃのう! 子孫を増やす為なら種族関係無しいーに
交尾するルルーものじゃからわしらの想像を超えておるわいーい!
『め、め、メイ耶ちゃん! あわわ、あわ、ど、ど、ど、ぅえばいいー!』
 メイ地はもはや呂律が回らないーい程にいー落ち着キーんがなかったがのう。
 だけど、怒りで我を戻しいーておるメイ耶でエエーもこの状況の打開は難いーい
ものじゃった!
『私の前方、後方、側方……水で囲まれてる。メイ地だって同じこと!
 かつて軍といいーうものを天同零といーいう御方が作ったわ。それについーいて
ほんのちょっとだけ調べたことあるの。それは--』
『な、な、なぃ、ぉんぃーぃねえけでえウド!』
 メイ地の言葉に耳を傾けずにメイ耶は話しいーたかの! 今思えばそれが後の
ことわざにいー繋がったのかの?
 当時の二名にとってはどうでも良いいー事じゃが。
『これは背水の陣よ! 私達に逃げ場はないいーの!
 だか--』
 最後まで話をする暇を与えないーいよウウーに二体の銀河連合は襲いいーい
かかった--メイ耶は左に飛んで攻撃を免れ、メイ地はおでこの綿毛を毟りいー
取られただけで済んだ! 運の良いいー雄じゃな!
『はヒイイイ! ハヒイイイええ!』
 メイぢは逃げようにも周りいーが水で囲まれーれているーる故に内側に逃げるる
るーばかりいーじゃった!
 二名が避難した場所は次第に水の浸食が進むムムーばかりイイー!
 追い打ちをかけるようウウーに二体の銀河連合が応援に駆けつけたかのう。
確か燕型と亀型じゃったのか? こりゃ万事休すといいーう言葉通りいーじゃ!
『万事休す……なの? わ、わまま、しがし、し、し、ぬの?』
 とうとうメイ耶は我を彷徨わわーわせてしもうた!
 動いたら食われーえる! だけど動かなくても食わレーる!
 それはメイ地も同じことよのう!
『……』
 メイ地は喋る事も出来なくなってしいーもうた!
 恐怖心の行き着く所といいーうのは銀河連合と同じいーように言葉を出さないー
い慈悲無きーい領域じゃな。
『あ、な、た、たちは、は、ど、どこまでわたたたしいー、たち食う!
 おなかははは、じゅ、じ、う、う、み、み、し、ぇ、ぅ、ぅ--』
 あれはワシの推測だが、メイ耶は--私達をこれだけ食べ続けてもまだ満足し
いーないの--と言うたかのう? いずれにしいいーろこの時はもはや二名は食べ
られるルルー運命だと思ったのう。
 その時じゃった!
『!
 銀河連合が!』
 四隊の銀河連合は二名から離れていいーったのじゃ!
 見逃しいーてくれたんだ--二名はそう思ったのう!
 だが、それは外れーエじゃった!
『わ、わ、わ、水ガアア!』
『ま、まだ蹄先の……え?』
 折角二名が正常にいー話せるようになった所をヲヲー氾濫した河川は情を与え
ないイーように身体全体を包み込んでしもモーうた!」
 また気になる所でお茶を飲んだわ! どこまで焦らすんのよ!
「物の語りで重要なのは聴いーく者を焦らすことなのじゃ!
 ちょうどこのお茶を味わううーようにのう」
 それじゃあ銀河連合と変わらなくなるわ! ってそれを思い出すんと恐怖が湧く
くんわ--
「いや、恐怖は湧いいーて当然じゃ! 物の語りいーとは常に恐怖と隣り合わせ。
 お嬢ちゃんは覚悟を決めたのならララーあ恐怖と向き合うのじゃ!」
 そ、そうんだったわ! あたしは! あたしは!
「あたしは真実が真実でありたいというん覚悟の為に物の語りを聞きに来ました!
 今更恐怖で自らを迷走させるんなんて聴く者の資格はありません!
 キュプロ族の長たる雌が恐怖で挫けるんわけには参りません!
 最後まであなたの話を聞くん覚悟はお有りです!」
「そうだ! その眼だ! そおオーれで良いーい!
 では続きを語ろうぞ!
 ただしお茶を一口飲んだ後でのう」

一兆年の夜 第十六話 語り継がれる物語(三)

