インデックス

 さあさあ、本番直前のリハーサルという事でこのブログについて紹介しましょう。これは三日坊主の悪あがきという名称で自分自身が飽きっぽく、何をやっても長続きしない事からそう総称しました。目的は現在絶賛休載中の『一兆年の夜』を読んで貰う為のブログで御座います。
 オリジナル版を読まれたい方はこれをHP版を読まれたい方はこちらをどちらも独自のウィンドウで開くようにしてます。
 内容の方はオリジナルもHP版も変わりありません。あるとしたらHP版の方が誤字脱字は少なく、やや読みやすい所でしょうか? そんだけです。
 因みに更新情報は雑文や趣味で連載してる『格付けの旅』やFC2小説で趣味として連載してる『アズナーの戦士神計画』、そしてHP版の情報のみ。序に九つ目以降の更新情報は最も古い方の更新情報を一つずつ削除する事に成りますのでその辺を宜しく。
 それから更新情報以外も紹介すると連載中なのが下記四つ。休載中なのが三つ。完結済みが僅か一つ。ほとんどが更新情報に載らずにFC2小説で執筆してる作品ばかりですので読まれたい方は自由にクリックを。但し、FC2小説での執筆はブログと違うのでご注意を。
 それじゃあどうぞお楽しみを。

 今週は……済まん、続きは来週か再来週に成る。



 今回は棒だけで勘弁してくれ。

 連載中
 一兆年の夜 
 格付けの旅
 アズナーの戦士神計画



 
 休載中
 一兆年の夜外伝  二前 二後
 ハヤトは死なず 2
 ブラムヘイム 2 3 4


 完結済み
 二つを彷徨う魂 2 3 4 5 6 7 8
 ヴァイオレンスバレット  


 お詫びの実験作
 狂言師我聞 試作品 
 お金様 試作品   続々




 更新情報
 四月二日   雑文及び格付けの旅青魔法の章03の一ページ目及び二ページ目を更新。
 四月八日  HP及びアズナーの戦士神計画更新。
 四月九日   雑文及び格付けの旅を更新。
 四月十五日   HP及び格付けの旅及びアズナーの戦士神計画更新。
 四月十六日   雑文及び格付けの旅青魔法の章03の二ページ目及び三ページ目及び四ページ目を更新。
 四月二十二日   HP及び格付けの旅及びアズナーの戦士神計画更新。
 四月二十三日   雑文及び格付けの旅を更新。
 四月二十九日   HP及び格付けの旅を更新。


 予定
 H29年5月1日~6日   第六十七話 ???? 前篇          作成日間
     7日~13日   第六十八話 ???? 中篇          作成日間
     14日~20日  第六十九話 ???? 後篇          作成日間
     21日~27日  第七十話  優央の記憶 終わりの序章     作成日間


 
 予告
 そろそろイン何とかさんを見やすくし四日と考える自分が居るけど、うーん。今のままで良いのかな、それとも大胆に変えるべきかなあ?

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(終)