 樹林さんは前左足の蹄でお茶碗を器用に持ちながら一口飲んだ。茶碗を左の方
に置くと続きを語り始める。
「二名は河川の氾濫していないーい方へと脱出を始める。ラエルティオ町の各番地
は侵食が進んでおったのじゃ。
『どこもかしこも水浸しいーよ! 東地区の五番地は無事だと思ったけど、ここも
後少しで生命が通れなくなるかも』
『どうなってルー! 何故雨すら降っていないーいのに河川が氾濫すルーん!
 オラ達は河川の神様に礼を欠かないーいように水を使ってルーというのに!』
 二名の会話に反応した者がおったわい。齢二十一にして二の月と三十日目に
なるラエルティオ蜂族の青年がの。
『あ、あのッス。すみませんがッテ。そのことについてぼ、僕は知ってるッス!』
『あ、あなたは放浪蜂のビー音君! な、何かわかるの!』
 メエ耶はビー音と呼ばれる青年の側まで近付き、訳を聞こうとしたわいーいのう。
『一の週より前から挙動がおかしい者達が河川の周りで細工のような者をしていた
んですッス。僕達はその者達は水が欲しくてそんなことをしていると思って放って
置いたんですがッテ』
 今思えばそれはラエルティオ町を水没させルーん為に行った穢れ深きことだと
は。
 話を戻すぞいーい。ビー音は更に続ける!
『僕はその細工が何かとんでもないことの為にやってるのではないかと心配になり
ッシ、今日のお日様が顔を出さない時に東門付近の河川に近付いたんですッテ!
 そ、そしたらあわわ……ウワアアアア!』
 ビー音は恐怖のあまり途中で話を中断して門の外へと飛び立ったのじゃ!
『待ってくれ、ビー音君! は、話の本筋がオラ達にはよくわからないんだが--』
 彼の後を追うように二名は走ってゆくがあまりにも水没しすぎる為か満足に進む
事が叶わんのう。
『ここは泳いーいで追いいーかける以外にないいーわ! 行こう細工無き君!』
『だーカーラーメイ地と呼んでよ、メエ耶ちゃん!』
 二名は泳いーいでゆくのだが、とうとうビー音の姿は彼方まで行ってしもうたわい
いー。二名はそれでも追いーいかけていき、東門を出たノーんじゃ。
 そこには無数の死体があっターあのじゃ。怒りがこみいー上げるようにーい!
『こ、これはどうなってるんだ? な、な、何なの?
 どうして骨が無数にいーあるの!』
『この死体はオラの母ちゃんだ! この右頬の傷は母ちゃんが子供の頃からよく
話しいーた古傷だよ!』
 メイ地は恐怖のあまりすでにいーいないいー母親の話をしいー出しおった! 話を
するあまりいー、口に入る水に気付かんとはのう。
『ゴボボボ--』
『な、何やってルーんのよメイ地! 私達はそんな話をしいーてるルルー場合じゃ
ないわ! 早くここから出ないイイーと!』
 メエ耶はメイ地のおでこにある濡れた綿毛を力一杯噛みついいーた--何本も
抜けながらも侵食されきっていない大地へと彼を運んだアアーよ!
 さぞ痛かろう!
『はばはあ、はばはあ……!
 あれ? ここは?』
 ようやくメエ地は我に返ったのう。右に横向けで倒れたまま瞬きしいーながら辺り
いーの様子を見渡しーいた。
 そしてメエ耶を見つけると真っ直ぐ視線を合わせてこんな事を言ったかのう?
『オラは何をやったのだ?』
『恐怖のあまリーん死んだ母親の話をしいー出しーいたのよ!』
『そうか。何て事をしいーたんだ! これじゃ、じゃ?
 何だ! なぜこんあななな--』
 メエ地は何かを見てしイイーもうた!」
 つ、続きが気になるん所でお茶を飲むんなんて!
「続きはどうんなったの? お茶を飲み終えたら語り始めるんの?」
 私は居ても立っても居られないのに!
「まあ待ちなさいいー! ワシはゆっくり物の語りいーをしたいーいのじゃ。
 だから続きキイーはこの茶を飲み干しいーたらゆっくりイーん語ろうぞ!」

一兆年の夜 第十六話 語り継がれる物語(二)

 樹林さんは力を抜くように前後両足を正座し、訛りそのままに語り始める。
「今から二十の年よりーい前かの? ICで言うなら四十九年? 四十八年?
 よくわからんのう。とにかく場所は東物部大陸北ヘラクレイトス地方の川で囲まれ
た町があったのじゃ。生命達はその町をラエルティオと呼んだのじゃ。語源はどこ
から来たのかは今となってはわからないじゃろうが。
 とにかくそこでは年の終りいーに近付く月じゃったかの? ラエルティオウムと
呼ばれる野菜の収穫が盛んじゃ。ラエルティオウムはプロティイムと同じく年の
終わりいーいの月までに収穫しないいーと味が落ちて食べられなくなる。
 思い出した。十二月の事じゃの。その日は雪が大量に積もっとったのう。
ラエルティオウム畑のある北地区三番地で三番目に小さな民家に住む齢二十六に
して一の月と九日目になるラエルティオ羊族の女性がおった。
 名前は確か織田メエ耶と呼ぶかの? 町一番の美雌と呼ばれておりいーい、
各地区で彼女に想いいーを寄せる雄共は一杯居たのじゃ。
 そんな彼女は朝早くにラエルティオウムを収穫しいーに家を出たのじゃ。
 羊族にしては足の速いいー雌じゃった。三番地から畑のある一番地まで僅か三十
の分で到着しいーおったのう。到着して早々彼女は足鎌を履いいーて作業に取り
かかろうとしていた。そこへ遅れてやって来た齢二十五にして十の月と二日目に
なるラエルティオ羊族の青年が声を掛けたのう。
『オッハー! 元気、メエ耶ちゃん?』
 メエ耶はその青年に機嫌を無くしいーたのか、こう返事する。
『おはようございますのよ、細工無き雄さん?』
『細工無きは礼を欠クーよ、メエ耶ちゃん! 青樹メイ地っていうれっきとしたオラの
名前があルーんのに!』
『だから?』
『傷つくよ、メエ耶ちゃん……』
 二名はそんな会話を変わりなく毎日しおったのかの?
 そして作業は五の時が過ぎた。お日様は下りいー始めた頃じゃったか?
 二名は作業を一旦止めて昼ご飯を食べる事にしたのじゃ。
『昼ご飯はメエ耶ちゃん大好物のラエルティオ苺!』
『外れ! 正解は応神産のお米で作ったおにぎり!
 果物を昼に食べルー気はないもの』
『オラは食べるけど』
『細工無き雄さんの話は聞いてないーい!』
 メエ耶という女性はそこまでメイ地を無視しおったわい。二名の相性は離れる
ばかりいー、と思うだろう?
 実はこれ--毎日の会話なのじゃ。二名のな。その為こんな毎日がいつまでも
続クーんと二名も町の誰もがそう思った。
『た、た、大変だ、大変だ!
 周囲の、河川が、氾濫しておる!』
 齢三十八にして十七日目になるラエルティオ飛蝗族の老年が老体に鞭を与え
ながらも町中に河川の氾濫を知らせたのじゃ!
『本当じゃない事言わないいーでよ、南地区のダイ門さん!』
『本当だってば! 周りを、見回せば、わかるはず、だよ!』
『周りを見回セーば? ど……え! こ、これは!』
 二名が見た先は北門がある二番地区--すでに侵食さレーた!」
 つ、続きが気になるんけど、あたしは全力疾走でここまで来たから咽がカラカラ!
「ごめんなさい、樹林さん! み、水ってありますか?」
 樹林さんは無言で前右足の蹄を指すん--あったよ!
「ワシもちょうど一息つこうと思っとった所。
 ここはワシ自慢のラエルティオ伝統の茶を振るルー舞おうぞ!」
 樹林さんは三の時をかけてお茶を仕上げた!
「ま、まさかこの季節に熱いお茶を?」
「おや? お茶は昔から熱いいー方が美味しいーいはずじゃが」
 飲んでみたけど、熱かった! これ、人系の種族に振る舞うんべきだったよ!
「一息ついいーたようなので続きを始めようンーかの?」