 午後七時零分零秒。
 場所は真古式神武大陸藤原大中臣地方鳳凰堂山標高成人体型八百六十七。拠点型銀河連合中心部。
(ヘ、左腕の感覚はもうねえな。さっきまで激しい痛みで意識を失いそうに成ったのに……俺が変に成ったかな?)
 烈闘が失ったのは左腕だけじゃない。視力も失う。彼は真っ暗な世界で残りの五感のみで銀河連合の群れと今も戦闘を続ける。既に限界を越えた体力、骨だけで支える全身。何よりも参謀型の放つ音波に依って聴力もまともに働かない上に調子が大きく狂わされる。そんな中でも並み居る指揮官型を三体も倒すという荒行をやってのけるだけあって既に烈闘の戦闘能力は天から与えられし物とみて間違いないだろう。
 それでもここでもう限界が訪れる。自他共にそれを認める。特に烈闘は始まる前から既に死を覚悟していた上で僅かな可能性に懸けて生きる覚悟も示してきた。だが、もうここで幕を引くしかない。烈闘はそう考え始める--もうすぐ右腕も切断されようとしてる中で烈闘は長い思考を始める。
(思えば俺はここまで良く頑張った。ねーねの遺志を受け継ぐ為に力以外の術も頑張って身に付けて来た。結局誇れるほどの知識も頭の使い方も出来なかったな。出来たらこんな場所でも参謀型への対処法も思い付くのになあ。でも後悔はしないな。
 但し、心残りがある。死ぬ前に優希と優央、それに--を。三名の顔を見ずに死んでゆく事だろう。俺はあいつらの顔を見ずに死んでゆくとはな。おっと躯央も居たな。まあ躯央なら問題ないだろう、見慣れてるから今更だ。
 後はもしも俺達真古式神武が大変な事に成ったら……今更そこで考えてしまうなんてな。良くないな、これは。新天神武にせめて俺の子供達が流れ着くのを願うなんて俺は……はあ、どうかしてるぞ。今更二つが合わさった国の遺伝子がななの作り上げた新天神武に辿り着いて三つ全てが一つに集約される日を望みなんてよお。
 ……望み? そうだ、まだ俺は生きてる。生きてる限り俺はこのまま銀河連合に食われる訳にはゆくまい。五感を集中させろ。視力は残念な事に使い物に成らないのはわかる。だったら聴力を。幾ら狂わされた耳の力でも拠点型の心臓部が何処にあるかを知らせてくれる筈だ。それでもずれが生じるなら嗅覚を頼れ。銀河連合の匂いを嗅ぎ分けろ。匂いでも自信がないならば肌で感じ取れ、そして味わって識別しろ!
 五感全てを手繰り寄せて視えたその先には……死を与えし鼓動が凡そ成人体型にして俺の身長三百個分より少し先まである。分厚いなあ、五感で視た感じだとそれは。でも俺なら出来る。俺の肉体だって使ってやる。今の俺を動かすのはこの命だ!
 それじゃあ最後の仕上げと行こうか……全生命体の希望としてな!)
 烈闘の動きは加速を始める。最初の一秒間に風の速さを超え、それからコンマ二で音の速さを超えた。そして、全身をすり減らしてでも烈闘が繰り出すのは亜光速の領域。彼は肉体を捨ててまで亜光速に到達。己の思う通りの位置に突入--拠点型の心臓を突き破って見せた!
(どうだあああ--)
























 未明。
『ここは何処だ? 俺は誰なんだ?』
『--気付いたか、烈闘。ここは想念の海……君はもう直ぐ想念と一体化し、生前の記憶を全て失う』
『そうか。俺は死んだのか。じゃあ俺は、俺のやって来た事は意味ない物じゃなかったんだな』
『--残念ながら君が命を賭して敢行した物は……拠点型を全て滅ぼす事が出来なかった。奴らの中には医者型も存在した』
『そうか。治す事を専門とする銀河連合も確かに居たんだな。益々あいつらはやりにくく成るな。ところで俺の名前は何て言うんだ? 俺の記憶が全て失うって聞いたけど、その前に大切な者達と再会したい。声を聞きたい。どうだい、出来るか?』
『--無理だ、烈闘。君は彼らの声を聴いても思い出す事が不可能さ。何故なら君は既に脳も存在しない。魂だけの存在では個が記録されても生前の記憶は全て意味を為さない。それに』
『それに?』
『--後少しで君は想念の海に溶け込んでしまう。もう僕の力ではどうしようもない。御免よ、天同烈闘。僕は君達の時代に干渉出来るのはここまでだ』
『そう、か--』
 やがて天同烈闘の個は溶けてゆき、二度と現世に戻る事はない……
























『--以上が大陸藤原を我が物にしようと試みた天同烈闘の冒険譚の全て。烈闘が命を
懸けて鳳凰堂山を支配する超拠点型銀河連合を倒す試みは更に厄介な医者型銀河連合
と言う存在に依って阻まれた。やはり情報を知る事は戦を制する一番の鍵であったな。
烈闘は姉である天同メラリマが遠征するまで耳に蛸が出来るくらい聞かされたのにも
拘らず、結果を早く求め過ぎたせいでそれを怠ってしまった。
 成程、七つの罪を自覚させる清麻呂の森とは銀河連合が作り上げた森ではないな。あれ
は神々自らがそれを我々全生命に籠めた報せだったんだな。どれだけの力を持とうとも
性急は時として生命を怠けさせる。時としてその罪を少しでも理解してさえいれば烈闘は
意地を張らずに済んだ。神々は全生命体が利が得られない可能性があったとしても
全生命体に知らせたかったんだな。
 何、この遠征で何が得られたのか? その前にこの遠征に依って真古式神武はどれ程の
損失を被ったのかを記さねば成らない。損を知らずして明日は作れない。私は合理的な
生命故に良い事ばかりを記していたら同じ失敗を繰り返して進歩しない者達と同じに
成ってしまう。故に今は何を得たかではなく何を失ったかを詳細に記さなければ
いけない。
 御免、詳細ってのは真実ではなかったわ。簡潔に纏めてあげるわ。えっと損失は次の
通りよ。先ずは者的資源。これはどの世界でも共通する財産だわ。ほら、物よりも生命。
生命の命ってのは大事じゃないの。誰だって身近な生命が死ぬのは好まないじゃない。
合理的な私だってそう。それが先ず大きな損失よ。実際、実働部隊の大半が失い、
救出活動に向かった五万もの補給部隊は生き残りを利用して待ち構えていた銀河連合の
大部隊にかなりやられ、戻って来たのはたったの五分の一。一応私も始め生き残りは殆ど
救出する事に成功はしたわ。でも真古式神武としては十万以上の軍者を失ったのは大きな
痛手よ。本当に明日を危惧される程のね。
 次が物的資源。あらかたの包丁、望遠刀、鋭棒、刃を使い果たしたわ。食糧だって
どれだけ消費したのかは詳しく載せない。でも経済の混乱を招いたのは事実ね。何しろ、
戦いにはお金が必要なのは誰もがわかる事ね。特に経済が好調の時にそれを行おうと
するんだからその損失は計り知れないわ。特に食糧事情は笑って済まされる話ではない
物ね。本当に明日をどうやって生きるというの。
 最後は意欲。どの世界でも敗れたら誰だって意気消沈するわ。これを取り返すのは
並大抵の時間を掛けてしまう物ね。誰もが烈闘に対して怒りの声をぶつけたく成るわね。
でも怒りをぶつける根性はもう何処にもない。今、こうして記しながらも外を見渡すと
表情が暗い生命が良く見えてしまう。彼らは生きる希望を失った。折角、天同烈闘が
全生命体の希望に成ろうと頑張っても結果が伴わなければ余計な努力として処理
されてゆく。敗れたら何も残らないとしたら努力なんて意味ない、合理的ではないと思う
でしょう。私だってそう考えるね。それくらいこの敗北は真古式神武国民の意欲を
根こそぎ失うに等しい。
 それでも私はこう結論付ける。例え今が、身近な明日でもこの戦いは何の意味もないと
断言されても大分離れた明日。その時に成ってみんなは改め直すね。この戦いは意味が
あったと。天同烈闘を始めとした武者達は大陸藤原を我が物にしようとして決死に生き、
決死の思いで果てた。決死の思いで戦い生き残ってしまった私は決して彼らの戦いに怒り
をぶつけない。寧ろ称賛に値する。私に合理を越えた何かの光を齎した事はこうして。
 いけない。執筆中に涙を流すなんてらしくない。兎に角、コウモレ・リックマンから頼まれた
白紙への執筆作業はもう直ぐ終わりが来る。これで最後にする。最後まで読んで下さって
有難う。きっとあの世で天同烈闘も喜んでいると思う。
                     代行執筆者 ソフェラ・レオルマンより』