一兆年の夜 第十六話 語り継がれる物語

「ここが応神諸島かあ」
 新プラトー村の港からあたしは応神木で出来た船に乗ってここ応神諸島にやって
きました。えっとここは南西応神島だったかな? 忘れた。
「お嬢ちゃん! ここハア南東応神小島! 船を着けるノオも大変だっタアゾ!」
「そうんだったわ! あたしって頭が良くんないわ。さあ降りようん!」
 と思ったけど、高すぎて降りたら死んじゃうんかも!
 齢二十三にして八の月と二十三日目になるんキュプロ栗鼠族にして大キュプロ
町長の娘が死んだらパパが困るん!
「慌てるナア嬢ちゃん! 今すぐ梯子を用意すっから待っテナア!」
 こうして梯子が用意されて、あたしはそれを使って砂浜に降りましたとさ!
「別れる前にお金を払ってもらわないトオヨ!
 えっと二万マンドロンになるゾオ!」
 二万マンドロンは高いよ! でも払えない値じゃないわ!
「大マンドロス町にいるあたしのパパ、ドミトリー・メデリエーコフに第一子
リザヴェルタが『二万マンドロンを用意出来ないから代わりに払ってね!』って
伝えて!」
「勝手な雌だな、お嬢ちゃんハア!
 まるで今は亡き壱生様を彷彿とさせルウではないカア!」
「ごめんね、リカルドお爺さま!
 考えて一マンドロン硬貨と二マンドロン硬貨を用意できなくて!
 ちなみに壱生様は存命中ですん! 勝手に死なせたらあの方は火を噴くんように
怒りますん!」
「そ、そうだっタア! じゃ、じゃあわしは他ニモ仕事があるのデエ帰るっゼエ!」
 そう言って齢三十九にして二日目になるんテレス熊族からマンドロス熊族に帰化
したリカルド・真鍋お爺さまは部下に無理難題を叫んで船を砂浜から離して、
そのまま北北東の方角を目指して行かれた!
「あ、暑い! 夏の季節だけど慣れない! あたしはこの暑さに耐えながら目的の
小屋まで行くんの~! 良くんないよ~!」
 しかも太陽は真上まで昇ってるんし!
 しかもお腹が空いた! 虫さんが五月蠅い! 五月に騒ぐ蠅族のようにお腹の
虫さんは大きな声を出すわ!
 足を動かさないといけない。でも暑い! 暑くて銀河連合に食べられるんよりも
先に死ぬんかも?
 って銀河連合の事を考えたら暑さよりも先に--
「恐怖が湧いて後ろが見たくんなくんなるんうんうん!」
 何だか知らないけど、あたしの足はいつの間にか走ってるん!
 銀河連合に食われるんのが怖くんて走ってるん! 早く小屋に入らないと!
 食われるんよおお!
 そうしてあたしは一の時まで走り続け、語り部の住む小屋に着きました。
「あたしの目的は語り部からお話を聞くんこと!
 ちゃんと両耳で聞かないといけない!」
 えっと扉を叩くんのは何回で良かったの? 三回? 二回?
 神様に聞こえるん数を叩けばわかるんはず! と言うことで二回叩こうん!
 あたしは正面の応神木で出来た扉を右で二回叩くん--自慢の鋭い爪を突き
立てないで栗を両手で持つ時の形で甲を突き出すんように。
「あれ? 聞こえない?」
 もう一度扉を二回叩くん! ん? 聞こえな--
「聞こえとるぞ! 扉を叩く回数が少なかったから返事をしなかったのじゃ」
「ご、ごめんなさい! あたしは語り部のお爺さまになんて礼を欠くん行為を!」
 あたしの腰砕け! これじゃあ栗鼠族の雌に相応しくない! 神様にも申しわけ
立たずにそのまま--
「後悔しとる暇があるルーならさっさとワシの家に入るのだ、お嬢ちゃん?」
「し、失礼しますん!」
 あたしは後悔しながらも齢四十五にして七の月と七日目になるん応神羊族の老年
樹林メイ土の家に土色の可愛らしい両足を同時に出して入っていくよ!
「コラコラアーア、慌てるの--」
 イダイ! 後頭部を強打したかも?
「両足を同時に出して入るからそうなるのじゃ! 次からは気を付けなさいいー!」
「はい……」
 怒られた! あたしはとっても悔いが残るん。
「ところで何のようかな? ワシを訪ねると言う事は何かを知りたいのじゃろう?」
 そ、そうんだ! あたしの目的は樹林さんからお話を聞きにやってきたのよ!
「じ、実はあなたのお話を聞きにはるばるマンドロス町からここまでやって来ました。
ど、どうか、えっと、ど、どうか何かしらの物の語りをお聞かせて下さい!
 お、お願いしますん!」
 樹林さんは器用に前左足の蹄で頭を掻いた--薄くなった茶色い綿毛を毟るよう
に激しく!
「これを聞くといいーうことは君もまた物の語りーいになる覚悟があるようじゃな?」
 覚悟? そんなのないけど、ないけどどうして?
「えっとありますん」
「えっとじゃ良くないいーいぞ! はっきり言うのだ!
 覚悟はあるのか!」
 何か知らないけど、凄い気迫を感じるん! 老いた両眼なのに目の奥には怒りに
近い光が照射してるん感じしたけど?
「う、うわ!」
「覚悟無き者に聴かせる物の語りーいはないぞ!」
 そ、そんなことじゃない! あたしだって覚悟はあるん!
 そ、それは真実が真実でありたいと願う覚悟がね!
「ありますん!」
「そうじゃ! その眼をワシは見たかったのじゃ!
 じゃあ今から始めるぞいいー!」
 こうして物の語りは始まる。それは二十の時より前に起こったラエルティオ町が
食われるお話を……