 ICイマジナリーセンチュリー二百五年四月六十六日午前十一時零分十七秒。

 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇 完

 第六十七話 ???? 前篇 に続く……

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(八)

 午後五時十八分二十六秒。
 場所は藤原道長地方。隠れた洞窟が開通される。そこは後に純友洞窟と呼ばれ、清麻呂の森以外で通る道として密かに伝わる事に。但し、その洞窟は大中臣地方から通る場合は問題はない。だが、道長地方より向かう場合は命の保証がない。どうゆう理由かは今の所明かされはしないが。
 さて、一番乗りで外へ出る生命はコウモレ・リックマン。彼は烈闘の言いつけを守って隠された陸路を発見して見せた。だが、彼の心はそれとは裏腹に悲しみで満たされる。
 そんな彼を励ますべく二番乗りで出て来るのはギャレイ出と背中に乗る妊娠一ヶ月目に入るであろう優希だった。
「貴方は良くやったわ。烈君は期待を込めていたんだわ。安全とは言えないけど、貴方だったら発見出来ると信じて!」
「ぢま烈闘様ほ帰らないんですや。えよ、言葉ご厳し過ぎますに」と反省しつつ次のように訂正するコウモレ。「烈闘様ほ前せこ向けないんど。意地わ張って生きる道わ模索してこなかっと!」
「マンマロートの死で余計に背中を見なくなったんだあああよ!」
「……行きましょう、ギャレイ出」
 何処ね行かれるんですこ、優希様--とこの入り口から入るのを何としても止めるべく羽を大きく広げて妨げに行くコウモレ!
「退きなさい、コウモレ・リックマン!」
「退きません、優希様」
「そんなにここから入るのを阻むんかああよ!」
「そうです。何故のろここころ入るた平衡感覚わ失い、気ご付くた足下わ掬われるようね地形ご形成されてるなです」
「それでも……それでも私は天同優希という名前に誇りを持って戻るのです!」
「それぢもお通しほしません!」
 意地でも優希の為に必死なコウモレ。ギャレイ出はどうしてかを尋ねる。様々に質問を変えながら。すると次のような答えが返ってきた。
「烈闘様ほ希望わ体現せち前ね進まれました。僕ほ烈闘様な言葉ね従ってもう一つな希望ぢある優希様たお腹なお子様ねほ生きて真古式神武な明日わ作って貰わないたいけないなです!」
「コウモレさん、貴方は……それを鵜呑みにしたのね」
「鵜呑みぢほありません。烈闘様わ信じるころかさその言葉ま信じられるなです!」
 ううう、雄ってどうしてみんなそんなに勝手気ままなのよ--と優希の瞳から涙が溢れる。
「ウワアアアアアん、優希様ああああん!」
「行きましょう、優希様。早く補給救出部隊ね連絡わ取ってかな先ぢ追われる仲間達な救助ね向かわないた助かる命ま助けられませんや」
 戦う生命と去る生命。これは一体どうゆう基準で決められるのか? 遠過ぎる過去に於いてもそれは全く見出せない。いや、見出す頃には既に手遅れなのだから……