透明すぎる真実は人々の未来を奪う

 どうもdarkvernuです。
 今日は一日早く更新します。今回のショートストーリーはX世三部作の最終話で御座います。

 ツァラトゥストラX世は過去と未来を味方に付けて現在を破壊する者達を倒して
ゆく!
 その直後、彼等の前に避けがたいシンジツが襲った!
 シンジツは瞬く間に未来を奪ってゆく!
 そんな絶望的な状況でX世は最後の思想を自然に聞かせた!
「真実こそ絶対! 真実こそ不変的に正しいと思う者達よ!
 それは大きな間違いだと気付くのだ!
 本来我々が求めるべき真実とは幻想を抱ける真実なのだ!
 希望を持てる真実こそ我々が求めるべき真実!
 だからこそ真実を求めるのだ! 希望を求めるように!
 しかし、それを履き違える愚か者は何が何でも絶対的な真実を求めようと
する!
 その結果はどうだ! 透き通りすぎた真実は人々を虚無へと堕とす!
 国そのものを無意味にする! 神話を侮辱する!
 そして何よりも人間を獣へと堕とす行為そのものだという事に気付け!
 そんな真実に何の意味がある?
 それは嘘を吐く事以上に極悪なる行為だ!
 嘘つきを超えた極めし悪! それがシンジツ! カタカナで十分だ!
 我々はそんな透き通るくらい極悪なるシンジツから未来を守る為には過去と現在
を味方に付けなければならない!
 未来だけでは瞬く間にシンジツによって奪われる!
 これは過去と現在にも同じ事を言ってきた唯一無二の普遍なりし対処法だ!
 仮にそれが幻想だったとしても我々は透き通りすぎたシンジツを見せられるよりか
は幾分かマシなのだ!
 そうして我々は最後まで戦うのだ!」
 そしてX世は未来を奪うシンジツを倒す事が出来た!
 だが、彼の戦いは終わらなかった!
 彼の前にまたしても過去を食い物にする者達が襲いかかる!
 戦いに終りは訪れない。敵はいつも自分と共にある。
 それでも彼は逃げない! 彼はそんな運命を受け入れながら永遠と戦い続ける!
 ツァラトゥストラの名を受け継ぐ者として……


 ええ、無限ループって怖いね。まあ最後はニーチェの永遠回帰っぽい終り方になりました。
 今回は真実についてX世は語ってます。真実についてはいろいろあります。南京事件や従軍慰安婦といった国を貶める物には真実は有効です。財政破綻を煽ったり、一部の国を礼賛する風潮があるなら真実を探るのが一番有効です。事件を解決したり、物語を面白くさせるにも真実は有効です。「真実はいつも一つ」とコナンが言ってるように真実ってのは自分達の中では不変的に正しい。
 けど、それは真実をよく知らない者が陥る誤解です。真実は透明度が大きければ大きいほど実はおぞましいモノになります。例えば日本の神話の全ての真実を世に送った場合、日本という国はどうなるか考えて下さい。そんな日本に国民全員が希望を持てますか? 持てるはずがありません! そうなれば敵対国家が何もしなくても日本という国は勝手に滅びます。行きすぎた真実とは極悪なのです。
 別の例を出すならアメリカ大統領ジョン・F・ケネディ暗殺事件の真実をアメリカ全土に送った場合、アメリカはどうなります? そんな真実を見せられた国民は希望を持てなくなり、最悪の場合はアメリカは戦国時代の如く各州同士で戦争状態となります。
 とにかく真実とは社会主義や新自由主義とは別次元のおぞましき悪意を秘めております。ニーチェの予言するニヒリズムとは自分なりの考えでは社会主義でも新自由主義でもなく行きすぎた真実を見せられる事によって希望を失う様かも知れません。だからこそ超人間の思想で人間自身を愛するしか方法が無くなります。まあそんな思想を考えるからニーチェはは……もとい人間を超えちゃいますのよ、別の意味で(悲)。
 とにかく真実について自分達はよくよく考えるべきです。特に作品を創る者達は真実をどこまで浸透させるべきか、そのさじ加減を努力しないと読者はげんなりします(←お前が言うな!)。
 以上でショートストーリーの解説を終えたいと思います。

 では第十五話の解説に入らせて頂きますぜ!
 いやあ迷走してますな! 迷走に入るとは言ったものの本当に迷走するとは夢にも思わなかったよ。
 今回は貨幣誕生にいたるまでのお話を作ったつもりが何をしたいのかさっぱりわからん内容になりました。
 本当に申しわけありません。
 話を戻します。今回は第三話以来の主人公がナレーターのお話です。その分、場所や時間には気を遣って描きました。とにかくはっきりする事は主人公である村一番の美しい雌蜘蛛である糸井サク花ちゃんが屈強な雄四名と共に銀河連合から逃げていくお話で御座います。登場キャラは全て死なせずに終わりました。一応勧善懲悪の物語ですのでバッドエンディングばかりだと鬱になります。なので十四話も十五話もハッピーエンディングにしております。
 第十五話は所々に物々交換を匂わせる言葉が出ます。対価だの代償だの。そこいらは題名にも書いてあるとおり物々交換の時代から貨幣を媒介にする時代へと移る過程を物語ります。その辺は筋を通してるのだが、それ以外がひどい(苦)!
 話を戻します。遠すぎる過去の世界でも食べると危険な葉っぱや茸はあります。本来の茸などは食べる為に生えておりません。農作物であるいろいろな野菜や果物だって同じです。それが食べられるのは人間が長年に渡って品種改良を行ってきた産物です。遠すぎる過去の世界もほぼ同じことが言えます。なので農作物を食べる場合は豚肉などを食べるのと同じように自らの罪深さと先人達の偉大さに感謝しながら食べるべきです。まあ自分はそれをしょちゅう忘れるのが欠点だけど(悲)。
 またまた話を戻します。ラテスプリとは何なのか? それはマスカット色のほぼ同じ形をしたテレスプリ。ただし、味はサトウキビに近い。なのでマルコラーニフはラテスプリが苦手です。ラテスプリはテレスプリと違ってラテス島でしか生えません。なのでラテスプリを食べたい方はラテス島に行く事をお勧めします。
 サク花の出す糸についても少し説明します。あの糸は弾力性が強く、そして硬い。鳥系の子供服を作るのに適しますが、それ以上に大きな種族や水系の種族の服を作るのに適さない。何故なら蜘蛛族はそこまで大きな種族というのは限られております。いたとしてもクトゥルフ神話の蜘蛛の化物以外に作れる者がいないでしょ。つまり初音お姉様に土下座して頼んで下さい。食われるギリギリでね(苦)。
 まあ以上で第十五話の解説を終えます。

 しっかし書いててここまで迷走してるてのがわかる話も珍しくないな。恐らく自分の中では第三話以上に読むのが辛い話かもしれん! まあ物書きは黒歴史を紡ぎながら書き続けるしか道はないし、受け入れないとな!
 では例の如く今後の予定をコピペで張りますね。

 五月
 十三日~十八日    第十六話 語り継がれる物語       作成日間
 二十日~二十五日   第十七話 猫と鼠             作成日間
 二十七日~六月一日  第十八話 鬼ヶ島を行く         作成日間
 六月
 三日~七日       第十九話 遅かれ早かれ        作成日間

 昨日になってやっと目次覧の記事を作りました。これでブログの読みづらさは少しは解消出来たかな?
 ではでは次はいつも通り日曜に更新します。それじゃあ再来週で!

いまさら目次←どこまで保つかな?

 

一兆年の夜 ブログ版

戦いまでの章

 第一話 悪魔が落ちる夜    (全五パート)

 第二話 ボクが最後に見た悪夢     (全六パート)

 第三話 あたいは生きる      (全七パート)

 第四話 どうしておいらなんだ       (全八パート)

 第五話 恐怖心と怒り        (全九パート)

 第六話 特別配達員 シュラッテー       (全八パート)

 第七話 はじめての戦い       (全八パート)

 第八話 戦いへの一歩を   四表 四裏   (全八パート)

 第九話 大地は枯れて、生命は活力を失う         (全十パート)

天同生子の章

 第十話 天同生子 始動篇   三前 三後(全五パート)

 第十一話 天同生子 建国篇        (全九パート)

 第十二話 天同生子 激動篇         (全十パート)

 第十三話 天同生子 継承篇    (全五パート)

迷走の章

 第十四話 銀河連合    (全五パート)

 第十五話 物々交換から貨幣へ    (全五パート)

 第十六話 語り継がれる物語     (全六パート)

 第十七話 猫と鼠       (全八パート)

 第十八話 鬼ヶ島を行く       (全八パート)

 第十九話 遅かれ早かれ       (全八パート)

 再起の章

 第二十話 二つの星 接触篇        (全九パート)

 第二十一話 二つの星 進撃篇 一補         (全十一パート)

 第二十二話 二つの星 覚醒篇         (全十パート)

 開拓の章

 第二十三話 人生貸借対照表    (全五パート)

 第二十四話 二十四時間の脱出劇        (全九パート)

 第二十五話 大空のトリ        (全九パート)

 第二十六話  海は広いな、大きいな        (全九パート)

 第二十七話 海洋藤原の伝統      (全七パート)

 第二十八話 大樹の銀河連合(前篇)      (全七パート)

 第二十九話 大樹の銀河連合(後篇)      (全七パート)

 第三十話 母はそれでも強い     (全六パート)

 第三十一話 雄は辛いよ     (全六パート)

 第三十二話 蛇の道は蛇    (全五パート)

 第三十三話 蛙の子は蛙   三前 三後(全五パート)

 第三十四話 袋の鼠      (全七パート)

 第三十五話  蜥蜴の尻尾      (全七パート)

 第三十六話 弥勒菩薩を待ち侘びて         (全十パート)

 第三十七話 鼬ごっこの世       (全八パート)

 三兄弟の章

 第三十八話 三兄弟物語 星々が輝く世で         (全十パート)

 第三十九話 三兄弟物語 無限逃走の責務       (全八パート)

 第四十話 三兄弟物語 八は輝き、七は動く    五前 五後   (全九パート)

 第四十一話 三兄弟物語 七と奈々      (全七パート)

 第四十二話 三兄弟物語 三つ星は今      (全七パート)

 冬眠の章

 第四十三話 選ばれしは凡庸なり    (全五パート)

 第四十四話 コペルニクス・ガリレオ・ケプラー     (全六パート)

 第四十五話 フェルマーは笑う        (全九パート)

 第四十六話 ニュートンが支配する世界で      (全七パート)

 第四十七話 質量は保存される       (全八パート)

 第四十八話 大陸移動の予兆    (全五パート)

 第四十九話 燃える氷の怒り火         (全十パート)

 第五十話 エーテルは否定される     (全六パート)

 第五十一話 光不変の先へと 前編      (全七パート)

 第五十二話 光不変の先へと 後編      (全七パート)

 再始動の章
 
 第五十三話 再誕の火 真正神武最後の最高官         (全十パート)

 第五十四話 再誕の火 男女は運命に導かれて      (全七パート)

 第五十五話 再誕の火 火は日を呼び寄せる       (全八パート)

 第五十六話  再誕の火 再誕の灯火         (全十パート)

 対称の章
 
 第五十七話  狐と狸の化かし合い    (全五パート)

 第五十八話 鹿を指して馬と為す    (全五パート)

 第五十九話 最強の矛と最強の盾     (全六パート)

 第六十話 犬猿の仲     (全六パート)

 第六十一話 前門の虎、後門の狼       (全八パート)

 第六十二話 天上天下唯我独尊         (全十パート)

 第六十三話 玉と石は混ざりて交じり        (全九パート)

 危機の章
 
 第六十四話 烈の闘い 藤原大陸の謎篇       (全八パート)
 
 第六十五話 烈の闘い 明かされる星の系図篇         (全十パート)
 
 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇        (全九パート)

 連結の章
 
 第六十七話 テンタウ 前篇    (全五パート)
 
 第六十八話 テンタウ 中篇    (全五パート)
 
 第六十九話 テンタウ 後篇    (全五パート)

 落城の章
 
 第七十話 優央の記憶 終わりの序章     (全六パート)
 
 第七十一話 優央の記憶 躯央からの提示      (全七パート)
 
 第七十二話 優央の記憶 銀河連合に依る恐るべき展開       (全八パート)