 午後六時四十三分二十一秒。
 場所は鳳凰堂山標高成人体型六百六十五南側。
 そこで合流するは右前と右後ろの足を骨折し、流れる水に骨折部分を掛けるソフェラと齢十七にして一の月と四日目に成る藤原飛蝗族の少年藤原バッ戸。
「何何かしいら、坊やや?」
「生き残りだかだ? 会話だできるだという事だは本当だに生き残りだなのだなだ?」
「ええ、死にい損ねたわねわね」
「何だ、その血だで濡れた紙だはだ?」
「あらあら、写しいは既にい出来てるけど……それにい破けてるわねわね。全く全く学者の格じゃないいわわ、私ってって」
「どれどれだ?」バッ戸は入念に確認する。「これはだ八割方だ血だが覆っていてだもう無理だなだ」
「はあはあ、写しいしいか歴史的資料としいての参考にい成る物はないいねね。折角命を懸けてこいいつを手にい入れたのにい……烈闘様は本当にい報われないいわねね」
 いやだ、そうでもないだ--とそれに賛同しないバッ戸。
「どうしてどうして?」
「俺だはここだへ来ただのは旅者感覚だでしかないしなだ。だからだ、遠征部隊だの重要性だも良く知らないしだわかる筈もないだ。それでもだ、俺だはわかるだ。烈闘様達遠征部隊だがやって来た事だは決してだ意味だのない行為だではないだ!」
 そうそう、それで良いわわ--と何だか返す言葉が見つからずに呆れるソフェラ。
 さて、バッ戸だが……彼はここだけの生命ではない。後の話で主要な存在感を示してゆく。その話についてはこの話に集中する以上はまだ語るまい。

 午後六時四十七分一秒。
 場所は純友洞窟中間地点。
 そこで何かを観察するは齢二十にして三の月と十日目に成る蘇我梟族にしてフク兵衛の亜流の血を引く青年蘇我フク五郎は岩肌を観察する。
「ふむううふむうう、これが噂の大陸藤原の謎を解明すうううるに相応しい岩肌だな」
 あんた本当に亜流の雄なのか--とツッコミをするのは齢十九にして二十七日目に成る仁徳人族の少年レイデル・バルケミン。
「そうゆうお前こおおうそ岩の種類も知らんだろ、このバルケミンのおおう面なしよ」
「良いや何となくわかるんだよな、この良くわからない地図を頼りにしたらねえ」と龍脈地図の写しを既に持っていたレイデル。「この地図は地図研究を専門とする俺を唸らせる新発見物だ」
「ふううん、それで水の惑星の謎の解明に繋がる物かああ!」
「でも近付く筈さ。近付けるからこそ今度こそ俺の代でバルケミンは最後の瞬間を輝かせられる」
「いや、その前ええにレイデルの坊主」
「何だ?」
 まだまだ親戚がたくうううさん居るだろおおおう--とバルケミンはまだ家系として絶えない事を告げるフク五郎。
「それでも天同家と同じように長く続く家系は絶対存在しない。これは真理でね」と歴代のバルケミンらしく見通すような事を口にする。「万物始まりのある事象は何れ終わりが訪れる……俺の一族だって頑張っても後四百の年も続くか微妙だぞ」
「余り言いいいううではない、レイデルのおお坊主。蘇我フク兵衛の一族だってその時が訪れえええるまで精一杯何かを残そおおううとすううるんだ。俺達はその時まで抗あああい続けなければいかないぞおお」
 はあ、どうだろうな……始まりも終わりもない存在にも成れない俺達が幾ら足掻こうとも想像の海は必ず俺達をそこまで至らしめるからな--と更に何かを知ってるような口振りをするレイデル。
 さて、この二名も次の話で重要な役割を果たす。次の話を始める為の下準備として紹介した。
 では次からいよいよ天同烈闘の壮絶なる最後をお見せしよう。果たしてそれは我々の想像通りであるのか?

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(七)