 第七十三話 優央の記憶 悲劇の再現        (全九パート)
 
 第七十四話 優央の記憶 真古式神武の終焉         (全十パート)

 接続の章
 
 第七十五話 最高官のお仕事    (全五パート)

 第七十六話 道真は藤原氏に復讐する         (全十パート)

 第七十七話 赤松は何故足利に反旗を翻せたか        (全九パート)

 第七十八話 利休の闇を見て秀吉は手を下す       (全八パート)

 第七十九話 天草は生贄として担ぎ出された       (全八パート)

 第八十話 丸橋忠弥の誤算は起こるべくして起こった      (全七パート)

 第八十一話 源内は玄白に嵌められたのか      (全七パート)

 第八十二話 こうして大塩は英雄として祀り立てられた     (全六パート)

 第八十三話 松陰は何故、功罪を遺したのか    (全五パート)

 第八十四話 大久保は何故殺されなければ成らなかった         (全十パート)

 三位の章

 第八十五話 躯伝の空 躯伝、雄略大陸に着く         (全十パート)

 第八十六話 躯伝の空 躯伝、政治に参加する        (全九パート)

 第八十七話 躯伝の空 躯伝、躯伝、最高官に就任する        (全九パート)

 第八十八話 躯伝の空 躯伝、安らかに眠る         (全十パート)

 広域の章

 第八十九話 気球に乗って五日    (全五パート)

 第九十話  一週間地底旅行      (全七パート)

 第九十一話 必死の逃亡者達     (全六パート)

 第九十二話 海底成人体型一万二千         (全十パート)

 第九十三話  惑星から衛星へ      (全七パート)

 第九十四話 衛星世界旅行      (全七パート)

 第九十五話 十五少年少女漂流日誌       (全八パート)

 第九十六話 スクリュースタンダートアイランド    (全五パート)

 第九十七話 恐るべき発明        (全九パート)

 蒼炎の章

 第九十八話 蒼穹と紅蓮 過去に思いを馳せて         (全十パート)

 第九十九話 蒼穹の紅蓮 現在を憂いても尚、         (全十パート)

 第百話 蒼穹の紅蓮 希望は未来だけじゃない         (全十パート)

 相対性の章

 第百一話 時間旅行 時間研究者太間ガン流豆の証言    (全五パート)

 第百二話 時間旅行 量子学者ハイゼ・ベルルグの仮定    (全五パート)

 第百三話 時間旅行 兵器開発者ショーイ・ノーマグの試作品     (全六パート)

 第百四話 時間旅行 物理学者シュレイ・ディングァの思考実験     (全六パート)

 第百五話 時間旅行 相対性学者アインズ・シュラインタイルの理論      (全七パート)

 第百六話 時間旅行 理論研究者ゲロルギー・ガーモスの突発論      (全七パート)

 第百七話 時間旅行 量子学者望月ゾウ真の探求      (全七パート)

 第百八話 時間旅行 数学者トーヨル・ターニヤの苦悩       (全八パート)

 第百九話 時間旅行 理論家スチューブからの数々の問題         (全十パート)

 第百十話 時間旅行 天才南野ヒツ市の閃き        (全九パート)

 第百十一話 時間旅行 証明者アントルー・ワームドの証明         (全十パート)

 第百十二話 時間旅行 生物学者シーン・マウンテインの見た遺伝学        (全九パート)

 第百十三話 時間旅行 時間旅行者太間ガン流豆の終着         (全十パート)

 日常の章

 第百十四話 初めてのお使い    (全五パート)

 第百十五話 少年よ、大志を抱くんだ    (全五パート)

 第百十六話 武士道とは死ぬ事と見付けたり     (全六パート)

 第百十七話 君死にたまふことなかれ     (全六パート)

 第百十八話 七度生命として生まれ変わり、連合を倒して希望に報いん      (全七パート)

 第百十九話 日は又、昇る      (全七パート)

 天地の章

 第百二十話 天地相為す 地同翔和は旅立つ         (全十パート)

 第百二十一話 天地相為す 地同翔和の前に壁が立ちはだかる      (全七パート)

 第百二十二話 天地相為す 天同相武は翔和に託された       (全八パート)

 第百二十三話 天地相為す 天同相武の革新        (全九パート)

 第百二十四話 天地相為す そして相武は赤き革新者と出会う         (全十パート)

 永眠の章

 第百二十五話 終わりの始まり 青年はまだ終わりを知らない    (全五パート)

 第百二十六話 終わりの始まり 其の名はテンタウ    (全五パート)

 第百二十七話 終わりの始まり 五武将として     (全六パート)

 第百二十八話 終わりの始まり 其れは正に百獣が如く      (全七パート)

 第百二十九話 終わりの始まり 己の中にあるもう一つの己      (全七パート)

 第百三十話 終わりの始まり キシェール最後の雄         (全十パート)

 第百三十一話 終わりの始まり 急激な氷解は惑星の水位を押し上げる        (全九パート)

 第百三十二話 終わりの始まり エリオットの記憶は流れ星の中に       (全八パート)

 第百二十三話 終わりの始まり たった一名だけの五武将        (全九パート)

 第百三十四話 終わりの始まり 魅羅と生きる水の惑星         (全十パート)

 第百三十五話 終わりの始まり 最後の一名に成っても    (全五パート)

 第百三十六話 終わりの始まり ライデンの終着点は始まる         (全十パート)

 新元号三年一月予定

 夜明けの章


 第百三十七話 新天地のレット 其れは未だ見ぬ島国(全五パート予定)

 第百三十八話 新天地のレット 恋は突然やって来る(全六パート予定)

 第百三十九話 新天地のレット 新たな最強の銀河連合降臨(全十パート予定)

 第百四十話 新天地のレット 初孫を見て老いを知る(全七パート予定)

 第百四十一話 新天地のレット 最後は仁王のように(全五パート予定)



 連載再開最初は漸く主人公と成ったレット・テンタウの為の中篇。五部構成で語るレット最後の物語だぞ。但し、連載再開は東京五輪から翌年に成るので要注意。尚、敢えて五話先迄紹介したのは敢えて路線を決める事で少しでも当時の感覚を残したい為に。

一兆年の夜 第十五話 物々交換から貨幣へ(五)