 午後一時十四分四十八秒。
 場所は拠点型銀河連合内部。
 数百もの百獣型が侵入者を見下ろす。侵入者の名前はヤマビコノシデノミチ。彼は折れ曲がった金棒を片手に並み居る百獣型と戦闘を仕掛けようとしていた。
「さあ、降りて来い!」命知らずなシデノミチは挑戦的な発破を掛ける。「俺端百体抜きだってやってやる鬼だから那!」
 その挑発に乗せられた百獣型の一番下段の列は一斉に襲い掛かる。彼らの動きは普通の生命では捉えるのが難しい。技量でも申し分ない。だが、それ以上にシデノミチの戦上手が光った--一体を折れ曲がった金棒で串刺しにするとそのまま振り回して一体又一体と入念に対応し、僅か一の分も経たない内に全滅させた!
「もう金棒端使い物似成らん。これから端肉弾戦出お前達於全て片付けてやる!」
 右拳を左手で覆い、骨を鳴らすシデノミチ。それから反対の手で同様の事も行い、奴らを挑発する。シデノミチは腕に自信があり、己がやられる未来が見えてないように映る。
 そんな彼の背後より静かに、音を立てずに接近する海中種族のような形をした銀河連合。それに気付かないシデノミチではない。だが、その動きを察知すると同時に二段目に下段の列に居る百獣型が一斉に降りて来た。初めて呆気に取られたシデノミチは武者が先ずやってはいけない行動をしてしまった!
 それは……目先の銀河連合に気を取られえる事--即ち、背後より現れた銀河連合はそのまま彼の左肩を抉り込むように喰らった!
「ウグアアアアアア、俺牙あああ……」
 シデノミチが目にする参謀型銀河連合……情報通り賢い行動を採る個体。そして心が揺れたシデノミチに向けて和の協力がまま成らない音を放って、眩暈を起こさせる。それからは降りてきた百獣型数十体に依る執拗なる捕食。シデノミチは確かに敗れた。だが、武者として最後まで戦った事と己を破った銀河連合に敬意を表して自ら喜んで喰われていった……

 午後二時零分四十二秒。
 最奥まで辿り着いた烈闘。既に倒した指揮官型の数は十三体目。六影包丁は後一回使えばもう一回斬っただけでは銀河連合を倒す事が不可能なまでに錆が進行する。
(今……シデノミチの喜びの声が聞こえた。あいつめ……力を認めていたのにあっさりと食われてよお)
 烈闘は確認こそしない物の、僅かな胸騒ぎ一つでシデノミチの死を感知。だが、シデノミチに悲しむ余裕はない。目の前に指揮官型に体が聳える以上は涙を流す暇はない。包丁を構えて対処するだけ。
「銀河連合……どうしてお前らは悲しみを広げるのが好きなんだ? 俺達は今でも理解出来ないんだ。お前らだって仲間が死んだら悲しい筈だ。悔しい筈だ。なのにどうしてお前達は平気で仲間を捨てる事が出来るんだ? どうしてそのような道を外した行為に染まる事が出来るんだ? 教えて……ウグ、危ないなあ!」銀河連合が会話に応じ擦る筈もない上に礼節を弁える事もしないのはわかっている……わかってても烈闘は全生命体の希望として説得を試みるのを躊躇わない。「ねーねを食べた時だってお前達はそんな事が出来るのか? シデノミチはお前達に敬意を表して食べられたんだぞ。理解するだろう、お前達がもともと一つの存在だったら理解……ウグ、話を聞けよお!」
 風を超える速度と更には会話をしてる相手に許しを取らずに襲う姿勢を持ち、尚且つ剛胆の舞と疾風の舞の両方を扱える指揮官型を相手に烈闘は薄皮一枚で何とか躱すしかない。
(はあはあ、それと空腹も関係してるよな。まあ二体同時に相手をするんだからこれくらいで愚痴を零す訳にはゆかないなあ)
 そう考えつつも肉体は戦いを学び、背後から攻める指揮官型が足を転ばすのを五感を駆使して確認すると素早く疾風の舞でそいつの左脇の付近まで接近。鎌鼬流に似た足運びで仰向けに転ばしに掛かると地面に到達する前に拾い上げて向こう側に居る指揮官型にぶつける--と同時に顔面に一突きで決めた!
「はあはあ、これで二体同時に……もう六影包丁は使い物に成らないな」包丁を手放した烈闘はこう吐き捨てる。「どうやらこれで俺の死は確定したな……大笑いしながら死んで行け、お前ら」
 烈闘は指揮官型二体の死体を右横に避けるように通るとそのまま心臓部のあると思われる黒き穴に向けて走り出した……

 午後三時零分十九秒。
 ようやく拠点型の心臓部に到達した烈闘。
(俺が見たまんまだな。ここから先をどうやって変えるかは楽しみだな。もう後戻りは出来ない俺でも少しは未来を変えられるんじゃないかって思えるんだよな。ねーねがそうして来たようにそれから死んでいったあいつらが、マンマロートがそうして来たように俺だってやれそうな気がするんだな。まあやってみなくちゃわからないが……いや、やろう。その為に俺は二十年も生きたんだ。総合年数に直すと何というか短い年月だが、それでもその短い年月で俺はこれだけ進んだ事を誇らしげに出来るんだぞ。未だ残る子供心が躍るじゃないか!)
 と考える烈闘を待たせない心臓型は数千もの指揮官型で烈闘を取り囲んだ!
「オイオイオイオイ、洒落に成らないな。せめて辞世の句を考える時間をくれ。お前らがくれるとは思わないけど」
 ところが指揮官型数千は動かない。代わりに指揮官型の中から顔を出す海中種族のような何かが飛び出し、和が協調されない音を放つ。その音に全身が抜けるような感覚に陥る烈闘。
(あいつが噂の参謀型銀河連合。何て心地良くない音だ。あんな音を考案するくらいならどうして言葉を実際に使おうとしないんだよ。そうすれば俺達は……俺達は!)
 だが、銀河連合は烈闘の思いを踏みにじる事には躊躇しない。指揮官型は一斉に包丁のような何かを投擲!
(目を瞑れ……そして俺自身を見極めるんだ!)
 その何かは一斉に衝突!

一兆年の夜 第六十六話 烈の闘い 烈闘の最後篇(六)

 午後一時三分零秒。
 烈闘は指揮官型の猛攻を躱すので精一杯の状況。巧みに舞を駆使する事で紙一重の所で躱すも反撃に転じるにはまだまだ読みが甘い模様。
(シデノミチが居たら直ぐに反撃に転じて一撃なんだろうけど……それくらい俺はシデノミチを頼りたくなるんだよ)
 指揮官型の速度が烈闘より速いのは明白。風より速く動く上に何と三度も烈闘の背後を取って見せる程の機動力を披露。故に烈闘は先手を取れないでいた。
(会話術は通用しない。あいつに会話が通じたら始めからある生命は戦いという選択をしない。会話が通じないからこそ俺達は生き残る術として戦う道を選んだ。そこに……うぐ!)
 烈闘は突然、胸の痛みを患う。その隙を突いて指揮官型は唐竹割を敢行……が、心は静止しようとも肉体は生きる事を希望--やはり紙一重で寸での回避を見せるのだった!
「胸が痛む……俺達は気付かぬ内に胸の痛みを患っていたんだな。戦う選択をした時から」そう口にする烈闘は信じられない動きを見せて何と紙一重の回避と同時に逆さ唐竹割で指揮官型を一閃するではないか。「それがわかるとこんなに軽やかに成れるんだな……優希」
 妻の名前を口にする事で胸の痛みを少しだけ和らげる烈闘。どうして今に成って胸痛を患うのか? それは次のような考えだと考察する烈闘。
(戦う事を選択した時からじゃない。銀河連合を死なせる事をしてからこの胸の痛みは始まった。元々俺達の罪に死なせる罪はなかった。それも間接的ではなく直接的な話の罪は。だが、熊族の少年ベアール・真鍋が銀河連合を直接死なせた事からこれは始まったんだろうな。ずっとこれに苦しめられ続ける先祖達。気が付けばその痛みは気付かない物として処理されてゆく。けれども俺がこの痛みに気付いた時に思った。俺達はずっとこの錘を身に付けていたんだな。でも何処で気付くきっかけが出来た?
 ……そうだ、俺が独自の神々への呼びかけをした時に別の誰かが俺にその痛みを気付かせたんだ。あれは果たしてどれだけ明日の生命だ? 俺にこれだけの事が出来るなんてとても普通を越えている。いや、異常で片付ける程の能力じゃない。前に躯央くおうからある話を聞かされた事がある。どんな話かなんてもう忘れちまったな。
 まあ良い、大陸藤原を我が物にしたら改めて聞くとしようか)
 そこで考察を止めて足は動き出す……