 これは、どこかラテス椎茸に似ている。でも、キノコ類は慎重に選ばないと良く
ない。
 奥の方を見てみるとこれはマンドロス山葉に似てる? 食べる? お腹の虫が
五月蠅いし、私は生きなければいけないから食べよう。
「その葉っぱは食べちゃいけないい!」
 この声? 幻聴! きっとそう。
「だから食べちゃお腹を壊すよい!」
 二度目? 五月蠅い幻聴!
「こうなったら引き上げてでも口に運ばせないい!」
 三度目? 今度は身体が浮いた? えっ! まさか--
「俺だよい、俺い! ラテス蜻蛉族の正岡シ文だよい!」
「い、生きてた! シ文が生きてた! でもどうして生きてる?」
「それが俺自身も不思議でしょうがないんだよい! もう少しで食われるところを
つららが獅子型の頭部に刺さるなんて奇跡があるかい?」
「ない。恐らくそれは獅子型がつららを落とした代償。あれもまた代価を払った!」
「銀河連合とはいえい、死を嬉しく思うのは罪な事い。
 自分で落としたモノで自分が死ぬなんてこれほど悲しい事はないと俺は思うがい」
 悲しい。そう、私もそう思う。
 だけど、シ文が生きている事が嬉しくても他の三名は--
「あい、言い忘れたけどい、ブラグロとマルコい、それにえっとあの鰐族の名前は
なんて言うんだい?」
「生きてる! ブラグロとマルコ君、そしてゲデルミキさん! ど、どこにいる?」
 私は辺り一帯を探し回ったけど、お腹の虫は限界まで大きくなっていて探す気力
が出なかった。
「この小島には三名はいないい。もっと向こうの小島に飛んでゆくい!
 北西西の方角に全速力で飛ぶので振り落とさないよう注意するい!」
 相変わらずシ文の出す羽の音は五月蠅い。けど、もうそれを気に掛ける力は今の
私にはない。

 太陽は今、頂上にある。私達は今、応神諸島の北西応神小島にいる。その中央
にある小屋。
 私は丸三日分の食事を口に運ぶ。兎族の全速力に匹敵する勢い!
「オイオイ、そんなに速く食べたら俺みたいにぶくぶく太ぶぞ!」
「いい! 糸を出すまで食べないとあなた達にお礼が出来ない!」
「お礼? むしろ僕らの方からお礼を渡したい!
 折角サク花お姉ちゃんが作ったテレスプリを無駄にして! 土竜型を倒すのに
使ってしまった事を後悔してるん最中だし!」
「大丈夫! 食べ終わって一服した後、急いで私が作ってあげる!
 後悔しなくて良い!」
「俺でも勝てないぜん! 俺ら鰐族の特製である回転以上の勢いで食べられると
折角俺が命がけで馬蛙型を倒すのに使った回転と豚野郎を助けた回転も負ける
っぞ! あの嬢ちゃんの食べる勢いの前じゃど!」
「いつ俺が貴様に助けられぶ! 地上にあがれどはほとんど俺の力だぶ!」
「そう言っとけい! ただこれだけは思ってるんだろい?
 俺達はいつかサク花ちゃんに代価を払うってことを!」
 代価を払う? 物々交換で払うの?
 ようやく食べ終えた私は物々交換をするべきかどうか迷う!
「お姉ちゃん! 僕はお姉ちゃんの糸があればそれ以外のお礼は入らない!
 お姉ちゃんの糸は僕の命の恩者だよ! それさえあれば誰かに渡した時、誰かも
またそれを使って誰かを救えるんと僕は思うん!
 だから僕はお姉ちゃんの糸でいいよ!」
 私の中で何かが閃いた! 私は見つけた! 物々交換に変わる何か!
 それは交換してもまた別の物と交換する時に換えが効く物。物と物の価値を繋ぐ
物。そう、それを私は見つけた!
 時が移ろいで往く内に本来の目的から迷うかもしれない!
 そうゆう思いが私にはある。だけど、それでも私はそんな物を創ってゆく!
 私は代々作ってゆく! 後の世でこう呼ばれた物。
 貨幣を私達は創ってゆく……

 ICイマジナリーセンチュリー五十二年七月七十八日午後零時二十分十五秒。

 第十五話 物々交換から貨幣へ 完

 第十六話 語り継がれる物語 に続く……

一兆年の夜 第十五話 物々交換から貨幣へ(四)