 午後一時六分八秒。
 場所は拠点型銀河連合南側出入り口付近にて。
 全身傷だらけに成りながらも右手に折れ曲がった金棒を掲げるはシデノミチ。彼は指揮官型三体に取り囲まれ、一発も攻撃が当たらずに切り傷だけを増やしてゆく。
「全くすばしっこい奴らだ。俺於相手似三体掛かり斗端何処まで模臆した病似罹っておる那亜!」
 会話ダッテ最後まで聞く耳など持たない三体は勝手に喋るシデノミチを好機と踏んで切り刻む……いや、喋ってる筈なのに薄皮一枚の差で切り傷しか与えられない。それだけにシデノミチは三体の動きを既に見切っていた。
 真実である。その証拠に背後に居る一体が功を焦って最大速度で横薙ぎ斬りを敢行--と同時に奴の胴体は逆さくの字に折れ曲がったまま高さ成人体型四十まで飛ばされ……着地と同時にシデノミチの左足で首を踏んづけられ絶命!
「さあ残り端二体だ。噂乃参謀型端何処科なあ?」
 未だに力を持て余すシデノミチの前に形勢不利と見た二体は拠点型の中へと姿を消した。
「引き際於心得ている相手程やりにくい物端ない那。さあ、烈闘様端無事似拠点型乃心臓部於倒せますかな?」

 午後一時十分一秒。
 サイ電は二名もの無名なる犀族の少年に救出され、モノ気の無い場所まで運ばれた。二名は賢明な治療を試みるも……既に時は遅し。幸い、遺言を聞く時間は設けられた。
「どうして命の息吹がどんどんなくなっていくんだあい」
「ねえい、しっかりして下さあい!」
「はあはあい、二名に、告げらあい。ど、うか、生き残って、ク、く、れ、ァ、ぃ……」
 そこで藤原サイ電は二十一年もの短き生涯に幕を閉じた……
「うううう、うおおおおおおおおい!」
「無くない。お前は聞いただろい。僕達だけでも生きて真古式神武の未来を作り上げるんだい!」
 そうしてサイ電の遺志は少年二名に受け継がれてゆく……

 午後一時十一分四十七秒。
 顔色も蒼白く、今にも目を瞑りそうなエリフェルスはソフェラを背負って巨木から巨木へと跳んでゆく。彼は最後の命の炎を燃やしてでも銀河連合の追手が届かない場所まで彼女を運んでゆく!
「もうもう、良いいのよのよ!」
「良くなえい。良く、なぜえよう」
 そして最後の跳躍を果たし、枝に体を凭れた状態でエリフェルスは倒れる。その反動で思わず枝の下に落っこちて左後ろ足と左前脚を折るソフェラ。
「イデイデ、ハアハア……こんなの合理から外れるわわ。どうどうしいて毒が回っておきながらそこまで命を懸けてしいまうのよのよ!」
「はあはあ、毒が、毒が回り、過ぎて、るぜえい。だから、考える事、は、一つ、だけえよう」
「そんなのそんなの良き事の押しい売りいよよ。僅かな可能性でも……いや、それそれが私の主張する合理性よねよね」
「君に免じて、遺言ぜよう。何時か、かなら、ず、この大陸、を、我が、物に、して、くれえよう……」
 わかったわかったわ、エリフェルスさん--ソフェラはその遺言に従って骨折箇所を無理矢理接合してこの森から出る事を決意した!
 エリフェルスは確かに毒が元でこの世を去った。けれどもエリフェルスの遺志は若き炎であるソフェラが受け継ぎ、希望と成って水の惑星中を駆け回る事と成る……
プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今は比較的安定した状態だ。

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