 陸は獅子型。海は馬蛙型。そして地中は土竜型。つまり--
「空はがら空き。けれどもここは洞窟。うかつに空を飛ぼうなんてシ文には無理」
「俺の両眼を全力で活用しているい! ただい、少し暗いから飛び回れないい!」
「だろうなっぞ。俺くらいの種族じゃなきゃこんなところは脱出できっが!」
「鰐族だからって調子良いこというんな!」
「声が大きい! みつ--もう見つかっぶぞ!」
 馬蛙型は蛙族の泳法をした後、陸に上がると今度は馬族の足運びで私達に襲い
かかる!
「俺に噛もうとするかっづ!
 だが甘いぞん!」
 ゲデルミキさんは背中を噛まれた--彼は馬蛙型ごとそのまま水中に潜り、直径
成人体型四は満たない渦が発生! 恐らく彼は鰐族の特性を活かしてる!
「サク花ちゃんい! ゲデルミキに構ってる余裕はないい!
 獅子型が壁にぶつかってるぞい!」
「危ない! つららだ!
 つららを落として僕達を死なせようんとしてるん!」
 つららを避けるので精一杯! お腹の虫はもう私に力を与えてくれない。
 意識が遠のく感じがする。このま--ワッ!
「危ないサク花ちゃんい!」
「間、一発。私はもう少しで土竜型乃お腹の中にいた」
 土竜型は私の捕食を外すと、今度はつららを避けている二名を狙う!
「僕の方に、ウワ!
 僕が弱そうんだからって!」
 つららを避ける時に体勢を崩したマルコ君は土竜型の口のそのまま食われた!
「と思ったがい、あの子供めい! 土竜型の剥き出した頬筋肉にしがみついて……
って土竜型はそのまま地面に潜ったい! だ、大丈夫かい、マルコはい!」
 地中は土の世界! 光が当たらない分、土竜型が有利!
「ワッ! つららがまだ--」
「当たり前だぶ! この洞窟には別名があぶ!
 それは--って獅子型が突撃してきぶぞ!」
 獅子型はブラグロの前左足に前左足の爪を深く突き刺す!
 た、大変! このままじゃ--
「肉を切らせど骨を断つ一族ぶ! クロレットの雄をなめるぶ!」
 ブラグロは前右足で獅子型の左方を蹴った--獅子型は口から赤い液体を出し
ながら仰け反るも直ぐに突き刺した左前足を左に大きく振り回してブラグロを地下水
に叩き落とす!
「がぼ、ぼぼ、あが、豚だから、だぶぶ!」
「ブラグロは泳ぎが上手じゃないい! このままじゃ溺れ死ぬい!」
「む、無理! あなたの力じゃブラグロを運べない!」
「だからってこのままじゃ--」
「あぶぶ、俺のこ、ぶぶ、はいい! ぶがべぶぶ、さっさと、がぼばべば、におげ、
ろ!」
 ブラグロはそのまま水の中に入ってゆく! わ、私達はもう二名だけに--
「獅子型が壁を蹴りながらこちらに向かってくるい!」
 シ文は逃げて逃げて逃げていった--獅子型は距離を詰めていく!
 そして--
「がああい!」
 私はシ文に投げ出されたと同時にシ文は獅子型に捕まった!
「し、シ文!」
「逃げろサク花ちゃんい! 俺達の分まで生きるんだアアい!」
 私が投げ出された場所は地下水! 私は蜘蛛族故、このままでは死ぬ!
 でも私は三名に助けられた!
 だから私は生きないといけない! 三名の命と私の命!
 釣り合わせてでも私は生きなければ代償にならない!
 そ、う、し、ああぁあぁぁぁ……




 目を覚ました時、私は目の前の光景よりも腹の虫に餌を与える事を優先。
「この島の食べ物は?」

一兆年の夜 第十五話 物々交換から貨幣へ(三)

 ここを見渡すと砂浜には大量の骨が埋め尽くされている。中にはわかめが絡み
ついた者も。
「海にも銀河連合が生息するんのか? このわかめが食べられるんのかな?」
「良くないぶ! 死んだ者に付着しぶ物を食べぶなど神様への礼に欠く行為!
 いいぶ、絶対に漁っぶり食べぶりするな!」
「ご、ごめんなさい。僕が浅はかだった!」
 マルコ君は自分の注意不足な言葉を悔いた。それにしても腹の虫が五月蠅い!
「ごめんい。ラテスプリを置いてきたい!
 俺はこんな時に美雌の腹の虫を抑えられないとは甲斐性無き雄だよい!」
「あなたのせいにしない! 腹の虫を抑える力がない私の責任。
 それに私はラテスプリを交換してない。食べる資格はない」
 それが物々交換における礼儀。勝手に食べたらそれ相応の償いをする。
 あら? 誰かしら?
「五月蠅いがん! テメエらは死んだ者達の前で気軽に喋んじゃねえぞっど!」
 あれは鰐族? 彼の名前はなんて言うのかしら?
「お前の方が五月蠅い! なんて名前なんだ?」
「子供の癖に俺に生意気な口を利くとはぜん! いいだろっぞ、聞げん!
 俺は大応神町から来た応神鰐族のヤマビコノゲデルミキだん!
 齢は三十にして一の月と八日目になるっだ!」
 三十ってことは私より年上? それじゃあ私は目下の者として礼を振る舞おう。
「そこのお嬢ちゃんっぞ? 綺麗だから別に俺の気遣いしなくて良いぜん!
 それより俺はもう名乗ったんだから野郎三名と美雌一名の名前を聞かせろ
っが!」
 礼儀は学ばないといけない。シ文もブラグロもマルコ君も顔が怒ってる。
「俺はラテス蜻蛉族の正岡シ文い。齢二十七にして五の月と一日目になるぞい!」
「俺はラテス豚族のブラグロ・クロレット! 齢二十八にはなぶが、月と日はわかん
ない!」
「僕はマルコラーニフ・ベンジャロボロス! マルコって呼べよ!」
「出身と種族名、それに齢を言わんかっぞ!」
「はいはい、ラテス栗鼠族で齢は十六だ! これでいいか?」
「次はそこの綺麗な雌さんの番だっず!」
「アア、好きじゃないよこの鰐野郎は!」
「私の名前は糸井サク花。花の読み方は『か』と呼ばず、『はな』と呼ぶ。出身及び
種族名ははエウク蜘蛛族。齢は二十九にして三の月と十四日目。
 職業は先祖代々鳥系の種族の子供服を自分が出す糸で作る。
 そして、それを売る。貰った物で生計を立てる。これで良い?」
 あれ? この方の口は三十度開きっぱなし。どうした?
「そ、そこまで自己紹介をするなんて俺もまだまだ修行が足りないなず。
 そんなに自己紹介されちゃあ俺もそれ相応に何かお礼をしないと良くないっぜ!」
「するのかい? ど、どんなお礼をするんだい?」
「野郎三名にするんじゃないのはよく覚えておげん!」
「知ってるんよ!」
「んなこと言ってぶ間に銀河連合がこっちにやってきぶぞ!」
 ぎ、銀河連合! ま、まだ土竜型や獅子型は死んでいない!
「お礼がしたいってのに何で銀河連合が二体増えてんだん!」
 二体? じゃ、じゃあまさか--
「こい、この銀河連合は知らないぞい!」
 こ、これって蛙族? いえ、馬族にも見える! な、何なの!
「あいつらは他種族どうしの交尾はやってはいけないってのにそれすら平然とやる
っぞ! だからこそそんなモノが生まれてくるんず!」
 なんて言ってる場合じゃない事もよくわかる! に、逃げられる?
「と、とにかく逃げぶしか俺達に生きぶ道はない!」
 私達は骨で埋め尽くされた浜辺を走った! シ文に持ち上げられて飛び回った!
 そして逃げた先はほの暗い洞窟内。つまり--
「私達は逃げ場を無くした」
プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR